冷蔵庫を一人で運搬する方法・運び方｜女性だけでできる？引越しや階段では？

生活必需品の1つである冷蔵庫は、引っ越しのときに必ず運搬します。自分ですべての家具家電を運べれば、費用を抑えた引っ越しができます。ですが、冷蔵庫はサイズ・重量が大きく、2人以上で運ぶのが基本です。

また、正しい運び方をしないとケガや冷蔵庫の故障につながる可能性があります。まだ使える冷蔵庫を引っ越しの際に故障してまう事態は避けたいです。そこで今回は、一人でできる冷蔵庫の運搬方法や持ち上げ方、階段がある場所での運び方のコツを解説します。

さらに、運搬の際におすすめのロープ状の道具や引っ越し前にやっておくべき冷蔵庫の準備や一人で運ぶ際のポイントも紹介しますので、自力で引っ越しする際の参考にしてください。

冷蔵庫は、引っ越し業者に依頼せずに自分で運ぶのは可能です。ただし、冷蔵庫には運ぶための持ち手やキャスターはついていません。冷蔵庫は非常に重いため、1人で運ぶのはかなりの労力を必要とします。

また、1人で運ぶのは危険を伴います。特に狭い場所や階段を降りる必要がある場合は、1人で冷蔵庫を運ぶのは非常に危険です。冷蔵庫を自分で運ぶ場合でも、基本的には2人以上で運ぶのが前提と考えます。

冷蔵庫は2人で運ぶのが基本ですが、サイズや重量によっては1人で運べる場合もあります。一人暮らし用の小型冷蔵庫なら、比較的大きさも重量も小さめなので、男性1人で運べる可能性はあります。しかし、冷蔵庫は小型（100～150L）でも30kg前後の重量があります。そのため、他の一般的な家具のように運ぶのは困難です。

特に、女性が一人で冷蔵庫を持つのは難しいです。なぜなら、一般の作業での最大荷重は男性でも体重の40％です。女性はその60％が限界です。そのため、小型冷蔵庫を1人で運ぶ場合でも、無理やり持ち上げて運ぼうとせず、道具を使えばより運びやすくなります。

台車だけでなく、家電を持ち上げるアイテムとがセットになった商品も売られていますので、うまく活用するのがおすすめです。

冷蔵庫を移動させる前にやっておくのは以下の2点です。

1. 運搬の16時間前までに電源を切っておく
2. 冷蔵庫内を空にし、仕切りやトレイは動かないように固定しておく

冷蔵庫を破損させずに運ぶ方法を見ていきます。

• 扉は開かないようにテープなどで固定し、柔らかい布で冷蔵庫全体を梱包する(梱包材がない場合は毛布を活用)
• 冷蔵庫を毛布の上にのせ、滑らせるように玄関先まで移動させる(台車でもOK)
• 階段がある場所では、下側になる方に重量がかかるのを考慮する。冷蔵庫の背面を下にして斜めに傾けながら1段づつ降りる。
• トラック内では他の家具と隙間がないように置く

冷蔵庫を運ぶためのツールとしてキャスターや専用のアイテム「引きずりパッド」がありますが、わざわざ専用ツールを用意せずとも、毛布で代用ができます。冷蔵庫を自分で運ぶ際には毛布を用意しておくのをおすすめします。

冷蔵庫の設置場所や居住する住宅のタイプによっては、冷蔵庫を階段で下ろす必要も出てきます。平地でも運搬が大変な冷蔵庫を、階段を使って下ろすのはさらに困難です。冷蔵庫を階段で下ろす場合は、キャリーベルトを使って冷蔵庫を背負って運びます。

ただし、1人で冷蔵庫を背負って運べるのは比較的小さいサイズ・重量の冷蔵庫のみです。それ以上大きいサイズの冷蔵庫は、1人で運ぶのは危険です。階段を使うのはさらなる危険を伴うため、2人以上で運んでください。

2人がかりでも、重いものを運ぶのは苦労しますよね。2人で家具や家電製品などの大きく重いものを運ぶときには、キャリーベルトを使ってください。人間工学に基づいたデザインとなっているので、腰や腕への負担を減らしてくれます。

トラックなどで冷蔵庫を運ぶ際は、ロープが必需品となります。冷蔵庫を輸送するときは必ず縦の状態で運ばなければなりません。冷蔵庫の運搬時は必ずしっかりと固定する必要があるため、ロープが必須になります。

2人で運ぶのも重い冷蔵庫は、ベルトやロープを使用しても大変な作業で、腰に大きな負担をかけてしまいます。重い冷蔵庫を運ぶときは、台車を利用しましょう。冷蔵庫の四隅の下に差し込むだけで使えるので、女性1人でも運びやすくなります。

冷蔵庫は大きく運びにくいため、家から出す際に他の家具や壁にぶつけてしまいがちです。傷を付ける原因となるため、あらかじめ運び出す前に毛布でくるんでおきましょう。保護しておけば、ぶつけたときのダメージを軽減できます。

また、室内を移動させる際、毛布を下に敷いて滑らせらせれば、運びやすくなる上に床を傷つける心配がありません。

冷蔵庫のドアが運搬中に開かないように固定するには、養生テープを使用しましょう。運搬時は素手で作業すると滑りやすくなるため、軍手をしておくと安全です。

運搬時には冷蔵庫から水などが出てしまうため、シートを用意しておくと床を汚さずに運べます。トラックで運搬する際は、冷蔵庫の上にシートを掛けて、ロープで固定するのをおすすめします。

冷蔵庫の中身が残っていると、重量が増す上に中身が運搬中に漏れてしまう場合があります。内部で液体が漏れてしまうと、冷蔵庫の故障につながるほか、運搬中にドアが開いて中身が飛び出す危険も考えられます。そのため、冷蔵庫を運ぶ前に必ず中身を空にしておきましょう。

また、冷蔵庫の中の食材は早めに消費しておきます。中身を空にできずに残ってしまう場合は、食材をクーラーボックスに入れて保管しましょう。クーラーボックスに入れておけば、短時間で傷む心配がありません。

冷蔵庫には氷が入っているため、あらかじめ水抜きをしておかないと、運搬時に水が漏れてしまいます。他の荷物が水で濡れてしまう恐れがあるため、前日までに必ず水抜きをしておきましょう。

水抜きをするには、まず冷蔵庫の周囲をタオルなどで囲んでから電源を抜きます。製氷皿が入っている場合はすべて中身を捨ててください。そして、ドアを半日ほど開けたままにして、最後に蒸発皿の水を捨てれば完了です。

また、霜が残っていると水漏れの原因になるため、霜取りも引っ越し前に行いましょう。霜取りは電源を抜いてから霜が溶けるのを待つだけですが、電源を抜いてから1日ほどかかるので、余裕を持って行ってください。以下の記事で霜取り方法を詳しく解説しています。

車やトラックをあらかじめ手配しておくのが大切です。自家用車がある場合には、冷蔵庫を縦向きの状態で収納できるかどうかを確認しましょう。冷蔵庫を縦置きするスペースがない場合、大型車やトラックをレンタルする必要があります。直前に慌てないように、梱包した状態の冷蔵庫の寸法をイメージして、サイズに適した車やトラックを手配しましょう。

縦長で重い冷蔵庫を自分で運び出す際、横向きにした方が運びやすいのでは？と考えてしまうのではないですか。しかし、冷蔵庫は横向きのままにしておくと内部のコンプレッサーなどにダメージを負う可能性があります。冷却のために必要な液体も入っているので、横向きでの運搬は液漏れによって故障する可能性があります。

運搬中の故障を避けるためにも、冷蔵庫は縦向きで運ぶよう心がけましょう。縦向きで運ぶのが難しい場合でも、斜めにして運ぶのは避けてください。

前日までに上記の準備を済ませたら、以下の流れで冷蔵庫を運んでいきます。

1. 当日の朝、冷蔵庫を毛布や紐を使って梱包
2. 引っ越し元の家で通る道の壁・床を養生する
3. 冷蔵庫を運び、車に縦向きで乗せてしっかり固定してから移動をする
4. 引っ越し先で冷蔵庫が通る場所に傷かつかないよう養生する
5. 車・トラックからおろし室内まで運ぶ

養生をする時にはホームセンターなどで養生テープ・養生シートを買い、養生シート・毛布類を用いて壁や床が破損しないようしっかりと作業しましょう。また、車に冷蔵庫を乗せて移動させる際にはロープを用いて数か所しっかりと固定するのが大切です。

冷蔵庫は、小さいサイズでも重いものです。無理に自分で運ぼうとすると怪我の危れがあります。うまく1人で冷蔵庫を運べたとしても、運搬途中で壁や床、家具などに傷をつけてしまったり、冷蔵庫が故障してしまったりすると考えられます。

1人で冷蔵庫を運ぶのに不安を感じるのであれば、最初から専門業者に依頼するのもおすすめです。料金はかかりますが、その分家の中や家具に傷を付けたり冷蔵庫を壊したりする心配がないので安全に運べます。

冷蔵庫を運搬する際は、基本的には立てたまま運ぶのがポイントです。狭い通路を一時的に抜ける際に斜めになるのは問題ありません。ただ、トラックに横向きのまま積み込んだり、長時間横に向けたまま冷蔵庫を置いておくのはNGです。トラックに積む時は縦に置いてロープなどでしっかり固定して運んでください。

冷蔵庫を長時間横向きに置いておくと、車の振動でコンプレッサーの中にあるオイルが冷却システムに入り込む恐れがあり、オイルが入ると故障の原因になります。

冷蔵庫は重量があるため、運ぶ際に腰を痛めてしまうケースがあります。特に、重い荷物を運んだあとに腰痛になってしまう方がいます。腰痛にならないためには、冷蔵庫を持ち上げる時は、腰をしっかり落として持ち上げるのがコツです。

腰だけ曲げて前屈姿勢で冷蔵庫を持ち上げると、ぎっくり腰になる可能性があります。できれば冷蔵庫のような重い荷物は、1人で運ばず大人数で運ぶのがおすすめです。不安な方は業者に依頼するのもひとつの方法です。

冷蔵庫を運び終えて、すぐに電源は入れないようにします。冷蔵庫は運搬による振動で、内部の冷却液が不安定です。オイルなどが冷却装置に入ったまま電源を入れると故障の原因になります。設置後、1時間くらいは電源を入れずにしておきます。

各メーカーの冷蔵庫によって設置後、放置時間が違いますが15分程度でOKのものもありますので、商品説明書を確認するのがおすすめです。電源を入れてもすぐに食材はいれず、4～5時間してから使用するのがベターです。

なぜなら、冷蔵庫は電源を入れてもすぐに庫内が冷えません。庫内の温度が均一にならないと食材の鮮度が落ち、味や品質に影響を与えます。

一人で引っ越しをするなら、移動させるのは冷蔵庫だけではありません。その他、大型の荷物と言えば洗濯機です。洗濯機も家電製品のため、運搬中の事故には気を付けないと破損してしまう恐れがあります。冷蔵庫と同じで洗濯機も運ぶコツがあります。そのコツを知りたい方は下記をチェックしてください。

基本的に冷蔵庫は2人以上で運ぶものですが、小さいサイズであれば1人で運べます。冷蔵庫を運搬する場合は、今回紹介したポイントに注意し、必要な道具を揃えてから実行してください。また、怪我には十分注意して行いましょう。