キヤノンの接写リングおすすめ7選｜使い方やデメリットは？【エクステンションチューブ】

マクロレンズを使って撮影された花や動物などの写真は、とても美しく迫力がありますよね。被写体の質感がきめ細かく映し出される写真に憧れてマクロレンズを検索したものの、値段の高さに諦めてしまった方も多いのではないでしょうか？

そんな方には接写リングがおすすめです。接写リングは、マクロレンズとは異なる単純な仕組みで撮影倍率を高めることができるアイテムです。構造がシンプルなため取り付けが簡単で価格が安い点も魅力です。キヤノンのカメラに対応する接写リングもありますよ。

この記事では接写リングの仕組みについて説明し、使い方や選び方を解説します。また、キヤノンのカメラやレンズに対応した接写リングも紹介しているので、マクロ撮影を試したい方はぜひ最後までご覧ください。

接写リングとは別名エクステンションチューブとも呼び、カメラとレンズの間に取り付けることで接写に適した状態にできるオプションパーツです。マクロレンズと異なり、レンズを使用しない筒状のシンプルな構造です。

接写リングを取り付けることで最短焦点距離が短くなります。なお最短焦点距離とは被写体にピントを合わせられる最短距離のことです。単純な仕組みで、画質を劣化させることなく高倍率の撮影を可能にします。

そのほかのメリットとして、マクロレンズよりも安いので気軽に購入しやすい点が魅力です。マクロレンズが高くて手が出せない方や、購入しても頻繁に使うかわからずためらっている方におすすめです。

キヤノンの純正接写リングは、EF25IIやEF12IIなど、EF-Sレンズをはじめとするキヤノンのほぼすべてのレンズに適応します。カメラ本体とレンズの中間に装着し、高倍率の撮影が簡単にできます。撮影倍率はレンズの種類によって異なります。ただし、使用できないレンズもあるので、事前に確認が必要です。

接写リングは通常、対応するマウントの種類でカメラに取り付け可能か否かを判断します。キヤノンの場合は、イメージセンサーがフルサイズの一眼レフはEFマウントとなります。その他の種類については下の表にまとめているので参考にしてください。

接写リングはカメラに取り付け可能かだけではなく、お手持ちのレンズで使用することができるかについてもチェックする必要があります。キヤノンの純正接写リングの場合、ほぼすべてのEF/EF-Sマウントに対応していますが、一部使用不可のレンズもあります。

また、ミラーレスのRFマウントに対応する純正の接写リングはありません。ケンコー(Kenko)やJJCなどのメーカーが、RFマウントに対応する接写リングを発売しています。互換品の接写リングはセットになっていることが多いです。組み合わせて使うことも可能ですが、接写リングの長さがレンズの焦点距離より長くならないようにする必要があります。

接写リングの中にはカメラ本体の露出やフォーカスなどに関わる電気信号に対応している製品も多いです。そのため、マウントアダプタなどと併用すると電気信号が対応しなくなり故障する可能性があります。

接写リングの説明書等には、「接写リングを取り付ける時は、純正のレンズ以外は使用してはいけない」などの注意書きが記載されていることが多いです。安全に接写を楽しむために、説明書等をしっかり読み、注意書きを守ることが大事です。

接写リングをカメラに取り付けることで、マクロ撮影に適した状態になる一方で他の撮影シーンには不向きになります。ここでは接写リングを使用した場合のデメリットについて解説しています。

接写リングを使用すると、最短焦点距離が短くなり接写がしやすくなりますが一方で遠くへのピントが合わなくなります。ピントが合わせられる範囲が短くなるため、接写リングを取り付けている状態のカメラは風景撮影などには不向きになります。

街中や自然の中を散策してさまざまな写真を撮りたい方は、遠くを撮影するカメラを別途用意した方が快適に撮影できるでしょう。

接写リングを取り付けると撮影可能範囲が短くなり、その範囲内でなければオートフォーカスはうまく効きません。また、接写リングの有無に関わらずマクロ撮影はオートフォーカスが迷いやすいため、マニュアルフォーカスでのピント合わせが推奨されます。

接写リングの中にはオートフォーカスが非対応の製品もあり、その場合はオートフォーカス自体できません。しかしオートフォーカスできる製品でも基本的にはマニュアルでピントを合わせる方がスムーズな場合が多いでしょう。

接写リングは、信頼できるメーカーから製造・販売されているものに限定すれば製品数は多くありません。そのため選択肢も限られてきますが選ぶ際には、カメラ本体とレンズの電気信号を接写リングが伝達できるかどうかを確認するようにしましょう。

電気接点をもつ接写リングでは、AF(オートフォーカス)の制御信号に対応している場合があります。マニュアルフォーカスに慣れていない方は、オートフォーカスに対応していた方が使いやすいです。

ただし、マクロ撮影はピントの合う箇所とボケの差が極端な上、接写リングを使用することでさらに被写界深度が浅くなります。そのため、実際にはオートフォーカスでおおまかにピントを合わせた上でマニュアルフォーカスで調整することが推奨されます。

接写リングには、AE(自動露出)に関する電気信号に対応した製品もあります。カメラに内蔵されるTTL露出計の機能に対応して、自動的に適正な露出に設定してくれます。手動で絞りを調整する手間が省けます。

なお、接写リングを使用すると焦点距離が長くなる分、レンズだけを取り付けていた時よりも暗くなります。そのためTTL/AE非対応の接写リングの場合は、暗くなった分、絞りを開放したりシャッター速度を下げるなどして、明るさを調整するといいです。

マクロ撮影に魅力を感じる方にどって、被写体をどこまで大きく写すことができるのかは気になるポイントではないでしょうか？ここでは、迫力のあるマクロ撮影をするために参考になる値としての撮影倍率について解説します。

最短焦点距離が「どこまで被写体に近づけるか」を表すなら、撮影倍率は「どこまで被写体を大きく写せるか」を表す値です。撮影倍率が1倍なら、実物と同じ大きさで映すことができることができます。接写リングと組み合わせた時の撮影倍率が大きいものを選ぶのがおすすめです。

撮影倍率は「焦点距離 ÷ (撮影距離 - 焦点距離)」の計算式で求められます。キヤノン純正の接写リングの場合はレンズと組み合わせた場合の撮影倍率を公式ページ(下記リンク)に記載しています。計算の手間が省けるので参考にするといいでしょう。

接写リングの長さは組み合わせるレンズの焦点距離よりも長くならないようにしなければいけません。焦点距離の範囲内で、被写体を大きく写したい場合は高倍率になる長めの接写リングを選ぶといいでしょう。

被写体によってはそこまで倍率を必要としないこともあるでしょう。その場合に備えて、短めの接写リングをもっておくのもいいかもしれませんね。

本記事では、主にキヤノンのカメラやレンズと組み合わせる接写リングについて解説・紹介してきました。ニコンの接写リングについて知りたい方のための記事もあるので、ニコンのカメラ・レンズをお持ちの方はぜひチェックしてみてくださいね。

「マクロレンズは高くて買えない」と諦めていた方にも接写リングは手が出しやすく、工夫しだいに美しいマクロ撮影ができるでしょう。本記事を参考にしてお手持ちのキヤノンのカメラで精細なマクロ撮影に挑戦してみてください。