ドラム式洗濯機を一人で運ぶには？持ち上げ方・移動方法・運び方【注意点も解説】

引越しでドラム式洗濯機のような大型家電を運び出す時には、業者に依頼するのが一般的です。しかし業者に運搬を依頼するとそれなりに費用がかかるため、距離が短ければ短いほど、自分で移動させたいと考えがち。節約のためにも自分一人で運びたいと考える方が多いです。

しかしドラム式洗濯機を一人で運ぶ場合は、持ち上げ方・運び方のコツやいくつかの注意点があります。運び方を間違えるとドラム式洗濯機の破損や故障を引き起こすだけでなく、腰痛や怪我につながる危険もあります。

そこで今回は、一人でドラム式洗濯機を運ぶために必要なもの、また運び出す前の作業から引越し先へ運ぶまでのポイントをご紹介します。引越しを検討している方はぜひ参考にしてください。

自分で運びたいとは思っても、そもそも1人でドラム式洗濯機を運ぶのは可能なのか、疑問に思う人もいるかもしれません。詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

ドラム式洗濯機は、可能な限り2名以上で運ぶのが基本です。力に自信のある人であっても、1人で運ぼうとすると本体の外装を圧迫して壊してしまう可能性があります。上下を持って運ぶ場合はそんなに問題はありませんが、側面を持って運ぶと重心が不安定になりバランスが悪くなります。2名で運搬するときは、一方の人が片手を本体の上部あたりに添えて持つとバランスがとりやすくなります。

ドラム式洗濯機は重そうな印象があり、引越しの時など自分で運ぼうとする方は少ないのではないかも知れません。ましてドラム式洗濯機はタテ型洗濯機の倍ほどの重量があり、中には90kgに及ぶものまであります。

しかし正しい手順を踏めば、業者に依頼せずに自分で運ぶのも可能です。ドラム式洗濯機は確かに重いですが、男性であれば十分に一人で運べます。また通路に障害物がなく、便利グッズなどをうまく利用すれば、女性一人で運ぶのも不可能ではありません。

ただし、ドラム式洗濯機を運びながら階段を上ったり下りたりといった作業は、女性一人では非常に危険です。女性は無理に自分で運ぼうとせずプロの業者に頼むのをおすすめします。

洗濯が終わり排水しても洗濯機内にはまだ水が残っているため、水を抜き取る必要があります。この状態のまま洗濯機を運んでしまうと、途中で水が漏れ足を滑らせる危険があったり、また輸送中に水が漏れると他の荷物まで濡れたりする可能性があります。

水抜きを行うには、まず洗濯槽が空になっているかを確認します。次に水が出ないよう給水栓を閉じ、洗濯機の電源を入れ1分ほど稼働させます。この時、洗濯コースや洗浄コースなどどのコースを選ぶかは機種によって異なるので、取扱説明書を確認してください。

洗濯機と給水栓をつなぐ給水ホースを取り外します。まずドライバーを使い、給水栓と給水ホースをつないでいる口金やバンドを取り外します。口金の中にはドライバーを使わずに外せるタイプもあります。

この時、接続用の口金が給水栓に残りますが、付けたままにせず外しましょう。取り外した口金やバンドは引越し先でも使用するので、紛失しないようビニール袋などに入れて保管しましょう。

場合によっては給水ホース部分が、特殊な水栓や蛇口になっている場合があります。あらかじめ洗濯機の取扱説明書を確認しましょう。

床の排水口とつながっている排水ホースを取り外します。排水ホースは蛇腹形状になっており、内部に水が残りやすいです。そのため排水ホースを取り外した直後に残っている水が流れ出るので、事前にタオルなどを用意しましょう。

排水ホースを取り外したら先端をタオルの上に乗せ、流れ出る水を拭き取ります。そして先端部分をビニール袋で包んだら、運ぶ時に外れないよう養生テープで固定しましょう。

最後に電源コードとアース線を取り外します。給水ホースと同じようにドライバーを使って電源コードとアース線を取り外したら、輪ゴムや養生テープを使ってまとめましょう。特にアース線は、漏電による感電や落雷による火災を防止する役割があるため、必ず取り外して保管しましょう。

ドラム式洗濯機の場合は、運ぶ前にボルトでしっかりと固定する作業が必要です。ドラム式洗濯機は中で洗濯槽が浮いた状態になっています。そのまま運ぶと洗濯槽が揺れて衝撃が加わるため、洗濯槽が動かないようボルトで固定します。

ボルトはドラム式洗濯機に必ず付属しているので、もし見当たらない場合はメーカーに問い合わせましょう。また、引越し先でドラム式洗濯機を設置したあとは固定したボルトを外す必要があるので、忘れないようにしましょう。

ここで使うゴム張り軍手は手のひらに点々の滑り止めがついたものではなく、手のひら全体がゴムで覆われているタイプです。引越し業者も似たようなゴム張り軍手を使用しており、段ボール箱を運ぶ時にも非常に役立ちます。

ドラム式洗濯機を屋外へ運び出す場合には、使わなくなった毛布があると便利です。毛布を床に敷いておけば、靴を脱いだり履いたりといった手間を省けるため、ドラム式洗濯機をスムーズに運び出せます。

ドラム式洗濯機を運んでいる途中でフタが開いてしまったり、またホースやコードなどを落として踏んでしまったりしないように、それぞれテープで留めておきましょう。洗濯機本体にテープの跡を残したくない場合は、粘着力が弱めの養生テープ・マスキングテープが便利です。

ドラム式洗濯機を台車に乗せて一人で運ぶ方法もありますが、段差や階段では不便になるので、結局は手で持ち上げて運ぶ必要があります。ただし一人でドラム式洗濯機を持って運ぶ場合でも、階段の上り下りや狭い通路を通る時は二人で運ぶのをおすすめします。

ドラム式洗濯機をトラックなど運搬用の車に乗せる場合は、横倒しにはせず立てて置きましょう。横倒しで運搬すると、故障や不具合を引き起こす恐れがあります。

また一人でドラム式洗濯機を運ぶ場合、引越し先で運ぶ時の通路をしっかり保護しておく必要があります。引越し先の建物を傷付けたり破損させたりすると、思わぬ修繕費が発生する場合もあります。

洗濯機を運ぶ時は本来梱包する必要はありません。しかし運んでいる時にどこかにぶつけて傷付けたり、へこんでしまったりする可能性があります。実際に引越し業者が洗濯機を運搬中、洗濯機の壁面に傷を付けてしまったなどのケースも少なからず見られます。

傷を付けたくないのなら、洗濯機を段ボールやエアーキャップなどで巻いてから運びましょう。またホースや付属の部品を洗濯機の中に入れておけば、紛失する心配がありません。

洗濯機を運ぶ時は横向きにした方が楽だと考える方もいますが、洗濯機を横向きで運んではいけません。内部の洗濯槽はとてもデリケートな構造になっており、縦向きで運んだとしても揺れやすい構造になっています。そのため横向きで運ぶとさらにリスクが大きくなります。

また洗濯機内部には洗濯槽を支えるための吊り棒が付いていますが、洗濯機を運ぶ時に揺らしすぎると破損の原因になります。運ぶ際は中にバスタオルや発泡スチロールなどを入れて、吊り棒が過剰に揺れないよう対策をしておきましょう。

洗濯機を持って階段を上る際は、どうしても斜めにした状態で運んでしまいがちですが、できる限り垂直に運びましょう。特にドラム式洗濯機は振動に弱い性質があるので、慎重に運ぶ必要があります。

しかし、ドラム式洗濯機を一人で持って階段を上るのはかなり危険な行為です。階段の幅は廊下より狭くなっている場合もあるので、階段を上り下りする時は無理をせず二人で協力しながら運びましょう。

ドラム式洗濯機のような重く大きな家電を持つと、どれほど持ち方を工夫したり滑らない軍手を使ったりしても、足腰に大きな負担がかかります。運んでいる時にぎっくり腰を起こさないよう注意する必要がありますが、作業後に足腰のケアをするのも大事です。

また足腰に負担をかけないためには、分解できるものはすべて分解する方法もあります。「分解するのは面倒だし、荷物が増えるから…」と考える方もいると思いますが、少しでもぎっくり腰のリスクを減らしたいのなら、ある程度分解するなども検討しましょう。

引越し作業で腰痛になる方の多くは、運ぶ時の姿勢に問題があります。重いドラム式洗濯機を運ぶ時にも、重心を安定させた姿勢を保つてば、腰への負担を最小限に抑えられます。

まず洗濯機を持ち上げる時に、洗濯機と同じ位置まで腰をしっかりと下ろします。次に自分のおなかと洗濯機が密着するよう引きつけ、おなかで支えるようにして運びます。

また大きな家電・家具を運ぶ時に便利な、引越し用の運搬ベルトも販売されています。体全体に重みを分散させられるので、購入を検討してみてください。

コンパクトタイプのドラム式洗濯機だからといって、1人でも運べるだろうといった安易な判断は危険です。トラックの手配から荷物の積み込み、さらに引越し先への荷物運びなど、すべての引越し作業を1人で行おうとすると体への負担が大きくなります。

もし洗濯機を無理に運ぼうとして怪我などをしたら、その後の引越し作業に支障をきたします。1人では無理だと思ったら、誰かの助けを借りて洗濯機を運びましょう。

アパートの中には、ベランダや廊下に洗濯機を設置する物件があります。プラスチック製の洗濯機は紫外線に弱いため、日当たりのいいベランダなどに長期間置かれていた洗濯機は、外側の部分が劣化している可能性があります。

特に洗濯機の持ち手部分が劣化していた場合、力を入れて持ち上げた瞬間に破損する恐れがあります。運び出す前に洗濯機の劣化具合を確認し、外側が劣化してヒビが入っていた場合などは、買い替えを検討する必要もあります。

洗濯機は縦向きで運ぶ必要があるため、横向きにせずに玄関や廊下をスムーズに通れるかチェックしましょう。特にアパートの場合は通路の幅が狭いケースが多く、一人で縦向きのまま運ぶのは難しい可能性があります。

また、意外に盲点となる場所が階段です。階段の横幅が廊下よりも狭くなっているアパートもあるので、無理なく洗濯機を運び出せるか必ず確かめましょう。

各メーカーごとの洗濯機の重量を、種類別にご紹介します。自分で洗濯機を運ぶ際には参考にしてください。

洗濯機を自分で設置する時、最もトラブルになるのが水漏れです。排水ホースが外れたりした場合も問題ですが、給水ホースに自動ストッパー付きの給水栓ジョイントが付いていないと、外れた時に水が大量に漏れてしまいます。

もしもアパートやマンションの2階以上で大量の水漏れを引き起こした場合、階下まで水浸しになり甚大な被害が及ぶ場合も考えられます。そのような状況になったら、修繕費として100万円単位での損害賠償を請求される可能性があります。

「ドラム式洗濯機を一人で運ぶのはやっぱり難しそう…」と思ったら、業者に依頼した方が安心です。引越し業者の中には、運搬だけでなく洗濯機の取り外しや設置をしてくれるところもあります。

洗濯機の運搬を引越し業者に依頼した場合、洗濯機の大きさや種類によって費用は変動しますが、ドラム式洗濯機の運搬費用は10,000円前後が相場となっています。さらに洗濯機の取り外しや設置を含めると、10,000円程度の費用がプラスされる場合もあります。

コツを押さえて細心の注意を払えば、ドラム式洗濯機を一人で運び引越し費用を節約するのは可能です。しかし普段運び慣れないドラム式洗濯機を自分で運ぼうとすると、予想外のトラブルが起きる可能性も十分に考えられます。もし一人で運ぶ自信がない場合は、安全のために業者へ依頼しましょう。