【100倍・300倍】高倍率な単眼鏡のおすすめ10選｜見え方や選び方も

「遠くのものを見る道具」として愛用者が増えている単眼鏡。レンズひとつで軽量に設計された本体は女性や子どもの手にもなじみやすいため、長時間の美術鑑賞やコンサートで大活躍します。特に100～300倍の超高倍率であれば、肉眼では捉えられない遠くのものも視認可能です。

高倍率の機種を購入しようとしている方もいるはずです。しかし、使用シーンによって最適な倍率は異なります。また高倍率であっても、必ずしも希望通りの見え方になるとは限りません。用途・目的に合わせて正しい機材の選び方を把握する必要があります。

この記事では、使用シーンごとのおすすめ倍率・高倍率でも鮮明に見えるおすすめ機種の選び方など、単眼鏡の倍率について詳しく紹介していきます。

単眼鏡は、手が届くくらい近くにピントを合わせられる「最短合焦距離」が数センチ～十数センチと短めです。たとえば、美術館で作品を間近で拡大して見たいときに活躍します。また、コンパクトなので携帯しやすいのもメリットです。

単眼鏡は片目で見るので、立体感を掴みづらく動くものを追うには不向きとなります。スポーツ観戦や舞台鑑賞の場合、動きが早いものは目が疲れるので注意しましょう。静止したものを近くで見るには最適です。

以下に単眼鏡のメリット・デメリットをまとめましたので参考にしてください。

【メリット】

• 手頃な価格で購入しやすい
• コンパクトで携帯に便利
• 近くのものを拡大できる

【デメリット】

• 立体感を掴みづらい
• 動くものを追うのは不向き

倍率は、単眼鏡をのぞいたときに見たいものがどのくらい大きく見えるかの目安です。倍率が10のときは、100m先の対象物が10mの距離に存在しているくたいの大きさに見えます。

倍率は高いほど遠くのものが見える一方で、暗く見えたり手ブレしやすくなったりするのが留意点です。倍率は高ければいいわけではないので、用途に合わせた見極めが必要です。選ぶ際は、以下の倍率を参考にしてください。

• 実際の距離÷倍率=単眼鏡で見たときの距離

単眼鏡の特徴のひとつが、「近い距離でピントを合わせられる」です。似た道具である双眼鏡などは50cm程度が限界ですが、単眼鏡には15cm先から焦点が合う機種もあります。この特徴から、単眼鏡は美術博物館へ持って行くミュージアムスコープとして人気を集めています。

比較的近距離を見るのに使われるため、4～6倍程度の倍率の機種がよく選ばれます。また、単眼鏡をはじめとした光学機器は高倍率になるほど視野が狭く、暗く見えて少しの手ブレも大きく見えてしまうため、倍率は最大でも10倍程度のものがおすすめです。

単眼鏡の性能・仕様をチェックすると、「80×100」のような数値情報が開示されている場合があります。この表記要領はズーム倍率・対物レンズの有効径をセットで表したもので、80×100の場合は80倍ズーム×有効径100mmです。なお有効径の大きいものほど明るい視野を得られる一方、重量が増します。

単眼鏡には「100倍」や「300倍」など高倍率を謳う製品もあります。そうした機種の多くは防振機能やレンズ径が工夫され、高倍率でも視野を明るく保つ対策が取られていますが、中には倍率が高いだけで全体のバランスを欠いた見えにくい機種もあります。

また、高機能な機種であっても使用場所に適さなければ、近すぎてよく見えない場合もあります。倍率は見えやすさや品質の指標ではありませんので注意しましょう。

単眼鏡は、美術館や劇場など薄暗い場所で使う機会が多い道具です。視野の明るさは必ずチェックしましょう。光学機器は対物レンズの有効径が大きく、倍率が低いほど覗きこんだときに明るく見えます。

単眼鏡本体は、「明るさ(対物レンズ有効径÷倍率した数字を2乗)」で求められます。明るさが9以上あればかなり明るく見え、薄暗い会場でも快適です。逆に4以下の機種は暗めなため晴天時に野外で使用するのにおすすめですが、5以上の機種だと明るく見えすぎるため注意が必要です。

美術館での美術鑑賞など、近距離のものを見る場合にチェックしたいのが最短合焦距離です。本体を覗きこんだときにピントを合わせられるもっとも近い距離を表し、単眼鏡では15cmほどの距離から合わせられる機種もあります。

最短合焦距離が短いものを選べば、そばにいる昆虫なども近づかずに観察できます。逆に、スポーツ観戦やバードウォッチングなどには、最短合焦距離が長い機種でもOKです。

単眼鏡のサイズ・重さにも注目しましょう。一般的に性能の高い単眼鏡ほどサイズが大きく、重い傾向があります。一方で多くの単眼鏡は持ち運びを前提とするため、性能・携行性のジレンマが悩みどころです。重いものほど手ブレも生じやすくなるため、不慣れなうちは目安として50～400g程度の単眼鏡を選びましょう。

眼鏡をかけている方に特にチェックしていただきたいのがアイレリーフの長さです。アイレリーフは単眼鏡を覗きこんだときの対物レンズから瞳までの長さを示し、その単眼鏡の性能を十分に引き出すために重要な要素です。

アイレリーフが15mm以上ある機種ならば、眼鏡をかけた上からでも快適に使用できます。また、接眼目当てを折り返したり短く調節したりして、自分に合うアイレリーフで使用できる機種も販売されています。

単眼鏡の機能は、機種によってさまざまです。手ブレを補正する防振機能や防水仕様、便利なズーム機能のほか、真っ暗闇でも使える暗視スコープ・観測点までの距離が測れるゴルフ用の距離計などのやや専門的な機能を持った機種もあります。

特に高倍率の単眼鏡を選ぶ場合、便利なのが手ブレ補正機能です。1部を拡大している状態では大きく見えがちな手ブレを軽減し、より鮮明な視野を確保できます。また、手ブレ補正機能には電池等が必要です。

美術館・博物館は単眼鏡が特に活躍できる場所のひとつです(美術館に持って行く単眼鏡はミュージアムスコープと呼ばれます)。美術館に持って行くのにおすすめなのは、最短合焦距離が短く、4～6倍ほどの倍率を持つ単眼鏡です。

特に4倍率の単眼鏡が人気を集めていますが、6倍の倍率を持つ機種ならば人混みを離れた場所からでも鑑賞できます。屋内は薄暗いので、ある程度明るい機種を選びましょう。

劇場に持って行く単眼鏡は最短合焦距離が中～遠距離のものがよく選ばれ、ギャラリースコープとも呼ばれます。最適な倍率は会場の規模によって異なりますが、小規模な劇場であれば4倍程度、大規模な会場であれば8～10倍程度の機種がおすすめです。

コンサートや演劇は2時間以上続くものも多いので、軽量なものを選ぶのもポイント。また、薄暗い会場に備えて、明るく見える機種を選びましょう。

スポーツ観戦は競技によって最適な倍率が変わります。バスケットボールなどの近距離のスポーツを観戦する場合は4～6倍程度、野球やサッカーなどの遠距離のスポーツの場合は8倍程度の機種がおすすめです。

しかし、単眼鏡は視野が狭く、激しい動きを追うのには不向きな道具です。フィールド全体の動きを詳細に見たい場合は、広角タイプの双眼鏡などがおすすめです。

バードウォッチングや登山、ハイキングなどのアウトドアに持って行く場合は、突然の雨にも対応できる防水仕様の機種がおすすめです。生活防水以上の仕様になっている機種であれば、マリンスポーツや沢登りなどの水辺のアクティビティにも気軽に持って行けます。

また、近距離から遠距離まで自由自在に見られるズーム機能付きの機種なら、近くの植物から遠くの小鳥まで逃さず観察できますよ。

夜間行われる星空の観察や天体観測に使用するのは、悪天候に対応できる防水仕様の機種・レンズ径が大きく、視野が明るい機種がおすすめです。明るさレベルが25以上ある機種ならば、鮮明な星空が観察できます。

レンズ径が大きい機種は本体も大きくなりがちですが、重量が増える代わりに三脚が使用できる機種もあり、長時間でも安定した観察が楽しめます。天体の様子を詳細に観察したい場合は、天体望遠鏡もおすすめです。

覗きこめば見えると思うのは、実は大きな間違いです。単眼鏡の性能を十分に引き出し、満足度の高い鑑賞・観察を行うためには、ピント調節などを正しく行う必要があります。ここでは、単眼鏡の使い方を簡単に解説していきます。

1. 観察したい対象を肉眼で捉えます。単眼鏡は視野が狭いため、単眼鏡を覗きながら対象を探すのはとても困難です。
2. 単眼鏡を覗きます。この時点ではピントが合っていないため、視野はぼんやりしています。
3. 視野に対象を入れ、ピントを合わせます。絞りを開くと近距離に、狭くすると遠距離にピントが合います。

単眼鏡には、機種ごとに癖があります。初心者の方は、特に最初うちは操作に時間がかかるかもしれません。しかし、コツをつかめば素早く最適な位置にピントを合わられるようになります。

単眼鏡では対応できない場合は、双眼鏡を使うもありです。ただし、双眼鏡も単眼鏡と同様に「高倍率＝高性能」ではありません。たとえば、倍率100倍の機能があっても、実際に100倍率で見た場合は、大きく見えても全体的にぼやけた状態でクリアには見えないのが留意点です。

倍率が大きいほど遠くがよく見えるわけではないので、シーンに合わせて最適な倍率と見え方を見極めてください。双眼鏡の倍率についてはこちらの記事で詳しく解説しています。気になる方はあわせてご覧ください。

高倍率な単眼鏡特集はいかがでしたか。視野が狭くなりやすい単眼鏡で高倍率の機種を選ぶときは、レンズ径や明るさ、手ブレ補正機能の有無など全体のスペックのバランスが特に大切です。ご紹介した選び方やおすすめ機種を参考に、ぜひお気に入りの1台を見つけてください！