レンズフィルターの選び方を解説！レンズキャップで確認可能？

レンズを買ったら、まず必要なのがレンズフィルター（レンズプロテクター）です。特に保護フィルターは必須で、レンズが傷つかなように守ってくれます。レンズフィルターを買う前に、必ずフィルターを装着するレンズのフィルターサイズを確認しましょう。サイズはレンズキャップで確認できます。

もし誤って違うフィルターサイズを買ってしまったら、もうそのフィルターをレンズに付けることはできません。今後同じサイズのレンズを買うまで、そのフィルターは完全にお金の無駄になってしまいます。

この記事ではフィルターサイズの探し方を解説します。さらにレンズフィルターの選び方やおすすめ商品、誤った口径サイズを買ってしまった場合の対処法、フィルターを装着する際の注意点などもご紹介します。レンズフィルターについてお悩みの方はぜひご覧ください。

フィルターサイズはレンズ本体もしくはレンズキャップの裏側で確認できます。レンズ本体の記載場所はメーカーごとに異なりますが、レンズ前面もしくは銀筒に記載されていることが多いです。どちらでもわからない場合はレンズメーカーの公式サイトを確認するといいでしょう。

フィルターサイズや規格は〇〇mm、Φ〇〇mm、Φ〇〇のどれかで記載されているので、〇〇に入る数字の部分を確認してください。例えば67mmなら、67mm、Φ67mm、Φ67と記載されています。

フィルターを買う際には確認したサイズとパッケージの右上もしくは右下に記載されている数字が同じかを必ず確認してください。通販サイトで買う場合は、同じサイズを選択しているかを必ず確認しましょう。

レンズフィルターは装着するレンズの画角に合わせて買いましょう。レンズフィルターには「通常枠」「薄枠」「極薄枠」と3種類の厚みがあります。標準レンズもしくは望遠レンズであれば、通常枠もしくは薄枠で問題ありません。

ですが広角レンズを使う場合は、通常枠や薄枠だと「ケラレ」が発生してしまうおそれがあります。ケラレとは画像の四隅にフィルター枠が黒く写り込んでしまうことです。ケラレが発生すると、現像の際にトリミングをするなど、四隅の黒い影を消す作業が必要があります。

ケラレの発生を防ぐため、実焦点距離28mm以下の広角レンズに装着するレンズフィルターを選ぶ際には極薄枠がおすすめです。

レンズフィルターを選ぶ際には面反射率も確認しましょう。反射率はガラスに入った光がどれくらい反射しているかを表しています。つまり面反射率が低いほどよく光を通すので、カメラにしっかりと画像を届けるフィルターということです。面反射率が低いフィルターほど、ゴーストやフレアといった画質劣化が起こりにくく、より高画質な撮影が可能になります。

レンズフィルターの面反射率は0.5%以下が主流です。より反射を抑えた0.3%のフィルターもありますが、より高価格になります。予算に合わせて選ぶといいでしょう。

レンズフィルターにはガラス面に撥水コートが施されているものがあります。撥水性があるフィルターであれば、ガラス面に水滴が付着しにくくなるため、雨の撮影でもキレイな写真を撮れますし、安心です。

また撥油コートが施されているものであれば、指紋の付着を防いでくれます。レンズやフィルター交換の際に誤ってガラス面に触れてしまっても、簡単に拭き取ることが可能です。汚れも付着しにくくなるので、撥水・撥油コートがされたレンズフィルターを選ぶとメンテナンスが楽になります。

ND(減光)フィルターはレンズに入る光の量を減らす効果があるフィルターです。NDフィルターを使うと、シャッタースピードを抑えることができます。スローシャッターで撮影すると、滝や川、海などの水流や波をなめらかに描写したり、人や自動車などをぶれさせたりと肉眼では見れない美しい写真を撮ることができます。

NDフィルターにはND4、ND8などの数字が付いており、数字が大きくなるほど光の量を減らすこと、シャッタースピードを落とすことが可能です。数字はND4なら1/4、ND8なら1/8というように、光が何分の1になるかを表しています。

PL(偏光)フィルターは偏光膜を利用したレンズフィルターで、2枚のガラスの間に偏光膜を挟んだ構造です。偏光膜の向きを回転させるための回転枠構造になっており、フィルターを回転させることで水面反射などによって発生する偏光をカットすることができます。

具体的には水面やガラス面などの表面のテカリを抑える効果や、空気中のチリやホコリによる乱反射で白っぽく写るのを防ぐ効果があり、より澄んだ写真、より色鮮やかな写真を撮影できます。風景写真を撮影するなら持っておくのがおすすめです。

UVカットフィルターは紫外線をカットし、可視光を透過するフィルターです。紫外線は肉眼では認知できませんがカメラの撮像素子は可視光以外の光も感知します。紫外線が強い場所・時期に風景撮影をすると、紫外線の影響を受けて画面が青みがかったり、遠くの風景がかすんだように写ったりしてしまいます。

そこでUVカットフィルターを使って紫外線をカットすることでより見た目に近い写真を撮影できます。山岳の晴天時など、紫外線の強い場所、時期に撮影する方におすすめです。

もし誤ったサイズのレンズフィルターを買ってしまったら、ステップアップリング・ステップダウンリングの使用を検討してみましょう。ステップアップリングはレンズの口径サイズよりも大きいサイズのレンズフィルターを、ステップダウンリングはレンズの口径サイズよりも小さいサイズのレンズフィルターを装着可能にする変換リングです。

ステップアップリング・ステップダウンリングを使用すると異なるサイズのフィルターを買ってしまっても、レンズに装着することができるようになります。ステップアップリング・ステップダウンリングはレンズフィルターを買うお金を節約したい人にもおすすめです。

ただしステップダウンリングは小さいレンズフィルターを装着するので、ケラレが発生してしまいます。またステップアップリング・ステップダウンリングは保護フィルターの装着には向きません。他のレンズフィルターで使用するのがおすすめです。レンズ保護の意味でも保護フィルターはサイズが合ったものを買いましょう。

レンズフィルターを装着する際には重ね付けをしないようにしましょう。多くのフィルターは重ね付けができるようになっていますが、重ね付けをすると枠に厚みが出る分、ケラレが発生しやすくなります。

またレンズに保護フィルターを取り付けた状態で重ね付けをしてしまうと、ガラス面同士で内面反射が生じることがあり、画質の低下を招いてしまいます。面倒ですが、フィルターは付け替えて、1枚で利用するのがおすすめです。

どうしても重ね付けするなら、ケラレが発生しづらくなるので超薄枠のフィルターで揃えておくといいでしょう。

レンズフィルターはカメラに欠かせないアイテムです。保護フィルターはレンズの保護のために、その他のフィルターは美しい写真表現のために必要になります。ですがフィルターサイズを間違って買ってしまうとお金の無駄になってしまいます。買う前に必要なフィルターサイズを確認して、適正なレンズフィルターを買いしましょう。