炊飯器の保温はいつまで？｜何時間まで食べられる？24時間以上は持つ？

多くの人にとって、ご飯は毎日の食事に欠かかせない一品であり、いつでもおいしいご飯を食べたい人は多いですよね。そんな時に使いたいのが炊飯器の保温機能。毎日お米を炊かなくても、美味しいご飯が食べられます。

最近の炊飯器は保温性能も向上しているので、たくさんのご飯でも40時間ほどの保温が可能です。しかし、炊飯器のご飯が余ってしまったとき、「何時間まで保温できるの？」「24時間以上保温すると腐る？」などと疑問に思いますよね。

高性能な炊飯器であっても、炊き立ての美味しさを長時間保てるとは考えにくいものです。そこでこの記事では、何時間までご飯をおいしく食べるられるのか、保温時間の目安やコツ、保温性の高い炊飯器を解説していきます。ぜひ炊飯器選びの参考にしてください。

一般的な炊飯器の保温時間は12～24時間です。保温時間の目安は説明書に記載されていて、その範囲であれば食べても問題はありません。ただし時間が経つにつれてご飯の風味は減少していきます。

保温時間の範囲はメーカーの違いや炊飯器の種類の違いによってさまざまです。マイコン式は12時間、IH式なら24時間、圧力IH式なら40時間もの長時間保温が可能になっています。不安なら事前にチェックしておくと安心です。

一方、保温ご飯の美味しさが保たれるのは5～6時間程度です。その時間を超えるとご飯のツヤや風味が徐々に落ち、味や食感が変わってしまいます。食すには問題ありませんが、美味しさが低下するのを知っておいてください。

たとえば朝7時にご飯を炊いた場合、お昼過ぎまでは美味しさのキープが可能です。ただし夜7時くらいになると、お米のパサつきや黄色がかりが目立ってきます。保温時間が長くなりそうなら、ご飯は炊飯器から出しラップに包んで冷凍保存しておくと安心です。

炊飯器はほとんどのメーカーが白米を長時間保温する想定で作られているため、味付き・炊き込みご飯の場合は長時間保温は推奨されていません。味付きご飯や炊き込みご飯は水分が多いため腐敗しやすいです。

また、水分・塩分などの調味料により臭い移りの心配や、パッキンや金属部分への影響も考えられるため、味付きご飯や炊き込みご飯は食べないものはすぐ冷凍するようにしてください。

新型炊飯器の中には、優れた保温機能を搭載した高性能な商品も販売されています。たとえば、スチーム保温や真空保温などは長時間保温に優れた保温機能です。スチーム保温は蒸気でご飯の乾燥を防ぎ、真空保温はお釜内部の空気を抜くのでご飯の酸化を防ぎます。

長時間保温によるご飯の劣化を防ぎ、美味しさを丸一日以上キープしてくれる便利な機能です。

ご飯を炊飯器で長時間保温すると、嫌な臭いが出てきます。この臭いは、米ぬかに付着した細菌の繁殖が原因です。さらに、温かい環境ではご飯の水分が徐々に蒸発し、乾燥して硬くなり食感が悪くなります。

また、ご飯の変色も長時間保温が原因です。これはご飯に含まれる糖とアミノ酸が反応してメラノイジンと呼ばれる物質ができ、この反応が進めば進むほどご飯は黄色く変色していきます。

保温中の炊飯器の中は70℃前後に保たれています。ご飯の腐敗原因となる細菌は60℃前後で繁殖できないため、たいていの場合保温していればご飯は腐りません。ただし、腐らないのは保温を切ったりフタを開けない場合のみで、炊飯器内の温度が下がれば細菌は繁殖します。

特に夏場の常温放置は腐敗に繋がりやすいので要注意です。細菌繁殖を防ぐには保温が必須ですが、こうなると次に気になるのが電気代になってきます。長時間保温した場合、電気代が上がってしまうので注意が必要です。

保温機能は便利なので、電気代が気になりながらも長時間放置してしまう方も多いはずです。ここでは象印のマイコン式・IH式・圧力IH式の3合炊き炊飯器を例にして、27円/kWhで保温に掛かる電気代を比較します。

電気代はマイコン式・圧力IH式・IH式の順で高くなる結果となりました。ただし、機種の新しさなども影響するので、それぞれの炊飯器で違う結果になる場合もあります。

保温時間はメーカーで決められており、決められた以上の保温時間で何らかの不具合が出ても補償の対象外です。ご飯は保温してる限り腐りませんが、黄ばみ・臭い・乾燥などが出てきて美味しさは低下します。

通常の炊飯器であれば、ご飯を美味しく食べられる保温時間は5～6時間。この時間を超えるとご飯の味が劣化するので注意が必要です。

お釜の中にしゃもじを入れたままにしておくのも、ご飯の美味しさの低下につながります。手でしゃもじの柄を持つと細菌が付着し、その細菌が付いたしゃもじをお釜に放置すれば細菌繁殖の原因となるのです。

温度が維持された釜の中は、細菌にとって絶好の繁殖場所です。きれいに洗った手にも細菌は付着します。ご飯の劣化にもつながるので、しゃもじはしゃもじ立てに置くのがおすすめです。

お釜の中に冷えたご飯を足すのも、美味しさの低下につながります。炊飯器に戻した冷えたご飯は温かいご飯と混じり、臭いが移ったりパサついたりして劣化が進行します。特に炊き込みご飯などの具材は傷みやすいので、冷えたご飯の継ぎ足しは避ける方が賢明です。

炊飯器を発売しているメーカーの多くは、白米以外のご飯の保温を推奨していません。炊き込みご飯は具材や調味料を混ぜて炊くので、保温すると内釜にニオイが本体内部に染み付く場合があります。

また、塩分を含む水蒸気で、金属部品やパッキンが傷つく場合もあるからです。白米以外を炊くときは、保温せず容器に移し替えるかラップに包んで冷蔵・冷凍保存をおすすめします。

炊飯器の蓋を何度も開け閉めしていると、保温していても炊飯器の内部温度は下がってしまいます。また、蓋を開けるとご飯が空気に触れる機会が多くなります。

空気中にはさまざまな菌が浮遊しており、ご飯に雑菌が入る原因になるので、なるべく蓋の開け閉めの回数は減らすようにしてください。

保温時間が長くなるとどうしてもご飯は乾燥するので食感が落ちます。やむを得ない場合は、ごはんを内釜の中央に寄せて乾燥を防ぎましょう。内釜との接触面を少なくすれば、水分が蒸発するのを少し抑えられます。さらに工夫を取り入れたいのであれば、保温シートもおすすめです。

炊飯器のお釜や内ふたは、お米を炊くごとに洗うようにしましょう。お米の主成分であるでんぷんは細菌にとって良質な栄養分です。つまりお米の洗い残しがあると最近の繁殖につながり、ご飯の美味しさは大きく低下します。

特に釜は細菌が発生しやすい箇所なので、使用後はできる限り洗う方がいいです。また内ふたも汚れやすく、細菌にとっては最適な繁殖場所です。ご飯の美味しさを保つ秘訣として、内蓋は清潔にしておきましょう。

食べきれないほどのご飯を炊いた場合、保存は保温ではなく冷凍がおすすめです。冷凍ご飯を美味しく食べられる期限は2週間程度で、食べる際に解凍すれば炊き立てに近い美味しさのご飯になります。

冷凍後に入れるときは1食分をラップなどで包んで、冷やしてから冷凍庫に入れます。金属トレイなどに置いて急速冷凍すると美味しさも保存可能です。また冷凍する際、ご飯が温かいと凍るまで時間が掛かり、冷凍室の温度が上がって他の食材を痛める原因になります。

ラップに包んで冷凍したご飯を解凍する場合は、電子レンジの解凍ではなく温め機能を使いましょう。ご飯温めの専用モードがあれば専用ボタンを使ってください。タッパーに入れて冷凍した場合は量が多いとムラができますので、別の容器や茶碗に小分けにするか、途中で取り出し混ぜてから温め直してください。

保温時間が短めなら、炊き立てのご飯をおひつで保存するのもおすすめの方法です。木製のおひつには以下の特徴があります。

• 余計な水分を吸収してベタつきを防ぐ
• 適度な湿度とお米のツヤを保つ
• 木の香りで風味が増す

旅館などで見掛けるおひつですが、ここにはご飯の美味しさを保つ秘訣が隠されています。ただし、長くても半日程度で食べきるのが大事です。

ご飯を美味しく食べるためには、60度〜70度で保温するのがベストです。たいていの保温機能は適温になるように設定されているので安心です。ですが、何度もふたを開閉したり、開けっぱなしにしている時間が長いと釜内部の温度が下がってしまうので注意が必要です。

ご飯が黄色っぽくなってしまう「メイラード反応」や雑菌の繁殖を防ぐためにも、温度の変化に気をつけましょう。

ご飯は保温機能を使えば美味しく食べられます。ただし、いつまでも保温し続けるのは厳禁で、美味しさを求めるなら5～6時間以内に食べきるのが理想です。なお、保温が必要ない方向けに保温機能なしの炊飯器も登場しています。下記リンクで紹介しているので参考にしてください。