サウンドカードの性能を徹底比較！FPSに適したサウンドカードの特徴も解説

近年ではサウンドカードの小型化・高性能化が進み、外付けタイプの機種も登場しています。また実況動画を制作したり、FPSの音響改善を図ったりといった使い方も人気です。サウンドカードの需要はこれまで以上に高まっているといえるでしょう。

本記事では上記のトレンドを踏まえ、サウンドカードの選び方・比較の仕方に注目して情報をまとめます。また内蔵型・外付けタイプのほか、ゲーム向けや音楽鑑賞向けといった機能面にも着目します。

後半部ではサウンドカードのおすすめメーカー・おすすめ商品を紹介し、商品の比較表を一覧形式で網羅。自分に合ったサウンドカードで迫力のサウンドを楽しむためにも、本記事をご活用ください。

サウンドカードとは、パソコンの音質を高める増設パーツです。使用の際にはパソコンのUSBポートやPCIスロット（拡張ボード）に取り付けます。音質改善だけでなく、ゲーム内の臨場感がアップするので実況にもおすすめです。

またオンボードだと音楽鑑賞するには物足りないですが、サウンドカードを取り付けることで実用レベルの音響に変化します。

FPSでは、足音や発砲音といった「効果音」を聞き分ける力も重要です。特に人気ゲーム「APEX」のように競技性の高い作品の場合、実力が拮抗しているライバル同士だとプレイ環境の良し悪しも戦績に作用します。

鮮明なグラフィックが視認性に影響するのと同様に、サウンドカードによるクリアで立体的な音声は臨場感を高め、足音や発砲音などを聴き取りやすくします。特にサラウンド機能があればライバルの位置を把握しやすくなるため、いっそう優位に立てるでしょう。

サウンドカードに比較的近い機器として、オーディオインターフェイスが挙げられます。オーディオインターフェイスは主に、パソコン上で音楽制作を行うために使われます。

一方、サウンドカードは音声の再生環境を向上させるための機器です。一見するとよく似ていますが、それぞれコンセプトが異なることを覚えておきましょう。

サウンドカードには大別して2つのタイプがあります。デスクトップパソコンに適した「内蔵型」と、ノートパソコンに適した「外付けタイプ」です。両者の違いを確認しましょう。

デスクトップパソコンの特徴として、マザーボードの拡張スロットに機器を増設できる点が挙げられます。デスクトップパソコンにサウンドカードを増設する場合は、PCIスロットに内蔵サウンドボードを取り付ける要領が基本です。

外付けサウンドボードをケースの外から取り付けることも可能ですが、省スペースを考えると内蔵式を選ぶのがおすすめです。

ノートパソコンの場合、物理的制約としてケースを開けてのパーツ増設ができません。よって内蔵型は取り付けられないので、外付けタイプのサウンドカードが適合します。

接続はUSB端子につなぐだけなので、初心者でも簡単。直感的に扱える点でもおすすめです。

サウンドカードを選ぶ際には取り付けタイプだけでなく、用途や機能なども考慮する必要があります。そこでサウンドカードの選び方と、機種同士の比較ポイントを確認しましょう。

FPS・TPSのように3D表現されたリアルな世界では、「音」の概念が大事です。特に「APEX」のように競技性のあるゲームでは、足音・話し声・発砲音などがライバルの位置を知る手がかりになります。

サウンドカードを導入すれば、臨場感がいっそうアップするでしょう。ゲーム中使用する場合は、サラウンド設定にしないと効果が得られないので要注意。なお外付けタイプなら、PS4対応の機種も出ています。

視野が限られるFPSでは音の聞き分けがカギを握ります。中でもライバルの足音は最重要ポイント。そこで役立つのが、サウンドボードのイコライザー機能です。

イコライザー機能では音のタイプに応じて周波数を調整できます。たとえば「足音の周波数を上げて、環境音の周波数を下げる」といったことも可能。うまく活用すれば、ゲーム内で優位に立てるでしょう。

サウンドカードはDTM・音楽制作においても役立ちます。音源を電子データで管理できるため、PC上で加工・ミキシング可能です。大がかりな機材がなくとも省スペースで作業できるほか、環境と知識次第では個人でもプロさながらの作業をこなせます。

サウンドカードの音質を把握するには、「S/N比」「サラウンド」の2項目をチェックしましょう。「S/N比」とは“Signal（信号）”と“Noise（雑音）”の比率で、音声信号に含まれる雑音の度合いを表します。

S/N比の数値が大きいほど音声の中に含まれるノイズが少なく、高音質です。「サラウンド」は立体的な音響技術のことで、5.1chもしくは7.1chのドルビーオーディオ（Dolby Audio）規格をクリアしていることが条件です。

サラウンドの特徴は映画館やホームシアターの音響設備のように、位置や距離といった「音の発生源」までも表現されること。一般的なステレオサウンドよりも、いっそうの臨場感を味わえます。

サウンドカードを選ぶ際には、接続可能な端子の種類や数を確認するのも大事なポイントです。対応端子の種類を大別すると、アナログ出力端子・デジタル端子・入力端子の3つに分かれます。

あらかじめ音声を入出力する外部機器のポートを確認しておき、対応する端子を搭載したサウンドカードを選ぶようにしましょう。

オプションの要素として、マイク入力できるかどうかも確認しておきましょう。カラオケやボイスチャットを楽しむ際には、サウンドカードを通した方が格段にクリアな音声になります。またゲームの実況動画を収録する際にも、鮮明な音声で録音できるのでおすすめです。

せっかくパソコンでデジタル音声を再生するなら、ハイレゾ音源が望ましいですよね。ハイレゾ音源をパソコン上で再生するには、対応機能を搭載したサウンドカードが必要です。

サウンドカードのハイレゾ対応規格は、S/N比が96kHz/24bit以上であることが条件。bit数が大きいほど原音に近い音質であることを表すため、規格の数値以上で、できるだけS/N比の大きい機種を選ぶようにするといいでしょう。

クリエイティブはサウンドカードの第一人者というべき存在です。家庭用PC黎明期、当時は未熟だったサウンドデバイスの開発に大いに貢献しました。1989年に発売された「Sound Blaster」は業界の先駆的な商品で、現在もシリーズ化されています。

2002年には初のUSBオーディオ「Sound Blaster Extigy」を発表し、内蔵型・外付けタイプ双方に対応できる高い技術力を知らしめました。

ASUSはPC機器全般を扱うメーカーです。1989年に台湾で設立され、当初はマザーボードの製造販売が中心事業でした。後にノートPC・グラフィックカードなど商材を拡大し、サウンドカードも手がけるように。

ASUSのサウンドカードは内蔵型が多く、グレードや価格帯は多種多様。トレンドとして外付けタイプが主流の中、内蔵型にも注力した商品ラインナップにより、本格志向のユーザーから支持されています。

EPOSはヘッドホンで有名なドイツの老舗、SENNHEISERが母体となったメーカーです。SENNHEISERの旧ゲーミングオーディオ機器事業部門が2020年に独立・法人化して誕生しました。

EPOSのサウンドカードは外付けに特化しており、PCゲーム用に最適化されているのが特徴です。特にFPSとの相性に優れ、ゲーミングヘッドフォンを接続すると抜群の性能を発揮します。

サウンドカードはマニアだけの嗜好品ではありません。外付けタイプなら初心者でも簡単に取り付けられますし、入門用の安いモデルでもオンボードより格段に音質が向上します。ぜひサウンドカードを導入し、ゲーム本来の臨場感を味わってください。