夜空の美しい天体を手軽に観測したいと思ったことはありませんか。めったに観測できない流星群が地球に接近したときや、満天の星を望めるアウトドアなど、天体望遠鏡を使って天体観測をさらに楽しみたいと考える方は多いでしょう。
そんな方におすすめなのは天体望遠鏡のレンタルサービスです。気軽にさまざまな機種を試せるので、購入を検討している方にもおすすめです。
今記事では、天体望遠鏡をレンタルするメリット・レンタルする際の注意点・おすすめのレンタル業者をご紹介します。記事後半では初心者の方に向けた天体望遠鏡の選び方を解説しますので、ぜひ最後までお読みください。
天体望遠鏡をレンタルする最大のメリットは、必要なときだけ使えることです。趣味で毎日天体観測を行っている方でなければ、天体望遠鏡を使用する頻度は低いでしょう。また、天体望遠鏡を購入したいと思っていても、どれを選んだらいいか判断できない方にもレンタルはおすすめです。購入前に気になる製品を試せるので、失敗なく購入できます。
天体望遠鏡のレンタルの相場についてご紹介します。例として、ビクセンの人気モデル「ポルタII A80Mf」をピックアップして検証しました。2つのレンタル業者における料金は以下の通りです。*2021年1月時点の情報です。
- Rentio 9,980円(7泊8日・税込み・送料無料)
- シェアカメ 10,000円(2泊3日・税込み・送料無料)
ビクセン公式サイトでの販売価格は48,400円(税込み)です。レンタル業者によって送料や保証金などがかかる場合もあるため、およその相場はレンタルで4回借りるとほぼ販売価格相当になります。
ここからは、天体望遠鏡をレンタルする際に注意するポイントをご紹介します。
最初にレンタルできる日数・基本料金・日数延長の可否と延長料金を調べてください。返却のタイミングにも注意が必要です。返却期限はレンタル最終日の24時までなのか、それとも最終日に発送すればいいのかなど、認識の違いで遅延金が発生する恐れもあるのでチェックしましょう。
基本的に、レンタルした天体望遠鏡は宅配便で届きます。レンタルする際は、送ってほしい地域が対応エリア内か、送料はいくらかかるかを確認しましょう。特に、送料は東京に住む方と沖縄に住む方で違うことが多いので、押さえたいポイントです。
レンタルを利用する際に最も気になるのは「天体望遠鏡が破損や故障した場合の費用はどうなるのか」ではないでしょうか。天体望遠鏡はアウトドアで使用することも多く、破損のリスクは少なからず存在します。
そのようなときのために、保険に加入できる業者からのレンタルをおすすめします。その際、保険料の他に確認したいのが自己負担金です。例えば自己負担金を2,000円支払うと、修理代に20,000円かかった場合、残りの18,000円は保険で保証してもらえます。
中には、修理費全額が自己負担という業者もあるのでよく確認しましょう。ただし、水没や紛失などの場合はほとんどが保証の対象外となるので十分に注意してください。
おすすめの天体望遠鏡レンタル業者5社をご紹介します。各社のレンタル料や送料などを記載しますが、レンタル業者の情報は常に更新されるため目安としてご覧ください。
国内トップシェアを誇る天体望遠鏡メーカーVixen(ビクセン)のレンタルサービスです。1製品1回のみレンタルができるというシステムで、「自社製品を使ってもらう」という宣伝も兼ねているため他社よりもレンタルしやすい料金設定が魅力です。2021年1月現在、感染症対策のためレンタル受付を停止しています。最新情報は公式サイトを確認してください。
料金 | 5,500円~(税込) |
レンタル日数 | 6泊7日 |
送料 | 550円(返却はお客様負担) |
対応エリア | 全国 |
保証への加入 | 無料 |
支払方法 | クレジットカード/銀行振込 |
備考 | 予約は2週間前まで。レンタル開始日の4日前からキャンセル料が発生。 |
レンティオは、天体望遠鏡以外にも多くの家電などを取り扱うレンタルサービス業者です。17時までに注文すると当日出荷が可能で、急に予定が決まったときは便利です。送料は往復無料、コンビニから箱ごと返却できるなど、手軽に利用できます。さらに、レンタル中の不慮の故障に対する修理費が無料です。落下や水没などの過失による故障は最大2,000円の自己負担金が必要となります。紛失は補償外です。
料金 | 9,980円~(税込) |
レンタル日数 | 7泊8日 |
送料 | 往復無料 |
対応エリア | 全国 |
保証への加入 | 無料(自己負担金最大2,000円) |
支払方法 | クレジットカード/NP後払い決済/代金引換/銀行振込(前払い)/Amazon Pay/Apple Pay/請求書払い(後払い) |
備考 |
・天体望遠鏡の機種の例:ポルタII A80Mf(Vixen/ビクセン) ・返却締切24時までに手元を離れればOK ・レンタル後に気に入ればそのまま購入できる ・延長は好きなだけ何泊でも可能 |
そらのしたは、アウトドアグッズ専門のレンタルサービス業者です。レンタル期間が最短で1泊2日から選択でき、使用したい期間だけ利用できます。また、保証金と保険金のどちらかを選択できるのも特徴です。保証金はレンタル商品の預り金として業者に払い、レンタル終了後に返却されます。しかし、破損があった場合は保証金から修理代金を支払う仕組みです。一方、保険金は掛け捨てですが、加入すると商品破損時の負担がなくなります。
料金 |
3,280円~(税別) *見積はメールで要確認 |
レンタル日数 |
1泊2日~ |
送料 | お客様負担 |
対応エリア | 全国 |
保証への加入 |
保証金か保険金かを選択/保証金:3,000円 保険金:200円 |
支払方法 | クレジットカード/銀行振り込み |
備考 |
・天体望遠鏡の機種の例:スペースアイ 50M(Vixen/ビクセン)/A70Lf モバイルポルタ ・返却は最終日翌日まで発送 |
イベント21は、イベントで使える製品のレンタルを行っています。模擬店・ステージ周り・シーズン用品など、イベントの用途別にカテゴリーが分かれ、お祭りや学園祭などで活用できるレンタルサービスです。納品は使用日の前日、返却日は使用終了日の翌日と、余裕を持ってレンタルできます。無料見積りを依頼してからレンタルの申し込みが可能です。送料は製品によって異なるため、事前に確認してください。
料金 |
5,500円~(税込)(天体望遠鏡の場合) *見積はメールで要確認 |
レンタル日数 |
1日から可能(ただし商品によって異なる) |
送料 | お客様負担 |
対応エリア | 全国 |
保証への加入 | 要問合せ |
支払方法 | 原則事前銀行振り込み/ペイパル/代金引換/請求書払い(後払い)など |
備考 |
・天体望遠鏡の機種の例:要確認 ・返却は最終日翌日 |
レンタルチャンネルは、プロジェクターを主とした映像機材専門のレンタルサービス業者です。ここでは天体望遠鏡の世界的トップメーカー「Meade」(ミード)社の機種を借りられます。この製品は特に初心者の方におすすめです。別途アイピースやデジカメアダプターのレンタルも可能。天体観測に加えて撮影をしたい方はぜひ利用してください。
料金 |
9,000円~(税込)(天体望遠鏡の場合) *見積はメールで要確認 |
レンタル日数 |
1泊2日~・税込(商品によって違う) |
送料 | お客様負担(全国一律往復2,000円(片道1000円)) |
対応エリア | 全国 |
保証への加入 |
保険選択できる(簡易保証・安心保証・完全保証) |
支払方法 | 代引き/銀行振り込み |
備考 |
・天体望遠鏡の機種の例:ミード ETX-90ECJ ・返却は最終日集荷まで。ヤマト運輸にて返却 ・レンタル日数1日追加ごとに3,000円 |
レンタルした天体望遠鏡が目的の天体を観測できるか判断できないと困りますよね。ここからは天体望遠鏡の選び方を詳しく解説します。
光学タイプとは光の集め方の形式のことで、屈折式・反射式・カタディオプトリック式の3種類があります。それぞれの特徴を解説します。
屈折式は筒の先にある対物レンズで集めた光を、目に近い方の接眼レンズで拡大して見る方式です。筒が細長く、いわゆる天体望遠鏡としてイメージされる形状の製品です。天体を見つけやすくメンテナンスも簡単なので初心者の方におすすめです。
反射式は反射鏡を利用して光を集め、さらに傾鏡を通して光路を90°曲げ、接眼レンズで拡大して見る方式の天体望遠鏡です。口径が大きいため光を多く集められ、暗い星や淡い星雲などの観測に適しています。ただし、レンズから覗く方向と望遠鏡の向きが異なることや、振動で光軸がずれやすく調整が必要になるため、初心者の方は天体望遠鏡を使い慣れた方と一緒に観測しましょう。
カタディオプトリック式は、仕組みは反射式、観測方法は屈折式の両方を組み合わせた天体望遠鏡です。反射式のメリットをそのままに、高倍率を得やすく収差が少ないクリアな色で天体を観測できます。
天体望遠鏡本体を載せる架台選びも重要なポイントです。ここからは2種類の架台をご紹介します。
経緯台は水平と垂直に同時移動しながら目的の天体を追える架台です。構造が単純で簡単にセッティングでき、軽量で持ち運びが楽というメリットがあります。ただし、長時間の観測や天体撮影には使用できません。
赤道儀は地球の自転軸に対して水平垂直に動く仕組みの架台です。そのため、初期設定で北極星に基準を合わせる「軸合わせ」という作業が必要で、構造もやや複雑なため、使いこなすには慣れが必要です。目的の天体を長時間追跡して観測できるのが特徴で、中には天体を自動追尾する高機能な製品も販売されています。
どの天体まで見られるかは、天体望遠鏡の倍率で決まります。詳しく解説します。
月の全体像は50倍の倍率があれば観測できます。さらにクレーターも詳細に観測する場合は70倍~140倍の倍率が必要です。
土星の環は100倍程度で観測可能です。土星本体の縞模様は、地球の大気状態がよければ140倍程度で認識できます。木星は70倍程度で4つの衛星も観測でき、80倍以上あれば数本の縞模様を、100倍~140倍で大赤斑を観測できます。観測したい天体をどこまで見たいか想定して、最適な倍率の望遠鏡をレンタルしてください。
観測したい星が明るいとは限りません。その場合は口径が大きい天体望遠鏡を選んでください。対物レンズの直径が大きいほど光をたくさん集められるため、暗い星でも観測できます。同じ倍率でも口径が大きい方を選ぶのがポイントです。口径はmmやcmで表記されているので必ず確認しましょう。
ここからは初心者の方にもおすすめできる天体望遠鏡をご紹介します。レンタルする際の参考にしてください。
天体望遠鏡 ポルタIIA80Mf
ハンドルがスムーズで見たい星に向きをすぐ変えられる
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
国内トップシェアのビクセンは、性能品質ともに信頼のおけるメーカーです。ビクセンで初心者でも使いやすい機種でおすすめなのが、ポルタII A80Mfです。鏡筒の微動ハンドル操作がスムースで、見たいと思う星に簡単に向きを変えることができます。また工具は全て備え付けられているため、別途用意する必要はなく、その場ですぐに使えて便利です。三脚の取り付け取り外しもネジ一つでできて、収納も簡単にできます。
- メーカー
- ビクセン(Vixen)
- 商品名
- 天体望遠鏡 ポルタIIA80Mf
- 種類
- 屈折式
- 有効径
- 80mm
- 架台
- 経緯台
- 重量
- 2.5kg
天体望遠鏡 AZM-80
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
世界最大の天体望遠鏡メーカーであるミード(MEADE)社の天体望遠鏡は、品質性能は間違いないのでおすすめです。入門者でも扱いやすい屈折式を、架台部は上下・左右の動きで扱いやすい経緯台式を採用しているため、覗いた方向の星を見ることができます。
光をより多く集められるう80mmの光学レンズ採用で、従来より揺れに強いタイプなので、星雲や星団、月のクレーターやガリレオ衛星、土星の環などが観測でき、初心者でも扱いやすいタイプです。
尚、製造元はミード(MEADE)社ですが、販売サイトやレンタルの場合、メーカー名にケンコー(Kenko)と記されている場合が多いです。ケンコー(Kenko)は、ミード(MEADE)社の日本の販売代理店の名前で、ケンコー(Kenko)でも多くの天体望遠鏡を販売しています。
- メーカー
- ケンコー(Kenko)
- 商品名
- AZM-80 アクロマート
- 種類
- 屈折式
- 有効径
- 80mm
- 架台
- 経緯台
- 重量
- 8.4kg
Vixen 天体望遠鏡 スペースアイ50M
アクロマートレンズを採用でにじみのない色
※公開時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので商品販売サイトでご確認ください。
スペースアイ50Mは、初心者でも扱いやすい入門機として知られています。上下と水平方向に微調整しながらハンドルを動かせるため、目的の星を見つけやすいです。そして、色のにじみを抑えることができるアクロマートレンズを採用しているため、月のクレーターか・木星の衛星・土星のリングを見ることができます。尚、こちらの後継モデルは「「Vixen 天体望遠鏡 スペースアイ600」となっております。
- メーカー
- ビクセン(Vixen)
- 商品名
- スペースアイ 50M
- 種類
- 屈折式
- 有効径
- 50mm
- 架台
- 経緯台
- 重量
- -
天体望遠鏡を使ったことがない方でも、レンタルなら手頃な価格で気軽に挑戦できます。アウトドアでの天体観測や、滅多に見られない天体ショーなどをさらに楽しみたい方は、ぜひ天体望遠鏡のレンタルをお試しください。