電子レンジの消費電力は？｜ワット数の違いやブレーカーが落ちる場合の対処法も

家電を使用する際に、電気代が気になるときはありませんか？特に、電子レンジや電気ポットなどの消費電力が大きい家電は、「電気代がかかりそう」・「ブレーカーが落ちないか」などと気にしながら使用している方も多いです。

実は、電子レンジにかかる電気代は使用方法によってある程度抑えられます。ちょっとだけ意識をして電子レンジを使用するだけで、毎月の電気代を少し安くできますよ。

この記事では、電子レンジの消費電力や電気代の節約方法について解説します。他の家電との消費電力の比較に加え、500W・600Wなどワット数ごとの消費電力や電気代の違い・アンペアではどのくらいなのかも紹介するので、興味がある方はぜひ参考にしてください。

電子レンジを使用して食べ物を温める際に、商品の袋や蓋などに「500Wで〇分」などが表示されているのを見たことがありますよね。実は、このW部分の表記は消費電力を示しているわけではありません。

「500W」などの表示は定格高周波出力と呼ばれる数字で、電子レンジの庫内に入れたものを温めるために使われるエネルギーです。このワットの表示には電子レンジのファンやターンテーブルを動かす電力などは含まれておらず、実際にはもっと多くの電力を消費しています。

一般的に電気代を計算する際には、Wh（ワットアワー）という単位を使用します。この単位は1時間その機械を使用した際に消費される電気の量を表します。Whを算出するための計算式は「消費電力（W）×時間（h）＝電力量（Wh）」 です。

次に、電力料金の計算をするためにkWh（キロワットアワー）という単位に換算します。1kW（キロワット）＝1,000W（ワット）なので、先ほど求めたWhを1,000で割るとkWhが求められます。

ここで算出されたkWh数に、それぞれ家庭で契約している電力会社ごとの1kWhあたりの単価をかけてください。定格消費電力を使って「定格消費電力（W）÷1000×1kWhあたりの電力量料金（円）＝1時間あたりに最大でかかる電気代目安」となり、最大で１時間当たりの電気代を算出できます。

電子レンジは、使用しているメーカーや機種によっても変化しますが、「500W」などと表示されている1.5～2倍程度の電力を消費します。一般的な家庭にある電子レンジは、1300W程度の消費電力といわれており、これをアンペア(A)に直すと約13Aです。

家庭内で使える電力は契約しているプランにもよりますが、30Aの契約の場合は他の消費電力の高い家電とあわせて使うとブレーカーが落ちてしまう可能性があります。電子レンジを使用する際は、消費電力の高い家電を同時に使い過ぎないようにしましょう。

電子レンジの電気代は、消費電力（kWh）と1kWhあたりの電気料金を掛け合わせるだけで計算できます。ここでは、1kWhあたりの電気料金を27円と置いて計算してみましょう。

たとえば、1200W（1.2kW）を1時間使用した場合の電気代は、1.2kW×27円＝32.4円/h　です。これを1分間に直すと、32.4円/h÷60分＝0.54円/mが得られます。以下の表は500W・600W・1000W・1200Wの電子レンジを1分間使用した際の電気代の比較表です。ぜひ参考にしてください。

【1分間レンジを使用した際の電気代（電気料金1kWhあたり27円）】

また、電子レンジの平均電気代も気になりますよね。実際に使用する電子レンジの機種・使用時間でも変動しますが、年間消費電力量は59.9kWh、電気代に換算すると年間1,617円、ひと月にすると135円ほどになります。

電子レンジの電気代の計算方法や消費電力についてわかりました。ここでは他の主な家電と比べて、電子レンジの消費電力が高いかどうか検討していきます。

家庭・職場・コンビニなどさまざまなところで使用されているエアコンの消費電力は6.6Aです。エアコンは短時間使用するより長時間使用するものなので、単価は安いですがトータルした電気代は高くなる傾向があります。

食べ物の保存や飲み物を冷やしておくのに便利な冷蔵庫の使用電力は2.5Aです。他の家電とは違い常に電源が入っていて電気を使用しているため電気代はかかりますが、単価が安いためそこまで高額にはなりません。

部屋の床掃除に便利な掃除機の消費電力は10Aです。ただし、これは強いパワーで使用した場合なので、弱いパワーで掃除機を使用する場合の消費電力は少なくなります。

お風呂上がりの濡れた髪を乾かす際に活躍するドライヤーの消費電力は12Aです。消費電力が非常に高く、契約しているアンペア数によっては電子レンジと同時に使用するとブレーカーが落ちる可能性があります。

髪の毛が長い方はドライヤーの使用時間が長くなるので、特に注意して使用しましょう。

簡単にお湯が沸かせる電気ケトルの消費電力は10Aです。お湯を沸かすまでにかかる時間は数分程度ですが、比較的消費電力が高いので注意が必要です。電気ケトルを使用する際はドライヤーと同様に、他の家電を切ってから使用するとブレーカーが落ちる心配がなくなります。

上記の表で、主な家電の消費電力について比較できます。電子レンジの消費電力は他の家電と比べて高いですが、電子レンジは長時間使うわけではなく1日トータルしても数分程度なので、他の家電よりも電気代としては安くなります。

消費電力が高い電子レンジやドライヤーは同時に使用すると、ブレーカーが落ちる可能性があります。

ブレーカーが落ちるのは、電気の供給が契約プランの最大値まで到達していることを意味しています。電子レンジの使用は、一般家庭の電気供給量のうち3分の1を占めます。電子レンジを使用する際は、エアコンやポットなどの消費電力の高い家電と同時に使わないようにしましょう。

また、家族が増えるなど家庭環境が変化した場合は、ライフスタイルに合わせて電気プランを変更するのもおすすめです。いくらか電気代がお得になるプランもあるので、転機があれば一度見直してみましょう。

電子レンジで食べ物を温める際に、庫内に汚れあると電波がそちらにも反応して温める効率が悪くなります。庫内は乾いたタオルや雑巾で汚れを拭き取りきれいにしておきましょう。ターンテーブルは硬いもので掃除すると割れてしまう可能性があるので、スポンジで優しく掃除しましょう。

こまめな掃除をすると効率よく温められるので、電気代や時間の節約になります。

ターンテーブルタイプの電子レンジは、このターンテーブルの回転によってムラなく効率的に温められます。しかし、食品を一度に詰め込んでしまうとターンテーブルが回らなくなり、温めの効率も悪くなります。

数回に分けて温めた方が、手間はかかりますが温める時間が短縮でき、電気代の節約にもなるのでおすすめです。

冷凍しておいた肉や魚などを電子レンジで解凍することもありますよね。夜に調理する場合は、朝に冷蔵庫へ移動させることで冷蔵庫解凍ができます。解凍しきっていなくても、完全に凍ったままの状態よりは電子レンジを使用する時間が短く済み、電気代の節約に繋がります。

ターンテーブルタイプの電子レンジは、回転するので中心よりも外側に置く方が効率良く温まりやすいです。ただし、フラットタイプの電子レンジの場合は、逆に中心に置く方が温まりやすいので使い分けができるように覚えておきましょう。

「古い電子レンジは電気代が高くなる」というイメージを持っている方も多いですが、実際に古い機種を使用していると電気代は高くなってしまうのか気になりますよね。結論からいうと、古い電子レンジでも電気代に大きな差はありません。

10年程度しか使っていないのであればそれほど変化はなく、電気料金も変わりません。しかし、15～20年前のものは最新機種に比べて消費電力にやや差が出てくるため、15～20年など長く使用している場合は買い替えをおすすめします。

また古い電子レンジは消費電力だけでなく、劣化や故障による火災の可能性があります。動作に不調が見られれば、買い替えを検討しましょう。

電子レンジは今では生活に欠かせない重要な家電です。しかし、キャンプや災害でコンセントが使えない場面も考えられます。そのような際に電子レンジは使えるのでしょうか？

実は、1200Wh以上の大容量ポータブル電源があれば使用可能です。なぜ1200Whかというと、電子レンジを使用する際には、電子レンジに記載してあるワット数の1.5～2倍程度の消費電力がかかるからです。つまり、600Wの電子レンジを使用すると約1200Wの電力を消費します。

大容量ポータブル電源はキャンプや災害の際に大活躍します。電子レンジだけでなくスマホの充電や電気ケトルにも使用できるので、家に1台置いてあると安心です。

消費電力・待機電力などが測定できる機械も販売されています。それがワットチェッカーです。設置するだけで簡単に使えるので、機械が苦手な方にもおすすめです。消費電力・電気料金などが数値で表示されるので、気になる方は購入してみてください。

電子レンジは消費電力が高く、他の家電製品との同時使用でブレーカーが落ちてしまうケースもあるため、注意して使用しましょう。電気代はそれほどかからないものの、ちょっとした節約術を知っているだけで年単位でみると大きな節約になります。この記事を参考に、電子レンジの消費電力の特徴やポイントを押さえて賢く節約しましょう。