【1分で選べる！】カメラの焦点距離による違い｜焦点距離とF値の関係も解説

カメラの焦点とは、ピントのことです。そして、焦点距離とは、ピントを合わせたレンズとイメージセンサーの距離を表します。この距離は写真の写り方(画角)そのもので、焦点距離が近いほど角度の広い写真が、遠いほど角度の狭い写真の撮影が可能です。

広角レンズや望遠レンズなど、耳にするレンズの種類はいくつかありますが、レンズはすべて焦点距離を基準に名前が付けられており、撮影にはそれぞれ用途に合ったレンズを使用します。レンズを変えるだけで対象の写り方がまったく変わります。

焦点距離は画角に収まる風景の範囲に影響し、
焦点距離の数値が小さければ広い範囲を、大きいほど狭い範囲を切り取れます。

製品の仕様を確認すると「24～360mm」のように記載されている場合が多いです。この場合、24mmから360mmまでの範囲で焦点距離を調整できるということになります。

以下では撮影シーンにおすすめの焦点距離を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

• ポートレート(人物写真)
  →焦点距離35〜80mm程度
  
• スナップ写真
  →焦点距離50mm前後
• 風景写真
  →焦点距離24～100mm程度
  
• 星空
  →焦点距離24mm以下
• 物撮り
  →焦点距離50~90mm
• 鉄道写真
  →焦点距離300mm前後
• 野鳥・月
  →焦点距離500mm前後

レンズの種類は大きく分けて「ズームレンズ」と「単焦点レンズ」の2種類です。それぞれの違いを解説します。

ズームレンズとは、焦点距離を任意の範囲で移動させられるレンズで「24-50」や「70-200」など、焦点距離の最小値-最大値の形でレンズに記載されています。レンズ一本である程度の画角をカバーできるため、いちいちレンズを交換して撮影を中断する手間が省けます。

しかし、レンズの構造が複雑になる傾向があるため、一本当たりのレンズの値段が高い場合が多いです。高倍率レンズの場合はとくに、低倍率時と高倍率時で画質に差が出やすいです。

対して単焦点レンズは、焦点距離が固定されたレンズです。レンズ構造が単純なためズームレンズより画質が良く、高級ズームレンズ並みの画質を安い値段で手に入れられる点は、大きなメリットです。しかし、撮れる画角と撮りたい画角が合わない場合は、レンズを交換する手間がある点はデメリットととなります。

F値と呼ばれるレンズの明るさも小さい傾向にあるので、ボケにくく、扱いやすいレンズです。

焦点距離の短いレンズにすればするほど画角が広くなり、写る範囲が広くなります。焦点距離50mmを基準として、それより距離の短いレンズは一般的に広角レンズと呼ばれています。

画角が広いレンズは、レンズ内に収められる対象物が多いので、遠くから情報量の多い写真を撮影できます。また、ピントの合う範囲が広いため、風景写真や集合写真を撮る際に適したレンズです。

一般的に、焦点距離70mmから200mmの間で移動させられるレンズを望遠レンズと呼びます。広角レンズに対して焦点距離が遠いため、画角が狭くなり、画面内に収められる対象物が広角レンズに比べて少なくなります。

一見するとデメリットのようにも見えますが、無駄な情報が入ってこないため、自然とすっきりとした印象を作品に与えられるのが特徴です。かつ対象に寄らずとも大きく写せるため、スポーツや動物など躍動感のある瞬間を切り取るのに適しています。

また、望遠レンズはピントの合う範囲が狭いため、撮影が難しい反面ボケを利用して対象を際立たせる撮影にも向いています。

標準レンズは、その名の通り標準的な焦点距離、画角を持つレンズです。広角レンズと望遠レンズの中間に位置するレンズで、焦点距離は50mmを基準にしたものが一般的です。

標準レンズと呼ばれるようになった主な理由は、「ヒトの肉眼が視認する視野に一番近い画角と焦点距離が50mmであるから」または「戦前、戦後期に流行していた高級カメラの標準レンズが50mmだったため、その名残があるから」などと言われています。現在は単純に「広角と望遠の中間」と考える方が多いです。

F値とは、レンズに入ってくる光の量を調整する「絞り」と呼ばれる金属板の穴の大きさを意味しており、その基準値(開放F値)は、焦点距離を有効レンズ口径で割ると求められます。たとえば、焦点距離24mmで有効レンズ口径が18mm広角レンズで計算すると、開放F値は約1.3です。

F値を大きくすると絞りの直径が小さくなり、イメージセンサーに入る光の量が少なくなり、ボケが生じやすくなります。前述でレンズ性能として紹介していたボケやすさの正体は、実はF値が大きく関係しているのです。

これまでカメラレンズの焦点距離に関して解説をしてきました。焦点距離が違うだけで、撮影する対象を大きく写したり小さく写したり、さまざまな方法で表現できます。ぜひこちらの記事で焦点距離について理解し、素敵な写真を撮ってください。