マイクロSDカードの価格相場｜ 安いSDカードと高いSDカードの違いは？

スマホやアクションカメラなどの外部ストレージとして使用できるmicroSDカードは、価格の安い製品が多くあります。容量と価格だけで選び、問題なく使用できると「安くいい買い物をした」気分になれます。

ところが、実際は製品によって寿命が10倍以上異なったり、読み書きの快適さが違ったりするなど、値段の違いによってマイクロSDカードの性能はさまざま。そのため、容量や製品価格だけを見ていると、実は割損である場合も少なくありません。

本記事では安いSDカードと高いSDカードの違い・マイクロSDカードの価格相場・選び方のほか、おすすめメーカー・おすすめ商品も紹介します。コンビニ・ヤマダ電機といったマイクロSDカードを購入できる実店舗についても触れますので、ぜひご覧ください。

microSDカード全般の価格幅は300～70,400円で、人気製品の価格相場は300～24,800円です。低価格のmicroSDカードと高価格な製品では100倍以上の価格差があり、安いSDカードと高いSDカードにどのような性能の違いがあるか気になりますよね。

おおまかには1,000円以下の低価格帯では64GBまでの容量が主流で、価格が高くなるほど容量の大きいmicroSDが登場します。また、高速で読み書きできる製品は比較的高い製品に多いなど、価格に応じて高性能になる傾向もあります。

また、コンビニに売られているSDカードやmicroSDカードは容量の選択肢が少ない場合が多いです。夜間急に必要になったときには役立ちますが、基本的にはケーズデンキやビッグカメラなどの家電量販店や通販で購入しましょう。

スマホやタブレットなどの端末では、写真・動画・音楽などさまざまなデータを持ち運ぶと考えられ、以下のようなスペックを持ち合わせた製品がおすすめです。

• 容量：64GB以上
• 転送速度：UHS-I(90MB/s)

最も低価格なものでは700円前後で購入でき、1,000円程度で十分実用的なmicroSDを購入できます。なお、iPhoneやiPadはmicroSDカードを直接外部ストレージとして使用できず、専用のカードリーダーが必要です。

Nintendo Switchのソフトにはパッケージ版とダウンロード版の2種類あり、ソフトや追加コンテンツをダウンロードする方はmicroSDカードは必須です。ソフトによっては10GBを超えるケースも珍しくないため本体容量(32GB)だけでは容量不足になる可能性が高いです。

• 容量：128GB以上
• 転送速度：UHS-I(読み込み速度：60～95MB/s)

複数のソフトをダウンロードするなら上記のスペックを持ったmicroSDカードがおすすめです。予算は1,400円以上で見積もっておきましょう。

アクションカメラの中にもmicroSDカード対応のものがあり、代表的な製品にGoProのアクションカムがあります。容量については機種によって最大容量の制限があるので必ずチェックしておきましょう。

• 容量：32～64GB
• スピードクラス：Class 10
• ビデオスピードクラス：V30以上

上記のスペックをもったmicroSDカードがおすすめで、GoProで動作保証済の製品を選ぶなら予算は3,900円以上です。所在不明メーカーなどの格安な粗悪品を入れると、故障する可能性があるので気をつけましょう。また、屋外での紛失対策に複数枚のカードを持つのも1つの手です。

ドライブレコーダーで使用するmicroSDカードは夏の炎天下や冬の寒さなどの車内環境に耐えられ、振動や衝撃にも強いタイプの製品が推奨されます。

• 容量：最低8GB以上(フルHDで1時間以上録画可能な容量を選ぶ)
• 耐久性：耐温度と耐衝撃性有
• フラッシュメモリータイプ：MLC

ドライブレコーダーでスペックを持つ製品の予算は1,300円以上です。なおMLCタイプなら約10,000回の書き換えが可能で寿命が長いです。煽り運転対策や駐車監視で長時間記録する必要がある場合や、より長い寿命を求めるなら大きな容量を選びましょう。

DAPに音楽を入れて持ち運ぶ場合は、ファイルの種類や曲数で必要な容量を見極めましょう。読み込み速度が速いものの方がレスポンスが速く快適に使用できますが、こだわりたい人以外は特別気にする必要はありません。

• 容量：64GB以上

音楽ファイルがmp3やAAC中心なら64GBでも十分で、700円前後で購入できます。ハイレゾ品質のFLACファイルなどが中心なら128～256GBで、予算は1,400円以上を見込みましょう。DAPの各メーカーでおすすめのmicroSDカードを紹介している場合もあります。

スピードクラスは最低転送速度を表す規格です。Class 10の場合は「最低でも10MB/秒の速度で読み書きする」と保証しています。現在microSDカードはClass 10が主流で、製品価格帯も300円～と低価格帯にも多く見られます。基本的にClass 10を選べば問題ありません。

UHSスピードクラスはSDカードの転送速度の高速化のために登場した規格です。スピードクラスと同じく最低転送速度を保証しますが、使用する機器もUHSスピードクラスの規格に対応している必要があります。スピードクラスよりも高い転送速度が期待できますよ。なお、UHSスピードクラスに非対応の機器に使用した場合は、スピードクラスの値が保証されます。

ビデオスピードクラスとは最低転送速度を保証する規格で、動画撮影機器のために策定されました。「V30」の場合は「最低30MB/秒の転送速度」を保証します。「V」の後の数値がそのまま保証する最低速度です。GoProではV30以上の製品が推奨されています。

アプリケーションクラスはスマホやタブレットなどのAndroid端末で、SDカード内へのデータ保存やアプリの実行などの快適性の向上を目指した規格です。Android端末で使用すると決まっている場合はアプリケーションパフォーマンスクラス対応カードがおすすめです。

現在流通しているmicroSDカードの容量は、おおよそ2GB～1,000GBです。SDカード・microSDカードの規格は2GBのSDに始まり、4GB～32GBのSDHC・64GB～2TBのSDXCと大容量化のために拡張されています。

SDXC対応機器でSD規格のカードは使用可能ですが、SD規格対応機器にSDXC規格のカードは使えません。ちなみにゲーム用の場合は128GB以上がおすすめ。Nintendo Switch用のmicroSDカードとしては、128GBが一番人気です。

SDカード・microSDカードに使用されるNANDフラッシュメモリー素子にはTLC・MLC・SLCと3つのタイプがあります。タイプの違いは主に書き換え寿命に影響し、TLCチップでは約1,000回の書き換えがカードの寿命の目安です。

MLCチップは約10,000回、SLCチップは約100,000回の書き換えが可能です。書き換え寿命以外にも、アクセススピードやデータの保持性も向上しますが価格も高くなります。ドライブレコーダーなど頻繁に書き換えが行われる用途では寿命の長いタイプがおすすめです。

microSDカードにはさまざまな環境での使用に耐えられる設計がされたものもあります。たとえば、IPX7の防水性能を持つカードなら一時的な水没にも耐えられます。GoProを始めとするアクションカムで使用するカードにおすすめです。

耐X線性能をもつ製品は空港のX線検査による影響も受けにくいのが特徴です。また、磁気を発するものの近くではカードが故障する場合もあるので、不安な方は耐磁性をもつ製品もおすすめ。具体的な耐久値はメーカーや製品によって異なるので、各製品の公式ページを参照してください。

製品価格帯は、防水/耐水・耐衝撃・耐温度・耐X線性をもつ製品は300円以上で、耐磁性は480円、防塵性を持つ製品は2,800円以上の価格帯から登場します。

ストレージのスペックといえば容量・読み込み速度の2点に目が向きがちですが、書き込み速度も大事なポイントです。特に写真・動画撮影を前提とする場合、素早く記録できる媒体でないとラグを起こす可能性があります。

書き込み速度の目安としては、最低10MB/s以上がおすすめ。数値の大きいものほど高額であるため、コスパのいい商品を選びましょう。

SANDISKは主にフラッシュメモリー製品を扱うアメリカに本社を置く企業で、マイクロSDカードにおいても、各メーカーの中で最も製品数が多いです。大容量のデータ保存におすすめの製品や4K動画の撮影におすすめの製品など幅広いラインナップを展開しています。

また、マイクロSDカード対応機器の各メーカーの動作チェックに選ばれるケースも多く、信頼性が高く魅力的です。マイクロSDカード選びに悩んだ時に、間違いのないメーカーと言えます。製品価格帯は300円前後～54,000円前後です。

東芝の半導体メモリ事業を分社化させてできたキオクシアは、フラッシュメモリー市場のシェア率が世界2位を誇ります。マイクロSDカードではIPX7相当の防水性能や-25～85℃の耐温度性能など高い耐久性を持ち、監視カメラやドライブレコーダーなどにもおすすめです。

3つのシリーズに分けられ、データ保存向けのエクセリア・4K動画撮影やスマホにおすすめのエクセリア プラス・MLC方式で長寿命のエクセリア ハイエンデュランスがあります。製品価格帯は300円前後～27,000円前後です。

HI-DISCは秋葉原に本社を置く株式会社磁気研究所のブランド名です。マイクロSDカードは主に、マイクロSDXC規格の製品の人気が高いです。大容量でも1GBあたりの価格が10円前後と、他メーカーよりも比較的低価格である点が魅力と言えます。

製品全般としてはデータ保存やDAPなどに向いていますが、転送速度の速いタイプの中にはNintendo Switchでの動作確認済の製品や、動画撮影にもおすすめできる製品も。製品の多くは400円前後～1万円以下の価格ですが、約3万円の1TBの製品もあります。

レキサーメディアは1996年の設立以降、20年以上デジタルカメラの記録メディアを供給してきたメーカーです。全製品において1,100以上のカメラなどのデジタルデバイスでさまざまなテストにクリアした確かな品質が特徴。

製品は全般的に高速性能が魅力で、ビデオスピードクラスV30以上の製品も多く、アクションカムやジンバルカメラなどの撮影用途にもおすすめできます。10年保証(制限付き)などの手厚いサポートも魅力的ですね。製品価格帯は700円前後～22,000円前後です。

マイクロSDは、ヤマダ電機・ケーズデンキといった家電量販店以外にも、コンビニなどでも購入可能です。特定のものが欲しい場合は、店舗によって取り扱いがない場合もあるため、店舗に出向く前に電話などで確認しておくと間違いがありません。

豊富な種類の中からじっくり選びたいなら、Amazon・楽天市場・ヤフーショッピングといった通販もおすすめです。機能性・容量・価格をしっかり比較できます。

マイクロSDカードは自分の用途に合ったスペックと信頼できるメーカーであることが大切です。格安の低品質製品を何枚も購入するよりも、信頼できる製品を購入した方が長期的に見れば安く済む場合もあるので、しっかりチェックしましょう。