知っておきたい冷蔵庫の処分法7つ｜処分費用・前日の廃棄準備・引き取り準備も

古くなった冷蔵庫の買い替え時や、引っ越しで不要になった冷蔵庫は、粗大ゴミの処分対象にはならず「家電リサイクル法」で定められた方法で処分する必要があります。ですが、家電を処分する機会は少なく、初めての方は何から始めたらいいのかわからず困ります。

どのようにして冷蔵庫を処分したらいいのか、また処分する前日に事前に準備すべきことは何か、かかる費用はおおよそどれくらいかなど、次から次へと疑問が浮かびます。

そこで本記事では、冷蔵庫を廃棄・処分する方法・事前準備のポイントなどを紹介します。費用をできるだけ抑える方法や、ヤマダ電機などの家電量販店での引き取り準備などについても触れていくので、冷蔵庫の正しい処分の仕方をよく理解し、処分の際に役立ててください。

「家電リサイクル法」は2001年以降に定められた、有用な部品・材料などをリサイクルして廃棄物を減らし、資源の有効利用を推進するための法律です。

冷蔵庫はその法律により義務付けられた家電（エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機・乾燥機）のうちの1つで、定められた方法で処分しなくてはならないものです。粗大ゴミとしての廃棄や不法投棄は違法になります。

小売業者・製造業者に引き渡しや引き取りを依頼する際は「リサイクル料金」と「収集運搬料金」の支払いが必要です。以下の表がリサイクル料金になります。

【冷蔵庫のリサイクル費用】

これに加え、収集運送料金がかかります。小売業者によって異なりますが、3,000円〜と想定するとよさそうです。

冷蔵庫を処分する際に気をつけたいのが中身の食材・調味料です。使い切ったり不要な物は廃棄したりして、処分の前日までには必ず中身を空にしましょう。冷凍庫内の食品やアイスも同様です。常温保存が効くものは後回しにするといいかもしれません。

またどうしても使いきれない食材は、冷蔵庫の買い替えであればクーラーボックスに一時保管をしたり、引っ越しの際の処分であれば新居にクール便で送ったりして、目的に合わせて臨機応変に対応してください。

冷蔵庫の電源を切るタイミングですが、いきなり切るのはNGです。製氷機機能の付いた冷蔵庫の場合は、はじめに製氷機能を停止させてから電源を切ってください。氷が溶け、水浸しや故障に繋がる恐れがあるので、必ず製氷機を先に止めましょう。

また製氷機に限らず、冷凍庫内の氷が溶け切るのに丸1日ほどかかるため、溶けた水を拭く作業を考慮し余裕を持って電源を抜くのが理想です。難しい方は最低でも処分の前日までに電源を切るようにしてください。

最近の冷蔵庫は霜取り作業の必要がない製品が多いですが、一部製品は霜取りをする必要があります。作業自体はいたってシンプルで、冷蔵庫が空になったら電源を切り、あとは霜が溶けるのを待つだけ。溶け切るのには季節や室温によりますがおおよそ15時間程度とされています。

また、霜は簡単に取れるだろうからと溜まってから掃除するのではなくこまめに取ることが大切です。徐々に大きくなる霜は放っておくと落とすのが難しくなり、時間がかかります。早めの対処を心がけましょう。

以下の記事では、霜取り方法を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

冷蔵庫の内部には水受けタンクが付いているものが主流で、後方下部のキャップにより排水できる仕組みになってます。中には受け皿が製品下部に設置されているものもあり、いずれも通常は水が溜まっていますが処分の際には必ず排水を行う必要があります。

ですが、一部メーカーや製品により下部の受け皿やキャップが付いていない、または取り外せないものもあり、排水を行う必要のない場合があります。詳しくは各社の取扱説明書をよくご覧になるか、直接メーカーに問い合わせるといいでしょう。

冷蔵庫の状態、処分方法によりますが、まだ使えるものであれば扱いは慎重にしましょう。引き取り相手、もしくは次の利用者の方が気持ち良く使えるような状態であるには、掃除の仕方や動かす際の周りへの配慮など、下準備の段階で注意して扱う必要があります。

特にフリマサイトなどへ出品する場合は、クレームやトラブルに繋がりかねません。不要になった冷蔵庫だからといって雑に扱わず、最後まで丁寧に扱うよう心がけてください。

まだ使えるけど冷蔵庫を買い替えたい時は、ケーズデンキやエディオンなど新しい冷蔵庫を購入する家電量販店や電機屋に下取り依頼をする方法があります。買い替えの場合でも古い冷蔵庫の処分にリサイクル費用と運搬料金がかかります。料金は店舗ごとに異なるので事前に確認することが大切です。

家電量販店のヤマダ電機では、家電リサイクル法対象の冷蔵庫や洗濯機、電子レンジや掃除機などを買い取る家電買取キャンペーンを行なっています。まだ使えて、製造年式が買い取り対象なら、おトクに買い替えることができるかもしれません。

ぜひ公式サイトをチェックしてください！

家電リサイクル法では、家電小売店は過去に販売した特定家庭用機器廃棄物の引き取りを求められた時、それに応じるよう義務付けられています。冷蔵庫の買い替えはせず処分のみを行う場合でも、購入元店舗に断られる心配なくリサイクル処分が可能です。

また冷蔵庫の購入元が不明だったり倒産したりなど、処分依頼の手段がない場合には「家電リサイクル受付センター」に連絡すれば回収が可能です。その際にもリサイクル費用と運搬料金がかかりますのでご注意ください。

冷蔵庫を購入した店舗がわからなかったり、知人から譲り受けた冷蔵庫であったり、引っ越しで購入元が遠方になったりなど、引き取りを依頼するのが難しい場合は、お住いの市区町村の自治体へ連絡をしてください。

基本として自治体ごとのリサイクルは行なっていませんが、引き取り可能な小売店への誘導や指定の引き取り場所への案内など、冷蔵庫の処分方法やすべき対応を親切に説明されます。困った時はぜひ活用してください。

家電リサイクル受付センターは、東京23区にお住まいの方や事業者の方であれば、家電リサイクル法に基づき冷蔵庫などの特定家庭用機器の回収を依頼することができます。その際の依頼の流れは以下のようになります。

• 郵便局などで家電リサイクル券を購入、記入事項を埋めます
• 自治体が指定する回収業者に依頼の連絡をします
• 依頼した回収業者が冷蔵庫の回収に訪問し引き取ります

また家電リサイクル受付センターで依頼をした場合もリサイクル費用と運搬料金はかかります。混み合うと処分までに時間がかかることもあるので、余裕を持って連絡することをおすすめします。

リサイクルショップに買い取りを依頼する場合は、冷蔵庫の状態や機能の良し悪しによって査定の金額や引き取り可能かどうかが決まります。小売店や自治体で処分する際には高額な費用がかかりますが、リサイクルショップでの買い取りはほとんど費用がかかりません。またその際は、付属品はなるべく揃えたり、なるべく中の掃除をしたりするのが高く買い取ってもらうコツです。

製造年が古かったり、機能や本体の劣化があまりにも酷かったりした場合は買い取りできない可能性もあるので、直接店舗へ確認をした方がいいでしょう。店舗によっては持ち込みだけでなく出張での査定・買い取りを行なっている場所もあり、手軽に処分できます。

不要になった冷蔵庫は、最近利用者が増加しているフリマやオークションサイトで売りに出す方法もあります。顔の見えない相手とのやりとりだからこそ、より丁寧で真摯な対応が必要となり、初めて利用する方だと少し難しいかもしれません。

また、商品スペックをしっかりと記載して出品をしないと、「写真と全然違う」「この機能が使えなかった」など、クレームやトラブルに繋がります。出品する前に必ず冷蔵庫の状態をよく確認し、詳細を伝えることでスムーズで気持ちのいいやりとりをしましょう。

冷蔵庫を処分する方法として、不用品回収業者に引き取りを依頼する方法があります。電話やネットで簡単に回収を依頼することができるので、これまでご紹介してきた処分方法に比べ、手軽に処分ができ、また費用も安く抑えることができます。

しかし、回収業者の中には悪質な業者もいます。口コミやホームページをよく確認し、「一般廃棄物処理業」の許可を持つ業者かどうか調べて、信頼できる業者に依頼することが大切です。

冷蔵庫の寿命や耐用年数はどれくらいが目安なのでしょうか。冷蔵庫の平均寿命は12~13年と言われています。その半数以上が故障が原因で買い替えています。そのため、多くの冷蔵庫が12~13年で寿命と迎えていると言えます。

また、各家電メーカーでは、それぞれ「補修用性能部品の保有期間」を定めています。冷蔵庫の補修用性能部品の保有期間のほとんどは9年に設定されているため、保有期間を過ぎてから故障した場合、部品がなくて修理ができないケースもあります。

本記事では、冷蔵庫の処分方法についてご紹介しました。処分にお金がかかっても不法投棄は絶対にしてはいけません。ご紹介した処分方法を参考にご自身にぴったりな方法を見つけ、冷蔵庫を賢く処分してください。