ホットプレートに延長コード使っていいの？熱い・熱くなる現象も解説

ホットプレートを使っていると、つなげていた延長コードがとても熱くなる現象があります。それでも多くの方は「ずっと電気を使い続けていたからだろう」と、当たり前のように流してしまいがちです。しかしその熱さは、延長コードが出している危険サインの可能性があります。

何もせずそのまま使用を続けるとコードが溶けたり感電や発火したりする恐れがあり、場合によっては火災など取り返しのつかない事態へと発展する危険があります。

そこで今回は、延長コードが熱いままホットプレートを使い続けるとどうなるのか、使用を中止するべき危険サインにはどんなものがあるのか、詳しく解説します。事故の実例も併せてご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

ホットプレートの機種によっては、取扱説明書に「延長コードの使用禁止」と記載されている場合があります。またそれ以外の機種であっても「専用コード以外を使用しない」と記載されています。

つまりホットプレートを使用する時には、基本的に付属の専用コードを使用しなければなりません。とはいえ、必ずしもコンセントの近くにホットプレートを置けるとは限らず、家庭によっては延長コードが必要なケースもあります。

実際に延長コードを利用している家庭は珍しくなく、むしろ多いです。誤った使い方をせずに利用環境が整っていれば、特に問題なく延長コードを使用できます。

延長コードが熱くなってしまうのは、ホットプレートならではの原因があります。またホットプレートだけでなく、延長コードの接続先であるコンセントの劣化も関係しています。

延長コードは複数の差し込み口を備えているものが一般的ですが、一部を除き最大定格容量は1,500Wとなっています。そのため消費電力が大きい家電製品を延長コードに複数接続すると、定格容量を超えやすくなり発熱につながります。

ホットプレートの消費電力は1,300Wと、キッチン家電の中では高い水準です。ホットプレート使用時に専用コードの利用が推奨されているのは、発熱のリスクがあるからです。

※主なキッチン家電の消費電力目安

コンセントが古くなっていると、中にあるバネの弾性力が弱くなり接触不良の原因になります。接触不良が起きるとコンセントとプラグの接触面が少なくなります。そこへ通常時と同量の電流が流れると接触抵抗を起こし、延長コードが発熱します。

コンセントが接触不良を起こしているかどうか確認するには、他のコンセントで試してみましょう。他のコンセントでプラグを抜き差ししてみて、緩いなど差を感じるようならコンセントに不具合があると考えられます。

ホットプレートなどの消費電力が大きい家電製品を使っていると、コンセントとプラグの接触部分が発熱しやすいです。発熱した状態で抜き差しを繰り返すと接触不良を起こし、プラグの先が変形してしまう可能性があります。

プラグの先が変形したままコンセントに差し込むと、抜く時に中で引っ掛かってしまい抜けなくなってしまう恐れがあります。さらには接触不良でショートし、コンセントから発火する危険性もあります。

延長コードの定格容量を超える電流を流し続けると、延長コードのプラグとコンセントの接触部分が溶け、くっついてしまう場合があります。これは高熱によりプラグの樹脂部分が溶け出し溶着するので、コンセントも溶けてしまうのが原因です。

接触部分が溶けてしまうのは、タコ足配線が原因である場合が多いです。しかし一方で、ホットプレートの専用コードを直接コンセントに接続せず、延長コードを経由してコンセントにつないでしまい溶けてしまったケースもあります。

延長コードで高熱が発生したままホットプレートの使用を続けると、最悪の場合は火災につながる可能性もあります。高熱によりコードを覆っている部分が溶けてしまうと火花が散り、ほこりなどに引火するのが考えられます。

火災を起こさないためにはタコ足配線を避け、高熱が発生しやすい状況をなくしましょう。また可能であれば延長コードの使用は控え、ホットプレートの専用コードだけを使いましょう。

電流が流れると延長コードは熱を持ち、表面温度が上昇するので温かくなっていきます。またコンセントのプラグ部分は金属製ですが、延長コードの表面が汚れたり酸化したりするので、接触抵抗が大きくなり熱を発しやすくなります。

もし延長コードが数秒程度触れられないほど熱くなっていたら、異常発熱を起こしている可能性があります。そのまま使用を続けると火災が発生する恐れがあるため、すぐに使用を中止しましょう。

延長コードを触れないほど熱くはないが人肌以上の高温に感じる時は、そのまま使用を続けていいのか判断が難しいところです。ホットプレートのような消費電力が大きい家電製品を使用していれば、人肌以上の高温に感じても異常とは言えません。

ただし、1,000Wを超えて定格容量近くになり人肌以上の高温に感じる場合は、使用中止を推奨します。多くの延長コードは定格容量が1,500Wですが、たとえ1,500Wを超えていなくても、定格容量近くになっている状態での使用は不向きです。

高温状態になるほど劣化も早まるため、短期間で発火や感電につながる可能性が高くなります。

延長コードに異常や違和感がなくても、コンセントの一部が茶色く変色している場合は不具合を起こしている危険があります。コンセント内部でプラグとの接触が悪くなり高熱を発している可能性が高いので、すぐに使用を中止しましょう。

場合によってはコンセントの変色に加え、焦げくささを感じます。放置すると発煙や発火の恐れがあるので、すぐに電気店などの業者へ連絡するのをおすすめします。

ホットプレートと延長コードを組み合わせて使用したとき、実際に起こった事故をご紹介します。

• 10年前に購入した延長コードをホットプレートに接続し料理を楽しんでいると、延長コードから3回火花が散りコードが燃えた。
• 数回しか使用していないテーブルタップから異臭を感じ使用をやめた。ホットプレートでの使用は不可と言われたが、テーブルタップには表示されていなかった。

延長コードの年式や劣化、また使用が推奨されていないテーブルタップの使用には危険が伴います。さらに定格容量を超えやすいホットプレートと組み合わせると、火災など大きな事故につながる可能性もあります。

複数の電気機器を近くに置きたい場合は、プラグの差し込み口がいくつか付いた延長コードだと便利です。しかし消費電力が大きいホットプレートを接続すると、差し込み口がまだ残っていても定格容量に達しやすいです。

その状態でさらに他の電子機器を接続すると、コンセントに過剰な負荷がかかり発火が起きやすくなります。ホットプレートで延長コードが必要な時にはタコ足配線を避け、単独でコンセントに接続しましょう。

「もし電気を使い過ぎていたら、ブレーカーが落ちるから大丈夫！」と思い込んでいませんか？たとえば賃貸アパートなどでは、エアコンをつけながらドライヤーを使用したらブレーカーが落ちてしまうのがよくあります。

しかしそれは誤った認識です。一般的なブレーカーは20Aで合計2,000Wまで使用できますが、ほとんどの延長コードは1,500Wが上限になっています。

そのためたとえブレーカーが落ちなくても、ホットプレートと合わせて1,500W以上の電力を使い続けると、発火やショートを引き起こす可能性があります。

ホットプレートによっては、取扱説明書に「延長コードの使用禁止」「付属の専用コード以外は使用禁止」といった記載がされています。

延長コードを使うと利用環境次第では定格容量を超えてしまったり、また劣化具合によっても危険性が増します。延長コードを使うと直ちに発火に至るのはありませんが、専用コードがより製品に適しているのを保証しています。

ホットプレートの消費電力は1200W～1400Wと、キッチン家電の中ではかなり高いです。延長コードは定格容量が1,500Wのものが多いですが、1,500Wを超えていなくても定格容量近くになっている状態で使用し続けるのは危険です。

延長コードの定格は1500Wがほとんどですが、中には2000Wまでのものもあるようです。ホットプレートが1300Wだとすると、2000W延長コードの方が余裕があるのでより安心して使えます。値段は10,000円前後と高いものが多いですが、アマゾンや楽天で購入できるので気になる方はぜひチェックしてみてください。

ホットプレートを使用中、延長コードが高温になっているのは危険な状態です。「これくらいなら大丈夫」と油断して放置すると、取り返しのつかない事態を引き起こしかねません。延長コードの危険サインをよく見極め、適切な対処を行いましょう。