冷蔵庫が壊れる前兆を解説｜異音は危険のサイン？寿命かもと思ったら確認

私たちの生活になくてはならない冷蔵庫。毎日の暮らしを支えてくれる頼りの存在だからこそ、壊れてしまうと大変です。そもそも冷蔵庫に明確な寿命はあるのか、気になりますよね。

冷蔵庫の寿命は、およそ10年前後が目安とされています。メーカーによって異なりますが、パナソニック・東芝・日立・三菱電気といった大手メーカーだと10~15年、それ以外のメーカーでは約10年を想定しているところが多いようです。実際に、8~13年程で壊れたとの声も多く、そのあたりが概ね平均値と言えます。

突然の故障で焦らないためにも、冷蔵庫が発する異常のサインや、買い替えのタイミングなど壊れる前兆を知っておくと安心ですね。この記事では、「冷蔵庫の様子がおかしい」と壊れたかもと不安に思っている方やどこから壊れるのか、冷えないときの一時しのぎの方法など、参考にしていただきたい情報を紹介します。

冷蔵庫はどんなに静かなタイプでも、少なからず音がするものです。しかし普段聴き慣れない音がするケースもあります。以下の2点を目安に冷蔵庫を観察してみてください。

• 24時間音がなり続けている場合。一般的にドアを開けた時や、庫内がしっかり冷えている状態であれば、冷却ファンが止まり音は静かになります。
• 大きな音がする場合。温度を一定に保つためにコンプレッサーがオンとオフを繰り返すので少し音がするのですが、寿命が近い冷蔵庫では、音が異常に大きくなることがあるようです。

また、冷蔵庫から異音がする原因としては、下記のようなものが挙げられます。

• 冷蔵庫が壁にくっついている
• 冷蔵庫の裏などにホコリが溜まっている
• 冷蔵庫に食品を入れすぎている
• 冷蔵庫の動作時の振動が周囲に伝わっている

以下の記事では、故障以外でも異音がする原因と対処法を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

ちゃんと扉が閉まっているのに、冷凍庫に入れていたアイスクリームが溶けていたり、今まで作れていた氷が一定の時間が経っても出来ない場合は、故障の可能性が高いです。

また冷蔵室や野菜室の食品まで凍ってしまうなど、冷え方にムラがある場合も注意しましょう。庫内は一定温度に保つように設計されているので、通常であれば食材は均一に冷えるものですが、故障が近くなると温度管理が正確にできず、このような現象が起こるようです。

冷蔵庫のなかで食材が冷えすぎたり凍ってしまう場合は置き場所に問題があることがあります。冷蔵庫の冷気吹き出し口近くに置くと冷気によって凍りやすくなってしまいます。また、冷蔵庫には設定温度があり、温度調節できる機器なら設定温度を確認しましょう。

冷蔵庫には温度制御を担当するダンパーサーモという部分があります。ここが汁物がこぼれて可動部に入り込んだり、霜がついてしまうと故障の原因となります。チェックしてみましょう。

冷蔵庫の周りが熱くなるのは、庫内を冷やすために熱を放出するからであり、通常は問題ありません。冷蔵庫の側面には庫内を冷却する際に使ったエネルギーを外に逃がすため、熱を放出するためのパイプが通っており、ときには50℃以上になります。

しかし高温の状態が長期間続くのであれば、冷却機能の不調など異常である可能性が高まります。冷蔵庫の周りに十分スペースを設けているのに、ずっと熱をもったままの場合には、修理もしくは買い替えを検討してもいいかもしれません。

冷蔵庫内の水漏れは、冷気が放出される場所にごみが付着して詰まっているのが原因の場合が多いようです。掃除をすれば解消される可能性が高いので、まずは掃除をしてみるのをおすすめします。

床が漏れている場合は、冷蔵庫の中の水をためておく部分が破損したり、劣化している可能性があります。しかしドアを半開きのままにしていたり、頻繁に開け閉めを繰り返したりしたせいで、霜が溶けた水が流れただけの場合もあるので、慎重に状況を見極めましょう。

一部の冷蔵庫には、扉前面に冷蔵庫の操作ができるタッチパネルを搭載しています。このタッチパネルが反応しない場合も、故障の可能性が高いです。以下の点を確認しても反応しない場合は、点検・修理を検討しましょう。

• 冷蔵庫の扉が開いていないか
• タッチパネルに汚れがついていないか
• 手袋やバンソウコウをつけた指で操作していないか
• 手や指が濡れていないか

取扱説明書を確認すると、症状別の対処法が書いてあります。メーカーのWEBサイトも有力です。

故障と思っていた症状が、実はすぐに解消できるものかもしれません。故障であっても記載されている対処法を試してみると、応急処置として一時の改善も期待できます。ただし故障であれば、一時期回復しても長持ちはしません。本格的に壊れる前に、買い替えや修理を検討しましょう。

冷蔵庫のコンセントを抜き差しして、電源リセットをしてみましょう。コンセントを抜いた後10分ほど放置すべきとの説もありますが、抜いた後すぐに挿しなおしても問題ありません。ただし頻繁に抜き差しを行うと、電源基板に負荷がかかり逆効果になるので、この処置は1度のみにしましょう。

冷蔵・冷凍庫の冷えが悪くなる原因の大半は「霜」によるものと言われます。電源を切り霜を溶かす(取り除く)と復活する場合が多いようです。扉に隙間があると霜が付きやすい状態になるので、ドアパッキンが劣化していないかも確認しておきましょう。

霜取りの方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

やれることはすべて試してみたけれど、やっぱり復活しない…。そんな場合は、メーカーのサポート窓口に問い合わせましょう。どのメーカーも電話での問い合わせが可能です。ただし、海外メーカーには例外もあります。まずは症状を伝えて、どのような対処方法がベストか相談してみるのがおすすめ。

以下、主要メーカーの問い合わせ先リンクです。

冷蔵庫が突然壊れてまったく冷えなくなってしまった場合、パニックになりますよね。冷蔵庫内の食材をダメにしてしまわないように、できることをやってみましょう。

• 氷や保冷剤を入れたクーラーボックスに食材を移動させる
• 傷みやすい食材から調理に使う
• 冷蔵庫の扉の開け閉めを控える

以上は、あくまで一時しのぎの方法です。生モノは真夏でクーラーを稼働していなと心配ですが、クーラーをつけていれば3時間程度であれば問題ありません。

しかし、3時間以上になると腐り始める可能性があります。生モノは加熱するなどの対策が必要です。食材は「食べられそう」「もったいない」と思っても、食中毒の危険性を考えると処分するほうが賢明です。

冷蔵庫が故障してしまった場合、一時的な対処としてドライアイスを使う方法があります。ドライアイスは保冷剤やクーラーボックスに比べて保冷力や保冷時間に長けているため、上手に使えば一時的に冷蔵庫の代替として役立ちます。

使用目安量は20Lの冷蔵庫に対して、ドライアイス約2kgで4〜6時間、約3kgで8〜12時間の保冷が期待できます。冷気は下に向かって流れるため、冷蔵庫の上段に設置してください。ただし、ドライアイスは-79.5℃と非常に冷たいため、食品が凍ってしまわないように注意しましょう。食品や飲料には近付けすぎないのがベターです。

冷蔵庫の寿命は10年～15年ほどです。中には20年以上使用できる冷蔵庫もありますが、9年以上使用しているのであれば寿命が近いので、買い替えの選択をおすすめします。修理するための部品が生産終了していて、修理が出来ない場合も多いからです。

これから長年使用すると考えると、中古での買い替えは避けた方が無難です。新しい冷蔵庫の方が省エネ性能もよく節電になりますし、毎月の電気代が半分以下になる場合もあるので、メリットを多く感じられます。

冷蔵庫が故障した際の修理費は症状によって異なりますが、おおよそ5万前後が多いようです(コンプレッサーを交換する場合の平均)。

冷蔵庫の保証期間内であれば、無料あるいは低料金で修理できる場合も多いので、修理も視野に入れるべきかと思われます。しかし、保証が切れている状態で9万円以上となると、買い替えた方が安く済むかもしれません。冷蔵庫の今後の寿命と照らし合わせて、効率的な選択をしましょう。

料金はあくまで目安です。故障内容や故障個所によって変わります。このほか、出張費や部品代など別途かかる場合があります。

食品の匂い移りは、故障で冷蔵庫内の温度が上昇すると、より強く感じられます。掃除をしても臭いが軽減されない場合は、買い替えの合図ととらえましょう。

そのほか、ガスやオイルのような臭いがしたら要注意です。冷媒ガスが漏れている可能性があり、オイル臭は配管が破れている状況も考えられます。継続して使用すると危険な場合があるので、早急な対処をおすすめします。

故障の前兆として"冷えが悪くなった"ケースをご紹介しましたが、実は故障ではなかった事例も多くあります。故障か否かを見極めるため、冷蔵庫の状態を把握するのが大切です。

食品を詰め込みすぎていないか、扉がしっかり閉まっているか？冷えが悪いと感じたら、まずはこの2点をチェックしましょう。

食材を詰め込みすぎて、冷気の出口を塞いでいませんか？さらに扉が半ドアになっていたり、パッキン(ゴム部分)が外れている状態では冷気が逃げてしまいます。ゴムの劣化でも同じ症状が起こりやすくなるので、合わせて確認しておきましょう。

異常な音についてはご紹介しましたが、逆に、全く音がしない状況は問題ないのか？音の正体を知っておくと、より敏感に異常を察知できるようになります。

冷蔵庫の音は、コンプレッサーとファン・製氷機の動作音です。冷蔵庫が正常に動作している限り、定期的に音が鳴るのは正常です。言い換えると全く音がしないのは、冷蔵庫が正常に動作していない証拠です。一時的であれば問題ありませんが、無音が続く場合は何らかの不具合、もしくは冷媒ガスが循環していない可能性が疑われます。

冷蔵室・野菜室に食材をたっぷり詰め込んではいませんか？入れすぎると冷風の吹き出し口を塞いでしまったり、冷気の循環が悪くなるため、冷えづらくなります。庫内の容量は7割を目安にしましょう。

ただし冷凍庫だけは例外です。凍った食材同士をしっかり詰め込んだほうが、お互いを冷やすので熱効率や省エネにもいいとされます。

熱いものをそのまま入れるのもNGです。庫内の温度が上がってしまい、冷やすために大きなエネルギーを使うため、冷蔵庫の負担になります。熱いものは冷ましてから収納しましょう。

冷蔵庫のドアの開け閉めは、最小限にとどめましょう。長時間の開けっ放しや、頻繁な開閉は、庫内に温かい空気が流れ込み霜が付きやすい状態に。コンプレッサーの消耗も激しくなるため、寿命を縮める原因になってしまいます。短時間で必要なものを見つけて取り出せるよう、冷蔵庫の中を整理しておくのが理想です。

またドアは優しく静かに閉めましょう。ドアを閉めるときのバターン！という衝撃で、冷蔵庫内部に溜めている水が漏れ出し故障する場合もあるそうです。

冷蔵庫の設置には気を遣いましょう。冷蔵庫は周囲に放熱して庫内を冷やすので、壁にピッタリと接した状態で置かれていると、放熱がうまくいかず故障の一因になります。冷蔵庫の周囲は、最低10cmほどスペースを設けるようにしてください。冷蔵庫の上部にも、ものを置かないのが理想です。

冷蔵庫内にある、冷風の吹き出し口にごみが溜まると故障の原因になります。定期的に掃除をして、清潔な状態を保つよう心がけましょう。

またドアのパッキンに汚れが溜まっていると、しっかりとドアが閉まらなくなり、冷風が逃げてしまいます。掃除する際はドアも合わせて清掃しましょう。パッキンは劣化していくので、1~2年での取り換えがおすすめです。

冷蔵庫の掃除方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

冷蔵庫を買い替える場合におすすめです。新しい冷蔵庫を購入した家電量販店に、納品の際に古いものを引き取ってもらう方法になります。

手順としては一般的に、家電量販店でリサイクル券を購入し、収集運搬料を支払って引き取ってもらいます。リサイクル回収料金は家電量販店によって異なりますが、4千円から5千円が相場です。

自治体に冷蔵庫の処分を依頼できます。その場合、役所の担当窓口やごみ処理センターに問い合わせしてみましょう。冷蔵庫を回収してくれる許可を受けた業者を紹介してくれます。

廃品回収業者に頼む方法もありますが、高額を請求されるような悪質な業者も存在します。最初から安心できる業者に依頼するのが、最も安心安全に冷蔵庫を処分する方法です。

中古品として買い取ってもらう方法です。ただ完全に故障していたり、劣化が激しいものは、引き取ってもらえない場合もあります。査定金額よりも回収費用の方が多くなるケースもあるようです。

リサイクルショップに売るの検討されている場合は、お近くのお店で見積を出してもらうのがおすすめです。冷蔵庫の製造年月日や型番などを控えておくと、手続きがスムーズに進みます。

不用品回収業者に依頼するのもひとつの手です。不用品回収業者なら、指定場所まで取りに来てくれるうえ即日処分が可能です。最近ではスマホで事前に見積もりが行えたり業者が比較できたりするサイトもあります。

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毎日当然のように使えている冷蔵庫だからこそ、壊れた時の焦りと言ったら半端ではありません。冷蔵庫と長く付き合っていくためにも、日頃からのお掃除をはじめ、冷蔵庫から聞こえる小さなサインも見逃さないようにしていきたいですね！この記事が、普段からの冷蔵庫の使い方を見直すきっかけになっていれば、とても嬉しく思います。