加湿器を使いながら窓開けるのはアリ？｜換気しながらは乾燥する？

冬は1年の中で最も寒くなります。寒さ対策として窓を閉め切って過ごす日が多くなりますよね。さらに、夏よりも湿度が低くなり空気も乾燥している状態です。しかも、換気をせずにいると空気中のウイルスが活発化しやすくなります。

風邪やインフルエンザにかからないよう換気したくても「何時間ごとに窓開ける？」「換気しながら加湿器使える？」など、冬の換気と加湿について頭を悩ます方も多いですよね。窓を開けて換気すると乾燥した空気が入り込むだけでなく、室温も大幅に下がってしまいます。

そこで今回は、加湿器と合わせた換気方法と正しい加湿器の使い方をご紹介します。体調を維持しながら室温の低下も最小限に抑え、室内環境の快適なバランスを保ちたい方はぜひ参考にしてください。

冬が乾燥しやすい理由は空気が含める水分の量は温度によって変化するためです。空気は、温度が高いと水分を含みます。反対に、温度が低くなると水分量が減少します。

寒い日には、暖房器具を使用するご家庭も多いです。空気中の水分量が少ない部屋で暖房器具を使っても水分量は増えません。空気中の水分が少ない状態で暖房を使い続けると、水分量も低下してしまうのです。

一般的に、人間にとって快適な温度・湿度は以下の数値といわれています。

• 夏場：25℃~28℃・45%~60%
• 冬場：18℃~22℃・55%~60%

温度・湿度ともに高すぎても低すぎても快適ではありません。特に、冬場は乾燥しやすくウイルスが活性化される時期で、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。さらに、空気中の水分が減少するだけでなく体内にもさまざまな変化が起こるのも要因です。

一方で、暖かくなるとさまざまな感染症にかかりにくくなるのは、ウイルスは高温と湿潤状態に弱いためです。このため、特に冬場は体調管理のためにも加湿器を使用して55%~60%の湿度を保ちましょう。

人の体にはウイルスから体を守る「バリア機能」が備わっていますが、肌や鼻などの粘膜が弱くなるとバリア機能が低下して風邪をひきやすくなるのです。乾燥と低温を避ける工夫をして、冬場の体調変化を防ぎましょう。

寒い日に窓を開けて換気し続けるのは辛いですよね。しかし、快適な環境を維持するためにも換気は必要です。換気の目安は30分に1回以上が理想です。さらに、窓を開け続ける時間は1回の換気で5分~10分程度が目安になります。

これらの時間や回数はあくまで目安です。たとえば、一般家庭のような少人数の場合は長時間換気する必要はありません。また、気温差で体調を崩す可能性もあります。ご高齢の方がいる場合は、換気前後の温度差に気を付けましょう。

建物によって窓の場所は異なります。効率よく換気できるのは対角線上に2つの窓がある配置です。1つの窓を開けただけでは、うまく空気が循環せず満足に換気できません。たくさん窓がある場合は、対角線上にある窓を何ヵ所か開けると換気時間を短縮できます。

アパートやマンションなど、構造上対角線上に窓がない建物もあります。その場合は、窓を開けて換気扇を動かしましょう。換気扇もない場合は窓を開けて、窓の側で扇風機やサーキュレーターを動かしましょう。換気する際は空気の循環を意識するのがポイントです。

部屋の中を適切な湿度に保とうと、加湿器などで工夫している人も多いはず。感染症対策などの視点からも、換気をした方がいいとわかってはいても、換気をするとせっかく上げた湿度が下がってしまいそうですよね。

そんな心配をせずに換気と加湿を両立するには、湿度が設定できるタイプの加湿器がおすすめです。換気で湿度が下がっても、自動で設定湿度まで上げてくれるので気兼ねなく換気が行えます。短時間で湿度を回復させたいなら、パワフルなモデルを選びましょう。

加湿器は部屋の邪魔にならない場所に設置される場合がほとんどです。しかし、最近ではインテリアになるおしゃれなデザインの加湿器も増えています。そのため、目立つ場所に加湿器が設置されている場合もあります。

加湿器本来の目的は、部屋の湿度を上げるといたもの。加湿器を窓やドアの近くに設置すると、思ったように湿度が上がりません。さらに、水分が冷やされて窓やドアに結露ができやすくなるので、この2ヵ所への設置は避けましょう。また、換気扇の真下も避けてください。

部屋全体に蒸気を拡散させるためには、可能な限り部屋の中央に設置しましょう。難しい場合は、中央に近い場所や窓やドアの近くを避けるなどの工夫が大切です。

寝ているときも部屋中の空気は乾燥します。「寝ているときも加湿したい」と、睡眠中も加湿器を付けっぱなしにしている方もいますよね。

暖房器具を消して寝ると、温度の低下とともに空気中の飽和水蒸気量も低下します。加湿器のみを付けていると、湿度が高くなりすぎたり結露が発生したりする原因になります。寝ているときも付けたいのであれば、温度・湿度調節機能などが付いている加湿器を使用しましょう。

加湿器には給水タンクが付いているものがほとんどです。給水タンク内の水が空っぽになる前に水を足す方もいるかもしれません。実は、給水タンクへの水のつぎ足しはあまりおすすめできません。

タンクの水を替えずに使い続けると、カビや雑菌が繁殖する原因になります。また、汚れた水を使うとカビや雑菌も空気中に拡散してしまいます。水を補給する場合は、古い水は捨てるか必ず使い切るようにしましょう。

一時的な加湿をしたいなら、霧吹きを使った方法が手軽でおすすめです。空中に直接ミストを噴霧するので、顔回りや気になる場所だけ加湿ができます。霧吹きの中にアロマオイルなどをプラスしておけば、香りも楽しめるのでルームフレグランスのようにも使えます。水を入れたままにはせず、こまめに新鮮な水と取り換えれば清潔に保てます。

家庭で手軽に蒸気を発生させたいなら、やかんや鍋でお湯を沸かす方法がおすすめです。水を火にかけておくだけで湿度を上げられます。蒸気の量が多い傾向にあるので、やかんの上記の吹き出し口のすぐそばに壁がある場合は、壁が濡れる場合があります。

また、蒸気を発生させようと考えるあまり、水分がなくなるまで火にかけて空焚き状態にしないように気を付けてください。

わざわざ何か準備するのは面倒でも、簡単にできる方法があります。入浴後にバスルームの扉を開放しておけば、バスルーム内の蒸気を室内に広げられるので、簡単に室内の加湿ができます。特に乾燥が気になる場合は、バスタブのフタも開けておくとさらに加湿力がアップします。

加湿のしすぎにならなってしまわないように、ある程度加湿されたら扉を閉めておきましょう。ペットや小さな子どもがいる場合は、思わぬ事故につながらないようにバリケードなどを用意しておくのもおすすめです。

電気を使わない簡易加湿器を使うのも1つの方法です。グラスやトレイに水を入れ、紙やフェルトの素材に徐々に浸み込ませ、そこから水分が蒸発して加湿を促します。小振りなものがほとんどなので、デスクまわりや省スペースに済ましたい場所にもおすすめです。

植物や動物の他、富士山などの景色やキャラクターの形を模したものなどさまざまな種類があるので、お部屋に色どりをプラスしたい人にも最適です。100均などでも購入できますよ。

さまざまなメリットのある加湿ですが、加湿のし過ぎはデメリットに繋がります。65％程度までの湿度は健康的に過ごせますが、それ以上になるとカビの発生につながります。カビは、黒ずみなどの見た目の問題だけではなく、カビの胞子を吸い込むと肺に深刻な病気を引き起こす原因になる場合があります。

加湿器を使って加湿するなら、湿度を設定できるモデルを使うのがおすすめです。設定ができない加湿器を使う場合は、湿度計を設置して適切な湿度になっているか確認するなどの工夫をするのが大切です。

冬場は特に乾燥しやすい季節です。空気が乾燥をしていると、風邪やインフルエンザなどのウイルスが活発になります。加湿器の正しい使用方法を知り、快適な環境を維持して乾燥知らずの冬を過ごしましょう。