加湿器はいつまで使う？｜何月まで？一年中必要か時期もチェック

乾燥対策に欠かせないものといえば加湿器ですが、冬の時期に使うイメージを持つ方も多いようです。一般的に加湿器は4月ごろまで使われますが、気温が高い夏でも、空調をつけると喉の乾燥が気になることも多々あります。実際は、いつからいつまで使うのが正解なのでしょうか。

実は加湿器はほぼ1年中、何月まででも使えます。加湿器の出番は冬場のみではなく、花粉の季節や夏の乾燥にも効果があります。今回は加湿器の性能を十分に活かして一年中活用できるさまざまな使い方を紹介します。

今回は、加湿器が冬以外の季節に使える理由とともに、加湿器の「効果的な使い方」についても紹介します。ぜひ参考にして加湿器を効果的に使用してください。

加湿器は乾燥が気になる季節に使う方が多いようです。一般的には10月下旬から11月に出して、4月頃まではそのまま使い続けるパターンです。冬場の風邪対策や乾燥に気を付けたい場合は、この時期から使い始める傾向があります。

加湿器を使うと室内を好みの湿度に保てるので、乾燥が気になるのであれば1年中使っても問題ありません。湿度には絶対湿度と相対湿度があり、一般的にいう湿度とは相対湿度を指します。詳しくは次の項目で説明しますが、気温の低い季節に加湿器が活躍するのは湿度が下がってしまうためです。

加湿器がいつから必要なのかについては、住んでいる地域によっても変わります。エアコンの暖房を使うと空気が乾燥するので、寒くなるのが早い地域だと早めに使う方が多い傾向にあるようです。一般的な目安になっているのは、20度以下の日が続くようになる頃です。

もちろん、暖房機器による乾燥以外にも加湿器は活躍します。空気が含むことのできる水分量の最大値である飽和水蒸気量は、気温が高いほど多く気温が低いほど少ない性質があります。そのため、気温が下がると空気中に含まれる水分量が低下して空気が乾燥します。

その乾燥を放置していると喉を痛めやすいので、寒さや乾燥を感じ始めたら加湿器を使うのがベストです。喉が弱い人であれば、乾燥対策に1年中使っている人も少なくありません。

加湿器は空気中に舞っている花粉や小さなホコリの対策にも効果的です。空気中に水分が多くあると花粉の飛散が落ち着き、空気中に舞うのを防げます。加湿器を使って湿度を上げ、室内の花粉対策をしましょう。

締め切ったつもりでも部屋の中に花粉は飛ぶので、花粉症の症状が出る前から加湿器の使用をおすすめします。また、ハウスダストが気になる人にも、同様の理由から加湿器の使用をおすすめします。

夏場のクーラーによる乾燥で、体の健康や美容面に不調が起きることがあります。クーラーで風を送ることは、空気中の水分を減らし粘膜や肌・頭髪の乾燥の原因になってしまうのです。乾燥を感じた場合は、加湿器とクーラーを上手に利用しましょう。

加湿器を使う場合は、クーラーの吹き出し口や冷風が直接あたる場所には置かないようにしてください。冷えた空気は下に溜まるので、机の上など少し高い位置に設置することをおすすめします。

加湿器で湿度を上げると、室内の空気環境がよくなります。暖房時にありがちな喉のいがらっぽさはもちろん、他のシーズンでも「なんとなく埃っぽいな」などと感じにくくなるのがメリットです。空気中の水分量を適切に保てれば、冬場の乾燥で起こりやすいフローリングのきしみ防止対策にもなり、人も住まいもまるごと快適になります。

風邪やインフルエンザのウイルスは、室内の湿度が下がると飛散が広がり活動が活発になります。また、人の身体の粘膜は空気の湿度が40%以下になると体温で水分が蒸発し乾燥してしまい、ウイルスに対する防御力が低くなるのです。

呼吸器系やのどの粘膜は、空気の乾燥によって防御機能が低くなってしまいます。室内の湿度を上げウイルスの活性化と身体の防御機能が低下することを防ぎ、風邪やインフルエンザの予防をしましょう。

髪のパサつきや皮膚の乾燥の原因の1つは、空気の乾燥により身体から水分が蒸散してしまうことです。空気の乾燥は健康面だけでなく美容にも良くありません。髪の水分量が減ってしまうと、つやがなくなり乾燥が進んでしまいます。

肌の水分量が10%以下になると肌がかゆくなりカサつき、乾燥肌の状態になってしまいます。加湿器を上手に使うことで、乾燥が原因になる不調をケアすることが可能です。

体で感じる温度である体感温度を高める方法は、暖房器具の設定温度を上げることのみではありません。加湿器で部屋全体の湿度を上げることで体感温度を上げることができます。

湿度が上がることによって体感温度も上昇しますが、湿度にも左右されます。一例ですが、湿度30％と60％では温度が同じでも体感温度は1～2℃違うとも言われています。暖房器具の温度設定を上げるよりも環境にも財布にも優しく、省エネである点がメリットです。

人が快適に過ごせる湿度は40%〜60%です。室内が乾燥していると、ウイルスが好む環境になってしまい、体調不良の原因となります。そのため室内の湿度を60%前後にキープしておくのがおすすめ。また、一年を通して赤ちゃんに最適な湿度は50～60％です。

湿度を測れる加湿器を使っていない人は、湿度計を1つ設置しておきましょう。湿度計があれば、加湿のし過ぎを防げます。加湿器を使っている際は、こまめに部屋の湿度チェックを忘れずに行ってください。

部屋の湿度が60%を超えると、結露の原因になったり室内にカビが発生したりしてしまいます。加湿のし過ぎということは、室内がじめじめしてしまうということです。梅雨時期のじめじめした状態を作ると室内に発生したカビ菌を吸い込むことになります。

カビ菌が体内に入ると体調不良を引き起こす可能性があるため、適切な湿度を保つよう心がけましょう。一般的には4月くらいで加湿器を止める人が多いというのも、自然と湿気が増す季節になるからです。

加湿器は基本的に、夜の時間帯も含め1日中つけっぱなしでもかまいません。寝るときに電源を付けて加湿したままでも、体調面で大きな変化が出る可能性は低いでしょう。また、安全装置が付いている加湿器なら水がなくなるとアラームで知らせたり、自動で運転を停止します。

ただし、暖房を切って寝る場合は異なります。部屋の温度が下がると加湿が進み、湿度は予想以上に上がってしまいます。それによってカビや結露が発生するおそれがあるため、切タイマーを有効に使用し、湿度の上がり過ぎを防ぎましょう。

効果を感じるためにも、加湿器を使うときはなるべく部屋の中央に置きましょう。加湿器から吹き出す水蒸気を室内全体に拡散させるためには、置き所は部屋の真ん中がおすすめです。

また、加湿器から出る水蒸気が肌についた瞬間は潤ったように感じますが、皮膚に吸収されるわけではありません。水蒸気が肌につくと、蒸発するときに皮膚が保水していた水分も一緒に出て行ってしまうので、人からは少し離れた場所に置くのが適切です。

加湿器を置いてはいけない場所は以下のとおりです。

• 水分に弱いパソコンや家電の近く
• 加湿した空気が逃げてしまう換気扇の下や扉の近く
• 水分が冷えて結露ができやすい窓の近く
• 水分に弱い紙類の近く
• 空気が冷えて結露ができる床の近く

上記のほかにもカビが発生しやすい押し入れ、たんすやキャビネットなどの家具の近くは避けましょう。特に本棚付近は、本棚のみならず中に並べた本も湿気を吸ってしまいます。加湿するときは設置場所に気をつけましょう。

乾燥が気になりだした段階で加湿器を使う方が多いですが、長期間使用する加湿器は、シーズン初めのお手入れが肝心です。加湿器をしまう前に入念なお手入れをした方も、使用前にはきちんとお手入れしてから使い始めることをおすすめします。用意するものは以下のとおりです。

• 水またはぬるま湯
• クエン酸

クエン酸を溶かした水やぬるま湯で加湿器をつけ置きします。汚れの具合によっては、振り洗いや中性洗剤による仕上げ洗いを行ってください。これはあくまで一例であり、加湿器ごとにお手入れ方法は多少異なります。禁止事項などを念頭におき、説明書をよく読んでから行ってください。

加湿器を利用した後は、毎回必ずタンクに入っている水を捨ててください。そのままにしておくと水が古くなりカビや汚れが発生してしまいます。捨てずに使用すると水蒸気と一緒に汚れが飛散し、健康面で良くありません。捨てた後は水を少量入れて蓋をし、内部の振り洗いをしましょう。

タンクやフィルターのヌメりなどのしつこい汚れが付いている場合もあります。これは歯ブラシなどでこすって落としてください。汚れがひどい、場合はクエン酸を溶かした水をタンクに淹れて1時間程運転しましょう。その後もう一度水を入れて振り洗いすると、加湿器全体をきれいに洗浄できます。

加湿器は乾燥対策として一年中使えると紹介しましたが、ここでは一年中加湿器を使わない方へ向けてシーズンオフの正しいしまい方を説明します。

1. 取扱説明書でパーツの分解方法と水洗い不可のパーツを確認する
2. タンクと分解したパーツを水洗いする
3. 汚れがひどい場合はクエン酸水で掃除する
4. 掃除が終わったら、しっかり乾かす
5. ホコリが入らないようにカバーやビニール袋をかける
6. 湿気の少ない場所に立てた状態で収納する

水洗いできるパーツ、できないパーツは加湿器によって異なります。お手入れ前に取扱説明書で必ず確認してください。また、カビや故障を発生させないために、しっかり乾かしてから収納することが大切です。

加湿器の使用は健康面で大きなメリットがあることを解説してきました。乾燥が気になる時期よりも前から加湿することで、体調や美容面のケアが上手にできます。また、空気の乾燥が気になる秋や冬だけでなく、春先から加湿器を使えば花粉対策にも。加湿器を効果的に使って乾燥対策を行いましょう。