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デジタルカメラに慣れてくると、撮影したい被写体の幅も広がってきます。基本的にはオートモードで撮影できる被写体が多いのですが、中にはオート撮影が難しい被写体もあります。満天の星空を撮影してみたいと思う人も少なくはないのでしょうが、星空はオートモードで撮影することが難しい被写体の一つです。
ここでは、デジタルカメラで星空を撮影する際のポイントや持っておきたい装備品などをまとめます。
星空撮影と一緒に月の撮影に興味のある方は下記の記事を参考ください。
星空撮影をしたい場合、特に注目すべきカメラのスペックについて紹介します。


星空撮影時に大事なのは「絞り、シャッタースピード、ISO感度」です。オート設定では星空の撮影に適した設定から外れる場合が多いため、マニュアルで3つの設定をいじれるデジタルカメラをお勧めします。
コンパクトデジタルカメラの中にはマニュアル設定ができないものもあるため注意しましょう。
X100F



優れた描写力を誇る35mm相当のF2.8大口径レンズを内蔵した高級コンパクトカメラ
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- 23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ) X-Trans CMOS III
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- シルバー
FUJIFILM X100Fは、デジタル一眼レフに採用されているAPC-Cサイズのイメージセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラです。また、最高ISO感度51200、解放F値f2.0という非常に明るいレンズを搭載しています。多くの光量を取り込むことができ、星空の撮影にも向いているデジタルカメラです。
単焦点レンズ搭載のデジタルカメラで、フルサイズ換算で焦点距離は23mm。別売りのワイドコンバージョンレンズを使用することで、28mm,50mmにすることも出来ます。
星空撮影以外にもスナップ写真を撮りたい方に特におすすめです。
GR III



初心者の方からプロの方までおすすめ!夜景もキレイに
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
像面位相差オートフォーカスとコントラストオートフォーカスの長所を組み合わせたハイブリッド仕様で、決定的瞬間を逃すことなくシャッターが切れるのも魅力の1つ。コンパクトデジカメにしては高級なものの、非常に軽量で携帯性に優れ、圧倒的な画質を誇るGR3は初心者の方からプロの方までおすすめできるデジタルカメラです。
- 撮像素子
- 23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ)CMOS
- タッチパネル
- ○
- タイムラプス
- ○
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- ブラック系
「究極のスナップシューター」をコンセプトとして設計されたRICOHの高級コンパクトデジタルカメラです。APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載し、最高ISO感度はISO102400を達成しています。
さらに、別売のワイドコンバージョンレンズを装着することで、焦点距離21mm相当の広角撮影を行うことができ、星空の撮影に向いた一品であるという意見が多くあります。
XF10



小型薄型のボディにAPS-C判センサーと描写性能に優れた単焦点レンズを内蔵
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- 23.5mm×15.7mm(APS-Cサイズ) 正方画素CMOS
- タッチパネル
- ○
- 4K対応
- ○
- タイムラプス
- ○
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- シャンパンゴールドブラック
FUJIFILM XF10は、APC-Cサイズのイメージセンサーに加えて、広角18.5mmの超広角レンズを搭載した広角撮影を得意としたコンパクトデジタルカメラです。FUJIFILM X100Fの下位モデルという位置付けのデジタルカメラです。
下位モデルといっても全てのスペックが劣っているわけでは無く、良い点もあります。例えばX100Fは本体重量470gに対してXF10は280gと軽量です。またタッチパネルに対応している点、4Kの動画撮影が可能な点などがX100Fと異なる点です。
オートフォーカスの精度に不満があるという意見もありますが、星空撮影においてはオートフォーカスを使用しないことが多いため、大きなデメリットにはなりません。優れたコストパフォーマンスのコンパクトデジタルカメラです。
PowerShot G5 X MARK Ⅱ



大口径F1.8~F2.8の光学5倍ズームレンズと1.0型CMOSセンサー採用の高級コンパクト
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- 1型CMOS
- 光学ズーム
- 5 倍
- タッチパネル
- ○
- 4K対応
- ○
- タイムラプス
- ○
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- ブラック系
Canon PowerShot G1X MarkⅢは、APS-Cサイズのイメージセンサーに加えて解放F値f2.8の明るいレンズを搭載したコンパクトデジタルカメラです。星空を撮影する際には三脚の使用が必須ですが、3.0型のバリアングル液晶を搭載しているため、背が低い三脚を使用する場合でも液晶で視野を確認することができます。デジカメの設定に「星空撮影モード」があり、星空の軌跡など、撮りたいモードを選択することができます。
DSC-RX100M7



高倍率ズームとポップアップ式EVFを内蔵、魅力満点のイチオシのコンパクトカメラ
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- 1型CMOS
- 光学ズーム
- 8 倍
- タッチパネル
- ○
- 4K対応
- ○
- タイムラプス
- ○
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- ブラック系
SONY DSC-RX100M7は、1.0型のイメージセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラです。APS-Cサイズより一回り小さなイメージセンサーですが、暗所撮影も問題なくこなすほどバランスよく仕上がっているという意見もあり、星空の撮影にも向いているコンパクトデジタルカメラです。
USB給電を行いながらの撮影も可能なため、星空のタイムラプス撮影なども安心して行うことができます。

星空の撮影を行うには、持っておくべき装備や、あると便利な装備と言ったものがあります。その中でも重要な装備をいくつか紹介します。
星空の撮影において三脚は必須装備です。長時間露光を行うにはしっかりとした三脚を用意しておく必要があります。多くのデジタルカメラには手ぶれ補正機構が搭載されていますが、三脚に固定して撮影する場合は手ぶれ補正機構をオフにして使用します。これによって、微細な振動で手ぶれ補正が作動し不用意なブレが発生することを防ぐことができます。

長時間露光を行うと、予想外にバッテリーを消耗することがあります。また、星空が美しく見える寒空のしたでは温度低下でバッテリーの消耗が早くなることがあります。そういった側面からも、予備のバッテリーは複数持っておく方が良いと言われています。

長時間露光を行う星空の撮影において、手ぶれは致命的です。シャッターを切る際のわずかなブレでも写真に反映されてしまいます。そういったシャッターブレを防止するためにレリーズやリモコンが重宝されます。セルフタイマー機能を応用して撮影することもできますが、思い通りの露光時間で撮影するためにはレリーズやリモコンが便利です。

星空の撮影を行うということは、時間帯は夜です。明かりがなければデジタルカメラの設定を変更することも、荷物の出し入れも難しくなってしまいます。強すぎる光源はカメラの露光に影響を与えてしまうため、自分の足元が見える程度の弱い光源を用意しておくと良いでしょう。強い光源にセロハンを貼り付けて弱くする方法もあります。

夜の撮影は寒さとの戦いであるという意見もあります。特に澄んだ空気や真っ暗な撮影環境を求めて山へ行く場合は、急な天候の変化の可能性もあります。装備品は軽いに越したことはありませんが、防寒具は準備しておくことをおすすめします。

星空の撮影において、事前の下見は非常に重要だと言われています。まずは現地の天候調査です。素晴らしい星空が見られるスポットでも、雲におおわれていては何も映し出すことはできません。雨が降ってしまっては、カメラを壊してしまう可能性もあります。
次に、撮影を行う場所への足場です。夜になると光源がない山中などは、肉眼では何も見えなくなることが多くあります。昼間に徒歩で簡単に行くことができた場所でも、夜になると歩くことさえ難しくなると言われています。不本意な怪我を防ぐためにもしっかりとした下見が重要です。

星空や天体を撮影する際に、一番難しいのはピントを合わせることであると言われています。昼間であれば、街灯や山際を狙ってピントを合わせることはできますが、夜ではこの作業ができません。撮影場所を決定したら、決めたポイントを中心にピントを合わせておくことをおすすめします。昼間に合わせたピントを元にして、撮影しながら絞りや露光時間を調整していくことが夜間撮影のポイントであると言われています。

撮影機材の準備や下見が終わったところで、実際にどのように設定したら良いか疑問に思う人は少なくはないと思います。ここではデジタルカメラの設定方法を簡単にまとめます。

微調整は実際に撮影しながら行いますが、光を多く取り込むために、基本的に絞りはなるべく開いて撮影することをおすすめします。まずはf4.0あたりで試してみると良いという意見があります。

光を多く取り込むためには長時間の露光が必要です。撮影した写真の明るさを確認しながら調整を行うことになりますが、まずは30秒に設定して撮影を行ってみます。

ISO感度をあげると写真は明るくなりますが、ノイズが入ってしまいザラザラした写真になってしまいます。星空撮影を行う場合は、ISO感度をあげて明るくするのではなく、露光時間で明るさを調整することが一般的であると言われています。まずはISO3200に設定し、徐々に調整することをおすすめします。
基本的な撮影の際のデジタルカメラの設定や撮影方法を知りたい方は下記の記事をご覧下さい。

前述した通り星空の撮影は、明るい環境での撮影とは違いオートモードが使用できません。そのため、デジタルカメラの仕組みや細かい設定方法などの知識を習得しておく必要があります。知識に裏付けされた設定であれば、実際に撮影しながら微調整を行いつつ、美しい星空を撮影することができるでしょう。
星空写真撮影術 改訂版 天体写真撮影テクニック (アスキームック)
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
星空を撮影するために必要なカメラの設定やピント合わせ、露出時間の目安など、欲しいと思われる情報が凝縮された一冊です。初心者向けの撮影方法から、地球の自転に合わせて星を追尾しながら動く「赤道儀」を用いた撮影方法、フィルターを使用した細かいテクニックなどすぐに使える技術が多く記載されています。持っておいて損はないという意見もあるほどです。

星空の撮影についての解説や考察は、書籍だけではなくインターネット上にも多くの情報が公開されています。知りたいことがあるときは、インターネットを参照するという人も少なくはありません。執筆されている内容には、著者それぞれの思いが加筆されていることもありますので、多くの情報から自身に適した内容を選択することをおすすめします。

流れるような星の軌跡を撮影するタイムラプス撮影をしたい方は下記の記事でおすすめのデジタルカメラを紹介していますのでご覧ください。

デジタルカメラやデジタル一眼カメラでの撮影が一般的とされている星空撮影ですが、設定やアプリ次第では、スマートフォンで撮影することも可能です。しっかりとした準備をしておらず、偶発的に星空を撮影するシーンに遭遇した場合は、ぜひスマートフォンでの撮影を試してみてください。

スマートフォンの撮影においても、星空撮影をオートモードで行うことは簡単ではありません。スマートフォンにプリインストールされているカメラアプリにマニュアル撮影の設定がなければ、撮影用のアプリをダウンロードする必要があります。また、マニュアル撮影の設定が出来るアプリをすでに持っている場合は、フォーカスモード、シャッタースピード、感度等を設定するだけです。もちろん三脚は必須アイテムです。

ほとんどのデジタルカメラには夜景撮影モードが搭載されています。この夜景モードを活用することで、複雑な設定や器具を使わずに夜景を美しく撮影することができます。
一方、星空撮影モードが搭載されているデジタルカメラは多くありません。撮影する場所の環境光や、星の明るさが撮影シーンによってバラバラであることがこの原因であると言われており、星空を美しく撮影するためには撮影シーンに応じた設定や装備が必要であると言われています。