冷蔵庫の中がカビ臭いときの原因と対策｜食品に影響は？【掃除・防止の方法も】

「冷蔵庫内は冷えているから、少しくらい汚れが残っていても大丈夫」と、手入れを怠っていませんか？しかしそれは間違いで、こびりついた汚れが原因となり冷蔵庫内にカビが発生してしまっている可能性があります。

実は、冷蔵庫内にはカビの栄養分となるものがあちこちにあり、繁殖する環境が整っています。特に湿気の多い時期はカビが繁殖しやすくなるため、気付かないうちにカビを多く含んだ食品を口にしている恐れもあるのです。

そこで今回は冷蔵庫内でカビが発生する原因について解説します。また、カビが発生した場合の掃除方法・予防対策なども詳しくご紹介するので、「冷蔵庫がカビだらけになってしまったが掃除の仕方がわからない」方も必見です。体の健康を守るためにも、ぜひこの記事を参考にしてください。

「冷蔵庫の中は温度が低いからカビは生えないはず」と思い込んでいる方は意外と多いです。しかし、カビは冷蔵庫内外に関わらず、どの空気中にも潜み漂っています。またカビが繁殖しやすい条件は25～30℃程度ですが、実際は0～50℃の中で活動できます。

よって、温度が低ければカビが死滅するわけではありません。さらに冷蔵庫内は風通しが悪く水分が溜まりやすいため、カビが繁殖する原因を作りやすい環境となっています。

冷蔵庫内の食品を取り出す時に、誤って容器から汁をこぼしてしまったり、食品の一部が冷蔵庫内に付着してしまった経験はありませんか？また、ケチャップなどは、気圧の関係で中身が漏れ出す場合もあります。

これらの汚れはカビの栄養分になるため、あとで掃除しようと思いそのまま放置すると、カビが発生しやすくなります。

冷蔵庫内は乾燥しやすく、外気からの影響を受けがちです。特に湿度が高い梅雨のシーズンは、ドアを開閉して外気が入り込むと、そのたびに冷蔵庫内の温度が上昇しカビが発生しやすくなります。

またドアの開閉を繰り返しているうちに、気密性を高めるためのパッキンが劣化する場合があります。その結果気密性が下がり、冷蔵庫内へのカビの侵入を許してしまうのです。

野菜や果物は土が付着したまま売られている場合が多いです。実は、土にはカビの小さな胞子が含まれている可能性があるため、土が付いた野菜や果物を冷蔵庫内に保管しておくと、そこからカビが繁殖する危険があります。

また他の食材でも、目には見えない部分が傷んでいる場合、知らない間に食材から冷蔵庫内へカビが移っている可能性があります。

食品に白いカビ（白カビ）ができてしまう場合があります。少しカビが生えているけど、カビの部分だけ取り除いて食べれば問題ないと思っている方はいませんか？実はカビは目に見えない部分にも存在しているため、取り除いたからといって安心はできません。

カビは必要な栄養分などが揃っている環境であれば、どんどん繁殖します。さらにカビは常に空気中をフワフワと舞っているため、食品から生えたカビは他の食品や物へと自在に移動できます。

また、カビにとっては、ホコリ・木・金属・プラスチックなどいろいろなものが栄養分です。そのため、カビが移り繁殖するのを防ぐには、冷蔵庫内を常に清潔にしておく必要があります。

食品にカビが生えていても、カビの生えている部分を取り除けば食べられると考える方も多いです。しかし食品の中にもカビは存在しています。加熱調理によるカビの除去も可能ですが、カビを完全に分解することは難しく、残ってしまう場合もあります。

そもそも、食品にカビが生えるのは、カビが生息しやすい環境になっているからです。また、カビが生えた食品を食べると食中毒を起こす危険があるため、カビに気付いたら食べずに捨てましょう。

アルコール除菌スプレーを使う掃除方法では、以下の3点を用意します。

• アルコール除菌スプレー
• キッチンペーパーや雑巾
• 綿棒

アルコール除菌スプレーが手元にない場合は、除菌効果のあるウエットティッシュ(香料無し)でも有効です。ウェットティッシュを使う場合は、アルコールが入っているのを確認してください。

まずは掃除しやすくするため、冷蔵庫の中に入っている食材や調味料を取り出します。買い物前など、冷蔵庫の中身が少なくなっているタイミングがおすすめです。

取り出した食材は、傷みやすいものであれば別の引き出しに移し替えたり、また保冷バッグやクーラーボックスなどを使い一時的に保管します。この時、状態が悪くなっているものは処分しましょう。

冷蔵庫内にアルコール除菌スプレーを吹きかけ、キッチンペーパーや雑巾で拭き取っていきます。拭き取り終わったら、取り出した食材の状態をよく確認しながら冷蔵庫内へ戻します。

冷蔵庫で食材がごちゃごちゃに置かれていると、食材にカビが生えていても気付きにくくなるため、冷蔵庫内はこまめに整理しましょう。

ドアのパッキンには細かいゴミや汚れが溜まりやすく、またパッキンは開閉により外気の影響を受けやすい場所なので、何もせずに放置しておくとカビが発生します。もし黒いシミのような汚れがあったら、カビが生えている可能性が高いです。

アルコール除菌をする前にまず綿棒を使い、パッキンに挟まっているゴミを取り除きます。

パッキンのゴミを取り除いたら、キッチンペーパーや雑巾にアルコール除菌スプレーを吹きかけ、パッキンを拭いていきます。カビの胞子はカビが発生していない箇所へも飛んでいくため、パッキン全体を掃除しておくと安心です。

それほど手間のかかる作業ではないので、できるだけこまめに手入れを行いましょう。

冷蔵庫の外側にはホコリやゴミ以外にも、調理時の油なども付着し汚れています。そのため、冷蔵庫の外側もアルコール除菌スプレーを使って掃除をすれば、よりきれいな状態を保てて衛生的です。

もし少しベタベタする時は、食器用洗剤を少量垂らし雑巾などで拭いたあと、水拭きと乾拭きを行えばきれいな仕上がりになります。

アルコール除菌スプレーには漂白作用がないため、表面の除菌はできてもシミ汚れまで落とすのは難しいです。またカビが根深い場合、アルコール消毒だけでは不十分なケースがあります。そんな時はキッチンハイターなどの漂白剤を使いましょう。

キッチンハイターを使う掃除方法では、以下の3点を用意します。

• キッチンハイター
• ゴム手袋
• キッチンペーパー

キッチンハイターなどの塩素系漂白剤は、誤って口に入れてしまうと危険なので、食材に付着しないよう十分に注意しましょう。

トレーやドアポケットなどの取り外せるパーツは、水で薄めたキッチンハイターでつけ置きするのが効果的です。薄める目安としては、水5Lに対しキッチンハイターの原液約50ml(キャップ2杯分)が適しています。

薄め液が準備できたらキッチンの洗い桶などを利用し、30分ほどつけ置きましょう。またつけ置き後は水でしっかりとすすぎ、十分に乾かしてから冷蔵庫内に戻しましょう。

冷蔵庫内の棚やドアなど取り外せないパーツ部分は、キッチンハイターを水で薄め拭き掃除を行いましょう。薄める目安は、水5Lに対しキッチンハイターの原液をキャップ半分ほど入れます。

薄めたキッチンハイターをキッチンペーパーに含ませ、気になる部分をしっかりと拭きましょう。拭き終わったら水拭きをしてきれいに仕上げます。

パッキンにシミ汚れが残っていたら、アルコール消毒と同じように綿棒を使いましょう。キッチンハイターの原液を水で5倍ほどに希釈し、薄め液を綿棒に含ませパッキンを拭いていきます。

綿棒で拭いたあと、しばらく時間を置いてから水拭きすると、頑固なシミ汚れもきれいに落とせます。

冷蔵庫を掃除する時には、中に入れている物を外へ出す必要があります。しかし一度にすべて掃除しようとすると負担が大きくなるため、面倒に感じてしまう方もいるはずです。そんな時は、ブロックごとに分けて1日1ブロックずつ掃除する方法が効果的です。

「今日は野菜室をきれいにして、明日は冷蔵室とチルド室」など日ごとのノルマを決めておけば、1日あたりの掃除の負担を軽減できます。

冷蔵庫内の掃除方法を順番にご紹介します。

1. 冷蔵庫内の食材や調味料を取り出し、必要であれば保冷バッグやクーラーボックス等に入れる。
2. 取り外せるパーツを外し、スポンジと食器用洗剤で洗う。取り外せない棚の部分などは、食器用洗剤を含ませた雑巾で拭く。
3. このあと紹介する「重曹」を雑巾に含ませ、冷蔵庫内とパッキンを拭く。細かい溝などは綿棒や歯ブラシを使うと掃除しやすい。
4. 食器用洗剤を含ませた雑巾を絞り、冷蔵庫の外側を拭いたあと、乾いた雑巾で乾拭きする。
5. 取り出した食材や調味料を冷蔵庫内に戻す。

ドア周りは意外と汚れが溜まりやすいため、こまめに手入れを行いましょう。冷蔵庫の掃除方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。

冷蔵庫内を掃除する時、洗剤などの使用で食品への影響が気になる方は、体に安全な重曹を使うのがおすすめです。重曹には食用のものがありますが、一方で油汚れや焦げ付きを効率よく落とすための掃除用としても使えます。

さらに重曹には消臭効果もあるので、雑巾に重曹水を含めて掃除すれば、ニオイがこもりがちな冷蔵庫内をスッキリと仕上げられます。

カビが発生する場所として見落としがちなのが製氷機です。食品の保管場所ではない製氷機でも、給水タンクに水を長期間溜めておくとカビが発生する原因となり、カビ混じりの氷が作られます。

カビは氷詰めになった状態であれば生育はしませんが、しばらくの間生存しています。カビを防ぐためには、給水タンクの水をこまめに取り替え、また取扱説明書に従い部品を定期的に洗浄しましょう。製氷機のお手入れ方法については、以下の記事で解説しています。

冷蔵庫のドアを開けるたびに冷蔵庫内の温度が上がり、温度変化に影響を及ぼします。そのためドアを開けっぱなしにしたり、また開け閉めを頻繁に行っていると、カビが繁殖する原因となる結露が発生しやすくなります。

冷蔵庫のドアを開けっぱなしにするのは避け、開閉回数はできるだけ少なくしましょう。

冷蔵庫内のスペースはある程度余裕を持たせるのがおすすめです。具体的なポイントは以下の3点です。

• 収容率は70%程度に抑える
• 食品同士のすき間を適度に空ける
• 冷気の吹き出し口の前に食品を置かない

食品同士の間隔が狭いと冷気の循環がスムーズにいかず、温度が上がりカビの繁殖を招きます。

冷蔵庫内の食材をこまめに整理するのも、カビの発生を防止するのに大切です。整理がこまめにできていないと、賞味期限や消費期限の切れた食品に気づけません。また、期限前でも食材にカビが生えてしまう場合もあるので、そういったものを適切に処分するきっかけにもなります。特に、野菜や果物などの食材はカビが生えやすいので要注意です。

冷蔵庫に料理を入れる際は、熱いままではなく必ず冷ましてからにしましょう。食品を熱いまま冷蔵庫内に入れてしまうと、庫内の温度が上がり菌が繁殖しやすくなります。また、冷蔵庫の中に入っている他の食品も熱により傷んでしまう恐れがあり危険です。

ちなみに、「粗熱を取った」状態とは、一般的に手で触れる程度の温度を指します。出来立ての料理はすぐに冷蔵庫に入れず、粗熱を取ってからしまうようにしましょう。

どうしてもうまくカビ取りができなかったり、忙しく手入れをする時間がない場合は、クリーニングのプロにお願いするのもひとつの手です。価格の相場は5,000円前後から10,000円以上とさまざまなので、口コミなどを参考にしてください。

中にはカビや汚れが付きにくくなるよう、コーティングを施してくれる業者もいます。

この記事では、アルコール除菌スプレーやキッチンハイターを使った本格的な掃除方法をご紹介しました。冷蔵庫の掃除は、できたら2～3ヶ月に1回は実践したいところです。また、日頃から汚れている部分をこまめに手入れするのも重要です。食品を安全に保管するためにカビ対策をしっかりと施し、いつでも清潔な冷蔵庫を保ちましょう。