天体写真撮影におすすめの天体望遠鏡5選｜一眼レフ接続アダプター・接続方法も

夜空の星々を眺めるのに最適な天体望遠鏡は、肉眼では見えない星まで見られるのが魅力的ですよね。そんな天体を「写真に収められたらいいな」と思った経験はありませんか。また、子供の自由研究に天体写真を活用したいと考える方もいます。

そんな方におすすめなのが、望遠鏡で写真を撮る方法です。望遠鏡にカメラを取り付けて撮影しますが、カメラで撮影するには光線をぴったり合わす必要があるため難しそうに感じますよね。しかし、実は接続用のアダプターと拡大アダプターがあれば本格的な天体写真を撮影できます。

さらに、最近では一眼レフに限らずスマートフォンで撮影できるアクセサリーの展開も豊富です。そこで本記事では、天体望遠鏡とカメラの接続方法や天体写真の撮影方法を徹底解説します。記事後半では天体写真撮影におすすめの天体望遠鏡5選も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

屈折式天体望遠鏡は最も扱いやすく初心者にもおすすめのタイプです。対物レンズを通して直接光を集めるため、対象の天体の方向を向いて覗けます。そのため、目標を見つけやすいのが特徴です。望遠鏡内の像も安定しやすく、視野のコントラストもいいのでクリアな視界を得られます。

反射式天体望遠鏡は望遠鏡内の反射鏡を利用して集めた光を反射させて、接眼レンズで拡大する望遠鏡です。対象を見つけるのが難しいので、慣れるのには少し時間がかかります。星団や星雲などの暗い星の観測には反射式が適しています。

反射式と屈折式のいいとこ取りをしたのが、カタディオプトリック式天体望遠鏡です。種類が豊富でカタディオプトリック式の中でもタイプが分かれます。コンパクトなのが特徴ですが、構造が複雑なため光軸の調整が難しいです。そのため、ある程度天体や望遠鏡の知識がある中上級者向けの望遠鏡です。

「他の惑星を見るのってどのくらいの倍率が必要？」な方もいますよね。そんな方のために、ざっくりとではありますが、有名な天体を見るために必要な倍率を表にまとめました。

天体望遠鏡で撮影した場合とカメラレンズで撮影した場合、写真にどれほどの違いが生じるのか気になりますよね。焦点距離が等しければ写る範囲も近いものになりますが、一般的には以下のような違いがあります。

天体望遠鏡にカメラを取り付けて撮影した場合は、中心付近は解像度が高く、隅によるほどボケていくため、補正レンズを併用する場合が多いです。また干渉フィルターの併用もでき、明るい都市部でも星雲や銀河を撮影できます。

代表的なのが、初めから補正レンズが組み込まれた仕様のアストログラフと呼ばれる天体写真用望遠鏡です。このタイプはレンズの数が少なく、同等の口径・焦点距離のカメラレンズに比べてより鮮明な星像を捉えられます。

カメラレンズで撮影する場合は、望遠鏡のような補正レンズの使用はできません。そのため、広い範囲を鮮明に収めるためには周辺像性能が優れたレンズを使うか、絞り込みを活用する必要があります。

絞りで周辺減光を調節したり、ズームで自由な画角を選だりできるのがカメラレンズで撮影するメリットです。ただし、カメラは10枚以上のレンズで構成されているため、望遠鏡に比べると画像が暗くなる傾向があります。

天体望遠鏡にカメラを取り付けて撮影するなら、天体望遠鏡に「42mm・ネジピッチ0.75」の「Tネジ」と呼ばれる規格が備わっている必要があります。すでに天体望遠鏡を持っている方も、42mmのTネジがあるか確認しましょう。しかし、古い望遠鏡の場合は36.4mmなどの規格が採用されている場合が多いです。

42mmのTネジが備わっていれば、あとは各メーカーから発売されている「Tリング」を用意すれば天体望遠鏡にカメラを取り付けられます。

カメラと天体望遠鏡を接続するためのアクセサリーとして、大手メーカーからは接続用アダプターが販売されています。接続に必要なアダプターについて紹介します。

アダプターとは天体望遠鏡とカメラを接続するためのもので、天体写真の撮影には必須のアイテムです。本格的な天体写真を撮影したい場合は、「Tリング」と呼ばれる接続アダプターと「拡大アダプター」と呼ばれる拡大レンズの役割を果たすアダプターの2種類を準備しましょう。

ビクセンやケンコーといった天体望遠鏡の大手メーカーからアダプターが販売されています。ですが、使用しているカメラによっては接続できない場合もあるため意識してください。購入前に手持ちのカメラに対応しているかを必ず確認しましょう。

また、天体望遠鏡のメーカーや年式によっては、追加でパーツが必要なケースもあります。パーツが必要かどうか不明な場合はメーカーに問い合わせてください。

そもそもカメラを取り付けて撮影するために、何を接続すればわからない方はシステムチャートをチェックしましょう。天体望遠鏡メーカーによってはシステムチャートを機種ごと用意しており、公式サイトから手軽にダウンロードできます。

さまざまなことができるのでチャート図はやや複雑ですが、必要な接続部品のみならず接続する順番も確認できます。

天体写真を撮影するうえで「ブレ」は大敵です。些細なブレであっても倍率の高い天体望遠鏡での撮影には響いてしまうため、カメラ本体でシャッターを切るよりも、タイマーかリモートコントローラーでの撮影がおすすめです。　

天体望遠鏡を購入するなら、お手頃価格のエントリーモデルがほしい方もいますよね。しかし、カメラを取り付けて撮影したい方は注意してください。エントリーモデルは基本的に本体に42mmのTネジがなく、カメラが取り付けられない仕様になっています。

また、エントリーモデルはプラスチックでできているものが多く、カメラを取り付けると重みでバランスがとりづらい可能性も高いです。そのため、まずはカメラが取り付けられる天体望遠鏡かを確認し、さらに予算に見合うものを選びましょう。

天体望遠鏡を使った天体写真の撮影方法には、さまざまな撮影方法があります。中でも「ガイド撮影法」と「直焦点撮影法」ついて紹介します。

「ガイド撮影法」とは、天体望遠鏡を使用せずに赤道儀にカメラを搭載して撮影する方法です。モーターで日周運動を追尾する方法と、望遠鏡に十字線入りの接眼レンズを取り付けて手動で追尾する方法があります。追尾モーター付きの赤道儀であれば、長時間の露出でも暗い星や星団・星雲もはっきりと写真に収められます。

「直焦点撮影法」とは、接続アダプターを使用して天体望遠鏡とカメラを直接接続して撮影する方法です。カメラのレンズの代わりに望遠鏡をレンズとして使用します。月のような明るい対象であれば問題なく撮影できますが、星雲や星団などを撮影する際には精度の高い赤道儀が必要です。

天体写真を撮影する場合、オート機能を使うのではなく、自分で設定を調整する必要があります。撮影したい対象物や天候によっても設定は大きく異なるため、経験を積んでコツをつかみましょう。

初めての天体写真撮影の場合、初期設定はISO感度400くらい、シャッタースピードは1/30を目安に始めてみるのがおすすめです。そこから、月明かりや使用するレンズに合わせて徐々に調整してください。撮影を続けてベストな設定を見つけましょう。

実際に購入を検討する場合、気になるのは予算です。ここでは、カメラやレンズを除いた天体撮影用のアクセサリーのみの予算を紹介しますので、参考にしてください。

予算が5万円程度では、残念ながら天体望遠鏡は購入できません。ただし、赤道儀を購入すれば、手持ちのカメラで星空の写真を撮れます。予算上、カメラとレンズがのるポータブル赤道儀を購入してください。

予算が20万円程度であれば、中級レベルの天体望遠鏡が購入可能です。各メーカーがもっとも力を入れている価格帯のものになるので、さまざまな商品が販売されています。お気に入りの天体望遠鏡を購入し、天体写真の撮影を楽しんでください。

スマホで星空を撮影したい方は、スマホホルダー付きの天体望遠鏡の購入がおすすめです。スマホホルダー付きの商品であれば、手元のスマートフォンで、美しい星空を撮影できます。

また、すでに望遠鏡を購入してしまった方は、別売のスマホホルダーを購入するのもおすすめです。以下の記事では、スマホで星空撮影をする際のコツや便利なアダプターなどを紹介しています。実際に購入する際に、参考にしてください。

カメラを取り付けて天体望遠鏡で撮影する方法を解説しましたが、いかがでしたか。カメラ設定など一見難しく感じる天体写真の撮影ですが、月のような天体であれば子供でも十分チャレンジできます。ぜひ美しい天体写真をカメラに収めて、小学生の自由研究にも役立ててください。