ドローンの種類を解説｜形状やDJIも！用途に合わせてドローンを選ぼう

空撮を楽しむ以外にも、操縦の楽しさでも人気のあるドローン。なかには子供でも操縦できるドローンがあり、気軽に飛ばして楽しめます。カメラを搭載しているものであれば、普段とは一風変わった写真を思い出として残せるのも嬉しいですね。

しかし、ドローンといっても種類がたくさんあって、いざ購入しようにも迷ってしまいます。実は、定番のきれいな映像が撮れる空撮用ドローンから、水中で使用できるドローンまで、さまざまな特徴を持ったドローンが販売されています。

そこで今回は、購入前に知っておくと便利なドローンの種類についてご紹介します。さらに、おすすめのドローンを10選ご紹介するので参考にしてください。記事の最後には、飛行させる際に覚えておきたい注意点についても解説します。

元々ドローンとはアメリカ軍の無人航空機のことを指します。2010年ごろに小型の無人プロペラ操縦機として商品化されてから、一気に注目を集めました。写真や動画の撮影以外にも、レースで使うなどといった楽しみ方もあります。

災害時に活躍してくれる産業用ドローンから、長距離の通信で撮影ができる空撮用ドローンまで種類も豊富です。さらに、操縦方法もラジコンのようにコントローラーを使用して操縦をするものから、スマートフォンで操縦が簡単にできるものまで、実にさまざまです。

ドローンの種類と形状について解説します。どういった目的でドローンを飛ばしたいか、用途によってどの種類や形状のドローンが使用しやすいのかが変わるので、参考にしてくださいね。

ドローンの中でもコンパクトで軽量な機体を「トイドローン」と呼びます。基準は200g以下で技適マークがあるドローンのことで、操縦のしやすさも特徴の1つです。ドローンが初心者の方でも、気軽に飛ばしたり空撮が楽しめたりすることで、人気を集めています。

最大飛行時間は長くても30分ほどで、機能もあまり多くないため1万以下で購入ができる機体がほとんどです。室内で飛ばせる商品もあり、軽量なため落下した際にも比較的安心です。おもちゃのトイドローンは子供へのプレゼントとしても人気です。

カメラの機能やその他の性能が優れた空撮向けのドローンを「空撮用ドローン」といいます。また、トイドローンよりも重く、200g以上の機体のものを指します。価格も10万円程度の機体がほとんどで、トイドローンよりも飛行距離や最大飛行時間も長いです。

クオリティの高い画像や映像の撮影が可能で、初心者向けというよりは中級者や上級者向けのドローンです。機体が200gを超える場合は航空法の対象になるので、飛ばす際には十分な知識と注意が必要です。

建設現場のような危険な場所での点検や、農業の薬剤の散布といった産業領域で活躍をするドローンが「産業用ドローン」です。撮影や操縦を楽しむ用ではなく仕事を担うドローンで、災害の現場でも活躍します。

機能性にも優れていて、防塵・防水や用途に応じてカスタマイズができ、さまざまな場面に対応できる魅力を持っています。10万円〜300万円ほどの価格で、趣味で使用するというよりは仕事として使用する方向けのドローンです。

ドローンには2種類の形状があります。ヘリコプターのような「マルチコプター」と飛行機のような「固定翼機」のそれぞれの違いと特徴について解説していきます。

ドローンの中でも、ヘリコプターのように3つ以上のプロペラを回転させて飛ぶ機体の種類を「マルチコプター」といいます。「マルチローター」や「マルチローターヘリコプター」と呼ばれる場合もあります。

複数の回転翼が付いているため安定感があり、操縦しやすいのも特徴です。販売されているほとんどのドローンがこの形状で、初心者が手軽に扱えるトイドローンから産業用のドローンにまで多岐に渡ります。

主翼が機体に対して固定されている飛行機のようなドローンを「固定翼機」といいます。マルチコプターと比べると販売されている数があまりなく、見かけることの少ない形状です。長距離の飛行に向いた形状で、安定感が高いのが特徴です。

マルチコプターと違って長時間の飛行が可能で、バッテリーの交換回数が減るという魅力があります。しかし、離着陸のスペースの確保や操縦の難しさもあり、趣味で飛ばすというよりは、大規模な領域を飛ばすような産業用として使われることが多いです。

ドローンを選ぶ際に知っておくと便利なポイントを解説します。撮影に必要な「カメラ機能」や位置を追跡できる「GPS機能」などの機能面と操縦方法について細かく解説していくので参考にしてください。

ドローンに自立飛行や自動ホバリングをさせたい方には「GPS機能」がおすすめです。GPS機能でドローン自らが飛んでいる位置を把握するので、指定したルート通りに飛ばすことができます。

自動ホバリングは、ただ浮かせているだけだと横風に流されて位置がずれてしまうのを、GPS機能が防いでくれます。しかし、障害物が多かったり電波の届きにくかったりする場所での飛行は、正確な位置を受信できない場合があるので注意が必要です。

映像や画像を撮影するなら「カメラ搭載」のドローンがおすすめです。カメラ搭載といってもカメラをさまざまな方向に向けられたり、取り外しが可能な機体もあります。カメラ搭載のドローンは一般向けやプロ向けまで幅広く販売されているのも特徴です。

カメラが内蔵されている場合は、解像度も機体によって変わります。4Kなどの高画質のカメラを搭載した機体を選べば、映画のような本格的な映像を撮影できますよ。撮影に集中したい方は、最高飛行時間なども考慮して選ぶのをおすすめします。

「FPV機能」は自分が空を飛んでいるかのような臨場感を楽しめます。FPV機能とは、一人称視点でリアルタイムで飛行中の映像を見ることができる機能です。撮影に没頭するあまり、ドローンが衝突や墜落してしまう事故が起こることもあるので、初心者の方は注意が必要です。

FPV機能専用のゴーグルやモニターに映像を映し出すドローンがほとんどですが、最近ではスマートフォンやタブレットに映し出せるドローンも販売されています。そのため、以前より手軽に体験できるようになりました。

操作方法も2種類あります。飛ばす以外にも操縦を楽しむことができる「ラジコン操作」と手軽にタブレットなどで操作ができる「自律飛行」について、どんな操作方法なのか解説します。

ラジコンヘリコプターのように手元のコントローラーで操縦を楽しめるのが「ラジコン操作」です。タブレットとは違い、コントローラーを使って上下左右や回転などといった操作ができるため、自分で操作をしているという実感が湧きやすいのが特徴です。

プロペラの回転数で向きや方向を変えることができるマルチコプターに比べて、固定翼機は風の力を利用して飛ぶので、操作が難しいとされています。ラジコン操作が初めての方はシミュレーターなどを使って練習するのもおすすめですよ。

より手軽に操作をしたいなら「自律飛行」ができるドローンで、スマホやタブレットを使って制御をするのがおすすめですよ。操作が簡単なだけでなく、映像も同時に見られるので、パソコンやモニターを持ち運ぶ必要がないのも魅力です。

スマートフォンがあれば機体を購入して専用のアプリのダウンロードをするだけでドローンを飛ばせるので、初心者でも始めやすいです。しかし、通知などが来てしまうとドローンの操縦に支障をきたしてしまう場合があるので、あらかじめ切っておく必要があります。

民間で発行する認定資格も何種類かありますが、ドローンの操縦に義務付けられた資格や免許は必要ないので、誰でも飛行させられます。しかし、画像や動画をリアルタイムでスマートフォンなどに伝送する際には、日本の電波法の免許が必要になる場合もあります。

認定資格は必ず取らなければならないものではありませんが、ドローンについて詳しくなれて技術が身につくので、取得する方が増えています。また、こういった認定資格を取得することで、ドローンを操縦するのに十分な知識があるということを証明できるのでおすすめですよ。

中国の民生用ドローンと関連機器のメーカーです。コストパーフォーマンスのよさが人気を誇る、世界的にも有名なメーカーです。なかでも人気の機体の「Spark」はカラーバリエーションが豊富で、DJIのドローンの中で最もコンパクトなことで注目を集めました。

ドローンといえばという形状をしている「Phantom」シリーズも幅広い層に人気があります。価格はあまり安くはありませんが、機能性に優れていて安心感のあるメーカーなので初心者から上級者までおすすめです。

トイドローンで人気を誇る中国のメーカーです。スマートフォンだけで簡単に飛ばすことができる「Tello」は、子供から大人までプログラミングを学べるトイドローンとして注目を集めています。

1万円から2万円で購入ができるトイドローンが多く、操作も簡単なので初心者の方の最初の1機としてもおすすめのメーカーです。さらに、楽しく遊べることをコンセプトにしているので、子供へのプレゼントとしてもおすすめです。

フランス発のドローンメーカーでDJIの次に有名なメーカーです。デザインにこだわったおしゃれなドローンが注目を集めています。プロ向けの機体というよりも趣味向けの機体を多く販売しています。

「Parrot BeBop」は専用のFPVグラスをかけることでドローン視点からの臨場感溢れる飛行に没入できますよ。10万円以下で購入できる商品がほとんどなので、ドローンの操縦に慣れてきた中級者やデザイン性に富んだドローンを求める方におすすめです。

ウェアラブルカメラ・カムレコーダーブランドとして人気のアメリカのブランドです。空撮用に品質の高いカメラ付きのドローンを求める方や、GoProのカメラを使ってドローン以外にもさまざまな楽しみ方をしたい方におすすめです。

GoProといえばのカメラシステムを搭載した「Karma」は品質だけでなくカメラ本体の細かい設定まで可能です。また、付属のカメラを手持ちにしたり、ヘルメットや自転車に装着することもできます。操縦もカメラと機体に分けられるので、楽しみ方が多いドローンです。

産業用ドローンを主に販売する、アメリカに本社を置くメーカーです。DJIやParrotにならぶドローンの有名メーカで、スマートフォンで操作が可能な「スマートドローン」を開発したのも3D Roboticsです。

「Solo」は空撮用以外にも、測量計カメラや赤外線カメラを搭載していて産業用としても活躍しています。「site scan Solo」は専用のソニーのカメラを搭載することで高画質の空撮を楽しめます。空撮をしたい方や産業用のドローンが欲しい方におすすめのメーカーです。

ドローンといえば空に飛ばすもの、と思っている方も多いでしょう。しかし、ドローンのなかには水中ドローンやドローンサッカーといった、一風変わった面白いドローンもあります。

特に水中ドローンは、美しい水中の映像を撮影できるだけでなく、釣りやマリンレンジャーの楽しみ方を広げてくれることで注目を集めています。ドローンサッカーは韓国発のスポーツで、ドローンの入ったボールを使用して得点を競い合います。

このように飛ばすドローン以外にもいろいろなドローンがあるので、ぜひチェックしてください。

ドローンの種類と同時に知っておきたい、「ドローン規制」について解説します。航空法の中でも飛行禁止場所や飛行させてはいけない状況、その他の注意点について細かく解説するので、事前に把握しておきましょう。

ドローンを外で飛ばす場合には航空法について確認をしましょう。飛行させてはいけない場所と状況について、細かく解説します。

飛行禁止場所が航空法で定められていて、どこでも飛行させていいわけではありません。トイドローンのように手のひらサイズ・機体重量200g以下でも飛行させる場合は一部対象になるので注意しましょう。

飛行禁止場所は、空港やその周辺の上空の空域・地上または水面から150m以上の高さの空域・人口集中区域の上空です。はじめの2つの飛行禁止場所は、トイドローンも対象です。事故を防止するためにも、ルールをきちんと守ってドローンの飛行を楽しみましょう。

飛行禁止場所とともに、飛行させてはいけない状況についても把握しましょう。これらの状況で無許可で飛行させた場合は、航空法に触れてしまう可能性があります。事故を防止する意味でも、確認をしておくことは重要です。

ドローンの飛行をさせてはいけない状況は、夜間飛行・目視外飛行・祭りや縁日といったイベント会場の上空・第三者（人・物）の30m未満のエリアでの飛行などです。楽しくドローンを飛行させるために必ず守りましょう。

ドローンを使って爆発物などの危険物の輸送や物を落下させるのも禁止です。さらに、ドローンの飛行中に撮影をした第三者が映っている動画や写真をネットにあげた場合は、プライバシー侵害・肖像権の侵害になる可能性もあるので注意が必要です。

また、FPV機能で電波を介して映像を送信する場合は、「電波法」に触れてしまう可能性もあります。技適マークのついていないドローンでFPV機能を使いたい時は、事前に最寄りの総合通信局へ確認しましょう。特に海外メーカーの輸入品の場合、マークがないドローンが多いので注意してください。

ドローンの飛行には「道路交通法」や、「重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律」などもあります。まだ未開拓な分野だけに、今後新しく法律が施行される可能性もあります。常に新しい情報に触れ、事前確認をし、安全に使用してください。

ドローンとラジコンヘリコプターはどちらもプロペラで飛行し、コントローラーで操縦をします。しかし、ドローンとラジコンヘリコプターは、似ているようで違います。ラジコンヘリコプターは飛ぶ以外の機能はなく、安定感を含めたすべての動きを操縦者が担います。

一方、ドローンはGPS機能やセンサーで操縦者がコントロールしなくても自律して飛行を続けることが可能です。ラジコンヘリコプターとは違って自律飛行が可能な分、ドローンの方が操作が簡単です。

今回は、ドローンの種類とおすすめの商品をご紹介しました。ドローンといっても種類・形状・機能と選び方はさまざまです。ドローンを飛行させる際の注意点もしっかりと把握して、ドローンの飛行を楽しんでくださいね。