ogawa（オガワ） テント トリアングロ

ogawa（オガワ）といえば、戦前からあるテントの老舗として有名ですね。軍用品を扱ってきただけに、その作風は実直そのものとの評価はだれもが認めるところです。ところが、そのイメージを覆すようなおもしろいキャンプテントがあります。それがトリアングロです。

普通のテントはインナーテント+ほぼ同サイズのフライシートで構成されますが、トリアングロのフライシートは奥行き5.3m。インナーの倍以上の大きさで、まるで別売りのタープです。

この一見異様な組み合わせから、雨風に強い・居住性がいいなどのメリットが生まれ、それが魅力になりました。この記事では、ちょっと変わったトリアングロの魅力を詳しく解説します。好評・悪評の口コミもあるので、最後までお読みください。

ogawa（オガワ）のトリアングロでは、大きめのフライシートが一番の特長です。本来はインナーテントを雨風から守る役割のフライシートですが、トリアングルでは5.3m×4.1mとかなり大きくなります。

十分な大きさのフライシートで、さらに単独で大きなタープとしても兼用できます。日差しはもちろん、少々の雨でも防いでくれるいいタープです。5～6人で日帰りキャンプに行くときなどは、トリアングロのフライシートだけ持っていきましょう。

ogawaのトリアングロは、ファミリーキャンプには最適の大型サイズです。展開すると、インナーテントは寝室、フライシートだけの部分はリビングとして使えます。チェアやテーブルを置くスペースもあり、2人から３~4人のファミリーならゆったりです。

トリアングロはキャンプ場の区画に問題なく展開できるサイズなので、小さいキャンプ区画でなければ場所の制約を受けません。カタログデータでは5人用ですが、3～4人程度ならゆとりをもって使えるサイズです。

ogawaのトリアングロは、インナーテントにも特徴があります。それは4面がメッシュになっている構造です。全面に開口部があるので、どんな向きに設営しても抜群の通気性が確保できます。これなら夜も暑苦しい低地での夏キャンプでも、快適に眠れるはずです。

雨や風は大きなフライシートがしっかり防いでくれます。その中にあるインナーテントは徹底して居住性を高めました。トリアングロなら、かなり激しい雨でもクローズせずに過ごせます。

ogawaのトリアングロでは、インナーテントの素材を部位ごとに変えています。テント素材の主流は、防水性の高いポリエステルと遮光性・通気性がいいTCです。トリアングロの前面には、開閉が多い部位を考慮して耐久性があって居住性を高めるTCを使っています。

そして、フライシートの後ろ側になって雨が吹き込む可能性がある後面には、耐水性能が高いポリエステル素材を使いました。この細やかな気配りは、日本の気候風土を熟知したogawaならではの仕事です。

トリアングロはテントなので、インナーテントにグランドシートがついています。このシートが取り外せるのがトリアングロの特長です。グランドシートは湿気や汚れを防ぐために重宝しますが、テント内に土足で入れないなど面倒な面もあります。

その点、トリアングロのグランドシートは取り外しできるのが便利です。取り外してコットを置けば、シートの上より快適に寝られます。シェルターのように使うなど、様々なキャンプスタイルに柔軟にアレンジできるテントです。

ogawaのトリアングロは総重量12.9㎏と大変軽いテントです。インナーテントが5.2㎏、フライシートが3.5㎏、ポールが4.2㎏の内訳で、サイズが大きい割に重量は軽くなっています。ポリエステルとTCを使いわけるなど、必要なところに最適な材料を使った結果です。

また、収納サイズは80×40×30㎝とコンパクトに折りたためます。小型乗用車の狭い荷物スペースでも、これなら楽に収納できる大きさです。サイズの割に、軽量コンパクトにまとまりました。

トリアングロの設置は、まずフライシートを立ててからインナーテントを吊り下げる手順です。大きいので最初はとまどいますが、一度組み上げると要領がわかって2回目からは楽に作業できます。

撤収は設営の逆で、大きなフライシートが最後になります。雨でも暑くても屋根の下なので楽チンです。テントを畳むときでも、あまり考えずに適当にたたんでいけば何とかバッグに収まります。このあたりもよくできていて、楽できるポイントです。

ogawaのトリアングロでは薪ストーブが使用できます。フライシートの下はもちろんですが、インナーテントも通気性がよく、焚き火が可能です。ただし、ポリエステル部分は火の粉で穴が開くので気を付けてください。

ogawaのトリアングルは、通販サイトでは税込みで10万円を超える値段で販売されています。ライバルメーカーの4~5人用テントを見ると、コールマン、スノーピーク、DODでは4～5万円で購入可能でした。

確かにかなり格差がある高い値段なのは間違いなさそうです。こんなに高くなる原因は、大きなタープになるフライシート、信頼できるogawaブランド、魅力的な機能などがあります。それで格差を許容できるかどうかは、個人の感性に委ねましょう。

トリアングロは四面にメッシュが付いています。ただしメッシュ窓にはコットンのスクリーンが付き、ファスナーで開閉が可能です。それでもすき間風は入るので、冬キャンプの場合はどうしても多少の寒さを感じてしまいます。

そのため、もしトリアングロで冬キャンプに出かける場合は、何らかの寒さ対策が必要です。焚き火や防寒仕様のシュラフでしのぐか、電源付きサイトを予約してホットカーペットを持ち込みましょう。

ogawaのトリアングロは、インナーテントをフライシートのポールから吊るす構造です。インナーテントが自立していないので、単独ではテントとして使えません。必ずフライシートと一緒か、別のタープが必要になります。

もっとも、インナーテントをどうしても単体で使いたい場面がなければ、さほど気にするようなデメリットではありません。逆に単体で使うキャンプが前提なのであれば、別のテントを探しましょう。

ogawaのトリアングロは販売が中止になっていて、現状では入手困難な状態です。ただ、メルカリやヤフオクでは個人の所有物が出品されています。新品も中古も入り混じった状態で、値段もいろいろなのは止むをえません。

新品のトリアングロでは12万円以上します。人気が高いので売る側も強気です。中古品では品質に絡むトラブルが考えられますが、そうしたリスクが気にならない方にはメルカリ、ヤフオクでの購入もおすすめできます。

ogawaの大型テント・トリアングルはとてもユニークで、作り手の配慮がそこかしこに感じ取れる一級品のテントです。大きなフライシートに守られた、風通しのいいインナーテントで快適なキャンプを楽しんでください。