吸込仕事率600W以上の掃除機おすすめランキング｜吸引力の目安も

掃除機には多くのタイプがあり、集塵方式やヘッドの種類も含めると、一体どれが清掃能力の高い掃除機なのか迷ってしまうものです。

吸引力を重視するのであれば、吸引仕事率(吸引力)が500W以上の掃除機を選択すれば、強力にゴミを吸い取ってくれます。一時期は「吸引力の高さは清掃能力とは無関係」とも言われていましたが、昨今はメーカーの努力で事情が変わり、吸引力の高い掃除機の清掃能力の高さが再評価されています。

この記事では、より吸引力の高い600W以上の掃除機をピックアップして紹介しています。吸引仕事率600W以上の掃除機はどんな人におすすめなのか、なぜ吸引力が重要なのかについて解説。さらに選び方やおすすめランキングも紹介しているので最後までご覧ください。

吸引仕事率とは、日本産業規格JIS C 9108で定められた掃除機の評価方法です。吸引仕事率はゴミを浮き上がらせる力である真空度（pa）と浮かせたゴミを運ぶ力である風量から力学的に算出され、W（ワット）の単位で表されます。

真空度と風量は掃除機の吸引パイプの中で測定される値のため、吸引仕事率の数値が高いほど吸引パイプを含む掃除機本体の吸引性能が高いと言えます。日本メーカーの多くは掃除機の評価として吸引仕事率を採用しスペックに記載しています。

吸引仕事率は常に一定ではなく、ゴミが溜まると低下していきます。吸引仕事率の高さではなく、ダイソンのように吸引力が変わらない点を重視しているメーカーもあります。いずれにしても吸引性能は掃除機の清掃能力に関わる一つの要素です。

さまざまな種類の掃除機の中で「紙パック式」「キャニスター型」「日本メーカー」の3つの条件に当てはまる掃除機は、吸引仕事率の高さが重要になる場合が多いタイプです。一方で人気のコードレス掃除機は、「紙パック式」「キャニスター型」に比べると吸引力が弱い場合が多いです。

国内メーカーの紙パック式キャニスター型掃除機は、吸引仕事率500W以上の製品がスタンダードです。JISでは「高いじんあい除去能力(＝ダストピックアップ率)をもつ掃除機はモーターで回転するブラシを備えた500W以上の掃除機が望ましい」としています。

600W以上の掃除機は、製品数があまり多くなく、メーカーもパナソニックや日立など限定的ですが500Wの製品よりもさらに高い清掃能力が期待できます。特に室内でペットを飼っていたり手芸や木工などで毛・糸くず・細かいゴミが出る機会が多い場合におすすめです。

メーカー・タイプを問わず掃除機を選ぶ時、いつでも吸引仕事率が重要なわけではありません。掃除機の清掃能力は吸引性能だけではなく、ヘッドの性能やゴミ詰まりになりにくさなどさまざまな要因に左右されるからです。

特に近年人気の高いサイクロン式掃除機ではフィルター性能も非常に重要なため、床に吸い付く力で算出した吸引仕事率はあまり重要視されません。もう一つの評価方法であるダストピックアップ率が重要です。

吸引仕事率500～680Wの吸引力の高い掃除機は、ゴミをしっかりと除去するのを優先する人におすすめです。ただし、集じんタイプはほぼ紙パック式で形状はキャニスター型掃除機に限定される点は注意しましょう。

掃除機の清掃能力はノズルの性能や他の要素にも左右されますが、近年メーカーではノズル性能の向上にも尽力しています。紙パック式のキャニスター型では、ノズル以外はほぼ同じような構造をしているため、吸引仕事率の高さがより重要な評価要素と言えます。

また、国内メーカーなので日本の住環境との相性が良く、床質に合ったヘッドを正しく選べば、高い吸引力でしっかりとゴミを除去できます。パワーの高さを求めるなら紙パック式のキャニスター型で吸引仕事率の高い掃除機を選ぶといいです。

海外由来のサイクロン式掃除機では、吸引力の高さはあまり重要視されません。海外の住環境に基づき、ゴミをどれだけ除去できるかを数値化したダストピックアップ率での評価が主流です。国内メーカーでもサイクロン式は使い勝手の良さを重視する傾向があります。

ダストピックアップ率は、実際に掃除機で吸いきれなかったゴミの量から算出されます。サイクロン式ではメーカーや機種で構造が異なる場合が多いです。そのため吸引仕事率よりもダストピックアップ率の方が実際の清掃能力に直結した信憑性の高い評価方法と言えます。

吸引力の高さを求めるなら吸引仕事率600W以上の掃除機がおすすめですが、掃除機選びには吸引仕事率以外にも重要なポイントもあります。ここでは、掃除機選びの際のポイントについて解説しています。

ヘッドの部分にローラーが付いており、モーターの回転力で前に進みやすいヘッドです。パワーが強力なので、カーペットに絡みつくゴミもしっかり除去できます。扱いやすく吸引力も強いタイプですが、価格が高いのがデメリットです。

また、運転中の方向転換にやや力が必要になる点は取り回ししにくいと感じる場合もあります。

モーターが内蔵されたヘッドです。ヘッドに内蔵されたブラシがモーターで回転するので、ゴミをしっかりと吸い込みます。自走式モーターよりもリーズナブルでパワーもあるため、コストパフォーマンスに優れたタイプです。

ただし、自走式モーターよりもどうしてもパワー的には劣るので、吸引力を重視する場合は自走式モーターを比較検討した方がいいです。

空気を吸い込んだ風の力で、ヘッドに内蔵されたブラシを回転させるのがエアタービン式です。畳やフローリングの掃除に適したタイプで、モーターが内蔵されていないため、自走モーター式やモーター式よりも価格が安い特徴があります。

モーター非搭載であるためパワーは劣り、強力な吸引力が必要な毛足の長い絨毯やカーペットの掃除には不向きです。

600W以上の製品のほとんどは、キャニスター型かつ紙パック式です。ただし、一部サイクロン式のタイプもあります。紙パック式とサイクロン式のメリット・デメリットは下の表の通りです。

紙パックを掃除機の本体にセットする方式です。ゴミが溜まったら紙パックごと捨てて新しい紙パックに交換しますが、比較的紙パックの容量が大きいため、ゴミを捨てる手間が少ないメリットがあります。

ただし、ゴミを溜め続けていると吸引力が落ちてしまう点、紙パックのコストがかかる点がデメリットです。

搭載したダストカップにゴミを溜める方式です。紙パックのような消耗品が不要なのでランニングコストはかからず、ダストカップに溜まったゴミを捨てれば吸引力がすぐに復活します。一方で、紙パックよりも集じん容量が小さいため、頻繁にゴミを捨てる必要がある点がデメリットです。

従来の掃除機として以前から普及しているのが、キャニスター型の掃除機です。本体にヘッドが付いたホースが接続されており、本体をタイヤで転がして移動しながら使用します。

コンセントに接続しながら使用するタイプでモーターがパワフルな分、吸引力も強力です。コードがあり、本体重量も重く取り回ししづらい印象がありますが、近年は軽量化が進んでいるので操作性が向上しています。600W以上の掃除機のほとんどが、このキャニスター型です。

スティック型は、本体とヘッド部分が一体化しているタイプの掃除機です。スリムで軽量なので小回りがきき、充電式のタイプが多いので幅広い場所で使用できる取り回しの良さも特徴といえます。

スリム・軽量なのでモーターが小さいモデルがほとんどで、吸引力はどうしてもキャニスター型よりも劣ります。充電式は連続使用時間が限られている上、バッテリーの使用状況によっては徐々に吸引力が落ちていく場合がある点がデメリットです。

掃除機の音は思っているよりも大きな騒音になる場合が多く、あまりにも大きな音の場合、特に集合住宅では隣近所へ迷惑をかけてしまいます。騒音の大きさは「dB（デシベル）」で数値で表され、普通の会話は60dB程度、セミの鳴き声が70dB程度とされています。

吸引力が上がると、その分音も大きくなります。吸引力を維持しつつ、できるだけ静かな音で掃除をしたい場合は、65dB程度の掃除機を選択するのがおすすめです。

多くの掃除機には、使い勝手のいい機能が搭載されています。たとえば、フィルターや紙パックの目詰まりを防止する機能があれば、目詰まりによる吸引力の低下を抑制できます。交換時の紙パックの取り出しがラクで、ゴミやほこりが散らかりにくい構造を採用している製品もあります。

一部製品は、床質に合わせて無駄な電力消費を抑えて清掃能力を落とさずに電気代の節約ができるecoモードを搭載しています。また、握りやすいグリップを採用し、掃除機がけの疲れを低減するタイプの製品もあります。

吸込仕事率が高い掃除機を使っていても、ヘッド部分のお手入れができていないとせっかくの吸引力が低下してしまう可能性があります。ここではヘッド・ブラシのお手入れ法について解説していきます。

1. ヘッドを取り外す
2. ヘッドを外した掃除機でヘッドの可動部や連結部を掃除する
3. ブラシのホコリはピンセットなどで取る

ブラシは取り外し可能なものであれば取り外して糸やほこりを取るといいです。中にはブラシを丸洗いできるタイプもあります。

掃除機は使っていると吸引力が低下したと感じる場合があります。その際はごみのつまりやフィルターの汚れを確認します。掃除機の手入れをした結果吸引力が復活する場合は少なくありません。また充電式の掃除機の場合は充電切れの可能性もあります。

なお、掃除機は6~7年程度が寿命とされています。吸引力が低下するだけでなく、発熱や異音の発生などの症状があるのであれば買い替えを検討するのがいいです。こまめにお手入れをすると異常にも気が付きやすいですし、吸引力低下の予防にもなるので心がけましょう。

600W以上の高い吸引仕事率をもつ掃除機は、レビューでもその吸引性能を絶賛する声が多く見られます。掃除機の本分であるきれいにゴミを取り除く目的のために、パワーの高い掃除機を求めるなら、掃除機選びの有力候補として是非検討してみてください。