古いデジカメをWEBカメラにする方法｜代用できる？【Canon・SONYも】

多くの業界でリモートワークの機会が急増したことから、zoomなどで使用するWEBカメラの需要が急速に高まり、一部商品では品薄の状態が続いています。「今からWEBカメラを注文しても、実際に商品が届くまでだいぶ時間が掛かりそう」という心配から、WEBカメラの購入を足踏みしている方は少なくありません。

そんな方に、朗報があります。実は一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラはいくつか準備をするだけでWEBカメラとして代用できます。しかし、デジカメはそのままの状態でパソコンに接続しても、WEBカメラとしては使用ができないので要注意です。

今回は、WEBカメラとして使えるデジカメ機種の最新情報や、実際にデジカメをWEBカメラとして代用するための準備を分かりやすく解説いたします。お手持ちのデジカメの型番をチェックした上で、是非最後までご覧ください。

デジカメをケーブルでパソコンに接続しても、そのままではWEBカメラとして使用ができません。ここからは、その理由を分かりやすく解説いたします。

多くのWEBカメラはUSBケーブルで接続するだけで、パソコン側がすぐにWEBカメラとして認識をします。そのため、通話アプリを起動させれば大した準備を必要とせず、WEB会議を始めることができます。その理由は、WEBカメラがUVC対応の通信方式を採用しているからなんです。

UVC(USB Video Class)とは、WEBカメラの通信規格のひとつです。カメラとパソコンの双方がUVCに対応しているとパソコン側がカメラを認識し、すぐにWEBカメラとして使用することができます。UVCは非常に便利な通信方式なため、多くのWEBカメラに採用されています。

カメラはカメラでも、普通のデジカメはUSBで接続してもWEBカメラとして認識されないのは、デジカメの通信方式がUVC対応ではないからです。ケーブルの故障や接続不良が原因ではないため、新しくケーブルを買い直しても問題が解決しないのはこのためです。

デジカメをパソコンに接続しても、そのままではWEBカメラとして認識されません。デジカメをWEBカメラとして代用するためには、デジカメのデータを一度UVC方式に変換する必要があります。そしてUVC方式に変換する方法は、主に2通りあります。

ひとつ目の方法は、専用のソフトを導入することでUVC方式に変換する方法です。デジカメメーカー各社が、デジカメのデータをUVC方式に変換する専用ソフトを無料で公開していますので、まずはご自分のデジカメが対応機種に含まれているか確認してみましょう。

ふたつ目の方法は、キャプチャーボードを使用することでUVC方式に変換する方法です。新たにキャプチャーボードを購入する準備が必要ですが、デジカメの長所である高画質な映像を使ってWEB会議に参加できるようになります。

パナソニックは、LUMIX Sシリーズ/GシリーズなどがWEBカメラとして使用できる専用ソフト「LUMIX Webcam Software（Beta）」を公開しました。現在、Windows版とMac OS版が公開されています。

専用ソフトの導入方法は次のようになります。

1. パナソニック公式ウェブサイトにアクセス
2. 「LUMIX Webcam Software」のダウンロードページを開く
3. Windows版かMac OS版を選択
4. デジカメの機種名・製造番号11桁を入力してダウンロード開始
5. インストール手順に従ってソフトをインストール
6. パソコンを再起動

LUMIX(ルミックス)シリーズ

ソニーは、αシリーズ/サイバーショットなどがWEBカメラとして使用できる専用ソフト「Imaging Edge Webcam」を公開しました。現在、Windows版とMac OS版が公開されています。

専用ソフトの導入方法は次のようになります。

1. ソニー公式ウェブサイトにアクセス
2. 「Imaging Edge Webcam」のダウンロードページを開く
3. デジカメの機種を選択し、Windows版かMac OS版をダウンロード
4. インストール手順に従ってソフトをインストール
5. パソコンを再起動

OMデジタルソリューションズ（旧オリンパス）は、OM-DシリーズがWEBカメラとして使用できる専用ソフト「OM-D Webcam Beta」を公開しました。現在、Windows版とMac OS版が公開されています。

専用ソフトの導入方法は次のようになります。

1. オリンパス公式ウェブサイトにアクセス
2. 「OM-D Webcam Beta」のダウンロードページを開く
3. Windows(64bit)版・Windows(32bit)版・Mac OS版いずれかをダウンロード
4. インストール手順に従ってソフトをインストール
5. パソコンを再起動

• OM-1
• OM-D E-M1X
• OM-D E-M1
• OM-D E-M1 Mark II
• OM-D E-M1 Mark III
• OM-D E-M5 Mark II

富士フィルムは、GFXやXシリーズがWEBカメラとして使用できる専用ソフト「FUJIFILM X Webcam」を公開しました。現在、Windows版とMac OS版が公開されています。

専用ソフトの導入方法は次のようになります。

1. 富士フィルム公式ウェブサイトにアクセス
2. 「FUJIFILM X Webcam」のダウンロードページを開く
3. Windows版・Mac OS版いずれかをダウンロード
4. インストール手順に従ってソフトをインストール
5. パソコンを再起動

キャノンは、EOSシリーズやPowerShotシリーズがWEBカメラとして使用できる専用ソフト「EOS WEBCAM UTILITY」を公開しました。現在、Windows版とMac OS版が公開されています。

専用ソフトの導入方法は次のようになります。

1. キャノン公式ウェブサイトにアクセス
2. 「Software & Drivers」のページを開く
3. デジカメの機種を選択
4. 「Drivers & Downloads」をクリックし「Software」タブを開く
5. 「Operating System」の中からパソコンのOSを選択
6. 一覧から「EOS WEBCAM UTILITY」を探し「SELECT」をクリック
7. 「Download」をクリックしダウンロード開始
8. インストール手順に従ってソフトをインストール
9. パソコンを再起動

シグマのミラーレスカメラ「SIGMA fp」はUVC方式に対応しているため、事前準備なしでそのままWEBカメラとして使用できます。

お手持ちのパソコンと「SIGMA fp」をUSBケーブルで接続するだけで、通常のWEBカメラと同様に使用することができます。

• SIGMA fp

ニコンは、自社のミラーレス・一眼レフカメラがWEBカメラとして使用できる専用ソフト「Webcam Utility」を公開しました。現在、Windows版とMac OS版が公開されています。

専用ソフトの導入方法は次のようになります。

1. ニコン公式ウェブサイトにアクセス
2. 「Webcam Utility」のダウンロードページを開く
3. Windows版・Mac OS版いずれかの最新バージョンをダウンロード
4. インストール手順に従ってソフトをインストール
5. パソコンを再起動

ここからは、キャプチャーボードを使ってデジカメをWEBカメラとして代用する方法をご説明いたします。

キャプチャーボードを使ってデジカメをWEBカメラとして使用するためには、まず前提条件としてデジカメがHDMI出力可能な機種である必要があります。キャプチャーボードとは、入力された映像データをパソコンに転送する装置ですので、そもそもデジカメが映像データを出力できなければならないからです。

HDMI端子が付いているデジカメは非常に多い一方で、ほとんどの機種は撮影した映像の再生時にしかHDMI出力しない点に注意しましょう。事前に取扱説明書や仕様書を調べて、お手持ちのデジカメが映像をリアルタイムにHDMI出力できるか確認しておきましょう。

キャプチャーボードは豊富に種類が存在しますが、デジカメをWEBカメラに代用する準備に必要なのは、UVC方式に変換可能なキャプチャーボードになります。どれほど性能やコスパが優秀なキャプチャーボードであっても、UVC方式に変換できないタイプだとWEBカメラとしてすぐ使えませんので注意しましょう。

UVC方式に変換可能なキャプチャーボードなら、デジカメをキャプチャーボードに接続するだけで、キャプチャーボードがデジカメのデータをUVC方式に変換してパソコンに転送してくれます。UVC方式で入力されたデータなので、パソコン側はすぐにその映像をWEBカメラとして認識してくれます。

キャプチャーボードには「外付け型」と「内蔵型」の大きく分けて2種類が存在しますが、WEBカメラの準備におすすめなのは、取り付けが簡単な外付け型になります。内蔵型のキャプチャーボードはパソコン内部に取り付けるタイプのため、パソコンを分解する必要がある等の難しさがあります。

内蔵型キャプチャーボードのメリットは、外付け型と比べて映像の遅延が少ないことですが、デジカメをWEBカメラとして代用するだけならばどちらのタイプを選んでも大きな差はありません。そのため無理して内蔵型を選ぶメリットは薄いので、WEBカメラの準備には外付け型のキャプチャーボードを選びましょう。

自宅に古いカメラがある方も中にはいますよね。古いデジカメやビデオカメラも、WEBカメラとして使えるのでしょうか？ここでは、古いコンデジやビデオカメラがWEBカメラとして使えるかどうかを解説します。

クールピクスなどの古いコンデジでは、HDMI出力が可能なものであればキャプチャーボードを使ってWEBカメラ化が可能です。ただし、あまりにも古い機種や、エントリーモデルにはHDMI端子が省かれているモデルがあり、WEBカメラ化できないケースもあります。

ビデオカメラはHDMI出力が可能で、キャプチャーボードがあればWEBカメラとして使用可能です。HDMIから出力された映像をキャプチャーボードで変換すると、パソコンに映像を送れるようになります。お手持ちのビデオカメラがHDMI出力可能かどうか、確認してみてください。

多くのWEBカメラには、付属品として設置用のスタンドやクリップが付いてきますが、お手持ちのデジカメをWEBカメラとして代用するときは、デジカメ用のスタンドを自分で準備しておく必要があります。

スタンドがない場合、デジカメを不安定な土台の上に置いたり、会議の間ずっと手持ちで自分を撮影しなければなりません。また、スタンドは準備していたけど、自分の顔が映るようデジカメの向きを調整し忘れていたというパターンも多いです。会議をスムーズに始めるためにも、忘れず準備しておきましょう。

会議が始まった直後、突然自分の映像が途切れて映らなくなってしまうハプニングも考えられます。そんなときは、デジカメのスリープモードがオンになっていないか確認してみましょう。このスリープモードが作動したために、自動的にデジカメの電源が切れてしまったというパターンが多いです。

多くの機種は設定を変更すると、スリープ機能をオフにできます。デジカメをWEBカメラとして代用するときは、忘れずにスリープモードをオフに設定しておきましょう。WEBカメラにはない便利な機能を搭載しているデジカメだからこそ起こりやすいハプニングですので、要注意です。

多くのWEBカメラはパソコンから電力の供給を受けながら映像を撮影しますので、基本的に電池切れの心配はありません。しかしデジカメをWEBカメラとして使用する場合、使用中にデジカメの電池切れが起こる可能性がありますので、事前にしっかりと充電を済ませておきましょう。

また、デジカメによっては直接電源を供給できるアダプタが存在しますので、長時間のWEB会議が予定されている場合はこうしたデジカメ用の電源アダプタや替えのバッテリーを準備しておくと安心です。

デジカメをWEBカメラとして使用するには、必ずさまざまな準備が必要になります。準備費用が予算オーバーになるようであれば、代用するのを諦めてWEBカメラを購入する選択肢も十分考えられます。

WEBカメラを使用するメリットとしては、パソコンから給電を受けながら撮影できるのでバッテリーの残量を気にする必要がない点が挙げられます。また、WEBカメラは最初からUVC方式でデータを出力するため、事前準備なしですぐに使用が可能です。

最近のWEBカメラの傾向として、コスパが優秀で画質が優れた機種が多数登場しています。ランク王ではWEBカメラのおすすめ最新機種や選び方のポイントなど、WEBカメラの最新情報をご紹介しておりますので、そちらも是非ご確認ください。

デジカメをWEBカメラとして代用するためには何かと準備が必要ですが、手間に見合うメリットがあります。何と言っても、デジカメの持ち味である高画質な映像でWEB会議に参加できるということです。もしお手持ちのデジカメがWEBカメラとして使えるようでしたら、デジカメで撮影したクリアな映像でWEB会議に参加してみてはいかがでしょうか。