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APS-Cセンサーを搭載したコンパクト・デジタルカメラ「APS-Cコンデジ」といえば10万円超えの高級コンデジというイメージでした。しかし、人気モデルが時間が経ち値下がりして安く買えるモデルも増えたことや、最近では求めやすい価格帯の商品も登場しています。
スマホとの差別化を図り高級・高性能なコンデジを多く発表しているデジタルカメラ市場ですが、その中で中心的存在なのがAPS-Cコンデジです。クオリティの高い写真を撮ってみたいけれど一眼レフは高くて手が出ない、大きくて取り回しにくそうで使いこなせるか不安とお悩みではありませんか?
しかし、「何を基準に選べばいいかわからない」という人も多いですよね。そこで、この記事ではAPS-Cコンデジの選び方やおすすめ商品を紹介します。記事の最後には選ぶ際の注意点についても触れていますので、ぜひ最後まで読んで役立ててください。

APS-Cコンデジがおすすめと言われても、一体どんなカメラなのかがわからなければ自分に合った商品を見つけるのは難しくなります。選び方を紹介する前に、APS-Cコンデジがどんなカメラなのかについて解説します。

「コンデジ」とはコンパクトなデジタルカメラの略称です。コンデジといえば初心者でも気軽に撮影できるコンパクトな低価格帯のカメラというイメージがあります。しかし、APS-Cコンデジは、「高級コンデジ」とも呼ばれる高価格帯で大型のイメージセンサーを搭載しているのも特徴的。高画質な写真を撮影したい人にうってつけです。
APS-CコンデジのAPS-Cというのはカメラに搭載されているセンサーサイズの大きさを表しています。センサーサイズの大きさは画質の良し悪しに影響し、大きいほど綺麗な写真を撮影することができます。
APS-Cセンサーは、フルセンサーに比べて写る範囲は狭くなるものの、狙った被写体を大きく撮れるのがメリットです。35mm判で撮影した場合は、焦点距離イメージが1.5倍になるので望遠撮影にも対応できます。子供やペットなどの遊ぶ様子を、少し離れたところから撮影したいときに最適です。
APS-Cにはメリットもありますが、デメリットも存在します。購入後に後悔しないためにも、メリットだけでなくデメリットがあることも留意しましょう。APS-Cコンデジのメリット・デメリットを見ていきます。
コンデジの強みは小型で携帯性に優れている点です。レンズ交換できない搭載型であることで、ボディのコンパクト化を実現しており画質なども割り切った設計になっています。高級コンデジと呼ばれるAPS-Cコンデジは、小さなボディの機動性とよりよい画質の両方を追求したカメラです。
APS-Cコンデジの最大のメリットは、コンパクトながら非常にきれいな写真を撮ることができる点です。各社のチューンナップによりAPS-Cセンサー、レンズ、画像処理エンジンなどを最適化し高画質化を実現。また、エントリークラスのカメラのような撮影モードなども充実しており、背景をボカした本格的なスナップ撮影ができます。
スマートフォンや低価格帯のコンデジは搭載しているセンサーが小さいので暗い場所での撮影があまり得意ではありません。一眼レフやミラーレスと同じAPS-Cセンサーを搭載したAPS-Cコンデジは、より光を取り込める作りになっているので暗い場所での撮影でも十分活躍します。
APS-Cコンデジのデメリットは、デジタル一眼レフやミラーレスのようにレンズ交換ができない、拡張性がない点です。レンズ交換ができないので搭載されたレンズだけで撮影するという制約があります。
また、一眼レフ並みのセンサーを搭載していても、当然ながら画質は一眼に劣ります。しかし、APS-Cコンデジがスナップ機やサブ機と呼ばれるのは、一眼でできないことを補完するカメラだからです。
APS-Cコンデジは、一眼やミラーレスに搭載しているAPS-Cイメージセンサーなどハイエンドモデルに搭載されている部品を使用し、レンズなども相応しいものを使用しています。そのため、価格はどうしても高くなりがちです。
最新機種で10万円前後、一世代前だと5万円代と手頃ですが、同価格帯で一眼レフやミラーレスで買えるモデルもあるので注意が必要です。
高級コンデジと呼ばれるAPS-Cコンデジも、時間の経過で値段が下がって来たモデルもあります。ただし、3〜4年前のモデルとなるとスペックとコストが見合わないカメラも出ているので注意しましょう。
また、コンパクトカメラとして人気が高い富士フィルム「FUJIFILM X100F」やリコーの「GR」シリーズは、スペックよりもそのカメラだから撮れる画像を求める拘りのあるユーザーに支持されています。

多くのAPS-Cコンデジは28mmの汎用性の高い画角を採用しています。この画角はiPhoneなどのスマートホンのカメラに近いので、スマホ使いで、普段使いの写真をアップグレードしたい人におすすめです。
また一眼やミラーレス・カメラユーザーが、気軽にきれいに撮れるサブ機として愛用する例も多いです。コンパクトで機動力があり、瞬間的な風景を撮影する必要のあるスナップ撮影では多くのプロが使用しています。
メリット | ・コンパクトで携帯性に優れ、レンズ一体型なのでかさばらない ・コンパクトでも高画質を実現 ・暗所での撮影に対応できる |
デメリット | ・シーンに合わせたレンズ交換ができない ・価格が少し高め ・価格だけで選ぶとスペックに物足りなさを感じることがある |
こんな人におすすめ | ・汎用性を重視して選びたい人 ・気軽に高画質を楽しみたい人 ・プロのようなスナップ撮影をしたい人 |
自分に合ったAPS-Cコンデジを選びたいのであれば、次の3つのポイントに注意しながら選ぶのがおすすめです。それぞれのポイントについて順に見ていきましょう。

焦点距離とはレンズからイメージセンサーまでの距離のことで、値が小さいほど広角で広い範囲の景色を撮影が可能です。一方、値が大きくなるほど望遠になり、遠くの被写体を拡大して撮影できます。
APS-C搭載のコンデジの場合は特に焦点距離に注目する必要があります。なぜなら、コンデジにしては珍しい単焦点のレンズを搭載しているモデルがあるためです。単焦点のコンデジの場合は、焦点距離を変化することができないため、ズームもできず、常に同じ画角で撮影することになります。
決まった画角で撮影することに慣れ、その画角の中で写真を極めたい方には非常におすすめできますが、オールラウンドに使いたいという方には単焦点搭載のコンデジはおすすめできません。

レンズの性能を決める数値がF値です。F値は小さいほど多くの光をレンズに取り込むことができます。そのため、暗い撮影シーンでもF値の大きなレンズに比べて光を多く取り込めることで画質を落とさずに撮影できるのがポイントです。
また、F値が小さいほどボケのある写真を撮影することができます。単焦点レンズを搭載しているAPS-Cセンサー搭載のコンデジはF値が小さいことが多く、ワンランク上の画質で撮影したいときにおすすめです。

撮った写真をその場でスマホに送ることのできるWiFi機能付きのコンデジは便利でおすすめです。スマホへの画像転送だけでなく、WiFiによる遠隔撮影も出来る機種があるため、三脚との併用で手ブレを防ぎ夜景や集合写真を撮影する際に便利です。

APS-Cコンデジ選びで迷ったときは、人気メーカーをチェックしてみましょう。おすすめのメーカーを2つ紹介しますので参考にしてください。
光学機器メーカーとしての技術をカメラにも取り入れクオリティの高い商品を提供しています。高級コンデジとしてプロにも愛用者が多いGRシリーズは代表作としても有名です。クオリティを重視したいのであれば、リコーをおすすめします。
フィルムカメラからインスタントカメラ、デジカメまで幅広いラインナップが揃う国内メーカーの安心感から、多くのカメラファンに支持されています。コンデジではXシリーズが人気ですが、長年培ってきた技術により、繊細な色味の写真を楽しめるのもポイント。画像の美しさにこだわりたい人にもおすすめです。
GR III
初心者の方からプロの方までおすすめ!夜景もキレイに
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- 23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ)CMOS
- タッチパネル
- ○
- タイムラプス
- ○
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- ブラック系
PowerShot G1 X MARK III
約2400万画素のAPS-C判センサー採用と24~70mm相当ズームを内蔵した高級コンパクトカメラ
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- 22.3mm×14.9mm(APS-Cサイズ)CMOS
- 光学ズーム
- 3 倍
- タッチパネル
- ○
- タイムラプス
- ○
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- ブラック系
- 本体色
- ゴールド系/シルバー系
- 定格出力
- 100W/8Ω200W/4Ω
- 再生周波数帯域
- 5Hz〜50kHz
- 対応インピーダンス
- 4Ω〜16Ω
- 消費電力
- 150 W
- リモコン
- ○
- アナログ入力
- 5 系統
- Phono
- ○
X100F
優れた描写力を誇る35mm相当のF2.8大口径レンズを内蔵した高級コンパクトカメラ
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- 23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ) X-Trans CMOS III
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- シルバー
LEICA X-U Typ 113
防水・耐衝撃性能◎コンパクトなアウトドアモデル
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- APS-C型CMOS
- 防水性能
- 15mIP68
- 防塵性能
- IP68
- 耐衝撃性能
- 1.22 m
- カラー
- ブラック系
GR II SILVER EDITION
GR IIの特別バージョンで全世界3200台のシルバーカラー限定モデル
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
- 撮像素子
- 23.7mm×15.7mm(APS-Cサイズ)CMOS
- タイムラプス
- ○
- Wi-Fi
- ○
- カラー
- シルバー
APS-Cコンデジの世の中ランキングの比較一覧表
商品画像 | |||||
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メーカー |
リコー
|
キヤノン
|
富士フイルム
|
ライカ
|
リコー
|
商品名 |
GR III
|
PowerShot G1 X MARK III
|
X100F
|
LEICA X-U Typ 113
|
GR II SILVER EDITION
|
説明 |
初心者の方からプロの方までおすすめ!夜景もキレイに
|
約2400万画素のAPS-C判センサー採用と24~70mm相当ズームを内蔵した高級コンパクトカメラ
|
優れた描写力を誇る35mm相当のF2.8大口径レンズを内蔵した高級コンパクトカメラ
|
防水・耐衝撃性能◎コンパクトなアウトドアモデル
|
GR IIの特別バージョンで全世界3200台のシルバーカラー限定モデル
|
価格 | 90,000円 (税込) | 77,800円 (税込) | 103,800円 (税込) | 261,080円 (税込) | 75,800円 (税込) |
リンク | |||||
撮像素子 |
23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ)CMOS
|
22.3mm×14.9mm(APS-Cサイズ)CMOS
|
23.5mm×15.6mm(APS-Cサイズ) X-Trans CMOS III
|
APS-C型CMOS
|
23.7mm×15.7mm(APS-Cサイズ)CMOS
|
光学ズーム |
|
3 倍
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タッチパネル |
○
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○
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タイムラプス |
○
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○
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○
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Wi-Fi |
○
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○
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○
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○
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防水性能 |
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|
|
15mIP68
|
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防塵性能 |
|
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|
IP68
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耐衝撃性能 |
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|
|
1.22 m
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カラー |
ブラック系
|
ブラック系
|
シルバー
|
ブラック系
|
シルバー
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新品では高くて手が届かないというのであれば、中古のAPS-Cコンデジを探すのもおすすめです。フリマネットに中古のAPS-Cコンデジが出品されていることもありますが、精密機器である以上値段だけで決めてしまうのはおすすめできません。
中古のAPS-Cコンデジを購入する場合は、プロが整備してきちんと動作が確認されたものを選びましょう。カメラ専門店であれば整備済みのものが揃っていますし、保証もついているので安心です。専門店から購入する場合でも、付属品や取扱説明書の有無は確認してください。
ここまでご紹介してきたように、APS-Cセンサー搭載のコンデジは玄人向けの機種が多く、オールラウンドに写真撮影や動画撮影することに向いていない場合があります。YoutubeなどSNSへの写真、Vlog投稿などをしたい方であれば1インチコンデジがおすすめです。
1インチコンデジはAPS-Cサイズより1ランク小さいセンサーサイズであるものの、本格的な写真撮影・動画撮影ができ、またその撮影をサポートする機能が多く搭載されている機種が発売されています。
一眼レフの重さから開放されるAPS-Cコンデジは、コンパクト・カメラの携帯性と高画質の写真を撮れるという2つの利点からも購入する大きなメリットがあります。カメラ初心者が手にするには価格的に少し勇気が必要ですが、スマホ写真から脱却したい人や美しい写真を残したい人は、ぜひ紹介した選び方やおすすめ商品を参考にしてお気に入りの一台を見つけてください。