双眼鏡の選び方を紹介｜ライブや天体観測におすすめの12選も

ライブコンサートやスポーツの試合は、映像よりも現地で観る方が圧倒的に興奮を味わえますよね。しかし、いざ会場に行くと後方の席しか空いておらず、パフォーマンスの様子がイマイチ見えづらかった……という経験をした方も少なくありません。

しかし、こうした問題は双眼鏡1つあればすぐに解決します。双眼鏡はカメラのズーム機能のように視界を目標物に近づけられるため、最前列で観ているような臨場感をどの位置からでも得られます。とはいえ、双眼鏡は今や多くのメーカーが販売しており、初心者の方が適切な製品選びをするのは簡単ではありません。

そこで本記事では、双眼鏡の選び方を倍率やレンズサイズなどさまざまな観点から解説します。記事後半では、おすすめの双眼鏡12選も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

双眼鏡のズーム性能は倍率で表され、数値が大きいほど観察物を間近に映すことができます。しかし、ズームした分だけレンズに映る範囲が狭くなるほか、手ブレの影響を受けやすくなる点にも注意が必要です。

一般的には、倍率が6～10倍程度あれば大抵の使いみちに対応できるといわれています。15倍を超えるような高倍率モデルは、天体観測など超遠距離の観察物を見る場合のみ検討してください。

双眼鏡のレンズサイズは映像の鮮明さに直結するため、なるべくレンズが大きめの製品を選ぶのがおすすめです。とはいえ、レンズは双眼鏡全体のサイズ・重量に大きく関わります。携帯性も重視したい場合は、用途に応じた丁度いいレンズサイズを探しましょう。

目安としては、レンズ直径30mm未満が観劇向け、30～50mmがスポーツ・アウトドア向け、それ以上が天体観測向けです。

双眼鏡の実視界はレンズ中心点を基準とした角度で表され、この値が大きいほど広範囲の景色をレンズに収めることができます。生物の動きなども追いやすくなるので、スポーツ観戦やバードウォッチングに使う場合は実視界の広さが特に重要です。なお、視界の広さは倍率によっても大きく左右されるので、実視界の比較は同じ倍率の製品同士で行ってください。

接眼レンズからアイポイント（ひとみができる位置）までの長さをアイレリーフと呼びます。一般的には、アイレリーフは10mm以上のものが見やすくておすすめです。メガネをかけているとアイポイントが長くなるため、ロングアイレリーフか、アイレリーフが15mm以上の商品を選んでください。

アウトドアで使用する方は、防水機能付きの双眼鏡がおすすめです。急な天候の変化や水辺でのバードウォッチングなどにも使えます。また、野外フェスやスポーツ観戦にも適しています。防水タイプでも、濡れたらすぐに拭いてケアしてください。

コンサート・野外フェスで使用する方は、手ブレ補正機能（防振機能）付きがおすすめです。高倍率になるほど手ブレが発生しやすいため、遠くの席からステージを見る際に適しています。

ビクセンは光学機器の老舗メーカーです。観察物が明るくハッキリと映る双眼鏡を数多く販売しています。そのため、ライブコンサートや天体観測などの周囲が暗い状況で双眼鏡を使う予定の方に特におすすめです。また、観劇向けの双眼鏡はコンパクトで扱いやすい製品が多く、初心者でも手軽に扱うことができます。

ニコンの双眼鏡は独自のEXレンズを搭載しており、目で見た風景に限りなく近いリアルな画像を映し出せるのが魅力です。また、軽量かつ大口径の製品が多いためスポーツ観戦といった観察物が動く際の使用に活躍すること間違いなし。倍率と実視界のバランスもよく、総じて欠点の少ないメーカーなので「とりあえず」で選んでも大きく失敗することはありません。

ケンコーの双眼鏡は総じて操作性が高く、視度や目幅の調整を手軽に行える優れものです。どんな人にも使いやすい構造のため、入門機としてはもちろんプレゼント用としても人気を博しています。また、ケンコーはコスパの高い製品を多く取り揃えているので、予算に余裕のない方はこのメーカーを優先的に検討しましょう。

フジノンは野外向けの高耐久な双眼鏡を多くラインナップしています。そのため、バードウォッチングをはじめとしたさまざまな自然観察に最適のメーカーです。中には、海上など特殊な環境で使える製品もあり、旅のお供として幅広い場面で活躍に期待できます。

また一部の高倍率モデルには防振機能も備わっているので、動く観察物を遠く離れた距離から追っても見失う心配はほとんどありません。

双眼鏡のおすすめ製品12選を使い道別に3点ずつ紹介します。用途によって求められるスペックは異なります。そのため、製品を探す際は「双眼鏡　ライブ」といった、使い道に合わせたワードを含めて検索してください。

双眼鏡をライブコンサートで使う場合、よほど広い会場でない限り倍率は5～6倍程度で十分です。ただライブ会場は基本的に暗く、パフォーマンスの様子を鮮明に見るにはレンズ自体の集光力が重要なため、なるべくマルチコート付きの製品を選びましょう。

双眼鏡をスポーツ観戦に使う場合、必然的にボールやプレイヤーなど動くものを観察し続けることになるため、実視界の広さが何より大切です。また双眼鏡を長時間手放せないことも予想されるので、手の負担を減らすためにもなるべく軽量モデルを選びましょう。

双眼鏡をバードウォッチングで使う場合は、画像のクオリティと動きの追いやすさを両立したものが最適です。そのため、レンズが大きく実視界の広い製品を探しましょう。またアウトドアで使う以上、耐久性や防水規格なども必ずチェックしてください。

天体観測では観察物がはるか遠くにあるため、並の倍率の双眼鏡ではまともに捉えられません。また超遠距離にある星空や惑星を鮮明に映すには、直径50mm以上の非常に大きなレンズが必要です。

高倍率な双眼鏡は全体の視界がかなり狭いため、少しの手ブレですぐに観察物を見失ってしまいます。また、レンズに映る画像の精度はあくまでもレンズ自体の構造や大きさで決まるので、「高倍率＝遠くのものがハッキリ見える」という誤解には要注意です。

極端な高倍率モデルが役に立つシーンは天体観測くらいなので、双眼鏡を日常使いしたい方はなるべく6～10倍程度の標準的な製品を選んでください。

カメラではお馴染みのズーム機能ですが、実は双眼鏡に搭載されることはほとんどありません。双眼鏡はアナログ機器なうえにレンズ交換も効かず、ズームによって損なわれる視界や光量を補う手段が存在しないからです。

また、レンズの構造が複雑化すると画像そのもののクオリティも下がってしまいます。現状、双眼鏡にズーム機能を採用しているのは無名メーカーの粗悪品ばかりなので、この機能がついた製品は極力購入を避けてください。

オートフォーカスとは自動でピントを合わせてくれる機能であり、デジタルカメラには必ずといっていいほど搭載されています。しかし双眼鏡は構造上、手動でしかピントを調節できません。

そのため、オートフォーカスと書いてある製品は単に調節機能がないだけです。ピント調節が効かなければひたすらボヤけた観察物を見続けることになるので、ありもしないオートフォーカス機能を宣伝している製品は絶対に購入しないでください。

双眼鏡はスポーツ観戦やバードウォッチングなどさまざまな用途に使え、1台あればあなたの趣味がより充実すること間違いありません。双眼鏡に興味を持たれた方は、ぜひ本記事で挙げた選び方を参考に最適の製品を探してみてください。