掃除機のメンテナンス方法を解説｜ヘッドを水洗いしてしまったら？

「急に掃除機のメンテナンスランプが光ったけど、どこをどう手入れすればいいのかわからない」という経験のある方は多いのではないでしょうか。清潔に暮らす上で欠かせない掃除機ですが、実は掃除機自体にも定期的な掃除が必要です。

掃除機のメンテナンスを怠ると、後々さまざまな問題を引き起こすリスクがあります。この記事では、掃除機の中でも特に定期的なお手入れが必要なパーツを説明した上で、パーツごとに具合的なお手入れ方法を紹介します。

さらに、掃除機のメンテナンスを怠っていると起きるトラブルの事例や、水洗いできないフィルターやヘッドを洗ってしまった場合の対処法の解説も必見です。「最近掃除機の調子がおかしい」と感じる方はぜひ記事の内容を参考にして、お使いの掃除機をチェックしてください。

まずは、掃除の度に毎回確認・お手入れした方がいいパーツについてご紹介します。

掃除機のフィルターは、吸い込んだゴミと空気を分離させるためのパーツで、最も汚れが溜まりやすい個所です。紙パック式の掃除機の場合は、使い切りの紙パックがダストカップとフィルターの役割を果たすため、フィルター単体では付いていないことがほとんどです。

エアコンや換気扇のフィルターをイメージしていただければお分かりの通り、掃除機のフィルターも放っておくとホコリがびっしりと溜まります。理想では毎回、最低でも月に1回程度はお手入れが必要です。

紙パック式の場合はサイクロン式のように神経質なケアは必要ありませんが、吸引力の低下を防ぐためにヘッドの確認を行うようにしましょう。紙パック式に限らずすべての掃除機に付いているヘッドパーツは、汚れが溜まりやすいパーツの1つです。

どのような種類のヘッドでも、ブラシには髪の毛や糸くずが絡まりやすく、そのままにするとブラシが回らなくなったり、ブラシに絡まったゴミが床を傷つける原因になったりします。掃除が終わる度に、ヘッドを裏返して絡まった髪の毛や糸を取り除き、常にきれいな状態に保つのが理想的です。

次は、1ヵ月に1回・定期的に確認・お手入れするべきパーツについてご紹介します。

ダストカップは、フィルターを通して分離された後のゴミが溜まるパーツです。サイクロン式掃除機にのみ付いているパーツで、紙パック式掃除機の場合は付け替え式の紙パックにそのままゴミが溜まります。

ダストカップ内には吸い込んだホコリや塵が溜まり、カップの底や側面の細かい隙間にゴミが入るため丁寧に掃除する必要があります。ダストカップ掃除と一緒に、フィルター掃除も行うと効率的ですよ。

紙パックは、紙パック式掃除機にのみ付いているパーツです。サイクロン掃除機の場合は、ゴミを分離するフィルターとゴミを溜めるダストカップはそれぞれ別パーツですが、紙パックは1つで2つの役割を果たします。紙パックは使い切りなので、ゴミでいっぱいになる度に取り替えます。

フィルターの掃除は、取扱説明書を確認のうえ水洗い可能か確認します。水洗いできないものは、ゴミ袋を広げてはたく、使わない歯ブラシでこそぐなどしてホコリを落とします。水洗いが可能なフィルターは、洗面器やバケツに溜めた水につけてもみ洗いをします。

水を使ってフィルターを掃除した場合は、通気性のいい場所で半日ほどかけてしっかりと乾燥させましょう。フィルターが十分に乾かないまま掃除機を使うと、臭気やカビの原因となります。お手入れのペースとしては、最低でも月に1度です。

【必要な道具】

• タオル
• 歯ブラシ
• 洗面器

【お手入れ手順】

1. フィルターを外して水洗いする
2. 水洗いできない場合は歯ブラシでホコリを落とす
3. 水洗いした場合はしっかり乾燥させる

なお、フィルターレスタイプの場合は毎回のメンテナンスは必要ありません。取扱説明書に記載のある通りにケアを行いましょう。

ヘッドの掃除は、あらかじめ取扱説明書をよく読み、水洗いが可能かを確認するのが重要です。基本的に、モーターを内蔵した電動ブラシは水洗いできませんので、誤って水で洗って故障させないように気をつけてください。

ヘッドからブラシを取り外せる場合は取り外し、ハサミやピンセットを使って絡まった髪の毛や糸くずを丁寧に取り除きましょう。ヘッド本体は、台所用中性洗剤を溶かした水を含ませた雑巾で、外側を拭きます。最後は普通の水で2度拭きして仕上げ、乾かします。

【必要な道具】

• 歯ブラシ
• ピンセット
• 台所用洗剤
• 雑巾

【お手入れ手順】

1. ブラシヘッドを外す
2. ブラシに絡まったごみをピンセットやブラシで取り除く
3. ヘッド本体は台所用洗剤溶液を含ませた雑巾で拭く
4. 仕上げに2度水吹きしてよく乾かす

サイクロン式掃除機のダストカップは、掃除のペースにもよりますが1〜2週間に1度は中のゴミを捨てましょう。ダストカップを取り外す際は、本体との隙間に詰まっていたホコリや塵が舞う恐れがあります。

ホコリを吸い込まないようにマスクを着用して、慎重にカップを取り外しましょう。掃除機本体とダストカップの間や、ダストカップの底に溜まったホコリは、使わなくなった歯ブラシを使えば簡単にかき出せます。

ダストカップを取り外す際と同様に、掃除中にゴミが舞い散る可能性が高いため、マスクを着用する・ゴミ袋を広げた上で掃除するなど工夫しましょう。

【必要な道具】

• マスク
• 歯ブラシ
• 新聞紙

【お手入れ手順】

1. ダストカップを取り外す
2. 歯ブラシでホコリを落とす

※音が出ます

紙パックはゴミが溜まったらパックごと取り外して捨て、新しいパックを取り付けるだけなので、掃除は不要です。紙パックを交換するペースは、掃除機を使う頻度や1度の掃除で吸い込むゴミの量に応じて家庭ごとに異なります。

紙パックにゴミが溜まりすぎると、吸い込みが弱くなったり排気口から臭気が発生するため、定期的な交換をおすすめします。

【お手入れ手順】

1. ごみがいっぱいになったら紙パックを取り出す
2. 新しい紙パックと交換する

紙パックを入れ替えても吸引力が弱いままの場合は、紙パックを取り外して本体内部のホコリを取り除く必要があります。紙パック部分にクリーンフィルターがある製品の場合は、取扱説明書に従って適切にお手入れをしましょう。

【お手入れ手順】

1. 軽くはたいてホコリを落とす、または軽く水で押し洗いする
2. 水洗いした場合は日陰で完全に乾かす

ホースから異音がする・フィルター洗浄や紙パック交換をしても臭いが消えない場合は、ホース内部にゴミが溜まっている場合があります。普段のお手入れで不調が改善されない場合は、取り扱い説明書で水洗い可能かどうか確認し、ホース内部を掃除しましょう。

【水洗い可能な場合】

用意するもの

• 洗剤（中性洗剤・ハイター・重曹など）
• ホースを固定するための深めのバケツ（なければラップと輪ゴム）

手順

1. ホースを取り外し内部に水を溜められるように固定する
2. 洗剤を流し込んでつけ置きする
3. よく洗い流し完全に乾燥させる

【水洗いできない場合】

用意するもの

• 洗剤（重曹・中性洗剤）
• ホースに入れる長い物（紐・突っ張り棒・排水管ブラシなど）
• 雑巾またはスポンジ
• 雑巾を棒に固定するための紐や輪ゴム

手順

1. ホースに入れる長い物を準備する
2. スポンジや雑巾で中を掃除する
3. 乾燥させる

以下の記事でより詳しく解説しているので、こちらも参考にしてください。

掃除機の本体部分も拭いてあげましょう。洗面器半分ほどの高さに水を張り、台所用洗剤などの中性洗剤を1・2滴垂らした洗剤液を使用し、雑巾で水拭きしてください。その後、普通の水で絞った雑巾で拭けば、きれいになります。

アルコールスプレーなどを使用するときれいに汚れが落ちますが、掃除機の塗装が変色する場合があるので、注意してください。

自動でお掃除を行えるロボット掃除機は非常に便利ですが、センサーの周りに汚れが溜まると本来の性能が発揮できません。ブラシやダストボックスはもちろん、月に1回程度はセンサー周りを水拭きしましょう。

紙パック式とサイクロン式では、どちらのお手入れが楽なのでしょうか。以下にそれぞれのメリット・デメリットについてまとめたので、参考にしてみてください。

このように、それぞれの方式にメリットとデメリットがあり、どちらが楽と感じるかは人によって異なります。これらを総合すると、掃除機のゴミ捨てが苦手な方は紙パック式を、吸引力がい落ちるのが嫌な方、掃除機を清潔に保ちたい方はサイクロン方式を選ぶのがおすすめです。

東芝やパナソニックなど、メーカーによっては掃除機にメンテナンスランプが付いている場合があります。メンテナンスランプは掃除機内の風路やフィルター、ダストカップ内のゴミの溜まり具合を感知し、不具合が生じた際に光ってユーザーにメンテナンスのタイミングを知らせる便利な機能です。

メンテナンスランプが点灯・点滅して消えない場合は、1度掃除機の使用を中断して各パーツの汚れ具合を確認しましょう。ランプの詳細については、お使いの掃除機の取扱説明書を確認してください。

うっかり水洗いできないヘッド・フィルターを水洗いしてしまった場合は、とにかくしっかり完全に乾燥させましょう。生乾きのまま使用すると、雑菌が繁殖して悪臭の原因になります。また、その後継続して使用可能な場合もありますが、パーツ本来の機能が保てなくなり故障する可能性があります。

できればフィルターやパーツの買い替えが望ましいです。そうした事態を防ぐためにも、掃除する際は水洗いできるかどうか、必ず取り扱い説明書を確認しましょう。