【2024年】初心者向けフィルムカメラおすすめ6選｜安い商品や携帯に送れるものも

最近はデジカメの高画質化が進み、スマホやコンデジでも手軽に高画質な写真撮影できるようになりました。しかし一方で、「デジカメの写真は全体が均一にきれいだけど、どこか味気ない」と感じる方も少なくないようです。

そこで今回おすすめしたいのが、フィルムカメラに挑戦してみる選択肢です。フィルムカメラを使って写真を撮ると、フィルム独特の色味やクセが写真に加わるため、デジカメではできない味わいある写真が楽しめるのが醍醐味です。

今回はフィルムカメラに挑戦する初心者の方に向けて、フィルムカメラを徹底解説します。個性豊かなフィルムカメラの種類から、選び方のコツ、おすすめ商品6選など、フィルムカメラへ初挑戦するときに知っておくと得する情報をたっぷりお届けします。

フィルムカメラとはフィルムを使って撮影するカメラのこと。フィルムに塗られた化学物質に一瞬だけ光を当てて化学変化を起こし、映像をフィルムに焼き付ける撮影手法です。

フィルムに塗られた化学物質は光の色・明るさによって反応が違うため、光を焼き付けたフィルムを適切に現像処理するとレンズから見えた光景を正確に再現する写真が出来上がります。また、現像前のフィルムはまだ光と化学反応する状態ですので、フィルムに光を当てると現像した写真は真っ白になってしまいます。

デジタルカメラの場合、フィルムにあたる部分にイメージセンサーと呼ばれる電子機器が搭載されており、レンズから入った光をデジタル信号に変換することで写真を記録します。デジカメで撮影するといちいちフィルムを交換する必要がないのはこのためです。

フィルムカメラで撮影する写真は、フィルムの特性・クセ・感光液に使用する化学物質の性質などによって写真の出来栄えが変わるため、さまざまな個性や味わいが生まれます。また、フィルムカメラは現像を担当する人の腕前によっても完成する写真が違ってくる面白味があります。

そのときの運や偶然、さまざまな条件が重なって仕上がるフィルム写真はまさに世界で1枚だけの作品です。写真にオンリーワンの魅力が加わるのは、デジタルカメラでは再現できない、フィルムカメラならではの醍醐味です。

一眼レフカメラとは文字どおりレンズの眼がひとつだけのカメラのことです。レンズに入る光は内部のミラーに反射してファインダーから確認できますが、シャッターを切ると、それまでファインダーから見えていた光景が一瞬だけフィルムに映し出されるよう内部のミラーが切り替わるのが特徴です。

ファインダーから覗き込んだときに見える光景とシャッターを切るときに撮影される光景が共通しているタイプのカメラのため、撮影に失敗が少なく、「まずはフィルムカメラの使い方に慣れたい」という初心者の方には特におすすめのカメラです。また、一眼レフはボディやレンズの選択肢が多いのも嬉しいポイントです。

レンジファインダーカメラとは、カメラに内蔵されたレンジファインダー(距離計)を使ってピントを合わせるカメラのことで、素早くピントを合わせて決定的瞬間を撮影するのに向いたフィルムカメラです。代表的な機種に「ライカ」があります。

レンジファインダーカメラは望遠レンズの使用やマクロ撮影を苦手としており、被写体に近付くとファインダーと撮影範囲にズレ(パララックス)が生じる難しさもあります。しかし、素早いピント調整とタイムラグの短さ、動作音の静かさはポートレート撮影やスナップ撮影に向いているカメラです。

二眼レフカメラとは、ファインダー用レンズと撮影用レンズの2つの眼が上下に並んでいるタイプのカメラです。この特徴的な見た目と独特の撮影スタイルは多くの写真愛好家を虜にしており、非常に人気の高いフィルムカメラです。

二眼レフは内部でミラーが動かない仕組みなので、一眼レフに比べて手ブレしにくいのがメリットです。また、二眼レフのファインダーはカメラを上から覗き込む「ウエストレベルファインダー」になっているため、人物撮影で使うとカメラの威圧感が少ないのもポイントです。

多くの二眼レフはレンズを交換できない仕組みになっており、また被写体に近過ぎるとパララックスが大きくなる点に注意しましょう。

コンパクトカメラは一般的にレンズが固定式でボディが他のカメラに比べて小型なフィルムカメラのことです。設計が非常に似ていることから、「フィルムが交換できるようになった写ルンです」と呼ばれることもあります。

中でも高級コンパクトカメラには高性能な単焦点レンズが搭載されていることもあり、こうした機種は現在も高い人気を集めています。

ポラロイドカメラやチェキなどのインスタントフィルムカメラは、撮影したその場で現像でき、カメラ本体から写真が出てきます。面倒な作業一切なしでその場で写真を見られ、軽量で持ち運びしやすい点も人気です。

値段が高いものほどフィルター機能、アプリ連携など搭載される機能が増えます。その中でも便利なのが、自分で携帯に送れる機能です。スマホで写真を見返したい方や、SNSなどに写真を載せたい方に非常におすすめです。

35mmフィルムはデジカメが主流となる以前に、最も一般的に使用されていたフィルムサイズでした。そのため、35mmフィルムに対応したフィルムカメラは非常に種類が豊富で、安価で手頃なモデルから高級機種までさまざまなラインナップがあります。

また、フィルムカメラの撮影ではフィルムを用意しておくことが必須です。35mmフィルムなら入手が非常に容易な上に、さまざまな色味のフィルムがあります。そのため、撮影目的に合わせてフィルムを自由に選択できる面白さもあります。

35mmカメラの中でも特に初心者におすすめなのは、35mmの一眼レフカメラです。操作も簡単で、ファインダーで見たとおりの写真が撮れるカメラのため使いやすさに優れています。安いものが多い点も嬉しいです。さらに、撮影に使用するレンズ・フィルムを交換すると幅広い撮影スタイルに対応可能です。

中判カメラは35mmフィルムよりやや大きいサイズの120フィルムといったフィルムを使うカメラのことで、35mmより高画質な写真を撮影できるのが強みです。また、中判フィルムに対応したカメラには、二眼レフや蛇腹カメラなどのクラシカルな設計のカメラが多いのが特徴です。

中判カメラの中には「ましかく写真」と呼ばれる正方形の写真が撮影できる機種もあります。フィルムカメラを35mmからさらにステップアップしたい方や、二眼レフに興味がある方は、クセのある個性が魅力の中判カメラに注目しましょう。

35mmフィルムと120フィルムはフィルムを筒状に巻く形で収納しますが、大判カメラで使うフィルムは「シートフィルム」と呼ばれる平面状のフィルムを使用します。大判カメラは中判カメラよりもさらに高画質な写真を撮影できるのが強みですが、取り扱いにはやや専門的な知識が必要になり、少し上級者向けです。

フィルムカメラには「アオリ撮影」という技法があり、カメラの機種によっては遠近による被写体の歪みを補正したり、広範囲に焦点を合わせたりすることが可能です。大判カメラはアオリ撮影などの写真技法に向いたカメラであり、さまざまな表現が可能なカメラでもあります。

フィルムカメラには電子式と機械式のものがあり、それぞれ機能性が違います。電子式カメラの場合、露出補正やフィルムの巻き上げなどを自動的に行ってくれるのがポイントです。また、オートフォーカス搭載モデルなら、素早いピント合わせができるのがメリットです。

機械式カメラはゼンマイやバネなどの仕組みで動くカメラで、手動操作は多くなりますが、独特の動作音が鳴るのが心地いいと感じる人は多いようです。また、メーカーのサポートが終了しても修理できるのが強みで、部品が摩耗しても修理店に依頼すればオーバーホールできます。

「露出」はホースから出る水の量に例えられることもあります。細いホース(狭い絞り)を使って適切な水量(適正露出)を出すには長時間蛇口を開放(遅いシャッタースピード)しなければいけないといった具合に、露出を調整する要素には「絞り」「シャッタースピード」の2つがあります。

マニュアル露出の場合、この両方を自分でコントロールしながら写真を撮影するタイプです。デジカメとは違い、撮った写真をその場で確認することができない難しさがありますが、撮影意図に合わせた露出を自由に決定できるのがメリットです。

絞り優先AEは自動でカメラが適正露出になるよう調整してくれる露出方式の中でも、絞りが固定でシャッタースピードが自動で調整されるタイプです。そのため、単焦点レンズのボケ味を活かした写真撮影や、画面全体にピントを合わせる「パンフォーカス」などの写真技法に向いたカメラです。

ただし、絞り優先AEのカメラは暗い撮影シーンや狭い絞りで撮影するときはシャッタースピードが自動で遅くなり、手ブレがしやすくなる点に注意しましょう。

シャッター優先AEは自動露出の中でもシャッタースピードが固定で絞りが自動で調整されるタイプです。そのため、絞り優先AEとは逆タイプの露出方式と言えます。

シャッター優先AEならシャッタースピードを自分でコントロールできるため、動く被写体を撮影するときや、写真のブレを防ぎたいときに強いのが特徴です。電車や動物など、動きの素早い被写体はもちろん、スナップ撮影といった決定的瞬間を切り取る撮影にも向いています。

プログラムAEとは、絞りとシャッタースピードの両方をカメラが自動で決めてくれる露出方式のことです。絞りとシャッタースピードの両方をカメラが自動で最適に調整してくれるため、露出を失敗する可能性が低いのがメリットです。

また、プログラムAEを搭載したカメラを使うと露出の心配は不要になるため、撮影者は「どんな構図・ライティング・フィルムで写真を撮りたいか」に集中できるのも嬉しいポイントです。

近年製造されたフィルムカメラには基本的に露出計が内蔵されているため、露出計を使って撮影場所の光量を測定して適切な露出設定を知ることができます。設計の古いカメラには露出計が内蔵されていない機種もありますが、初めてのフィルムカメラには露出計内蔵モデルがおすすめです。

もし露出計が内蔵されていないカメラを選ぶ場合、カメラとは別に「単体露出計」を用意したり、スマホアプリで露出を測ったりするなど、撮影で使える露出計を用意しておきましょう。

フィルムカメラはカメラのデザインそのものも大きな魅力のひとつです。外装に金属フレームを使用したデザインと、レトロかわいい見た目が特徴の「ライカ」は、カメラとして優れた性能を備えた上でデザインも洗練されているとして高い人気を集めています。

また、縦に並ぶ2つのレンズが特徴の二眼レフは、おしゃれなデザイン性と独特の撮影スタイルが楽しめることから唯一無二の個性を秘めています。フィルムカメラを選ぶとき、カメラの見た目やデザイン性で決めるのもアリです。

初めてフィルムカメラを購入する場合、なるべく状態が新品に近いものを選ぶのがおすすめです。もちろん機械式フィルムカメラなら、故障していても修理すれば再び使えるようになりますが、場合によっては修理代が非常にかさんでしまうパターンもあるため、初心者にはおすすめできません。

また、中古品の中でも「メンテナンス済」「オーバーホール済」と書かれたものや、動作確認によって正常に撮影できることが確かめられている品は、安心して使い始めることができるため非常におすすめです。

どれほど新品に近い状態のカメラであっても、思わぬところに動作不良や気付かれにくい故障箇所を抱えているかもしれません。実際にカメラを使ってみないことには、こうした点は分かりません。

万が一の場合に備えるためにも、フィルムカメラを購入するのは必ずきちんとした保証が付いているお店からにしましょう。中でも、購入した中古カメラが故障していた場合に返品対応や交換対応に応じてくれる保証サービスを備えた店舗から購入すると安心です。

フィルムカメラを選ぶときは、付属品が揃っているかも重要です。中には「訳アリ商品」という形で、付属品が一部欠品したものが割引価格で提供されることもありますが、カメラアクセサリがまだ揃っていない初心者のうちに「訳アリ商品」を選ぶのは非常にリスキーです。

たとえば、レンズの専用フードなどは現在入手が困難なものもあるため、欠品していると意外と困る付属品でもあります。購入するカメラの機種が決まったらネット上で取扱説明書を検索してみると、付属品の一覧が分かります。付属品がすべて揃っているかを購入前に確認しましょう。

フィルムカメラの購入時に、一緒に揃えておきたいものがいくつかあります。スムーズにカメラを使い始めるために、フィルムカメラと一緒に買っておきたいアイテムをご紹介します。

カメラには、フィルムがなければ始まりません。フィルムを選ぶときに注目したい点は、「フィルムの種類」「ISO感度」「色味」の主に3点です。フィルムの種類には主に3種類ありますが、現像したときカラー写真に仕上がる「カラーネガフィルム」か、モノクロ写真に仕上がる「白黒フィルム」がおすすめです。

ISO感度とはフィルムの感光しやすさのことで、一般的にISO50～800のフィルムがあります。ISO400のフィルムなら、日中から夕方にかけてのシーンで使いやすくておすすめです。

他にもフィルムには色味の違いなどがあります。コダックや富士フイルムなどもおすすめです。他の方の作例を参考にしたり、実際に自分で使いながら違いを理解していってください。

レンズ交換式のフィルムカメラを購入された場合、カメラ購入時に付属する標準レンズだけでなく単焦点レンズも用意しておくと撮影の幅が大きく広がります。

単焦点レンズとはズーム機能が搭載されていないレンズのことで、絞りが大きく広がる明るいレンズという特徴があります。また、絞りを広げてF値を低くできるため、背景をぼかすときに独特のボケ味が写真に加わり、アーティスティックな写真に仕上がるのが魅力です。

35mmカメラを使う場合、単焦点レンズは焦点距離が50mmのタイプが特におすすめです。50mmタイプの単焦点レンズを使うと人の肉眼の見え方に近い自然な距離感で撮影できるため、人物撮影や小物・アクセサリーを撮るマクロ撮影に向いたレンズです。

フィルムカメラを使って撮影すると、使用するフィルムの特性やカメラのクセなどによって仕上がる写真が変わる難しさと面白さがあります。デジタルカメラでは絶対に味わえない、個性あふれる写真撮影が楽しめるフィルムカメラを使って、写真をもっと楽しんでください。