冷蔵庫の転倒防止・地震対策おすすめ耐震グッズ14選｜ニトリなど耐震マットも

阪神淡路大震災・東日本大震災など、日本では大きな地震がしばしば発生します。大型家電である冷蔵庫には転倒に伴って人を下敷きにしたり、通路を塞いだりといったリスクが付きものです。特にファミリー用の大型冷蔵庫が転倒すると、大惨事になりかねません。

冷蔵庫の耐震対策には転倒防止グッズがぴったりです。とはいえ、選び方がわからなかったり、賃貸物件に役立つものが見つからなかったりする可能性もあります。正しい知識を身に付け、住環境に適した1品を見つけましょう。

今回は冷蔵庫におすすめの地震対策・転倒防止グッズや耐震性を上げる正しい使い方のコツを紹介します。ためしてガッテン流の固定方法やニトリのグッズも徹底解説。地震が起きても倒れない冷蔵庫を実現したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

冷蔵庫が転倒する怖さや転倒防止の大切さをぼんやりとは感じていても、しっかり理解できていない人は意外と多いです。怖さを知らないと適切な地震対策ができないだけでなく、地震が起こった時にも適切な行動が取れません。冷蔵庫が転倒するとどのような危険性があるのか詳しく解説します。

一般論として高さのある物体ほど地震の影響を受けやすく、倒れやすいです。冷蔵庫は家電の中で最も背が高く、かつ重いもの。ファミリー向けの冷蔵庫は、高さが190cm・重さが60kg以上のものもあり、中身が入っていれば100kg前後の場合も珍しくありません。

耐震対策を怠った冷蔵庫が倒れ込む際の衝撃には揺れによる勢いが加わるため、重量も相当なもの。たとえば重さが100kg近くの冷蔵庫の場合、1トン近い衝撃がかかります。地震の際に身を守るためにも、冷蔵庫が倒れないよう十分に対策しましょう。

東日本大震災のような長周期地震動では高層階ほど揺れが激しいのが特徴です。日本では震度3以上の地震がたびたび発生し、大地震の発生時には、震源地から遠く離れた場所でも震度3程度の揺れが起こります。

地震が長周期地震動だった場合、震度3程度でも高層階では震度5くらいの揺れに感じます。特に高層マンションにお住まいの方は、冷蔵庫の対策をしっかり行いましょう。耐震基準に注目するのもおすすめです。新築物件に多い「耐震基準3」の場合、震度6強～7程度に対応できます。

転倒防止グッズは大きな地震など災害が発生した際に、できるだけ冷蔵庫転倒による被害を抑えるためのグッズです。さまざまな転倒防止グッズが市販されています。市販の転倒防止グッズのメリットを以下にまとめたので、ぜひ参考にしてください。

【メリット】

• 地震の際の転倒を防ぎ、家庭内での思わぬ事故を予防できる
• 大掛かりな工事がいらず、手軽に設置できる
• 冷蔵庫購入後でも設置できる
• 冷蔵庫を動かしたり、壁に穴を開けたりする必要がない

突っ張り棒型の転倒防止グッズは、冷蔵庫の上部に設置し天井との間を繋いで転倒を防止するものです。どこでも設置できて壁や天井を傷つけないので、賃貸でも問題なく設置できます。長さも豊富で、1m~1.5mの隙間ならば十分に対応できます。

ただし、天井と冷蔵庫の間に隙間が大きすぎる場合は転倒防止の効果が得られません。たとえば、ワンドア、ツードアの冷蔵庫は、何か別の家具の上に冷蔵庫をのせて隙間を無くす必要があります。一方で、ファミリー用の背の高い冷蔵庫ならぴったりです。また、突っ張り棚型であれば、棚の中に収納スペースも確保できます。

冷蔵庫の固定に適した突っ張り棒については、以下の記事でも紹介しています。

耐震ジェルマットとは、粘着力の強いマットを冷蔵庫の下や横に貼りつけて転倒を防止するグッズです。現在の耐震ジェルマットは粘着力は強力ですが剝がしやすいものが主流になっています。床や壁を傷つけにくく賃貸物件でも使いやすいのが特徴です。

その一方で、転倒防止の機能は突っ張り棒型に比べると今一つです。特に重量や高さのあるファミリータイプの冷蔵庫は、1~2枚貼っただけでは揺れに耐えきれずに転倒する危険があります。

しかし、強力な粘着力を持つジェルマットは貼った場所を傷つける可能性が高くなります。2ドアまでの小型な冷蔵庫への使用がおすすめです。

ベルト型の転倒防止グッズはくぎ・ネジなどでベルトを固定し、壁と冷蔵庫を繋いで転倒防止を図るタイプです。代表的な商品としてはパナソニックの「冷蔵庫転倒防止ベルト AD-NRQBL09」が挙げられます。粘着テープのタイプと比べて高い防震性能を発揮する一方、壁を傷つけてしまうのがデメリット。

強度の高いタイプであれば、震度6程度の揺れにも耐えられる約600kgの引っ張り強度があるので、持ち家やマンションでの冷蔵庫転倒防止にはベルトタイプが利用可能です。なお、内閣府のHPでは冷蔵庫の転倒防止にベルトタイプを推薦しています。

大きな地震が起きたときに冷蔵庫で危険なのは、扉が勝手に開いて中のものが飛び出す怖れです。冷蔵庫の中には、缶やビンなど重くて大きなものもたくさん保存されています。それが勢いよく飛び出せば凶器になります。

転倒防止グッズと一緒にドアストッパーも付けておくとより安心です。ストッパーを付けておけば、激しい揺れがきても冷蔵庫の中が飛び出し危険な凶器になる心配がありません。

以上で紹介した4つの転倒防止グッズのメリット・デメリットを表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

冷蔵庫固定グッズを作るには、以下のものを用意しましょう。

• L字金具
• 止めねじ（皿ねじ）
• 耐震ジェルマット

L字金具は、できるだけ幅の広いものを用意してください。止めねじを入れる箇所が4箇所あるものが適しています。

自作の冷蔵庫固定グッズの作り方を説明します。

1. L字金具を背中同士で合わせてネジで固定する
2. 片方のL時金具の背と下の部分両方、計3箇所に転倒防止ジェルを貼り付ける

固定したL字金具の接続部分は必ず片方のみ転倒防止ジェルを貼り付けましょう。転倒防止ジェルの幅や長さが足りないと転倒防止力がうまく働かないため、転倒防止ジェルの大きさはL字金具に合わせてください。

できあがった転倒防止グッズは冷蔵庫の下に挿し込みますが、背面か側面に挿し込むようにしましょう。L字金具に付けられた転倒防止ジェルが床と冷蔵庫をしっかりと固定します。剝がすときもL字金具を抜けばいいので簡単です。

挿し込む際は、以下の点の注意しましょう。

• 冷蔵庫は重いため2人がかりで行う
• L時金具の長さ分、壁と冷蔵庫の間に隙間を作る
• 金具を入れたときに冷蔵庫ががたつかないように確認する

冷蔵庫の置き場所や大きさによっては転倒防止グッズだけでは不十分です。ただ、そんなときも代用できるアイデアや強化できる方法はあります。ここでは、転倒防止グッズの効果を最大限発揮させる方法を解説します。今まで一般的な転倒防止グッズで対策できなかった人もぜひ参考にしてみてください。

突っ張り棒型と耐震ジェルマットの両方を併用すると、冷蔵庫の上と下、両方から冷蔵庫を押さえるので激しい揺れにも耐えられます。特に冷蔵庫が大きい場合は揺れによる衝撃も大きくなので、汎用してより耐震性を強化しましょう。また、併用していれば経年劣化などでジェルマットの吸着力が落ちていても安心です。

2つのアイテムを使えば耐震強度もアップできるので、ぜひ突っ張り棒と耐震ジェルマットの併用を実践してください。

冷蔵庫の上に隙間が空いていると、激しい揺れが来たときに大きく揺さぶられます。箱の中に隙間があると中に入れたものが激しく動くのと同じ理屈です。突っ張り棒タイプの転倒防止グッズをつけられない場合は、ダンボールなどで天井と冷蔵庫の隙間を埋めましょう。

もちろんそれだけでは心許ないので、ジェルタイプの転倒防止グッズと併用してより耐震性を強化してみてください。隙間を埋めるダンボールには、中に日用品のストックを入れるなど活用できるメリットもあります。

冷蔵庫の転倒防止グッズを設置するときは、いくつか気をつけるポイントがあります。転倒防止グッズを正しく取り付けないとその効果を十分に発揮できなくなり、地震の際に冷蔵庫が倒れてしまう恐れもあります。ここでは2つのポイントを紹介しますので、参考に正しく転倒防止グッズを使用してください。

ビスを使用して固定するタイプのベルト型器具は、ビスを打つ場所がポイントです。ビスを打った場所の強度が弱い場合、せっかくの転倒防止器具がすぐに外れてしまう可能性があります。

ビスを打つ際は、柱や間柱などの下地がある壁に打ち込みましょう。下地がある場所がわからない場合は、家の図面を確認するか、自宅を施工した建築会社に確認する方法があります。または、「下地チェッカー」や「下地センサー」といったツールを使用して下地を確認する方法もあります。

最近では、100円ショップにも家具を固定するためのグッズが販売されています。安価で手に入りますが、冷蔵庫を固定するために100均アイテムを使うのはやめましょう。冷蔵庫には重量があり、100均アイテムではその重量に耐えるだけの強度が不十分な場合が多いです。しっかりと冷蔵庫を固定するためには本記事で紹介した、強度の高いアイテムを使用しましょう。

コスパのいい家庭用品を販売しているニトリですが、転倒防止グッズについても突っ張り棒やマットなど多数販売しています。ただし、冷蔵庫の転倒防止に利用する場合は、必ず「冷蔵庫対応」と記載のある商品を選びましょう。

ニトリで買える冷蔵庫対応の転倒防止グッズには、以下のような商品があります。

大きな地震はある日突然やってきます。だからこそ、事前に対策をしておくべきです。特に都市部ではキッチンがコンパクトな家が多いので冷蔵庫が倒れてきたら大変な被害が出るかもしれません。冷蔵庫には必ず転倒防止グッズを取り付けましょう。