美術館で使える単眼鏡おすすめ11選｜単眼鏡と双眼鏡はどっちがいい？

単眼鏡を使えば、美術鑑賞が劇的に変わります。肉眼では見逃しがちな部分に気付けるため、より多くの感動が生まれ美術鑑賞がより楽しくなるはずです。一度使えば、美術館を訪れる際の必須アイテムとなるのは間違いありません。

しかし、よく美術館に行く方でも鑑賞時に単眼鏡を使用する人はあまり多くないようです。また、美術品との距離がある場合、肉眼で見る範囲には限界があります。単眼鏡を使用すれば、筆使いや細かな絵の具の重なりなども鮮明に見られるのです。

とはいえ、単眼鏡を選ぶにしても何を基準に選べばいいか分からないとお悩みではありませんか？また美術鑑賞においては双眼鏡やオペラグラスとどっちが優れているのでしょうか。そこで、この記事では単眼鏡を使った美術鑑賞のメリットやメガネをかけたまま使えるもの、美術館用の単眼鏡の選び方などを徹底解説します。記事後半ではおすすめのアートスコープなどの単眼鏡7選やも紹介します。

はじめに、結論として美術鑑賞には双眼鏡よりも単眼鏡のほうがおすすめです。

双眼鏡やオペラグラスは遠くのものをよく見るための道具。両眼で覗くため立体的で迫力のある視界を確保できます。また、双眼鏡は最短合焦距離が長く設計されているため、より遠くのものが見える仕組みです。オペラやバレエなどの観劇やコンサート、バードウォッチングや星空観察などで活躍します。

一方、単眼鏡の最短合焦距離は基本的に数十cm〜数mと短めです。したがって、近くのものをより鮮明に見たい場合には単眼鏡が適しています。美術館や博物館などの展示物を拡大して細かい部分までしっかりと見たい場合に最適なアイテムです。

単眼鏡は三角形を作るように両手で単眼鏡を持つのが基本とされています。慣れてくると片手で使えるようになります。単眼鏡は視野が狭く覗きながら対象物を探すのは難しいため、まず見たい対象物に肉眼で視線を合わせ、その後に単眼鏡を目に当てます。

ぼんやりとして見えるため、対象が単眼鏡の視界に入ったら焦点を合わせていきます。近くのものを見るときは単眼鏡のレンズを開き、遠くのものを見るときはレンズを狭くしていきます。

単眼鏡で美術鑑賞をするメリットは、作品の細かい部分まで見られる点です。作品までの距離がある美術館では、肉眼で細部まで鑑賞するには限度があります。しかし、単眼鏡で拡大して見れば繊細な筆使いや色使いなどもしっかりと楽しむのが可能です。

また、人気の展示会のように混雑していて作品を遠くからしか見られない場合でも、単眼鏡があればすぐ近くで見ているように鑑賞ができます。いつもの美術鑑賞に単眼鏡を使うだけで、一段と楽しく実りあるものになること間違いなしです。

美術館と聞いて絵画をイメージする方も多いのではありませんか？しかし、美術館で展示されるのは絵画だけとは限りません。絵画の他にも漆器・彫刻・刀剣などさまざまな美術品があります。

特に、漆器や刀剣は細やかな技巧を楽しむ工芸品であり、その多くはガラスケースに収めて展示されているため近づけません。こんなとき、単眼鏡を使えば肉眼では見られない細かい細工まで手にとるようにはっきりと見られます。

ガラスケースに収められていなくても、間近まで近づけない展示品をじっくりと鑑賞したいときには単眼鏡が役立つのです。

美術館の仏像展やお寺巡りの際にも、仏像の細かな造形を鑑賞できる単眼鏡の使用がおすすめです。特にお寺では近くで見仏できない場合がほとんど。仏像は賽銭箱の奥に祀られているため、どうしても仏像まで距離があります。そんなとき、単眼鏡を使用すればご尊顔から指先までしっかりと鑑賞できるため、お寺巡りが趣味の方も1つ持っておくと楽しみが広がりますよ。

美術鑑賞に適した単眼鏡の倍率は、4倍または6倍とされています。その違いは扱いやすさにあります。手ブレが少なく初心者でも扱いやすいのは4倍の単眼鏡です。倍率が上がると操作が難しくなりますが、少し離れた距離からの鑑賞にはおすすめと言えます。

また、4倍の単眼鏡は6倍のものより視界が明るく見えるため、初めての方にも使いやすいです。美術作品の細かい部分まで充分に堪能できます。

【4倍・6倍の違い】

単眼鏡の明るさの数字が大きければ大きいほど視野が明るくなるため、明るさは細部まで見やすいかどうかの指標です。多くの美術館では、作品を保護するために展示室の照明を暗めにしています。そのため、明るくして細部まで見るためには、明るさが9〜25ほどの単眼鏡がおすすめです。最低でも明るさが9以上の単眼鏡を選びましょう。

最短合焦距離とは、最も近づいてピントが合う距離をいいます。遠くのものを見る際には特に関係がありませんが、近くの展示物を見る場合には単眼鏡の最短合焦距離はきちんと確認しましょう。

絵画などの美術鑑賞の際には、美術館によって差はあるもののガラスケース越しであれば展示物までの距離はおよそ45〜60cmほどです。さらに近い距離に展示されている場合もあります。そのため、最短合焦距離はできるだけ短いものを選びましょう。

単眼鏡のサイズや重さは高性能であればあるほど大きくて重い傾向にあります。これは性能を上げるためにレンズを大きくする必要があるからです。しかし、サイズが大きくなると重量も増えてしまいます。

また、重くなれば手ブレも起こりやすくなってしまいます。性能の良し悪しの問題もあるため、軽ければ軽いほどいいわけではありません。美術鑑賞が目的であれば、50〜400gまでを目安に選びましょう。

普段からメガネをかけて生活している方も多いですよね。メガネをかけたまま使用したい方は、「アイレリーフ」もチェックして選んでください。アイレリーフとは、単眼鏡を使う時の目の位置から接眼レンズまでの距離を表した数値です。

メガネがあると目と接眼レンズの間にすき間ができるため、裸眼の時と比べるとメガネをかけている時はアイレリーフの距離が長くなります。最低でも13〜14mmほど必要とされますが、できれば15mm以上のものがおすすめです。

ビクセンは、1954年に設立された日本の歴史あるメーカーです。双眼鏡や天体望遠鏡・顕微鏡・ルーペなどさまざまな製品を販売しています。ビクセンの単眼鏡は最短合焦距離が短いのが特徴です。

低倍率のものから8倍程度のものまで幅広く揃えています。お手頃価格の商品が多いため、初めての購入でも手を出しやすいのが嬉しいポイント。高倍率の単眼鏡よりも、美術館や昆虫観察などに使うための低倍率のものが人気です。

ケンコー・トキナーも歴史ある日本のメーカーで、写真用品や光学製品などの販売を行なっています。単眼鏡を扱うメーカーの中でも、単眼鏡のラインナップに特に力を入れているメーカーです。ノーマルタイプから防振タイプ・ルーペ・暗視スコープなどさまざまな種類のものが販売されています。また、コスパがよく初心者でも試しやすい価格帯なのも特徴です。

ニコンはカメラやデジタルカメラ・双眼鏡・望遠鏡などの販売をする老舗の日本メーカーです。単眼鏡の種類はあまり多くないものの、他のメーカーにはないデザインや使いやすさが魅力的。カメラなどでも大手メーカーとされ、高い技術力を持っているため単眼鏡の光学性能も優れています。美術鑑賞用に人気でバランスがいいと評判です。

カールツァイスはドイツの精密機器・光学機器のメーカーです。1846年に顕微鏡の開発をしたところからスタートしており、映画撮影・衛星関連に使われるレンズ制作の会社としても有名です。単眼鏡は非常に小型で軽量な設計になっており、上着のポケットなどにも入れられるため、気軽に持ち運びもしやすくなっています。

レンズには独自のコーティングが施されており、よりくっきりと見えるようになっています。

実際に単眼鏡を使うと、有名な絵画でも大きく見え方は変わってきます。

• クロード・モネ「睡蓮」
• グエルチーノ(本名ジョヴァンニ・フランチェスコ・バルビエーリ)「ゴリアテの首を持つダヴィデ」

モネの「睡蓮」は、離れてみるときれいな蓮の花たちですが、単眼鏡を使ってみるとまるで現代アートのように大胆にのびのびと描かれているのがわかります。

グエルチーノの「ゴリアテのクビを持つダヴィデ」は生首を持つダヴィデが大迫力で描かれていますが、単眼鏡で見ると繊細な持ち方をしています。このように、細かく絵を見られるため新しい発見もあるのが魅力です。

初めて単眼鏡を購入する方は、どこ売ってるのかわからず迷ってしまいます。ここではおすすめの購入先を紹介しますので、ぜひチェックしてください。

• 家電量販店：ヨドバシカメラ・ビックカメラなどで購入可能です。店員に相談できるのが魅力です。
• 通販：種類が豊富な点がポイントです。また24時間自宅で購入できる。

単眼鏡の選び方やおすすめのメーカー・商品などを紹介しました。単眼鏡を使えば、美術鑑賞をより楽しめます。ぜひ自分に合った単眼鏡を使用して、肉眼では味わえない細部の美しさを堪能しましょう。