エアコン漏電の原因｜ブレーカーが落ちる！室外機が原因？【確認方法も徹底解説】

夏場・冬場に快適な生活環境を整えるのに大活躍する家電、エアコン。特に夏場は、健康状態の維持のためにもなくてはならない家電ですね。そんなエアコンですが、使っていたら急に漏電ブレーカーが落るようになったといった経験がありませんか。

漏電を対処せず放置すると、感電や火災といった事故の原因になり、大変危険です。そのため、漏電を発見した時の対処方法が知りたい・どこに連絡したらいい？・そもそもどうしてエアコンが漏電するのか知りたい・買い替えすべき？と気になる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、エアコンの漏電の原因・漏電の確認方法・漏電に気づいた時の対処法について詳しく解説します。「ブレーカーが急に落ちるようになったときは？」「室外機が原因？」と気になる疑問や、漏電を防止するための対策方法も併せて解説するので、エアコンの漏電が心配な方はぜひ参考にしてください。

漏電とは、電気が本来通るルートである電気回路を外れて流れ出ることです。電気は電線やケーブルを通っており、通常は電気を通しにくいゴムやガラスなどの絶縁体で覆われています。しかし、この絶縁体が劣化したり傷が付いたりすると、その部分から電気が流れ出て漏電してしまうのです。

漏電は感電や火災の原因になり、非常に危険です。エアコンや室外機が漏電した際に「乾くまで放置すれば大丈夫？」と考える方もいますが、感電や火災の原因になるため放置せずにすぐに対処しましょう。

まず考えられる原因は、エアコンの部品の劣化や故障になります。特にエアコンをはじめとする電化製品の場合、ゴムのような絶縁体の劣化によるものが大半です。また、エアコンの寿命は10年ほどです。

急に落ちるようになったときには、コンプレッサーの故障が原因の可能性もあります。コンプレッサーは、冷媒ガスの圧縮機器が正常に機能することで、室内温度のコントロールが可能です。つまりエアコンの心臓部とも言えます。そのため、コンプレッサーが故障していればエアコンは動作しません。

エアコンを長期間使用していたり使用頻度が多かったりすると、それだけ劣化や故障が早まります。エアコンの寿命や故障については下のリンクでも詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

漏電が疑われる場合に、室外機は業者が必ず確認する箇所です。室外機の漏電の原因は主に2つあるので、当てはまる内容があるかチェックしましょう。

室外機は大量の空気を取り込んだり排出したりするため、風通しのいい場所に設置しなければいけません。その結果、必然的に雨がよく当たったり雨水が流れ込んだりする場所に設置されることが多いです。

室外機は雨水の侵入を見越して設計されていますが、それでも室外機の内部にある電子制御部分に水が流れ込んで漏電を引き起こすことがあります。

室外機の中にはコンプレッサーという部分があります。コンプレッサーとは、エアコン本体と室外機の間を通る冷媒ガスを圧縮する部分です。コンプレッサーを動かすためにはオイルが必要ですが、オイルの中に圧縮され液体になった冷媒が混ざることがあります。

これを放置し再稼働するとコンプレッサーの故障の原因になるため、コンプレッサーは液体を徐々に気化して放出するヒーターとセットの設計です。ヒーターの部分はその性質上コンプレッサーの振動や温度変化によって絶縁体が劣化しやすく、漏電を引き起こすこ可能性が高くなります。

水や虫がエアコンに侵入することも漏電の原因の1つです。冷房は吸い込んだ空気を熱交換器に通して冷やすことで室内に排出しますが、このとき空気が冷えると、空気中に含まれていた水分が結露となって発生します。

その水分はエアコンの内部からホースをつたって室外に流れる構造になっていますが、排出がうまくいかないと、電子制御部分に水分が侵入する可能性があるのです。

また、エアコンは壁に穴を開けて室内機と室外機を繋いでいるため、外からナメクジなど虫が侵入し、基盤に触れたり配線を傷つけたりすることで漏電することもあります。

屋内配線が原因のこともあります。エアコンの設置の際には電気を地中に逃がすアース工事がされることがほとんどです。アース工事は接地工事ともいい、電気の過剰供給が万が一起こった際に電気を逃がす役割を持っています。

アースを取っていないような屋内配線に問題がある場合は、専門的な知識を有している電気工事士ではないと修理できません。対処方法を間違えると、感電する可能性があります。エアコンそのものに問題がない時は、屋内配線の問題である可能性が高いです。

その場合、配線の修理だけではなく、他の場所が漏電していないかの確認作業を必要とする場合があります。自己判断で対処せず、プロに任せましょう。

海沿いに住んでいる場合は塩害によって漏電することがあります。水は電気を通しませんが、塩が含まれると通電するようになるので、漏電の原因となるのです。そのため、海沿いに住んでいる方の場合は、海水に含まれている塩分が電線と反応して漏電を起こす可能性があるので注意しましょう。

また、海沿いに住んでいる場合だけではなく鉄筋コンクリートの住宅の方も塩害による漏電を引き起こすことがあります。コンクリートの中には塩化物イオンが含まれているため、この塩化物イオンがコンクリートを腐食させる過程で電線と反応して漏電の原因となるのです。

エアコンの漏電が疑われる場合は、まずブレーカーを確認しましょう。一般家庭のブレーカーにはブレーカーには3つの種類があり、左からアンペアブレーカー・漏電ブレーカー・安全ブレーカー(小ブレーカー)の順に並んでいます。

ここで、漏電ブレーカーが作動している場合は注意して対応しなければなりません。漏電ブレーカーをすぐに戻すと火災につながるので、漏電ブレーカーは戻さずに漏電している場所を特定する必要があります。下の手順に沿って確認してください。

1. すべてのブレーカーを切る
2. アンペアブレーカーを入れる
3. 漏電ブレーカーを入れる
4. 安全ブレーカーを1つずつ入れる
5. 安全ブレーカーを入れている際に漏電ブレーカーが切れた場合、そこが漏電箇所
6. 切れた漏電ブレーカーを入れてから漏電を特定できた箇所は飛ばして引き続き安全ブレーカーを最後まで入れる

すべての安全ブレーカーを入れられた場合、エアコンを動作させることで漏電ブレーカーが切れることもあります。この場合はエアコンの故障が原因です。このようにブレーカーを慎重に確認して、漏電している場所を特定しましょう。漏電している部分が判明したら業者に連絡します。

漏電している場合は電力を無駄に消費するため、電気代を確認することで漏電を発見できることもあります。過去の電気代を比較した時に、生活習慣を変えていないのに電気代が高くなっている場合は漏電している可能性も考えられるので、確認しましょう。

屋内配線が問題の場合、先述したように電気工事士の資格を持った人でなければ作業できません。自分で漏電しているのか・漏電している部分はどこなのか判断できない場合は、業者に連絡して確認を依頼するのが無難です。

修理が必要な場合はあらかじめ見積もりを出してもらえるので、併せて相談するのがおすすめです。自身で確認するのが不安な方は、以下のような業者に依頼してください。

また、エアコンのメーカーに相談する手もあります。保証書を見て保証期間や修理方法を確認の上、メーカーか業者のいずれかに依頼しましょう。

運転中に漏電ブレーカーが落ちる理由で最も可能性が高いのが、エアコン内部の故障です。エアコンの中には、電源や電子回路の基本となる高電圧なコンデンサーなどが使用されています。運転中に漏電ブレーカーが落ちる場合、安全を確保するために最初にブレーカーを切りましょう。

ブレーカーを切った後はコンセントを抜きましょう。コンセントを抜くことで不意の通電の防止が可能です。エアコンは消費電力が多いので、一般的なコンセントとは別に配線されています。また、コンセントが壁の上部に設置されている場合があるので作業の際は気をつけてください。

そして、コンセントを抜く場合はブレーカーを落とした後時間を空けてからにしましょう。ブレーカーを落としてすぐコンセントを抜くと、電力が残っていた場合に感電の原因になります。また、濡れた手で触ることも感電に繋がるので、必ず乾いた手で対処しましょう。

エアコンのアース線を外しましょう。ここでいうアース線とは、電源プラグの横から飛び出している黄色や緑色の細いコードがついている部分のことです。先述のアース工事がされている場合に見られることがあり、安全のために専用の端子に繋げる仕組みになっています。

このアース線が付いている場合、1番最後に外しましょう。その後にエアコン修理の業者へ依頼して、故障した部分の修理や交換をしてください。

運転中ではないのに漏電ブレーカーが落ちる場合にはさらに慎重に対処する必要があります。コンセントを抜く必要がありますが、電源プラグに触るだけで感電する可能性があります。そのリスクを避けるために、必ずブレーカーを落としてからコンセントを抜いてください。

コンセントを抜いてもブレーカー落ちなければコンプレッサーの電気回路が原因と考えられ、コンセントを抜いてもブレーカーが落ちる場合は屋内配線が原因の可能性が高いです。

このように確認してコンセントを抜いてブレーカーが落ちなかった場合はエアコンを修理する業者、コンセントを抜いてブレーカーが落ちた場合は屋内配線の業者へ修理を依頼しましょう。

エアコン内部には電子回路や電源などの部品があるので、漏電したら必ず業者を呼んで対処を依頼しましょう。特に漏電の原因が屋内配線の場合は、電気技工士でないと解決できません。経験豊富なプロに任せた方が安全です。

エアコンの構造を知り尽くしたプロであれば、漏電の原因を特定し適切な処置や修理をしてくれます。素人が処置するのは危険なので絶対にしないでください。

漏電したエアコンを修理する場合は、漏電した場所を特定するための調査内容によっても費用が変わります。修理箇所別の修理相場を紹介しますので参考にしてください。（状態によっては相場以上費用がかる場合もあり）

使用頻度や使用している部屋・家族構成などで前後しますが、エアコンの寿命は10年程度。使用しているエアコンが古いものだったり故障が確実だったりする場合は、エアコンを買い替えるのも選択肢の1つです。

エアコンの故障が疑われる場合は、業者に見積もりを依頼しましょう。場合によっては、故障箇所の部品を交換するよりもエアコンを買い替えた方が安いこともあります。買い替えを検討する場合は、以下の記事もぜひご覧ください。

漏電してしまった時には、どこに連絡したらいいのでしょうか。連絡する場所は、住んでいる住宅環境によって異なります。

• 戸建て住宅；電気保安協会・漏電修理業者
• 賃貸住宅：管理会社・建物の大家
• マンション：管理組合・管理会社・電気保安協会・漏電修理業者

電気保安協会は全国各地にあり、一般的には無料漏電調査をしてくれます。漏電修理業者は、一般業者にあたるため、漏電調査・修理には費用がかかります。マンションの場合、共有部分や複数の部屋で症状がある場合には管理会社に、自分の部屋だけの場合は電気保安協会や修理業者に相談しましょう。

雨漏りや結露に注意しましょう。壁や天井に亀裂が生じていたり雨漏りしたりする場所にエアコンを設置すると、そこから侵入した雨水がコンセントに触れることで漏電する可能性があります。

また、エアコンの近くに窓がある場合も、結露による漏電に注意が必要です。雨漏りしやすい場合は雨漏り対処を早急に行い、エアコンの近くに窓がある場合はこまめに結露を拭いて対策しましょう。

エアコンで延長コードを使用したい場合は、エアコン専用の延長コードを選びましょう。エアコンを一般的な延長コードに接続して使用すると火災の原因になり非常に危険です。必ずエアコン専用に作られた延長コードを使用しましょう。エアコン専用の延長コードについては、以下の記事で解説しています。

コンセントを奥までしっかり差しましょう。電源のプラグが奥まで差さっていない場合、隙間からホコリが入り込み漏電する可能性があります。

通電している状態で接触すると火花が散ったり火災を引き起こしたりすることもあるので、作業の際は必ずエアコン本体の電源を切りましょう。ホコリがコンセントの上にたまらないように、こまめに確認することも大切です。

アース線が接続されているか確認しましょう。アース線はコンセントの「アース」と書かれている部分に接続します。専用の端子が2種類あるので、取り付ける前にはどの種類のアース線なのか確認が必要です。

アース線には差し込み式・ネジ式の2種類あり、差し込みタイプはワンタッチで接続可能。ネジ式の場合はドライバーが必要となります。

ただ、ドライバーでカバーを開けてアース線のコードを差し込み、ドライバーで閉めるだけなので、細かい作業が苦手な人でも簡単に繋げますよ。作業の詳細は下のリンクを確認しましょう。

エアコンの消費電力は高く、運転時の電流も高いです。エアコン運転中に他の家電を同時に使用し、ブレーカーが落ちてしまった経験がある方もいらっしゃいます。消費電力＝電圧×電流なので、消費電力が同じくらいなら100vの製品を200vの製品に変更すると、電流は約半分になります。

電流が半分になるなら、契約アンペアに余裕が生まれブレーカーが落ちにくくなりそうですよね。しかし、アンペアブレーカーでは、200vで動作する家電製品の電流は2倍として扱われるため、ブレーカーが落ちにくくなることはありません。

エアコンが漏電した場合、確認方法や対処方法を間違えると事故の原因となるので注意が必要です。不安な方は業者に連絡してプロに任せましょう。そして何より、普段のエアコン稼働環境の見直しが漏電を防止する1番効果的な方法です。この記事を参考に、エアコンの漏電を防止し安全に使いましょう。