電子レンジの危険性は本当?さまざまな説の信憑性を徹底解説します

電子レンジが危険だという話は有名です。しかし、普及率が90%を超える日本で「電子レンジが原因で癌になった」という明確な話は聞きません。そこで今回は、電子レンジが危険だとするさまざまな説や、電子レンジは安全だと結論付ける理由をわかりやすく解説します。

2021/07/06 更新

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「電子レンジの使用は危険」こんな意見を聞いたことのある人は多いのではないのでしょうか?日常生活で欠かせないアイテムだからこそ、電子レンジが危険という話を聞くと不安になりますよね。

 

結論を先に言えば、使い方を守って適切な使用をしている範囲内で危険が及ぶことはありませんし、その他の加熱方法以上に栄養素を壊すことはありません。しかし、危険だと言われるようになった背景にはさまざまな「説」があり、電子レンジを使ってていいの?と感じている人がいるのは事実です。

 

そこで今回は、電子レンジが危険だと言われるようになった原因となる説についてや、電子レンジを使っても大丈夫という根拠について解説します。電子レンジは大変便利なアイテムなので、安心して使うためにも最後までお付き合いください。

電子レンジは、電磁波の一種であるマイクロ波を使用しています。食品にマイクロ波を当てると、食品に含まれる水分が振動し、振動により発する熱を利用して温めるのです。食品自体を発熱させるので、食材の中まで温めることができます。

 

また、マイクロ波は陶器・プラスチック・紙をすり抜けるため、食器やタッパーに入れた食材も中までしっかりと温められるのです。

毎日当たり前のように電子レンジを使っている人もいれば、危険だから使いたくない人もいます。このような現実を目の当たりにした時に、「本当のところどちらが正解なの?」と不安になる人も多いです。以下に電子レンジを危険と考える派の意見を紹介します。

 

かつてロシアで電子レンジが禁止されていた明確な根拠はありません。「電子レンジが危険」だと主張する根拠として言われているのが、1976年〜1992年まで、人体に危険が及ぶためロシアで禁止されていたというもの。

 

しかし、ポピュラーメカニクス誌によると指摘されている16年間の間にも23種類の電子レンジが製造されていたとのことです。実際に海外のインターネット掲示板では、当時の電子レンジの写真が残されています。

 

その当時電子レンジを購入したという人もいて、「ロシアで電子レンジが禁止されていた」という証拠を見つけることはできませんでした。日本で電子レンジが普及したのが1980年代なので、ロシアで禁止されていたというのは信憑性に欠けると言わざるを得ません。

ドイツで電子レンジが禁止されている説がありますが、それは誤解です。しかし、電子レンジの普及率が90%を超える日本と比べると、ドイツは普及率が60%と大変低いのも事実です。その背景には、日本とは全く違う食文化が関係しています。

 

私たち日本人は、作り置きの冷たい食事を電子レンジで温めて食べる習慣がありますが、ドイツの人たちは熱い食事を食べる習慣がないといわれています。そして、夕食を重視する日本と違い、朝ごはんを重視することから家庭で電子レンジを使う必要がありません。

 

また、カフェでの食事が充実していることもあり、日本のように家庭で本格的に料理を作る人が少ないです。そのため、家に電子レンジがなくても困らないので置いていないだけで、禁止されているわけではありません。

電子レンジが食品を温める仕組みの「マイクロ波」が、軍事用の兵器開発をきっかけに見つかったというのは事実です。1945年にアメリカのパーシースペンサーさんが、軍事用のレーダー実験をしていた時に持っていたチョコレートが溶けたことがきっかけです。

 

パーシー・スペンサーさんは、何度もチョコレートが溶けたことをきっかけに詳しく調査を開始しました。その結果、レーダーのマイクロ波が原因だということがわかり「このマイクロ波を調理に応用すればいいのでは?」という発想から電子レンジが誕生しました。

 

軍用兵器の開発中に発見されたのは事実ですが、危険だという認識は違います。私たちの日常にはインターネットや料理用ラップなどの戦争をきっかけに発展した技術はたくさんあります。電子レンジはあくまで偶然発見されたものなので、戦争とは何の関係もありません。

電子レンジが危険だ!といわれる原因として、3つの説があります。諸説あるものの、気をつけることで防げることもできるので、電子レンジは危険だ!と決めつける前に正しい知識を得ることが大切です。3つの説について詳しく解説するので、参考にしてください。

 

まずは、電磁波の危険性について紹介します。

 

マイクロ波を使って温めた食品を食べると癌になるという説がありますが、明確な証拠は存在しません。研究結果を示す意見も確かに存在します。しかし、研究の再現性が証明されているものは今のところないです。

 

論文や研究結果を明確な根拠として使用するのであれば、再現テストを行って同じ結果を出す必要があります。アメリカ癌協会(ACS)は「電子レンジは料理を作るだけで、それ以外に科学的または分子構造を変更することはない」といっています。

 

つまり、電子レンジのマイクロ波=発がん性があるというのは、信憑性に欠けると言わざるを得ません。下記はACSのマイクロ波に関して記載しているサイトです。気になる人は1度目を通してください。

電子レンジを使うことでの人体への悪影響はほとんどありません。マイクロ波が人体へ悪影響を及ぼすというのは、電子レンジで直接温めるなどの行為を行った場合です。通常の使用中近くにいるだけで悪影響を及ぼすことはありません。

 

現在販売されている電子レンジは、マイクロ波がレンジ内部から出ないように設計されています。また、扉を開けた瞬間マイクロ波が停止するので人体には何の影響もなく安心して使用できると専門家も回答しています。

 

また、海外ではマウス実験で、電子レンジで調理した食品と電子レンジ不使用で調理した食品を食べさせたところ、健康状態の違いがないことも実証済みです。その根拠となるWEBサイトもご紹介しているので、気になる方は目を通してください。

電子レンジの危険性で最も心配されているのが、栄養素が壊れるということです。結論からいうと、野菜を茹でるよりも電子レンジで調理を行った方が栄養素を壊さず調理ができます。栄養素が残りやすい理由は「短時間で加熱が終わる」からです。

 

例えばかぼちゃを茹でる場合、水から調理し沸騰してから10分なので1520分はかかります。しかし電子レンジで調理を行うと、約2分で出来上がります。加熱時間が短ければ短いほど栄養素を壊さずに済むので、電子レンジはむしろ栄養を残しやすい調理方法と言えます。

 

電子レンジで食材を調理した場合、ビタミンCを特に壊さず調理ができるといわれています。ビタミンCは水溶性なので、茹でたり煮たりした場合多くが水の中に出てしまいます。

 

つまり、茹で汁や煮汁を捨てた場合ビタミンCの多くを捨てることになります。電子レンジでの調理に不安がある人も多いですが、その多くの説に科学的根拠がないのも事実です。栄養素をできるだけ残したいのであれば、電子レンジをうまく活用するのも1つの方法です。

電子レンジで赤ちゃんの離乳食を作ること自体には害はありません。離乳食用食器多く使われるポリプロピレンであれば、有害なビスフェノールの溶質は少ないので安心です。しかし、ポリカーボネートは3分以上加熱すると、ビスフェノールの溶質することも。

 

ただし、溶質状態を調べた結果、人体に害となる量ではなかったとも報じられています。不安な場合は、赤ちゃん用の離乳食作りにはポリプロピレン製の食器がおすすめです。ポリカーボネート製の食器を使う場合は、3分以上加熱しないよう注意してください。

電子レンジを安全に使うためには、必ず使用方法を守りましょう。使い方に関する注意点を3つ紹介するので参考にしてください。

 

電子レンジはマイクロ波で温める家電なので、金属を使ったパッケージやお皿などを使うと火災の恐れがあります。また、アルミホイルはアルミを薄く伸ばしたものなので、使用すると放電して火花が飛び火災のリスクがあるので使用できません

 

使えないものはパッケージに「電子レンジでの使用はできません」と大きく書いてあるので、見落とさないように注意しましょう。

殻や薄皮のある食品を電子レンジにかけると破裂しやすいので注意しましょう。代表的なのは卵ですが、うずらの卵も同じです。他にもたらこ・ソーセージ・イカは破裂しやすいので注意してください。

 

卵が爆発するのは内側から加熱が進んでしまうためです。白身よりも黄身の部分が沸騰し、高圧となっている時に殻や白身を破ったことで一気に気圧が下がり爆発するというわけです。卵や金属をレンジで加熱するのは本当に危険なので絶対にやめましょう。

意外に見落としがちなのが、庫内の汚れです。食品を温めた際に飛び散ったり跳ねたりした汁や食材が庫内に蓄積すると、そこにマイクロ波が集中し発火したり煙が出たりします。実際に庫内の汚れが原因となった発火事故もあるので、庫内は汚れをためないようこまめにお手入れをしてください。

電子レンジを使うと、容器から目には見えない「マイクロプラスチック」が溶け出すという話もありますが、温め不可の容器を使わない限り大丈夫です。プラスチックは熱に弱く食品に溶け出しやすいのは事実です。

 

そのため、電子レンジで温めても大丈夫かどうかの基準が、食品衛生法で定められています。「加熱不可」となっている容器を使ったり、ラップを揚げ物に巻きつけて使ったりしなければ、問題はありません。ただし、PVDC製ラップフィルムは140℃を超えると溶ける可能性があります。

 

油っこい料理はラップで直接包まず、耐熱容器に移すかラップが直接触れないようにしましょう。プラスチックが溶け出すのが怖い人は、使用前に注意事項を確認してください。正しい使用方法を守ることを徹底すれば、安心して使えます。

電子レンジの危険性の危険性を指摘する意見に、明確な根拠はありません。もちろん間違った使い方をすれば、破損・火災などの危険性はあります。しかし、それは電子レンジに限った話ではないので、注意事項や使用方法は必ず確認しましょう。

 

栄養素が壊れると言われると不安になる気持ちも分かりますが、法律で電子レンジで使える容器に厳格な基準が定められているため、その範囲内で販売されている商品であれば安心して使用することができます。

現在販売されている電子レンジは、大手メーカーが安全性を考えて開発されているものです。危険!という話を聞いて不安に思う気持ちも理解できますが、現状伝えられている説に科学的根拠はありません。電子レンジの使用に迷いがある人も安心して使ってください。