空気清浄機で換気できる？｜酸素濃度や換気機器との違いなどを解説！ランキングも

空気中に浮遊するハウスダストや花粉などを除去し、空気をきれいにしてくれる空気清浄機。最近では脱臭機能が付いていたり加湿機能がついていたりと、室内環境をより快適にする商品が多く販売されています。

そんな空気清浄機ですが、1台あれば換気は不要だとお考えの方は意外と多いのです。実は空気清浄機は空気を循環させる機械であり、換気の機能は持ち合わせていません。そのため別途で換気が必要となります。

この記事では、空気清浄機の仕組みや役割について解説し、おすすめの最新機種3選をご紹介します。記事後半ではかしこい換気方法を、お部屋のタイプごとにご紹介します。窓が1つしかないお部屋や、窓がないお部屋の換気方法にも触れて行きますので、是非ご覧ください。

「空気清浄機と換気機器はどっちがいいの？」「換気扇ない場合は空気清浄機で代用できる？」など疑問に思う方も多いです。ここではそんな疑問を解決する、換気機器と空気清浄機の違いを説明し、なぜ別途で換気を行う必要があるのかについて解説します。

換気機器と空気清浄機での空気の流れは異なります。空気の流れを仕組みから理解し、換気機器や空気清浄機を上手く利用しましょう。

部屋の壁や天井についている換気機器（換気口・24時間換気システム）は、すべての建築物での設置が義務付けられています。換気機器の1つである換気扇は、自宅のお風呂・トイレ・洗面所などに設置されており、室内の汚れた空気を外に出す役割を担っているのです。

反対に、給気口は外の新鮮な空気を室内に入れる役割を果たします。このような仕組みで室内の空気の入れ替えを行っているわけです。

空気清浄機は室内の空気を機械に取り込み、ろ過するしてきれいにする役割をになっています。空気清浄機には全面パネル・集塵フィルター・脱臭フィルター・ファンが搭載されています。

ファンを回転させて室内の汚れた空気を吸い込み、空気と一緒に吸い込んだ花粉やホコリなどの粒子やイヤな臭いのもととなる物質を集塵フィルターに吸着させ、きれいな空気を排出しています。空気の入れ替えを行う換気機器とは違い、室内空気の循環を行っているものが空気清浄機です。空気清浄機の仕組みについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

「空気清浄機があれば換気機器はいらないのでは？」と思う方もいますが、先述の通り、換気扇は室内の空気を換気させるものです。そのため、外気を取り入れるて人間が発生させた二酸化炭素を屋外の酸素と交換し、室内の酸素濃度を維持できます。

しかし、空気清浄機は室内の空気を循環させるだけです。つまり、人間の呼吸によって低下した酸素濃度は戻せません。そのため、空気清浄機を使用していても換気は必要となります。

空気清浄機には、細菌を吸着して除去する働きがあります。500nm以下の浮遊物であるウイルスを逃さず捕集するためには、浮遊物よりも細かい目のフィルターが必要です。その役割を担う集塵フィルターがHEPAフィルターです。

HEPAフィルターは、JIS規格で「定格流量で流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」と定義されています。

最近では、静電気を利用してフィルターの吸着をアップさせた「静電HEPAフィルター」搭載機種が主流となり、細菌の除去率は非常に高くなっています。このように空気清浄機は、風邪やインフルエンザなどの感染症対策として活躍します。

空気清浄機では花粉やハウスダストも吸着・除去が可能です。スギ花粉の大きさは30~40μm、ハウスダストの大きさは10~40μｍ、PM2.5の大きさは2.5μｍ程度です。そのため、細菌と同じように空気清浄機のHEPAフィルターで吸着し、ろ過することができます。

花粉やハウスダストなどはアレルギー反応を引き起こす原因となるため、アレルギー源を除去することでアレルゲン対策になります。

空気清浄機では臭い対策もできます。消臭方法にはいくつか種類がありますが、花粉や最近の除去と同じようにフィルターを使用した消臭方法には、脱臭フィルターを用いた方法と電気集塵方式の2種類があります。

脱臭フィルターを用いた方法では、粒状の活性炭を貼り付けたフィルターに臭いの元を吸着させて臭いを除去します。一方、電気集塵方式では、プラスに帯電させた粉塵とマイナスに帯電させたフィルターとがくっついて集塵し、脱臭を行う方法です。

センサーが臭いを感知し吸収するため、気になるペットの臭いや生乾きの臭い対策にも有効です。また、本格的な臭い対策には脱臭機がおすすめとなります。以下の記事で詳しくご紹介しますので、是非ご覧ください。

一戸建ての場合、マンションよりも窓が多いことがほとんどです。しかし、窓をすべて開ける必要はありません。2箇所の窓を開けて空気の通り道を作り、換気を行いましょう。このとき、2つの窓が対角線上にあるとより効率的に換気を行えます。

ただし、窓と窓の距離が近いところでしか空気の流れができませんので、注意が必要です。

マンションの場合、一戸建てよりも周りの建物によって風が入りにくかったり、窓が1つしかなかったりする可能性が高いです。風が入りにくい場合は、空気が入ってくる方の窓を小さく開け、空気が出る方の窓を大きく開けて換気を行いましょう。

こうすると、小さく開けた隙間から空気が勢いよく入り、大きく開けた隙間から室内の空気が出て行きやすくなります。窓が1つしかない場合の換気方法については、後で解説します。

窓が1つしかなかったり、窓がなかったりする場合、換気はどのように行えばいいのか悩む人もいます。ここではかしこく換気をする方法を説明していきます。

窓が1つしかない場合、扇風機を使って換気を行いましょう。換気方法は扇風機を外に向けて設置し、窓を開けるだけと非常に簡単です。扇風機を外に向けると室内の空気を外へ流すせるため、効率よく換気を行えます。

扇風機がない場合は、換気扇を使用しましょう。換気扇を運転させるて窓から給気を行い、換気扇で排気を行います。ただし、窓と換気扇の位置には注意が必要です。先述の通り、距離が近いと狭い範囲での寒気しかできません。

なるべく窓と離れている換気扇を運転させて、効率よく換気を行いましょう。

窓がない場合は、トイレや浴室に設置してある換気扇を使用しましょう。こちらも換気方法は簡単で、換気扇が設置してある部屋に扇風機で空気の流れを作るだけです。扇風機で室内の空気を換気扇の元へ運び、排気させる仕組みとなっています。

室内に設置されてる換気扇の中でも、台所の換気扇は排気量がとくに多いです。そのため、室内の空気を台所へ流すとより効率的に換気を行えます。

「窓開けたら意味ないのでは？」と思う方もいますが、室内を安心な状態に保つには、換気と空気清浄機はどちらも必要です。人の居場所から約6畳程度の範囲内に空気清浄機を設置し、外気を取り込む風向きと空気清浄機の風向きを一致させると、空気のよどみを発生させないようにできます。

特に真夏や真冬、花粉の時期などの気候条件が厳しいときは換気効率が低下し、密閉空間になりがちです。夜間などの時間帯や、屋内に人が集まるときも同様です。そのため、換気の悪い密閉空間を改善するために、換気と空気清浄機の併用が有効となります。

空気清浄機はあくまで室内の汚れた空気をろ過し、循環させるものです。人間の呼吸によって低下した酸素濃度は戻せないため、換気は必須となります。空気清浄機は、花粉やハウスダストなどにも使えるため、一年中使用可能です。空気清浄機と換気を上手く併用し、きれいな室内環境を保ちましょう。