冷蔵庫の結露の原因と対策｜内側になぜ水滴がつく？結露防止機能付きおすすめ冷蔵庫も

冷蔵庫を開けたら、「冷蔵庫の内側が水滴だらけ」「冷蔵庫の外側が汗かいてる」「食品に水滴がついてびじょびしょになっている」といった経験はありませんか。この水滴は、冷蔵庫の中に外気が入ると発生する結露によるものです。水滴をそのままにしておくと、せっかく購入した食材が傷んでしまったり、庫内のカビやさびなどを誘発したりする原因にもなります。

結露が頻繁に発生していたり、冷蔵庫内の冷却低下などが続いたりする場合は、故障した部分の修理を依頼しなければならなくなります。冷蔵庫は安くはないので、なるべく長く使いたいですよね。

そこで今回は、冷蔵庫に結露が発生してしまう原因と水滴がついてしまったときの取り方、結露を発生させない予防法を詳しく説明します。また、結露がつきにくい機能がついている東芝・三菱電機・日立・シャープなどのおすすめメーカーの冷蔵庫5選も紹介していくのでぜひご覧ください。

冷蔵庫は常に一定の温度を保つ機能がついてるので、外気の侵入による温度や湿度が高いほど庫内を急速に冷却する特性をもっています。外気は冷たいものに触れると空気のなかに止まれずに水滴が発生してしまうため、冷蔵庫を開けている時間が長いと結露の発生を誘発しやすいです。

結露が発生する現象は、高温多湿な梅雨時期や夏に起こる場合が多いですが、冬でも起こりうる要因はあります。独立しているキッチンで調理していると加熱などにより空間が高温となり、蒸気が発生しやすくなります。

キッチンと冷蔵庫の間隔が近い場合は特に、冷蔵庫の中の材料や調味料などを取り出す際に外気を入れないように素早い開閉に気をつけてください。

調理済みの食品などを熱いまま冷蔵庫で保存してしまう場合も、食品から発生した熱が蒸気となり、大量の結露を発生させる原因になります。調理した後は、ある程度冷まして保存容器に移し替えてから冷蔵庫に入れるといいです。

また、水分が多い葉物などの野菜類も庫内の水滴を発生させる原因になります。葉野菜などを大量に入れる場合は、ラップに包んだり密閉容器などに保存して結露の発生を防げます。

冷蔵庫を長年使用していくうちにドアパッキンが劣化していき、結露が発生してしまう場合があります。パッキンがゆるくなった場合、閉めたつもりでも半開き状態になっているのに気が付かず、冷蔵庫内の冷気が逃げてしまったり外気を侵入させてしまうのがポイントです。その結果、庫内には結露が発生してしまいます。

パッキンの劣化を確認できないにもかかわらず水滴などが頻繁に発生している場合には、なにかしらの故障も考えられるため、販売店やメーカーなどに問い合わせましょう。パッキンの点検方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

冷蔵庫の扉の開閉が多い場合や、「冷蔵庫のドアが少し開いてた」なども結露の原因の1つです。冷蔵庫の扉を開け閉めする回数が多いと、冷蔵庫の内部に外気が入り込み、結露の発生につながります。また、冷蔵庫の扉を開けている時間が長いとさらに多くの外気が入り込んでしまうため、できる限りドアは早く閉めるといいです。

冷蔵庫内にある冷気の吹き出し口を塞いでいる場合冷蔵庫内の空気が入れ替わっていかないため、結露の発生につながりやすいです。冷蔵庫内の吹き出し口は食品などで塞がないように配置を工夫するといいです。また、冷気の取り込み口が塞がれていても冷蔵庫内の空気が入れ替わりづらくなります。

冷蔵庫の下の床面が結露したり水濡れしたりする場合は、冷蔵庫からの水漏れが原因かもしれません。冷蔵庫の中で水漏れの原因が見つからなければ、外部に付いている排水を溜める「ドレンホース（ドレンパン）」から水漏れしている可能性があるのでそちらを確認しましょう。

冷蔵庫の表面に結露が発生する原因は、冷蔵庫を配置している部屋の環境にあります。具体的には、部屋の温度が30℃ほどで湿度が80%以上の場合、結露が発生しやすくなります。また、冷蔵庫の機種によっては急速冷凍機能の搭載があり、連続して稼働させると結露が発生しやすくなる点も覚えておくといいです。

冷蔵庫を置く場合が多いキッチンでは、調理時に水蒸気が発生して湿度が高まりやすいため、定期的に窓を開けて換気すると湿度を下げられます。2か所窓を開ければ効率のいい換気が可能です。また、部屋の温度が高い場合はエアコンで対策をしましょう。

結露ができないように気をつけていても冷蔵庫を開けると水滴がつく場合があり、対策が必要です。ここでは、結露ができたときに効果的な対処法を2点説明していきます。

冷蔵庫内に水滴が付いてしまったときは、乾いた布巾などですみやかに拭くのが大切です。慌てて近くの濡れた台布巾などで拭いてしまいがちですが、濡れた布巾で拭いた場合でも後で必ず乾いた布巾で拭いてください。

【冷蔵庫掃除＆除菌手順】

1. 冷蔵庫の中の食品や調味料をクーラーボックス等に移して空にする
2. 冷蔵庫の中にアルコールの除菌スプレーをかける
3. クロスやキッチンペーパーなどを使ってスプレーでふき取る
4. ゴムパッキンについたゴミやほこりなどを綿棒で取り除く
5. ゴムパッキンにアルコールの除菌スプレーをかける
6. 不必要な食品を処分し、残りの食品を冷蔵庫に戻す

除菌の際は水分をそのままにしておくと食品が傷んでしまったり、カビの発生や錆などが付着してしまたりと、冷蔵庫本体の劣化などの原因になってしまいます。カビができてしまったときの対処法は以下の記事をご覧ください。

外気の温度と冷蔵庫内の温度差が大きいと、冷蔵庫の表面に結露ができてしまうときがあります。その場合にも乾いた布などでしっかり拭いてください。

それに加えて、冷蔵庫表面に結露ができたときは、周囲に物をなるべく置かず風通しを良くする必要もあります。結露ができてしまった場合には、エアコンなどを利用して部屋の空気の流れを循環させたり、換気扇などを回したりして室内の湿度を下げると効果的。冷蔵庫の温度の管理には冷蔵庫用の温度計を使うのがおすすめです。

冷蔵庫に発生した結露は、冷えると霜になり冷蔵庫の内部に付着します。霜ができたときは、さらに大きくなってしまう前に早めに取り除くのが大切です。その際、小さいサイズの霜であれば、お湯で濡らしたおしぼりでふき取りましょう。

おしぼりでは霜を拭き取れなかった場合は、冷蔵庫の電源を落として一度霜を溶かしてしまう方法がおすすめです。クーラーボックス・布巾・アルコールの除菌スプレーの3つを用意したら以下の手順を試してみてください。

【手順】

1. 冷蔵庫の中身をクーラーボックスなどに移動し空にする

2. 冷蔵庫のコンセントを抜いて、冷蔵庫のすべての扉を開く

3. 徐々に氷が溶けてくるので、布巾などを使ってふく

4. さらにアルコールの除菌スプレーをかけ、ふき取る

5. 冷蔵庫のコンセントを入れ食品や調味料を冷蔵庫に戻す

必ず必要なわけではないですが、結露や霜を取り除く際に冷蔵庫用の温度計があると便利です。以下の記事ではそんな冷蔵庫用温度計のおすすめ商品や販売場所について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

霜がついてしまった場合に、アイスピックなどの尖ったもので砕けばいいと考えている方もいます。しかし冷蔵庫内を傷つけたり変形させてしまう可能性があるので、避けてください。

またドライヤーで溶かすのもNGです。熱で冷蔵庫内が変形してしまう可能性があります。霜を取るには、室温でゆっくり溶かしてください。

結露は冷蔵庫の中に外気が侵入すると発生します。外気の侵入を防ぐには、ドアの開閉を短くする点や、半ドア状態になっていないかを確認するのが重要です。食品やボトルなどがドアに当たって閉めたり、食品袋を挟んでわずかな隙間ができても外気が侵入してしまいます。

ドアがきちんと閉まったかどうかの確認は、結露を発生させない予防法の1つです。また、ドアの開け閉めが多い場合は冷蔵庫カーテンを使用し冷気が外に漏れないよう遮断するのもおすすめです。冷蔵庫カーテンは、ホームセンターや100均などで購入できます。

冷蔵庫の各室異なる適正温度があり、この温度設定を守ればより安全に食品を保管出来ます。たとえば冷蔵室の適正温度は2～5℃です。冷蔵室は2～3段に分かれているものが多いですが、下段は設定温度よりも1～2℃低い温度となります。

冷凍室の適正温度は、微生物が繁殖しない－20～－18℃です。冷凍室は魚や肉・野菜などの長期保存に適しており、庫内にたくさん食材を詰めば食材同士が冷やし合い、より効率的よく冷凍できます。

また、チルド室は冷蔵室よりやや低い0℃、野菜室は3～7℃が適正温度です。チルド室は鮮度を保ちつつ長持ちさせたい生鮮食品の保存に向いています。また、野菜室は名前の通り野菜の保管に適していますが、種類によっては野菜室の温度が不適切な場合もあるので気をつけましょう。

しっかり閉めた場合にも結露が発生してしまうときには、パッキンの緩みやゆがみなどの可能性も考えられます。ドアとパッキンの間にメモ用紙など薄い紙を挟んだときに紙がするりと抜ける場合は、パッキンの劣化の可能性も否定できません。

また、パッキンのゆがみを確認できている場合の対処法として、ゆがんでいるパッキンの部分に蒸しタオルをしばらく置いて温めていくうちに、ゆがんでいる部分が戻る場合もあります。パッキンが明らかにズレたりしているときには、箸や指などで押し込んで元の溝に取り付けられる場合もあります。

パッキンのゆがみなどが改善しない場合には、販売店やメーカーなどに確認するのがおすすめです。冷蔵庫を開けっ放しにしてしまったときの対処法はこちらをご覧ください。

冷蔵庫内には、冷却するための冷気吹き出し口があります。その場所が食品などによってふさがってしまうと冷気が循環せず、庫内が冷やされない可能性があります。

吹き出し口は庫内の風を循環させ冷気を送る機能があるので、その場所をふさいでしまうと結露が発生してしまいます。食品など置く場所に気を付けるだけでも、結露の予防になります。

結露を防ぐには、冷蔵室に食品や飲料などを詰め込み過ぎないように気をつけるのが大切です。大量の食品を隙間なく置いている場合は、前述の通りに冷気が循環しにくく冷えない状態となり、冷却効果も低下するほか結露の原因にもなるのです。

冷蔵室に食品を詰める最適な量は、容量の7割以下を目安にしてください。約3分の1のスペースをあけておくと結露の発生を防げるうえに、冷却効果や省エネにもつながるのもポイント。逆に冷凍庫内では7割以上の食品を詰めると、より冷凍効果があります。

冷蔵室で食品を保存する場合はスペースに余裕をもたせるといいです。そのためにも、冷蔵庫を整理して空きスペースを増やせます。ぜひこちらの記事を参考に冷蔵庫を整理してみてください。

上記紹介した商品は、「窓向け」の結露防止シートです。冷蔵庫専用の結露防止シートではないため、しっかりと機能するかお確かめのうえご購入ください。なお、冷蔵庫の結露対策として「結露防止フィルムの施工」があります。冷蔵庫や窓ガラスすべてに対応したフイルムですので、結露対策として取り入れるのもおすすめです。

詰め込みすぎによって食品などがドアに当たり、閉めたつもりでもきちんと閉まっていない場合もあります。それをお知らせする「ドア閉め忘れブザー」を取り付けるのもおすすめです。お子様がいらっしゃるご家庭では特に便利です。

ダイソーなどの100均で結露防止シートが売られていますが、結露防止シートは窓際などに貼るための商品で、冷蔵庫向けではありません。結露防止シートは結露を吸水してくれますが、結露の原因を解決するには至らず、使用したところで目立った効果は得られないでしょう。

結露の発生など冷蔵庫の不調が見られる場合、単なるパーツの劣化ではなく、寿命で性能が落ちているかもしれません。冷蔵庫の平均寿命は12～13年ですが、冷蔵庫ごとに個体差があります。長く使うほ多様な症状が出てくるので、それらを見て寿命かどうか判断しましょう。

冷蔵庫の寿命を示す症状には主に、冷蔵庫の冷えが悪い・氷を作れない・アイスが溶ける・水が漏れる・異音がするなどがあります。各パーツの劣化が原因の場合はそこを修理すれば直りますが、改善しない場合は寿命と判断し買い替えを検討するのもいいかもしれません。

以下の記事では2023年最新のおすすめ冷蔵庫や、冷蔵庫を取り扱う各メーカの比較もご紹介しています。冷蔵庫の買い替えを考えている方は、ぜひ参考にして、自分にぴったりの冷蔵庫を見つけてみてください。

冷蔵庫の結露の原因は外気の侵入によるものが多いとわかりました。冷蔵庫の開閉の回数や開けている時間を短くして結露を防止できます。長期間使用しているとパッキンなどの劣化も避けられません。日頃からの冷蔵庫の点検と整理整頓で結露を防止しましょう。