ワインセラーの適正温度は？おすすめ製品も紹介【上下で温度調整できるタイプも】

ワインの保管や熟成に最適なワインセラー。ワインをおいしく飲むためには温度や湿度を一定に保って管理するのが大切です。そのため、ワインセラーがあるとワインに合わせて温度設定をしながら、長期保管もできます。

しかし、ワインセラーもさまざまな種類があり機能も豊富で、どれを選んだらいいか迷ってしまいますよね。特にワインは温度管理が重要なので、別々の種類のワインを保管する場合、どのように温度設定をすればいいのかわからない方も多いです。

そこで今回は、ワインの適正温度や管理のポイント・ワインセラーの選び方を詳しく解説します。記事の後半では上下で温度設定できるワインセラーなど、温度管理がしやすいおすすめ製品も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ワインは本来、洞窟のような岩や土壁で守られている地下セラーで熟成されています。この地下セラーは温度や湿度が一定に保たれていて、ワインの熟成や保管をするためにベストな環境になっています。

ワインは熟成はもちろん、おいしい飲み頃で飲むためには温度管理がとても重要です。よく「白は冷やして赤は常温で」と言いますが、冷蔵庫で冷やす温度や日本の夏場の常温は本来の地下セラーの温度と異なります。そのため、ワインが育った地下セラーの環境に近づけるためにワインセラーがあると言えます。

赤ワインの場合、常温で保存するイメージがありますが、赤ワインは「20度以下」がポイントです。ライトボディの場合は12℃〜14℃、フルボディで16℃〜20℃が適正温度になります。

季節によって室温は変化するので、常温でそのまま室内に保存するのは温度の影響を受けやすくなります。ワインセラーに入れる場合は、ライトボディ・フルボディで分けて温度設定をするのがおすすめです。

白ワインの場合、甘口は辛口よりも温度を下げて保存した方がおいしさや品質の状態など、全体のバランスがよくなります。甘口で6℃〜8℃、辛口で10℃前後が適正温度になります。

温度を下げるとフルーツの香りが際立つので、酸味が強くなるのが特徴です。全体のバランスが締まるので、白ワイン特有のスッキリとした味わいを楽しめます。

ロゼワインも白ワインと同じように、甘口は辛口よりも温度を下げて保存するのがおすすめです。ロゼワインは甘口の場合6℃〜8℃、辛口で8℃〜10℃が適正温度になります。

ロゼワインは温度が上がるにつれて香りが豊かになっていきます。8℃ほどでキープできればコクと渋みのバランスがよく、スッキリとした味わいで楽しめるのが特徴です。

スパークリングワインは、温度を少し低めにすることで爽やかな酸味が出て、スッキリとした味わいになるのが特徴です。スパークリングワインの場合だと6℃〜8℃、シャンパンで10℃前後が適正温度になります。

スパークリングワインは、冷やすことによって隠れていた香りに広がりが出て複雑性が生まれるので、本来のワインの特徴を味と香りの両方で楽しめます。

日本酒の保管に適した温度は、種類によって異なります。生酒は5℃以下、他の日本酒は5〜10℃が適しています。よって、ワインセラーの温度設定は、5〜10℃にして保管してください。

ワインセラーはワインを飲むタイミングによって温度設定が変わります。買ってすぐに飲む場合も長期保存する場合でも、美味しく飲める温度で管理をしましょう。

ワインは種類によって適正温度が変わります。1週間以内に飲むのであれば、美味しい飲み頃の温度で保管するようにしましょう。

たとえばスパークリングワインであれば6℃〜8℃が適温ですが、長期間冷やした状態でいると低音劣化で味が変わってしまいます。1週間以内に飲むものだけ6℃程度で冷やしておくのがおすすめです。

反対に、1週間以上保存する場合はワインの種類に関わらず、12℃〜18℃くらいで保管するようにしましょう。ワインが熟成される地下セラーも12℃〜18℃で管理されているので、地下セラーと同じ環境にすることによって熟成に近い効果があります。

1週間であってもワインを適切な温度で落ち着かせることで、ワインの劣化を防ぎ美味しく変化させることができます。

ワインセラーは貯蔵を目的としているので、12℃〜15℃前後で保管に適した温度で管理することができます。また、湿度も重要で70%〜80%を保つことでコルクの乾燥を防いでワインの品質を守ります。

ワインセラーは外気によって庫内の環境が変化します。外気温が高くなる夏には庫内の温度が上がっていないかをチェックし、湿度が低い冬には庫内にコップ1杯の水を置くなど、庫内の温度や湿度をこまめにチェックして一定の温度と湿度をキープすることが大切です。

ワインセラーを使っていると温度が下がらないということがあります。ワインセラーの温度が下がらない原因として、周辺環境の温度や頻繁なドアの開閉が考えられます。

一時的な温度変化であれば庫内のワインの液体に変化や影響はないので、心配はいりません。市販の温度計などを使いながら、必要であれば温度設定を変えるようにしましょう。

ペルチェ方式は、半導体素子のペルチェ効果を利用する冷却方式で、音や振動が少なく一時的な保管には高性能で安価なのが特徴です。

製品によっては加温機能がないため、外気温がワインセラー庫内より温度が下がる場合は温度管理に気を付けましょう。価格が低いので初めてワインセラーを使う方や、2台目として選ぶ方にはペルチェ方式がおすすめです。

コンプレッサー方式は、冷媒の気化熱を利用する冷却方式で、冷蔵庫で同じようにモーターを使用して冷気を循環させます。冷却力が強いのが特徴で、夏場でも冷却力が衰えることなく、大型のワインセラーにも使用されています。

消費電力が少なく省エネ性能が高い点もメリットですが、モーター音が大きく重量があるので、一般家庭で使用する場合はサイズ選びも重要です。以下の記事では、おすすめのコンプレッサー式ワインセラーを紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。

アンモニア方式は「熱吸収式」とも呼ばれ、アンモニアの気化熱を利用して冷却する方式になります。ペルチェ方式と同じく振動が少なく静音性が高い点や、寿命が長い点が特徴です。

コンプレッサー式と比較すると、冷却能力が低いため夏場は室温が上昇すると冷却力が落ちる場合があります。冷却能力はペルチェ方式より高く、冷却能力と静音性を求める方には、アンモニア方式がおすすめです。

ワインセラーを選ぶ際には、実際に保管したいワインの本数に合わせて選ぶようにしましょう。1週間以内に飲み切る本数のデイリーワインの場合は、小型のワインセラーでも十分保管はできます。

ワインをまとめて購入して長期保存する方は、ケースがそのまま保管ができる12本以上入るタイプがおすすめです。ワインセラーは収納する本数によって本体サイズも変わり、容量が多くなれば消費電力も大きくなります。ワインセラーを選ぶ際には、実際に保管する本数以上が入るもので、電気代のランニングコストも考慮しながら選びましょう。

ワインセラーには1種類の温度を管理するタイプでなく、2種類の温度を管理できるものもあります。飲み頃や長期保存など、用途に合わせた温度管理をすることが可能です。

1種類の温度管理をするタイプは一定温度で管理ができるので、長期間の保存がしやすいのがメリットですが、上下で分かれているタイプはそれぞれで温度設定が可能になります。赤ワインと白ワインで分けたり、デイリー用と保存用で分けられる点が特徴です。

ワインの種類関係なく一つのワインセラーで保管ができるので、さまざまな種類のワインをよく飲む方や、たくさんの本数をまとめて保存したい方には2段式がおすすめです。

ワインを長期保存する場合、加湿機能や防振機能が付いているワインセラーがおすすめです。湿度管理の方法には、庫内の結露を利用して湿度調整してくれるものや、加湿トレーに水や水を含んだスポンジを入れて湿度を上げるものなどがあります。

ワインセラー庫内の湿度が低いとコルクが乾燥して劣化する場合があります。ワインを長期保存したり高級ワインを保管する場合は、湿度は60〜80%で調節ができるものを選びましょう。

また、ワインは振動の揺れにも影響を受けやすく味に変化が出やすくなります。ワインセラー選びは防振機能があるかもチェックしましょう。

ワインセラーは24時間稼働して温度と湿度を一定に保ちます。消費電力や電気代など、ランニングコストもチェックしましょう。冷却方式やワインセラーの大きさによっても消費電力は変わりますが、消費電力が145kWの場合、電気代は月に330円ほどになります。

また、加湿機能付きや2段式のタイプは消費電力も高くなります。ワインセラーは製品に消費電力の数値が記載されているので、購入の際には確認するようにしましょう。ワインセラーの電気代について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ワインは適温で管理することで味の劣化を防ぐだけでなく、長期保存も可能になります。種類や飲み方に合わせた適切な温度で管理すれば、いつでも美味しいワインを飲めます。ワインセラーを活用して、美味しいワインを楽しみましょう。