広角レンズの歪みの原因・理由は？広角レンズのおすすめ商品も

広角レンズは大きな建造物や風景だけでなく、大人数で撮影する際にとても便利なレンズです。最近ではスマートフォンに装着できる広角レンズから、デジタルカメラ用・持ち運びに優れた小型設計の広角レンズなどさまざまな種類があります。

しかし、広角レンズを使用する際、撮影した画像の歪みに頭を抱えてはいませんか？実は、広角レンズによる写真の歪みは、広角レンズの特徴と大きく関係しています。歪みの原因を理解し、正しい解決策を行うことで広角レンズの歪みを限りなく少なくできます。

今回は、広角レンズの歪みに対する原因と解決策を徹底解説。さらに、記事後半では歪みの少ないおすすめ広角レンズをご紹介します。おすすめの修正ソフト・アプリもご紹介するので、広角レンズの歪みに悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

広角レンズが歪む理由は、凸レンズを使用しているからです。中央が厚い形状の広角レンズは距離感をより誇張するためのもので、近いものはより近距離に・遠いものはより遠距離に感じるように設計されています。

道路の曲がり角に設置してある鏡にも使用されている凸レンズは、丸い形状で中心から端に進むにつれ厚みが薄くなります。レンズの厚みの差によって光が屈折し、直線を真っ直ぐ通せなくなるので被写体が歪みます。

凸レンズが場所によって厚みが違う限り被写体の歪みは防げません。最近の広角レンズは距離感の誇張を維持しながら歪みを減らすように設計されていますが、被写体はどうしても歪んでしまいます。

ディストーションとは主に直線を曲げる歪み方です。ディストーションが発生する理由は、広角レンズが人間の視野よりも広い範囲を捉える特性があるためです。たとえば、建物や集合写真を広角レンズで撮影した際、建物や体が歪んでいるように見えた経験はありませんか。

広角レンズによる歪みの種類の中でもディストーションは特に発生しやすく、主に焦点距離が短いレンズを使用している場合が起こりやすい歪みです。

ボリューム歪像とは画像の周縁部に写る立体的な被写体を対象に、膨らみやへこみが現れる歪み方です。ボリューム歪像の原因は、立体的な形を平面に変換する際に埋められない部分があるためです。

例えば、360°カメラや教科書に載っている世界地図は100%正確な写真や図形ではありません。立体を平面にする変換する際、変換時に生じた足りないパーツを自動で埋めるのでボリューム歪像が起きてしまいます。

大きな建造物を真下から広角レンズで撮影する際、上に行くほど建造物の幅が狭くなる・歪むなどの経験はありませんか。大きな建造物の撮影時に起こりやすい歪みが、あおりによる歪みです。

あおりによる歪みの原因は、被写体を伸ばして撮影しようとする広角レンズの特性が原因です。真下から大きな建造物を実際に見るときは自然に見えても、広角レンズは不自然なほどに建造物の上部の幅を歪めます。

遠くから被写体を撮影したのち、写真を編集する方法があります。歪みやすい周辺に対して中央は歪みが少ないため、遠くから撮影した後で被写体をトリミング（周辺をカット）すると、歪みの少ない被写体を実現できます。

ただし、トリミングは画素数の低下に繋がるため注意しましょう。遠くから撮影する際は、標準レンズや望遠レンズの利用がおすすめです。

被写体に対するカメラの位置を水平と真正面にすると歪みが少なくなります。広角レンズを付けたカメラが少しでも傾くと、傾いた側の反対方向が伸びるように被写体が歪むためです。

歪みは上下左右とあらゆる方向に現れますが、水平と真正面の角度は再現しやすく歪み対策も取りやすいです。より水平と真正面の角度を再現するために、三脚や水準器を利用するのがおすすめです。

歪みが少ないレンズの使用は、もっとも効果的な歪み対策です。歪みが少ないのは比較的新しい型で大きな直径が特徴の大口径レンズです。大きなレンズは歪みが強い周辺部分よりも、歪みが少ない中心部分がより広くなります。

また、単焦点レンズは歪みが少なく携帯性に優れています。F2.8通しのフラグシップレンズは歪みが非常に少なく、F4より大きいレンズはコンパクト設計なのが特徴です。歪みが少ないレンズは記事後半で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

スマートフォン用の歪みがない広角レンズはありません。丸い形状の広角レンズは、レンズの位置による厚さの違いが原因で被写体を歪めるためです。スマートフォン・デジタルカメラ関わらず、広角レンズの歪みは避けられません。

しかし、先述した通り歪みを少なくする方法はたくさんあります。歪みの原因を理解し、撮影方法や歪みの少ないレンズの使用など、十分に対策を施すことで歪みを最小限に抑えられます。

本記事では広角レンズの歪みの原因と対策方法の解説しました。広角レンズによる歪み完全には防げませんが、撮影時の工夫や使用レンズによって歪みを減らせます。ぜひ、広角レンズの特徴を理解して素敵な写真を撮ってください。