
冷蔵庫の電気代はどれくらい?【新旧機種を比較し節電方法を解説】
冷蔵庫は24時間稼働させる前提で設計されていますが、古いほど電気代がかかる傾向があります。一人暮らしの小さい冷蔵庫でも古いモデルは意外に電気代がかかってしまうこともあるのをご存知でしょうか?節約に役立つよう大きさや年式による比較や、電気代の計算方法をご紹介します。
2021/12/21 更新
目次
一家に一台、かならず設置してある冷蔵庫。24時間稼働させる唯一の家電でもあるため、電気代はどうしても気になりますよね。どんなに電気代がかかっていても電源を落とすことができないため、仕方がないと割り切って使い続けることもできますが、状況によっては新しい冷蔵庫に買い換えた方が良い場合もあります。
冷蔵庫は新しい機種であればあるほど電気代が安いという傾向があります。その差は10年でおよそ3倍まで開きます。まだまだ現役だと思って使っているその冷蔵庫、もしかしたらとんでもない電気泥棒かもしれません。
とはいえ冷蔵庫はそんなに簡単に買い換えることができませんよね。この記事では少しでも電気代を抑える工夫や、新しく冷蔵庫を購入する際に気にしておきたいポイント、おすすめの買い換えタイミングなどを解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
家庭内では様々な家電を使用していますが、全国平均では冷蔵庫の年間消費電力は家庭内の14%を占めると言われているのをご存知でしょうか?もちろん家族構成、冷蔵庫の大きさ、年式によっても電気代はかわってきます。
一人暮らし用の小型冷蔵庫は、大家族用の大きい冷蔵庫より電気代がかからないイメージを持たれがちですよね。しかし20年前や15年前の古いものだと、最新型の大型冷蔵庫より1.5倍以上の電気代がかかることがあります。
そのため、古い冷蔵庫を使用している場合は年間消費電力が14%では済まない可能性もあります。また、電気代は人それぞれであり、家族構成やライフスタイルによっても異なります。現在使用している冷蔵庫の電気代を知りたい場合は、次に紹介する計算式に当てはめて計算してみてください。
冷蔵庫の電気代は、取扱説明書やカタログに載ってる年間消費電力量と、契約してる電気会社の1kWhあたりの価格をかければ算出できます。ただし表記がWやkWとなっている場合は、使用する時間を掛け電気量に変換する必要があります。
- 電気量(Wh):消費電力(W)×時間(h)=電力量(Wh)
- kWhに変換:Wh÷1,000=kWh
- 契約している電気会社の電気料金:kWh×1kWh=電気代
電気代は実際に計算するとなると意外に面倒です。環境省が提供している「しんきゅうさん」を使えば、面倒な計算をしなくても簡単に電気代を算出することができます。しんきゅうさんでは冷蔵庫以外の家電の電気代も計算できるので、ぜひ活用してください。

各メーカーがこぞって省エネ機能を搭載したモデルをリリースしており、年々省エネ性能がアップしているのも事実。10年単位で見た場合は、年間消費電力は1.5倍も差が出ると言われています。
ここまで年々消費電力が下がっているのは、冷却効率の向上や省エネ機能の進歩など要因も実に様々です。特に故障や不具合はないとしても、経年劣化により冷却効率が落ちて余計に電気代がかかるようになるのは否めません。
電気代を重視して選びたいなら、最新機種がおすすめです。ただし冷蔵庫にも種類がありますし、夏はどうしても電気代が多くかかるので比較して選ぶのも大切なことです。パナソニックの機種を例にしながら実際に比較してみましょう。
2020年モデル
機種名 | 容量(L) | 消費電力(W) | 1年間電気代(円) |
NR-F655HPX | 650L | 290kWh/年 | 7,830円 |
NR-F506XPV | 501L | 280kWh/年 | 7,560円 |
NR-E415PV | 406L | 289kWh/年 | 7,803円 |
2010年のモデル
機種名 | 容量(L) | 消費電力(W) | 1年間電気代(円) |
NR-B143W | 138L | 290kWh/年 | 7,830円 |
NR-BW173C | 168L | 310kWh/年 | 8,370円 |
NR-E435T | 426L | 260kWh/年 | 7,020円 |
※1kWh=27円で計算
10年前の容量が小さいモデルより、最新機種の容量が大きいモデルの方が電気代が安いことがわかります。
今すぐに冷蔵庫を買い換えられない場合は、電気代を節約する工夫を取り入れるとよいでしょう。電気代を節約する6つのポイントを紹介します。
ドアのパッキンは大丈夫?
冷蔵庫のドアパッキンは、長年使っていると経年劣化によりひび割れたり緩んだりしてきます。そのまま使用していると隙間から冷気が漏れるので冷却効率が下がり、その分電気代がかかってしまうので注意しましょう。
見た目にはほとんどわからない隙間ですが、薄い紙を1枚挟んで落ちてくるようならドアパッキンの交換が必要です。ドアパッキンは、冷蔵庫を購入した店舗に依頼して取り寄せてもらうか、直接メーカーから取り寄せることができます。
ドアパッキンの点検や交換方法については、以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
ドアの開け閉めの頻度は極力減らそう
冷蔵庫のドアを開けると室内の空気が入り込み、庫内温度が上がります。一瞬ならさほど影響はありませんが、ドアを開け閉めする頻度が高いほど庫内温度は上がるので余計に電気代がかかります。
必要があり何度も開け閉めするなら仕方ありませんが、開けっ放しで物を探したり、冷蔵庫から離れたりするのはやめましょう。無駄な開け閉めは極力減らして、離れるときはドアを閉めるよう徹底するのがおすすめです。
最適な温度設定を利用しよう
夏と冬では室温が違うので、冷却効率も変わります。室温に合わせて冷蔵庫の設定温度も見直しましょう。室温に合わせて細かく温度調節をするのが一番ですが、つい忘れてしまいます。冬も夏と同じでは冷やしすぎになるので、強にしているなら中に下げましょう。
冷やしすぎにならなければいいので、チルド室や野菜室など食材に合った場所で保存するのも効果的です。冷蔵庫の温度については、以下の記事で詳しく解説しています。
急速冷凍機能など、余計な機能は使わない
作り置きしたおかずを冷凍保存したい場合は、急速冷凍しておくと劣化しにくいので長期保存が可能です。しかし急速冷凍は使用する電気量が大きいので電気代がかかります。週末や休みを利用して作り置きするような場合は、仕方ありませんが電気代を節約したいなら急速冷凍はおすすめできません。
電気代節約を優先させるなら、省エネモードがおすすめです。冷凍保存する場合は、食材を小分けにして冷凍効率をアップさせるとよいでしょう。
壁から離して設置しよう

冷蔵庫は庫内の物を冷やすために、余分な熱を本体裏、横から外部に放出します。冷蔵庫を壁ギリギリに設置すると、熱がうまく放熱されず冷蔵庫本体が熱くなり冷却効率が悪くなるので注意が必要です。
壁からは距離があっても、障害物があると同じく冷却効率が下がるので障害物は置かないようにするとよいでしょう。最低でも壁から5cm以上離すように設置するのがおすすめです。
温かいまま冷蔵庫に入れない

作り置きしたいおかずを冷蔵庫で保存する場合は、熱いまま入れると庫内温度が上がり余計に電気を使います。早く冷やそうとして上の段に熱いままの食材を入れると、熱は高い位置から低い位置へ移動するのでやむを得ない場合は、下の段に置きましょう。
それでも庫内温度は上がり冷却効率は下がるので、粗熱を取ってから冷蔵庫に入れることをおすすめします。
一人暮らし用の小さい冷蔵庫は、電気代が低そうなイメージがありますよね。しかし実際はあまり大きさは関係ありません。冷蔵庫が小さいと高性能なコンプレッサーが積めなかったりコンプレッサーのサイズが小さかったりして冷却効率が悪いからです。
小さい分性能も省かれがちになるため、省エネ性能も搭載されていない機種が多く見られます。省エネ機能を搭載しているのは、4人~5人家族向けの冷蔵庫です。ただしコンプレッサーの性能や冷却効率面なども関係しているので、大きければ良いというわけでもありません。
冷蔵庫の大きさ別電気代比較
冷蔵庫の大きさ別に、年間消費電力量と電気代を比較してみましょう。
一人暮らし用
一人暮らし用には150L~200Lの小さい冷蔵庫が選ばれています。168Lの冷蔵庫で年間消費電力が308kWh/年だと、年間の電気代は8,316円でとサイズの割には高めです。電気代を節約したいなら、二人暮らし用の大きいサイズを選ぶのもありです。
以下の記事では、一人暮らし向け冷蔵庫の選び方やおすすめモデルを紹介しています。
二人暮らし用
二人暮らしの家庭には、200L~300Lの冷蔵庫がおすすめです。230Lで年間消費電力量が326kWh/年の場合は、年間の電気代は8,802円なので、一人暮らし用の小さい冷蔵庫とほとんど変わりありません。
三人暮らし用
大人三人家族なら350L前後、育ち盛りの子供がいる三人家族なら400Lがおすすめです。412Lで年間消費電力量が252kWh/年の場合は、電気代は6,804円と小さいサイズよりも電気代が安いので意外にお得です。
四人暮らし以上
四人暮らし以上の家族には、500L以上のサイズがおすすめです。このクラスから大型冷蔵庫になりますが、500L台なら機能が重実しており年間消費電力量もサイズの割にあまり高くありません。502Lで年間消費電力量が290kWh/年だと、年間の電気代は7,830円です。
電気代を大きさ別に表でチェック!
人数 | 機種 | 容量(L) | 消費電力(W) | 1年の電気代(円) |
単身者用 | NR-B17CW | 168L | 308kWh/年 | 8,316円 |
二人暮らし用 | IRSN-23A | 231L | 326kWh/年 | 8,802円 |
三人暮らし用 | SJ-GW41F | 412L | 252kWh/年 | 6,840円 |
四人暮らし用 | SJ-AW50G | 502L | 290kWh/年 | 7,830円 |
冷蔵庫を買い替えるタイミングが分からないとなかなか踏み切れませんよね。使い方や環境による違いはありますが、冷蔵庫の寿命は8年~12年だと言われています。総務省の調査で買い換え平均は12.2年ということもあり、12年を目安にするのが良さそうです。
中には30年近く使い続けている方もいるようですが、故障しないとしても古い冷蔵庫は電気代がかかるので長い目で見た場合は、電気代がかさむことになります。節約や省エネを考えて冷蔵庫を選ぶなら、10年~12年で買い換えるのがおすすめです。
冷蔵庫をできるだけ長持ちさせたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。

今すぐに冷蔵庫を買い換えられないというなら、電気プランを見直すことを検討してみてはいかがでしょうか。同じ電気会社でもプランによって基本料金は変わります。今は電気会社を選べる時代なので、今よりも料金が安い電気会社に乗り換えるというのもおすすめです。
電気の使用容量を減らせば、毎月の基本料金が安くなるので電気代を節約できます。ただし減らしすぎると容量が足りず、頻繁にブレーカーが落ちるので減らしすぎないよう注意が必要です。
戸数の多い集合住宅の場合は、建物の管理会社やオーナーが一括で契約しているので電気会社の切り替えができない可能性があります。集合住宅で電気会社を変更を検討する場合は、事前に世帯別で変更が可能か確認しておくとよいでしょう。
冷蔵庫を買い換えるとなると費用がかかるので、なかなか決断出来ないという方も多いのではないでしょうか?しかし古い冷蔵庫は電気代がかかるので、長い目で見た場合は思い切って冷蔵庫を買い替えた方がお得になることもあります、じっくり検討してベストな方法を選んでください。