電子レンジの解凍は何ワット？｜200Wがない場合や解凍モードの代用は？

素早く食材を解凍したい時に電子レンジの解凍機能はとても便利ですよね。しかし、電子レンジで解凍すると温度ムラができて上手くできないという方も多いのではないでしょうか。ちょっとしたコツをつかむと電子レンジでの解凍が格段に上手くなります。

電子レンジは、解凍モードや解凍に向いている200Wを使用して解凍するのが基本です。しかし、解凍モードや200Wがない場合、何ワットで解凍すればいい？解凍モードの代用方法はある？など気になっている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、解凍機能の正しい使い方・電子レンジで上手に解凍するコツなどを紹介しています。記事の後半では、200wがない場合のワット数の解説もしているので、ぜひ最後までご覧ください。

電子レンジの「あたため」と「解凍」の違いについて解説します。「あたため」は、食品を加熱するための機能です。お弁当などをあたため直してできたてのような状態で食べられるようにしたり、食材を蒸す・煮るなど調理するための加熱機能です。

「解凍」は、食品があたたまらない程度の弱いワット数を用いて、凍った食品を溶かすための機能です。食品の量にもよりますが、解凍機能を使うとおおよそ5分～15分程度で解凍できます。

多くの電子レンジには半解凍・全解凍のボタンが搭載されていたり、手動でワット数と時間選択できたりと解凍の方法を選べる仕様となっています。しかし、それぞれの解凍機能の正しい使い方が分からない方もいますよね。電子レンジを使った正しい解凍方法を解説していきます。

電子レンジに搭載されている半解凍・全解凍ボタンの使い方をマスターするととても便利です。どんな料理にするかによってどちらを選ぶかが変わります。半解凍・全解凍機能の使い方を見ていきましょう。

半解凍とは、食材を完全に解凍せず、食材の中心部分は凍っている状態に仕上げることです。解凍した後に切り分ける刺身や肉などは半解凍がおすすめです。半解凍状態の食材はサクッと切れやすくなります。

刺身は半解凍状態で切り身にし、食卓に出す頃には美味しく食べられる状態になります。また半解凍で切り分けた肉はそのまま加熱調理できます。半解凍ボタンが搭載されていない場合は100W・200Wのレンジ弱設定で、短めの時間加熱すると半解凍できます。

食材を完全に解凍したい際に、全解凍ボタン（もしくは解凍ボタン）を選択します。解凍した食材をさらに加熱して調理するものや、火が通りにくい食材は全解凍がおすすめです。ムラなく解凍するためには、食材の下にクッキングペーパーを敷いて解凍するのがコツです。

冷凍しておいた調理済みのおかずや野菜、またごはんなど解凍後に温めて食べるだけという食材は電子レンジでそのまま加熱することもできます。食材の量や種類によって加熱時間は異なりますが、加熱ボタンもしくはレンジを500Wや600W設定で温められます。

「解凍」ボタンが搭載されていない電子レンジがあります。そのような電子レンジは多くの場合、ワット数を手動で設定することが可能です。何を基準にワット数を設定すればいいのか分からない方もいますよね。少ないワット数と大きいワット数の使い方を説明します。

電子レンジのセンサーが働きにくい100g以下の少量を解凍する際は、レンジを100W〜150W程度の弱設定にして解凍します。また冷凍庫から食品を取り出して少し時間が経ったものをさらに解凍する際も、煮えてしまうのを防ぐため100W〜150W程度の弱設定で解凍します。

また前述の通り、解凍後に食材を切る場合など半解凍状態に仕上げたい場合も小さめのワット数で様子を見ながら短めの時間設定で加熱しましょう。半解凍に仕上げたいが、食材が厚い場合など200W・300Wと少しワット数を高めに設定し解凍できます。

調理済みの状態で冷凍した野菜を解凍する場合や、冷凍ごはんを解凍・加熱する場合に500W以上の高出力を使用します。また調理済みのおかずを解凍・加熱する際にも大きめのワット数に設定できます。

カレーなどの調理済み食材は解凍する際にムラができやすいため、解凍の途中で食材をかき混ぜると解凍ムラを抑えて解凍・加熱可能です。500W以上の高出力で解凍・加熱すると食材がかなり熱くなりますので取り扱いに注意してください。

ムラを抑えて肉を解凍するため、冷凍庫から出したらすぐに解凍します。ラップなどの包装は外し、肉の下にクッキングペーパーを敷いて解凍しましょう。発泡スチロール製のトレーにのせたまま解凍可能です。

かたまりの肉や、厚い肉は解凍途中で上下を裏返すと解凍ムラを抑えられます。100gのかたまり肉で150Wを約2分が目安です。薄切り肉100gの場合、150Wで約1分が目安となります。

※庫内がフラットな電子レンジやお皿が回転するタイプのレンジではトレーが使えないものもあります。取扱説明書を参照してください。

魚を加熱してもいい場合は全解凍、刺身など生で食べる場合や、生の状態で包丁を入れる場合は半解凍しましょう。解凍中に出てくる水分をすぐに吸収させ、取り除くためにクッキングペーパーで魚を包んで解凍します。

やわらかい切り身魚など、身が割れやすい魚は、半解凍で調理するのがおすすめです。魚の身割れを防ぎやすくなります。100gの魚で150W・約1分が目安です。

あらかじめ茹でた調理済みの野菜を解凍する場合は、500W・600W程度の高出力設定で解凍・加熱します。熱々に仕上がり、そのまま食べることも可能です。

冷凍しておいた野菜を調理に使いたい場合、野菜の種類にもよりますが、電子レンジで解凍せずにそのまま炒め物や鍋などに投入し調理することもできます。

冷凍保存しておいたごはんを解凍・加熱する場合は、解凍ボタンではなく「加熱」ボタン（温め）を使います。ワット数を手動設定するタイプの場合、ご飯茶碗1膳分（約150g）で500Wなら2分から2分30秒、600W設定だと2分弱が目安です。

肉や魚などはラップを外して解凍しますが、冷凍ごはんを解凍・加熱する場合はラップをしたまま温めましょう。ラップが重なっている部分を下にして解凍します。

解凍後に焼く、または炒める場合は「低温」が基本です。特にお肉を高温で温めてしまうとせっかくの肉汁が流れ出て、パサパサとした食感になってしまいます。低温でゆっくり解凍することで、お肉のジューシー感を保ちつつ、肉の旨みを残すことができます。

ちなみに解凍後にすぐに調理するとお肉が固くなってしまいます。低温で解凍した後は、少なくとも5分ほど室温に馴染ませてから調理しましょう。

解凍後に煮物や蒸し料理に使用する場合は、食材をぎりぎりカットできるくらいの半解凍がおすすめです。特に鶏肉の大きな塊を完全解凍すると、旨みと栄養素が失われ、食材の良さが半減します。煮物用に解凍する際は、肉汁が流れ出ない半解凍を意識しましょう。

初めから肉を煮物サイズに切っている場合や手羽元など切る必要がない食材は、解凍せずにそのまま煮込んでも問題ありません。

前述の通り、解凍後にそのまま食べる刺身は半解凍がベストです。刺身用の柵を半解凍にするコツは、柵の下に割り箸を2本敷き、プレートとの間に隙間を作ることです。柵の真ん中がきれいに凍った状態でカットできます。

また調理済みのおかずや冷凍ごはんは解凍ボタンではなく、温めボタンでの解凍・加熱がおすすめです。素早く加熱でき、そのまま食べられます。

「解凍モードを使うと時間がかかる…」というイメージを持っている方もいますよね。ワンタッチの解凍ボタンは非常に便利ですが、時間がない時には少しイライラするものです。そんな時は解凍モードではなく、レンジ機能の手動設定を活用しましょう。

200W・2分設定で自然解凍に近い仕上がりになります。少量の肉を解凍する時には150Wで片面1分、裏返してさらに1分温めるとムラを抑えて解凍できます。高いワット数で一気に解凍しようとするとムラができ、食材が煮えて変色するため、低いワット数で温めましょう。

200w・解凍モードがない場合、加熱時間を調節すれば別のワット数でも代用可能です。加熱時間の目安は「200w÷使用ワット数×食品の袋などに記載された温め時間」です。たとえば、使用するワット数が500wであれば200W÷500W×30秒＝12秒、600wであれば200W÷600W×30秒＝約10秒となります。ぜひお試しください。

自然解凍する時間がない場合などに便利に使える電子レンジの解凍機能。素早く解凍できますが、解凍ムラができたり、解凍しすぎて煮えてしまったり失敗もつきものです。食材や目的に合った使用方法を実践して電子レンジの解凍機能を使いこなしましょう。