エアコンの寿命は？何年使えるか解説｜20年～30年壊れない？買い替え時期も

日立・ダイキン・シャープなどさまざまなメーカーから販売されているエアコンは、暑い夏や寒い冬を乗り切るために欠かせません。最近ではフィルターを自動洗浄するお掃除機能など、役立つ機能の付いたものも増えています。

そんなエアコンを使っていて「異音がした」「送風から異臭がする」といった経験はありませんか？20年・30年と使い続けたいものですが、エアコンの異常は、寿命を迎えているか故障の可能性があります。実際「長年使っていて壊れないが何年使える？」と疑問に思う方もいるかも知れません。

本記事ではエアコンの寿命についてのほか、壊れる前兆や買い替え時期や買ってはいけないエアコンメーカーについてなどを解説します。買い替えの際に気をつける点や、おすすめのエアコンについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

エアコンの寿命はおおよそ10年程度です。エアコンには設計上の標準使用期間が設定されており、ほとんどのメーカーが10年と定めています。ただし13～15年の使用例もあり、絶対的なものではありません。

とはいえ20年も経てば故障のリスクが高まり、現行モデルと比べて省エネ性能もより低いため電気代がかさみます。そのためランニングコストを考えると、故障の有無を問わず古い機種は買い替えるのがおすすめ。30年以上運用できる機種はほぼありません。

寿命を延ばすため夏だけエアコンを使う方もいますが、おすすめできません。なぜなら長期間使用しないとエアコン内部に埃が溜まり、故障しやすくになるためです。むしろ寿命を縮める原因になるため、月に1度はエアコンを稼働させましょう。

先述の通り、日本市場におけるエアコンの寿命は10年程度です。寿命の判断基準として補修部品の最低保有期間・設計上の標準使用期間が挙げられます。各メーカーとも製造したエアコンの補修部品は少なくとも10年間保有するのが一般的。また日本メーカー製エアコンの多くは、設計上の標準使用期間を10年と定めています。

なお、内閣府が2018年に発表したエアコンの残存率を要約すると下表の通りです。20年で約1割まで減少する点を覚えておきましょう。

兆候・サインの1つ目はエアコンや室外機からの異音です。異音がする場合は室内機の送風ファンが故障していたり、室外機のコンプレッサーが故障していたりといった可能性が考えられるほか、両方とも故障している場合もあります。

フィルターの目詰まりが原因である場合は定期的な掃除によって改善が見込めます。送風ファン・コンプレッサー故障している場合は、業者に修理を依頼しましょう。なお、修理後間もなく不調になるような場合は買い替え推奨です。

兆候・サインの2つ目はエアコンの送風からの異臭です。送風から異臭がするのはフィルターに繁殖したカビが原因と考えられます。フィルターに付着したカビは、定期的に掃除をして取り除き可能です。

送風ファンなどにカビが付着している場合、自分で掃除するのは難しいので専門の業者にクリーニングしてもらうのをおすすめします。買い替える必要はありませんが、そのまま使い続けると健康面に害を及ぼす可能性もあります。こまめに手入れをして、内部を清潔に保ちましょう。

兆候・サインの3つ目は、エアコンの効き目が悪いと感じた時です。冷暖房の効き目が感じられない場合はエアコンの冷媒ガスの容量が少なくなっている・もしくは漏れているおそれがあります。

上記の問題はフィルターの定期的な掃除によってある程度改善・予防可能ですが、基本的には修理が必要です。エアコンの修理費用は高くつく場合が多いため、買い替える方が安上がりになる可能性も。特に使用歴が10年を超える場合は買い替える方向で検討しましょう。

エアコンが操作できない原因として、リモコンの電池が切れている・エアコン本体が壊れているといった可能性があります。このような場合は、まずリモコンの電池を交換してみましょう。

リモコンが原因ではない場合は、本体の運転ボタンを直接押して動作確認を行います。やはり反応がない場合は、本体の故障を前提に対応するのが現実的です。

エアコンの吹き出し口から水漏れする問題の多くは、結露によるものです。結露はドレンホースやフィルターに問題がある場合に生じます。ドレンホースは外にあるため、ホコリやごみなどが詰まって逆流し、吹き出し口から水が落ちている可能性があります。

対応方法としてはホームセンターで専用のポンプを購入し、水漏れ部分を吸い出してみましょう。またフィルターが汚れている場合も水漏れしやすいため、適宜掃除が必要です。以上を試しても改善されない場合は、本体の買い替えを検討しましょう。

エアコンの使用中にブレーカーが頻繁に落ちる場合は、本体の異常が考えられます。特に漏電している場合は火災につながるため、大変危険です。上記のような場合はまず、電子レンジ・電気ケトルといった消費電力の大きい機器の併用を疑いましょう。

他の機器類の使用状況に問題がない場合は、エアコン本体の故障による可能性が高いです。漏電の危険性を考慮し、専門業者に立ち会ってもらいましょう。

エアコンを利用する際には、稀に故障していなくとも正常動作しない場合があります。このように寿命と間違える可能性がある症例・確認ポイントをピックアップしましたので、下表をご参照ください。

1つ目は、適切な設置場所です。エアコンは内部にホコリや汚れが溜まると運転時に負荷がかかり、故障の原因になります。さらに、側にタンスなど設置しているとタンスの上に溜まった埃が侵入する可能性もあります。また、エアコンを設置する際は結露が起こりにくい場所を選ぶのがおすすめです。

そして室外機はできるだけ直射日光に当たらない場所に設置してください。夏は日差しが強いので、日よけのカバーを被せるなど対策が必要です。エアコンだけでなく、室外機の設置場所にもこだわり寿命を延ばしていきましょう。

エアコンの設置場所については、以下の記事で詳しく解説しています。

2つ目は、定期的な掃除です。室内機は2週間に1度はフィルターを外し、掃除機でホコリを吸い取りましょう。カビが付着している場合は丸洗いが効果的ですが、洗った後はしっかりと乾かしてから装着してください。濡れたままでは再びカビが繁殖しやすくなります。

室外機は外にあるので、砂や枯れ葉が詰まりやすいです。1年に1～2回ほどでいいので、室外機の周りをきれいにしましょう。側面のフィルターについた汚れを歯ブラシで落とすと尚効果的です。エアコンを長く使うためにも、掃除は定期的に行いましょう。

エアコン掃除については以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

3つ目は、日頃から適切な温度で使用することです。人によって体感は異なりますが、環境省が推進する室温は28度となっています。ただし、エアコンの温度を28度にしたからといって室温が28度になるわけではないので、エアコンの温度を上下して適温にしていきましょう。

エアコンの設定を間違ったりすると電気代が高くなったり、体調不良の原因となるもあります。季節によって無理のない程度に適温を保って正しいエアコンの使い方をしてみてください。

4つ目はエアコンを定期的に動かすことです。エアコンを使用するのは暑い夏や寒い冬の間だけのご家庭も多いと思います。しかし、長い期間使用しないと内部にほこりが溜まってしまいます。

この状態でエアコンを動かしてしまうと、冷暖房の効きが悪くなり、エアコンに負担がかかってしまいます。その為、エアコンを使用しない期間でも1ヶ月に1回は掃除をしてきれいな状態を保つことをおすすめします。

10年以上使っているエアコンが故障した場合、修理よりも買い替えるのをおすすめします。エアコンには標準使用期間のほか、各メーカーごとに部品の保有期間を設けており、約10年前後と定めています。

上記の理由により、製造から10年以上経過したエアコンが故障した場合は必要な部品がなく、修理を受け付けてもらえない可能性が高いです。また購入から10年以上経った新製品と比べて故障率が2倍も上がってしまうため、修理よりも買い替えの方向で検討しましょう。

エアコンを買い替える上で下調べは非常に重要です。まずは今使っているエアコンや室外機のサイズについて調べましょう。サイズを測る際は、メジャーで正確に測ってください。長さを間違えていると、購入した後でスペースに入らない場合もあります。

また、エアコンを取り付ける壁を調べるのも大切です。壁の中の梁や柱の位置次第では、エアコンの取り付けができない場合があります。柱の位置を調べるセンサーなどで、事前に場所を把握しておきましょう。

エアコンを買い替える際は本体以外の価格もチェックしてください。エアコンの購入時にダクトホースなどの付属品がつくか確認しましょう。ホースなどが付属していない場合、取り付けの際業者が用意するので、別途で追加費用が発生してしまいます。

料金の相場はさまざまですが、取り付け工事にももちろん料金が発生します。他にも既存取り外し費・既存処分費などがかかる場合もあるので確認が必要です。本体以外にかかる費用なども含めて、どのくらいの予算が必要になるのか確認しましょう。

エアコンを買い替える際は時期も重要です。夏はエアコンの需要が高いので、欲しい製品が売り切れてしまっている場合が多いです。売れている分取り付け業者も多忙なので、取り付け工事を依頼するまでに時間がかかってしまう場合もあります。

そのため、買い替えをするなら春か秋をおすすめします。特に秋は夏が終わってエアコンの購買意欲が下がっているので狙い時。除湿機能がついたエアコンを買うなら、じきに梅雨や夏を迎える春に購入するのがおすすめです。

価格が安いと、初期費用が少なくて済むのでつい飛びついてしまいそうになるかもしれません。ですが、価格の安すぎるメーカーの場合、室外機の音が他よりうるさいなどのデメリットがあるケースがあります。自宅の外で大きな音がするのは辛いですし、場合によってはご近所トラブルの原因にもなりかねません。

ほかにも、追加の工事費用を請求されたり、そもそも1年以内に故障してしまったりと、結局予算をオーバーしてしまうケースもあります。極端に安すぎる場合は、そういったリスクがある点を留意しておきましょう。

名前の知らない海外メーカーなども気を付ける必要があります。国内の大手メーカーの場合は、故障した場合に修理対応がスムーズですが、シェア率が低いメーカーやプライベートブランド製品の場合は、修理対応ができる業者が限られてきます。修理が可能でも、故障した部品を別途発注しなければならず、高額な修理費用が掛かってしまう場合もあります。

商品の性能については口コミである程度評判を確認できますが、エアコンのような金額の大きな買い物の場合は、できる限り国内などのシェア率が高い有名メーカーがおすすめです。

新品のエアコンならメーカーが部品を保管してくれていますが、中古の場合は対応した部品の保管期間を過ぎている場合があります。そもそも部品がなければ修理はできないので、古い型の場合はメーカーの方で修理は非対応となってしまうケースも珍しくありません。

どうしても中古エアコンを購入する場合には、メーカーにかかわらず保証内容と部品の在庫を確認しておきましょう。経年劣化などもあるので、なるべく新品のものを購入するのがおすすめです。

賃貸物件のエアコンの交換は、賃貸契約書の「設備に関する記載事項」に基づいて実施するのが原則です。契約の際には記載事項を確認しておきましょう。

部屋のエアコンが貸主所有の設備であれば、修理・交換が必要になった場合に貸主が費用を負担するケースがあります。以下に当てはまるものがあれば、貸主もしくは管理会社に相談してみましょう。

• 一般的な耐用年数を超えている製品
• 経年劣化による故障がある
• 異臭がひどい
• 本体や室外機の音がうるさい

なお、利用者が自費で付けた設備については交換の対象外とみなされる可能性があります。

エアコンは冷蔵庫と同様に「家電リサイクル法」の対象であり、処分の際には有料で専門業者に引き取ってもらう必要があります。粗大ごみとしての廃棄は違法行為に当たるため、避けましょう。

なおメーカー・販売店によっては処分代行のサービスを提供している場合があります。エアコン購入の際には、あらかじめ処分の要領まで確認しておくのがおすすめです。

エアコンの寿命はおおよそ10年程度ですが、こまめな掃除や手入れによって寿命を延ばせます。また、10年以上使用しているエアコンは、下手に修理するよりも新しく購入した方が安く済む場合もありますのでチェックしてみてください。本記事を参考に、自宅のエアコンに適した対応を試みましょう。