【天体観測】フィールドスコープのおすすめ12選｜スマホと接続できる？【野鳥撮影】

携行しやすく手軽に扱える望遠鏡のひとつとして、フィールドスコープが人気です。通常の望遠鏡よりもコンパクトで、レンズを付け替えれば倍率も変更できます。また、スマホアダプタ対応なら、スマホでの撮影も可能です。

バードウォッチングや天体観測を十分に楽しめます。しかし、同じくコンパクトな双眼鏡との違いはどこにあるのでしょうか。さらに、たくさんの商品の中からどのタイプを選べばいいのか悩んでしまいますよね。

そこで本記事では、フィールドスコープの選び方や、双眼鏡との違いについて解説します。フィールドスコープの特徴や魅力・使い方・おすすめのフィールドスコープ12選もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

フィールドスコープは望遠鏡の一種で、レンズを通して遠方の対象物を拡大して視認する機器です。携帯性・操作性に優れるため、自然や動物を動的に観察する用途に適しています。

双眼鏡との違いのひとつは、レンズの覗き方です。双眼鏡は両眼で対象を見るのに対し、 フィールドスコープは単眼です。また、双眼鏡の倍率が6～10倍であるのに対し、フィールドスコープは20～100倍と、大きな差があります。

アングルタイプ（傾斜型）とは、スコープ本体に対して接眼レンズが斜めに接続されるタイプです。見上げる必要がないので、自分の頭よりも高い位置にあるものを覗くときに役立ちます。

たとえば天体観測の際、スコープを構えたまま空を見上げる体勢は、を長く続けると少しつらいですよね。しかし、傾斜型ならば、自然な姿勢のまま夜空を眺められます。

ストレートタイプ（直視型）は、対物レンズから接眼レンズまでの形状が一直線になったタイプを指します。目線と同じ高さで扱えるため、車の中からでも直感的にフォーカスできるのがメリットです。

直視型が活躍する例として、バードウォッチングや射撃競技の的を追う場面などが挙げられます。長距離の対象を直線的・瞬間的に捉え、なおかつ自分の視線や頭の動きに合わせて観察できるのが特徴です。

スコープ倍率は、スコープを通してレンズに対象を映す際の拡大倍率を表します。単純に数字が大きいほど倍率が上がり、観察対象が大きく見えるようになります。フィールドスコープの倍率は20～90倍と幅広く、選択肢が多いのが特徴です。

ニーズの多い用途として、星雲・星団などを見るには10～20倍程度、バードウォッチングなら20～40倍程度の倍率が適しています。

対物レンズとはスコープの先端に取り付けられたレンズで、光束を集めて像面に実像を映し出す役割を担います。対物レンズの性能は「対物レンズ有効径」と「最短合焦距離」により左右されます。

「対物レンズ有効径」は像の明るさと解像度に関係し、数値が大きいほど優良です。「最短合焦距離」はピントの合う最短距離を表すもので、数値が小さいほど優れています。つまり、対物レンズが大きくなるほど、対象物ははっきりと見えます。一方、レンズが大きくなって性能が上がるほど総量も重くなります。持ち運びのしやすさや使用目的によって選ぶのがおすすめです。

デジタルカメラとフィールドスコープを組み合わせた撮影法を「デジスコ」といいます。フィールドスコープに映る映像をデジタルカメラで撮影する要領で、望遠レンズとして活用できるのが特徴です。

一眼レフと超望遠レンズの組み合わせよりも焦点距離が長く、安価で手軽に行えるのがメリットになります。近年ではデジスコ対応である点を明記する機種もあります。

天体観察など暗い場所で使用したい場合は、ひとみ径（射出瞳径）のチェックも必要です。ひとみ径とは人の瞳孔の大きさに関係した数値で、人の瞳孔の直径は明るい場所よりも暗い場所で大きくなるので、ひとみ径が小さすぎると暗い場所では使いにくいです。

そのため天体観測で使う方は7mm程度のひとみ径のものを選びましょう。ひとみ径は取扱説明書にも記載されていますが、対物レンズの有効径÷倍率の式でも計算できます。

Vixen（ビクセン）・KOWA（コーワ）・PENTAX（ペンタックス）など人気メーカーから発売されているものを選ぶのもおすすめです。人気メーカーは信頼があるので安心して選べます。

Vixenはデジスコ用のアクセサリが充実しており、KOWAはとくに野鳥撮影に適しています。また、PENTAXは軽量モデルもあり持ち運びに便利など、メーカーにもそれぞれ特徴があるので、用途で使い分けるのがおすすめです。

アイレリーフとはすべての視界を得られるポイントにおける、接眼部から目までの距離を指します。「ひとみのできる位置」とも表現され、アイレリーフが長く設定されている機種ほど、接眼レンズから離れた位置でも視界を得られます。

メガネをかけてフィールドスコープを覗く場合は、メガネの分だけ物理的にレンズから遠ざかるため、アイレリーフの数値も相応に長いものがおすすめです。

フィールドスコープを長く使うためには、耐久性にも気を配りたいですよね。長持ちさせるコツとして、防水性と堅牢性に注目するのがおすすめです。良質な機種であれば、各接合部にパッキンを配して水の侵入を防ぐつくりになっています。

また、ボディの素材をチェックすれば、堅牢性や軽量感がわかります。携行性が重視されるフィールドスコープでは、軽くて丈夫なアルミニウム合金やマグネシウム合金が多く使われています。

デジスコに近い使い方として、デジカメではなくスマートフォンを利用してスコープ越しの映像を撮影する方法が浸透しています。このトレンドを受け、フィールドスコープにスマートフォンを取り付けられる「スマホアダプター」を搭載した機種も増えてきました。

スマートフォンの利用を想定する場合は、スマホアダプターの有無もチェックするのがおすすめです。

天体観測に適しているのは、「傾斜型」と呼ばれるタイプのフィールドスコープです。傾斜型とはスコープ本体に対して接眼レンズを斜めに接続する形式で、自分の頭よりも高い位置にあるものを覗くときに役立ちます。

レンズが上向きなので、楽な姿勢のまま見上げずに使えるのがメリットです。星雲・星団などを見るには10～20倍程度の倍率で、80mm以上の口径がベストです。

野鳥や動物の観察には、「直視型」と呼ばれるタイプのフィールドスコープがおすすめです。対物レンズから接眼レンズまで一直線の形状で、目線と同じ高さを保ちつつフォーカスできるメリットがあります。

動くものを観察するには口径が大きいほど有利で、バードウォッチングなら70～80mmの口径が欲しいところです。倍率は20～40倍程度のものを選びましょう。スマホアダプタ付属モデルなら、スマホのカメラと組み合わせて野鳥撮影ができます。

最後に、フィールドスコープを使う際の手順をご紹介します。手順は4ステップです。

1. 接眼レンズを取り付ける:「パヨネットマウント方式」と「ねじ込み方式」それぞれの方法でレンズを取り付ける

   ・パヨネットマウント方式：レンズを指標に合わせて押し込み、左方向へロックがかかるまで回して固定

   ・ねじ込み方式：レンズを右に回し、本体の取り付け部に接続

2. 三脚に取り付ける:観察位置を決めて固定
3. レンズフードを繰り出す:対物レンズキャップを外し、レンズフードを繰り出す
4. 対象にレンズを向け、ピントを合わせる:フィールドスコープの中心を対象物に向け、接眼レンズを覗きながらピントを合わせる

新品は高くで手が出せないからと、価格の安さにこだわる方は中古品もチェックしましょう。中古品は、Amazonなどのネット通販やメルカリなどのフリマアプリ・実店舗ではリサイクルショップなどで購入できます。

中古品は安い価格で購入できる点が大きなメリットではありますが、中古で商品を購入する際は、商品の状態や保証の有無は必ずチェックしましょう。

フィールドスコープは、持ち運びやすく手軽に扱えるのが1番の特徴です。また接眼レンズの入れ替えやデジスコ対応など、双眼鏡や望遠鏡にはないメリットがあります。フィールドスコープを使えば、特別な知識がなくても気軽に野鳥や天体を観察できるのでおすすめです。