エアコンのおすすめな設置場所を徹底解説｜取り付け場所がないときの対処法も！

今やエアコンは生活に欠かせない存在の1つですよね。最新のエアコンはパワフル冷暖房でありながら節電もできるタイプが人気です。しかし最新エアコンを購入しても、設置場所を間違えるとせっかくの冷暖房効率や節電効果が得られなくなります。

そうした事態を避けるためにも、エアコンの稼働に最適な設置場所や条件をチェックしましょう。エアコンを最適な場所に設置すると、運転効率がよくなり、節電につながります。また室内機・室外機の置き方も、エアコンの機能を最大限に活かすためには重要です。

そこで今回は室内機と室外機のおすすめな設置場所・NGな設置場所をまとめて解説します。エアコン設置に関する疑問・トラブル・狭いマンションの寝室など取り付け場所がない方や設置位置を変えたい方への対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

エアコンの省エネ性能は、APF（通年消費エネルギー）指標で表します。APF（通年消費エネルギー）が高いほど、運転効率よく省エネ性能が高いです。運転効率がいいエアコンは、無駄なエネルギーを使わず本来の性能を発揮できます。

しかし、いくら省エネ性能がいいエアコンを選んでも、設置場所が悪いとうまく空気が循環せず、エアコンが効きにくい場合があります。そうすると、結果的に電力を無駄遣いし、電気代の節約にはつながりません。

省エネ性能の高いエアコンを選ぶのも大切ですが、エアコンの設置場所も電気代に大きく関わる大事なポイントです。省エネエアコンについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

室内機の吹き出し口の真下に背の高い大型家具を置いてしまうと、跳ね返った風の温度に室外機のセンサーが反応したり、家具の温度を読みとったりして室内が設定した温度になりません。

特に、暖房時は風向きを下側に設定する場合が多いので、暖房の効果が弱くなります。温度や湿度に弱い素材の家具であれば、家具そのものが傷んだり内部にカビなどが発生したりする可能性もあります。

また、長方形の部屋に取り付ける場合は、できるだけ壁の短辺に設置しましょう。長辺に取り付けてしまうと部屋の両端に風が行き届きにくく、効率が悪いです。

エアコンの室内機の設置場所は、天井や左右の壁から最低5cm程度離した位置にしましょう。室内機を天井や壁ギリギリまでくっつけて設置すると、エアコンのカバーを十分開く高さがないため、メンテナンスや内部のフィルター清掃が困難になります。

また、エアコンの冷暖房は室内機から空気を吸い込み、室外機で冷やした（暖めた）空気を吐き出仕組みをしています。その際に、室内機の上部から空気を吸い込むため、室内機と天井の間に隙間が必要です。

室内機と天井の間に隙間がないと、故障した際に修理などができなかったり、空気を吸い込めず正常に機能しなかったりする場合があります。メンテナンスと効率の面から、室内機の設置場所は必ず天井から最低でも5cmは離しましょう。

エアコンは稼働時に排水する必要があるため、壁には配水管を通す穴が必要となります。配管用穴が室内機より高い場合、排水が逆流し故障の原因となるため、エアコンの室内機は配管穴より上になるよう必ず設置してください。

ただし、配管穴の位置が低すぎると室内機から延ばす排水管（ホース）が長くなってしまい、見た目がよくありません。できるだけ見た目をスッキリさせたい場合は、室内機と排水穴の距離を近くするか、または「隠ぺい式」方法がおすすめです。

隠ぺい式とは、壁のなかにエアコンの排水管を通す方法です。壁の表面に排水管が見えないので、室内の景観を損ないません。ただし、工事費用がかかったりエアコン取り替え時に面倒なデメリットもあるため、隠ぺい式にするかは十分検討しましょう。

室内に火災報知機（煙探知機）を設置している場合、エアコンとの位置関係によっては煙が散ってしまい、正常に火災を探知できない場合があります。

いざというときに探知機が作動しないと、大きな火事などの原因につながります。そのため、室内機の設置場所は火災報知機に影響を与えないように、1.5m以上距離を離して設置しましょう。

使用電力が大きいエアコンは専用のコンセントが必要です。通常のコンセントは電気を供給する量が少ないため、エアコンに使用した場合は電力不足で頻繁にブレーカーが落ちてしまいます。

そのため、市販の延長タップなども使えないので、エアコンの設置場所はエアコン専用コンセントの近くにする必要があります。無理に使用すると火災など原因になる可能性もあるので、絶対にやめましょう。

エアコンの室内機と室外機をつなぐ配管の長さも考慮したうえで、設置場所を決めましょう。エアコンは室外機で空気を温度調節し、それを配管を通して室外機に送っているため、配管が長いと途中で温度が変わってしまいます。

「エアコンの効きが悪い」と感じて温度設定を高く・低くしてしまうと、余分に電気代がかかるので、室内機と室外機の設置場所はできるだけ離さないようにしましょう。

室外機の設置場所は、メンテナンスや修理のため、外壁や塀から一定の距離をとって設置する必要があります。お使いのエアコンの機種にもよりますが、一般的には室外機の後面10cm・全面20cm・ホース設置側35cm・その反対側は10cmの空間が必要です。

室外機を置く際には上記の据付スペースが確保できるか確認しましょう。また、室外機は意外と振動するので、上部にものを置くと落下の危険性があります。安全のためにも室外機上部は空けておきましょう。

室外機の設置場所は、できるだけ外気温の影響が少ない場所を選びましょう。エアコンの温度調整は室外機で行われているため、室外機の設置場所によっては、空気の温度調整がうまく行われず運転効率が悪くなる可能性があります。

特に冷房時、直射日光が当たる場所では室外機が温まるので運転効率が落ち、電気代がかかります。また、雨が降りかかる場所も避けましょう。室外機の内部に水分が入ると故障の原因になります。直射日光や雨を避ける意味でも、軒下に置くのが望ましいです。

家の構造によって室外機の設置場所に軒がなかったり、どうしても日当たりのいいところしかなかったりする場合は、室外機専用の日よけや室外機カバーを設置するだけでも効果があります。わずかな費用をかけるだけで節電につながりますよ。

室外機は意外と重量があるので、でこぼこな場所や柔らかい地面に設置するのは避けてください。地面が柔らかいと室外機が傾いたり倒れたりして、故障の原因になります。また、振動や騒音などの悪影響も出てしまうため、地盤がしっかりとした場所に設置しましょう。

地面の状態がよくない場所にしか設置できない場合は、設置場所に台座となる板などを用意し、その上に室外機を設置するなどの対策をしましょう。また、室外機をブロックなどの上に乗せれば、室外機の下にゴミなどが溜まるのを防げ掃除もしやすくなります。

家の構造によって地面に室外機の設置場所が確保できないときは、屋根に置く方法や壁に取りつける方法もあるので、業者に相談することをおすすめします。

雪が降る寒冷地では、室外機の設置する場所や設置方法に特に気を配る必要があります。積雪により室外機が雪に埋まってしまうと、空気の通り道が塞がれてしまうため、エアコンが正常に機能しなくなります。

積雪や吹雪によるダメージを防ぐためには、防雪フードの設置や、室外機を高地台の上に設置するのをおすすめします。

窓の上に設置できるスペースがあればもちろん設置可能です。しかし、最近の住宅は窓が大型化しているものも多く、ギリギリのスペースしか確保できないけれど、ほかに取り付け場所がない場合もありますよね。最近では、そんなお部屋でも設置できるスリムタイプのエアコンが人気を集めています。

窓上の高さは45～55cmの住宅が多いです。たとえば、富士通ゼネラルの「ノクリア Cシリーズ」は高さ25cmなので、十分設置可能です。また、基本的には天井とカーテンレールの上下5cmは確保したいですが、モデルによってはもっと狭くても問題ない機種が存在します。

以下の記事では、スリムな薄型エアコンについて詳しく紹介しています。ぜひチェックしてください。

設置場所によっては、白くて大きいエアコンは部屋の中で浮いてしまうケースもあります。生活の必需品のエアコンは「できれば目立たせたくない」「浮かないデザインが欲しい」と思う方も多いですよね。

もちろんスリムなエアコンを選ぶのも1つの手です。しかし、あえてデザイン性の高いエアコンを選ぶのもおすすめです。最近のエアコンは白以外のカラーや木目調など、デザインやカラーのバリエーションが豊富にあります。おしゃれなエアコンは、以下の記事でも紹介しています。

賃貸の場合、基本的にはエアコンの設置場所は定められた場所になります。しかし、そもそもエアコンの設置する穴が備えられておらず自分で設置したい場合は、必ず大家さん・管理会社に確認を取ってから工事を行ってください。

また、退去時に修繕費用は必要か、工事費用はどちらが負担するのかも確認しましょう。くれぐれも無許可でエアコンの穴をあけて設置しないでください。

「エアコンの位置を変更したい」「穴あけ工事に失敗してしまった」「設置場所に失敗してしまった」などの場合はは、まず工務店のような専門家・プロに相談するのが1番です。特に、筋交いを傷つけてしまうと、建物の耐久性に影響する場合もあります。

事前に場所決めや工事の打ち合わせを業者と念入りに行って、そのようなトラブルが起きる可能性をできるだけ減らしておくと安心です。また、業者選びも慎重に行いましょう。できれば見積もりは3社以上に出してもらい、信頼できる業者を選んでください。

賃貸で設置場所が限られてしまい、うまく風が行き届かなかったりエアコンが効かなかったりするトラブルに見舞われる場合もあります。そんなときは、サーキュレーター・扇風機の活用がおすすめです。

サーキュレーター・扇風機の風で空気を循環し流れを変え、部屋の中の温度ムラを解消します。効率よく部屋が冷やしたり温めたりできるので、無駄な電気を使わず電気代の節約にもつながります。

真夏には夜通し扇風機を回していてもとても暑くて眠れない日もありますよね。マンションの狭い寝室などでエアコンを設置するのは、体が冷えすぎて良くないのでは？と思うかもしれませんが、設置場所を考慮すれば問題ありません。

寝室ではエアコンは頭上を避けて設置するようにします。エアコンが頭上にあると、冷風が頭から足元に向かっていくため体を冷やす原因になります。また風が顔に当たり続けて喉を痛めたり、地震等でエアコンが頭に落下するリスクもあるため、布団やベッドからなるべく離れた場所に設置しましょう。

室内の構造により壁にエアコンを設置する場所や室外機を置くスペースが確保できない場合は、「窓用ルームエアコン」を設置しましょう。これは、名前の通り窓枠にはめ込むタイプのエアコンです。窓枠に穴を開けずに設置できるタイプもあるので、賃貸住宅でも使えます。

また、本体を移動できる「スポットエアコン」も便利です。ただし、こちらは暖房機能がない機種もあるのでよく確認してください。本体を移動できるので、ピンポイントで冷やしたい場所に持っていけるのが最大のメリットです。

注意としては、排気ダクト用に窓にパネルを設置する必要がある点です。部屋によって窓枠の大きさが違うときは、かえって手間がかかる場合もあります。しかし、一時的に使用したい場合はとても便利です。

エアコンは生活の必需品。そんなエアコンは室内機・室外機共に、設置場所によっては運転効率が悪くなったり、電気代が余分にかかったりしてしまいます。今回の記事では、エアコンの効率を上げ、余分が電気代がかからずにすむ設置場所をまとめました。ぜひ参考にしてください。