双眼鏡の価格による違いは？｜値段相場はいくら？コンサート向けやおすすめ10選も

ライブやコンサートに行く際に、双眼鏡は欠かせないアイテムですよね。双眼鏡は数千円の安いものから数万円のものまである幅広い価格帯の商品です。高価なものほどよく見えそうだと思いますよね。しかし、それも間違いではありませんが、双眼鏡で見る対象によっては高価な双眼鏡でなくても十分な場合もあります。

一般的な値段相場として、売れ筋の双眼鏡は約数千円～1万円台です。初めて双眼鏡を持つならそのあたりの価格帯で十分との意見もあります。ただし、双眼鏡を使う目的によっては高価な双眼鏡でないと役に立たない場合もあるので、購入する前にどのタイプの商品が自分に合っているのかを確認しましょう。

今回は、ビックカメラなどの家電量販店や、Amazonなどのネット通販でも購入できる双眼鏡の価格の差はどこで決まるのかや、双眼鏡を選ぶポイントなどを解説します。また、おすすめの双眼鏡10選も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

双眼鏡の倍率は8倍～24倍以上あります。「倍率が高いほど価格もあがるのでは」と思われますが、双眼鏡の価格は倍率では決まりません。倍率が10倍の望遠鏡でも1万円未満の製品もあれば、8倍の双眼鏡でも10万円近いものもあります。

双眼鏡の価格は見え方で決まります。双眼鏡の見え方は明るさや手ぶれの有無、視野の広さが影響するので、明るくて手ぶれが少なく視野が広い双眼鏡は、よく見えるので価格も高めです。

倍率とは、双眼鏡が見るものを何倍に拡大できるかを指します。たとえばバードウォッチングの場合、10倍の双眼鏡を使えば、100m先の鳥が肉眼で10m先に見えるのと同じです。ただし、高倍率の双眼鏡ほど遠くのものがよく見えるわけではありません。

高倍率になるほど双眼鏡の視野は狭くなり手ぶれも拡大されます。そのため、10倍を超える双眼鏡は手に持って使うのがとても難しいです。どこにでも持ち歩いて使うなら、もっとも見えやすいのは7～8倍の倍率になります。

しかし、コンサートやライブなど、「遠くのものをはっきり見たい」場合もあります。その場合は、10倍の双眼鏡で手ぶれ補正が付いているものを選びましょう。手ぶれ補正がない高倍率の双眼鏡ではまともに見えないと考えてください。

レンズコートとは、双眼鏡内を通る光が反射するのを防ぐ処置を指します。双眼鏡内で反射する光が多いほど見え方が暗く不鮮明になり、処理が丁寧なほど双眼鏡の価格も上がります。

単層コートとはレンズに一層だけ膜を張ったコートです。一層だけなので多くの光が反射し、透過する光は僅かです。そのため、暗いところで使用すると像が鮮明に結ばれず暗くなります。

たとえば、光がさんさんと入る場所で使用する・間近のところしか見ないなどの条件なら、単層コートでも十分です。しかし、屋外で使用する場合はくもりの日ほど見えにくいといった現象が起きます。

マルチコートは複数のコートを重ねたもので、反射を最低限に抑えます。そのため、光がまっすぐ透過して双眼鏡を覗いたときに像がはっきりと結ばれます。コートは3層、5層と重なるほど光を反射しにくくなります。この層の多さも価格の差につながります。

双眼鏡の値段を決めるもう1つの要素が、重さとサイズです。双眼鏡は持ち歩くのが前提なので、コンパクトなタイプの方が需要があります。しかし、大きくて持ち歩きにくい双眼鏡にもメリットがあります。

ダハプリズム型はコンパクトに畳める主流のタイプです。近距離でのピントが合わせやすく、精度が高い点がメリットなので、コンサートや観劇での使用に適しています。ただし、価格が高い傾向にあります。

ポリプリズム型では対物レンズを通した光が2枚の向かい合わせのプリズムを通して屈折し、接眼レンズへと届きます。光の屈折回数が少ない分、遠くもピントが合わせやすく精度が高いのがメリットです。一方、プリズムレンズが大きいので本体も大型になりやすいのがデメリットとなりますが、その分、価格は安いです。

双眼鏡のレンズは樹脂製とガラス製があります。樹脂製の方が安価ですが、ガラス製に比べると耐熱性が低く吸水性が高いので、水を吸うと屈折率が変化するデメリットがあります。

そのため、気温差が大きく湿気が高い屋外で使う場合はガラス製レンズの双眼鏡がおすすめです。ガラス製かどうか明記していない双眼鏡もありますが、3万円を超える双眼鏡はガラス製が多いです。

双眼鏡は製品によって明るさが違います。双眼鏡を覗いたときに明るく見えないと、屋内・くもり・雨の日では使用しづらいです。双眼鏡を購入する際は明るさをチェックしてください。

双眼鏡の明るさは「ひとみ径」を割り出すと求められます。ひとみ径は「対物レンズの有効径÷倍率」で計算し、その数値を2乗したのが明るさです。明るさが9以上あればくもりの日でも問題なく使えます。

前述したように、双眼鏡は倍率が高いほど手ぶれもレンズに伝わりやすいです。そのため、手ぶれ防止機能がついているかもチェックしましょう。また、防塵や防水機能がついていれば屋外でも安心して使用できます。

アイレリーフとは接眼レンズと瞳との距離です。アイレリーフが長いほど接眼レンズから距離を離して見ても像がはっきりと結べます。アイレリーフは短くて8mm、長くて25mmです。眼鏡をかけている場合、接眼レンズと目の距離が遠くなるので、眼鏡をかけている人や目の周りに化粧をする人はアイレリーフが長いものを選びましょう。　

ビクセンは天体望遠鏡や双眼鏡を製造・販売しているメーカーです。天体望遠鏡は日本市場のシェアを6割以上も占めています。ビクセンが作る双眼鏡の特徴は「小型・オシャレ・高性能」で、平均価格帯は7,000円前後で最初の1台としてもおすすめです。最大20倍まで倍率を上げられるのもおすすめポイントです。

ニコンといえばカメラのイメージがありますが、双眼鏡の製造・販売も長い歴史を持っています。また、光学機メーカーとしても世界トップレベルの企業なので、レンズの質は折り紙付きです。ニコンの双眼鏡は「対象物が自然に見える」のが最大の特徴で、価格帯は数千円のお手頃価格のものから数万円の高額なものまでよりどりみどりです。

カールツァイスはドイツの光学機器メーカーです。顕微鏡を主に製造していましたが、近年はカメラや双眼鏡など製品の幅を広げました。カールツァイスの双眼鏡は小型で高性能なのが特徴で、価格は数万円から数十万円と高めです。ポケットに入るほど小さく、また、防塵・防水機能にも優れているので、アウトドアやバードウォッチングにも適しています。

コーワは昭和20年代から双眼鏡を製造・販売しています。高品質のプロミナー「EXレンズ」は世界的に有名です。これを用いた双眼鏡は高価格ですが望遠鏡レベルのクリアな像を結びます。また、お手頃価格のラインナップも価格に比例してクリアに見えるので、初心者にもおすすめです。とくに、バードウォッチング愛好家の間での評判が高いのが特徴です。

キヤノンもカメラのイメージが強いメーカーですが、双眼鏡の製造・販売にも長い歴史があります。キヤノンの双眼鏡はラインナップは少なく、ほかのメーカーに比べて高価格帯のラインナップなのが特徴です。そのため、2台目3台目を求める方向けのメーカーです。

双眼鏡は家電量販店・ホームセンターなどで取り扱っています。実店舗では実物を手にとって試せますが、店舗によっては取り扱いがない場合や在庫がない場合があるので注意が必要です。

またAmazon・楽天などネット通販での購入も可能です。さらにケーズデンキ・ビックカメラではオンラインショップもあるのでそれぞれ比較して選んでください。

ここまで、本記事では双眼鏡の機能と価格の違いについて解説してきました。ただし、同じ機能でもなるべく格安で購入したい方もいますよね。安く購入したい方には、中古の双眼鏡もおすすめです。ただし、中古品を購入する際には、いくつか気を付ける点があるため、ぜひ以下の記事を参考にしてください。

双眼鏡は倍率よりも使用目的で選ぶのがおすすめです。暗いところで使いたい場合は明るさを重視、広いところを見たい場合は視界の広さを重視しましょう。そうすれば、安価な双眼鏡であっても満足して使用できます。使用用途を踏まえて、自分に合った双眼鏡を選んでください。