双眼鏡の使い方をマスターして新しい発見を楽しもう！

双眼鏡を使うと肉眼の何倍ものスケールで観察できるため、新しい感動や発見があります。しかし、いざ双眼鏡の購入を決意したものの「正しい使い方がわからない」と困ってはいませんか？

また、観察する際にまつげが邪魔になって集中できない方もいますよね。双眼鏡は正しい使い方をしてこそ、性能が最大に発揮されます。クリアな視界でより迫力ある映像を楽しむためにも、正しい使い方を知りましょう。スケールアップした楽しさを実感できれば、どこにでも双眼鏡を持ち歩きたくなります。

そこで今回は、双眼鏡の正しい使い方やメンテナンス方法、使い方が簡単な双眼鏡を紹介します。購入前に確認して、双眼鏡の活躍の場を広げましょう。ぜひ双眼鏡を新たなパートナーにして、鮮やかな世界と新しい発見を楽しむための参考にしてください。

はじめに眼鏡の有無でアイカップを調整しましょう。つけまつげやエクステで邪魔になる方も同様の対処が可能です。アイカップはメーカーによって呼び名が異なり、目当てリング・アイレリーフなどと呼ばれる場合もあります。

正しく調整がされていないと、双眼鏡を覗いたときに「ケラレ」が現れます。ケラレとはフィルターやレンズフードが視界に黒く写り込む現象です。メーカーによって対処方法が異なりますが、目当てを外側に折り返したり、接眼部を回し入れたりして解消できます。

次に目幅調整をしましょう。目幅とは左右の瞳の間隔を指し、日本人の平均は63ミリといわれています。個人差があるため自分で調整すると、大きく疲労を軽減できます。

目幅が合っていないと視界がぼやけ二重に見えるため、しっかり調整してください。結合部をゆっくり動かし、視野円が一つに重なる場所が適切な目幅です。双眼鏡によっては目幅の目盛が付いているタイプもあるため、適切な目盛を覚えておきましょう。

ピント調整をする際にピントが合わない方は、左右別々に行いましょう。左右の視度が同じなら両目でピントを合わせればいいのですが、ほとんどの人は左右で視度が異なります。まず左目だけでレンズを覗き、目標物がはっきり見えるように左目のピントを合わせます。

次に、右目だけで目標物がはっきり見えるようピントを合わせましょう。ピントの調整方法はメーカーや機種によっても異なるため、取扱説明書に従ってください。これでうまく調整されない場合には故障が考えられるため、メーカーに問い合わせましょう。

双眼鏡を購入する際にまず確認するのは倍率です。倍率が高ければいいと思われがちですが、倍率が高いほどブレが大きくなり、視野が暗くなるため人によっては酔う場合があります。そこで、ブレない映像を得るためには、シーンによって適切な倍率を選ぶ必要があります。

一般的には6〜10倍を目安に、ネイチャーウォッチングには8〜10倍、観劇やライブなど座席によっては12倍を検討しましょう。

ブレのない映像を楽しむためには両脇をしっかり締めて、両手で双眼鏡を持ちましょう。ブレないようにと力が入りすぎても、手ブレを起こす場合があります。

リラックスした状態で、肘の角度は60度くらいがベストな姿勢です。上手く構えられるようになると映像が揺れにくくなるため目が疲れにくくなり、長時間の観察が可能になります。

ブレを防ぐためには、寄り掛かって観察するのもいい方法です。近くに体をあずけられる程度の木や柵があれば、ぜひ利用しましょう。体の揺れを抑えられるため、ブレを軽減する効果があります。

杭や木立を三脚がわりに使うのも効果的です。手ブレを軽減できるため、安定した視界を得られます。

購入時に手ブレ補正機能がついた双眼鏡を選ぶのもいい方法です。特に、高倍率の双眼鏡はブレる傾向があるため、機能の有無を確認しましょう。

また、コンサート・観劇など、長時間使用する場合に手ブレ補正機能が付いていれば、目の疲労を抑えられます。メーカーによってスイッチ一つで手ブレ補正がかかるものもあれば、ボタンを押し続けるタイプもあるため、使用頻度に応じたものを選びましょう。

双眼鏡で太陽を直接見るのは絶対に避けましょう。双眼鏡のレンズによって太陽の光と熱が集められ、失明の原因になります。

特に、子供が双眼鏡を使うときには注意が必要です。何でも興味本位で覗くため、必ず大人がそばについて観察させるようにしましょう。

双眼鏡を扱う際には、急激な温度変化を避けましょう。炎天下の車内やヒーター近くなど高温になる場所に置くと、双眼鏡の変形や故障の原因になります。

外気温が低い場所と部屋とを行き来するような場合には、一時的にレンズが曇る事があります。通常であれば自然乾燥で解決しますが、何度も繰り返すと故障の原因になるので気をつけてください。

双眼鏡は水中使用してはいけません。防水使用のタイプでも水や埃が内部に入りにくいだけで、雨や雪で濡れた場合には拭き取り乾燥させる必要があります。

誤って水中に落としてしまった場合には、すぐに引き上げ早めに修理に出しましょう。高性能な双眼鏡になると万が一水に落としてしまった場合でも、ストラップが水に浮く設計になっていて故障を防ぎます。

双眼鏡を使用しながら歩くのはやめましょう。双眼鏡を使用している際は、視界が極端に狭く周囲への意識も散漫になります。そのため、双眼鏡を装着したまま歩行すると周囲の人やものにぶつかる危険性が高いです。

また、何かにつまずいて転倒してしまった場合は、手がふさがっているため顔などを強く打ってしまう可能性もあります。

カビは湿度60%以上の場所を好みます。梅雨の時期はもちろん、高温多湿な日本はカビにとって絶好の環境です。皮脂や埃はカビの養分になります。

双眼鏡に皮脂や埃が付いた場合には、油気のない柔らかいハケや眼鏡拭きなどで拭き取りましょう。濡れてしまった場合には布で拭き取り、風通しのいい場所での乾燥も忘れずに行ってください。

カビが原因で、コントラストが低下する場合があります。なぜなら、レンズやプリズムにカビが生えると光学精度が落ちるためです。

防水機能が付いていれば窒素が充填されているため、内部までカビが発生する可能性は低いですが、通常のタイプだとピントを合わせる際に外気が入り、カビはプリズムまで侵食します。自分で除去するのは困難なため、早めに修理を依頼しましょう。

まず、双眼鏡全体の砂や埃をブラシで除去します。エアダスターやブロワーを使用してもいいです。雨や雪による水滴は環状の跡になってレンズに残るため、一度湿らせてから拭き取るのをおすすめします。防水なら水洗いも可能です。

指紋は眼鏡拭きやマイクロファイバーの布を使って優しく拭きましょう。拭き取る際には傷を防ぐため、決して強くこすらないでください。ティッシュや使い捨てペーパークロスなどでも、コーティングに傷がつくため注意してください。

双眼鏡を保管するときは防湿庫を利用しましょう。双眼鏡に付属するケースも一見よさそうですが、入れたままだと湿気が溜まるためカビの原因になります。

乾燥材を利用する方法もありますが、湿度が下がり過ぎると今度はラバーや皮などの素材が劣化する恐れがあるので気をつけましょう。双眼鏡の保管に最適な湿度は40%とされているため、双眼鏡にとって湿度が調整できる防湿庫が一番安全な場所です。

双眼鏡の使い方をマスターすると、ものを「よく見る」習慣がつきます。被写体をよく見るのは毎日の慌ただしい生活から解放され、ゆったりとした時間を堪能するのにつながります。双眼鏡を通して、ぜひ豊かな時間を手に入れてください。