2000年代前後から、カメラは携帯電話にとって代わるようになり、フィルムでの現像はなくデジタルでの保存が主流となり、フィルムカメラの需要が下がっていきました。また、FacebookやInstagramなどSNSの台頭により、SNS上で簡単に写真をシェアできるようになったのも大きな変化です。
フィルム産業をけん引していた各社4大企業はそれぞれ対策を講じて、得意の分野を深ぼりして医療現場や化粧品業界などに進出して難を逃れました。しかし、フィルム生産がメイン商品だったコダックは、かなり厳しい立ち位置に立たされたのです。
また、アメリカの投資家たちの間でも「企業が事業を多角化しても利益回収率は低いので、それよりも投資家に利益を還元して回復を図るべきだ」といった考えが主流でした。そのため、2012年にコダックは破産法を申請し、フィルム産業からの撤退を宣言、同事業内の特許も売却して2013年から再出発して現在に至ります。