レーシックに失敗ってあるの?後遺症や合併症、リスク、デメリット、やらなきゃよかったと言われる理由について解説

レーシック(LASIK)とは、眼の中の角膜にレーザーを当てることで角膜の屈折異常を矯正する視力矯正方法です。眼鏡やコンタクトレンズから開放されるレーシック手術ですが、メリットだけでなく、レーシック手術を受ける人は必ず知っておくべき、さまざまなリスクも存在します。この記事では、レーシック手術を受けようか検討している人に向けて、レーシックのリスク(合併症や後遺症、失明の可能性など)、過去に起きたレーシックの失敗事例、レーシック手術を受けることのデメリットについて解説します。

2025/08/08 更新

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レーシック手術は、2000年に厚生労働省の認可を受けて、急速に普及し、年間で約45万件の手術が行われています。(※)

 

※ レーシックとは|新宿近視クリニック

 

レーシック手術が普及したばかりの当初は、医療器具の不十分な滅菌処理などが原因で感染性角膜炎の集団発生や、過矯正による健康被害が相次いで起こりました。

 

これは、レーシック手術の経験が不十分にもかかわらず参入してきた医師や、形骸化していた当時のライセンス制度による影響だったと言われています。

 

これを受けて現在では、日本眼科学会が作成した屈折矯正手術のガイドラインによって、手術に当たっての安全性確保のための留意点が示されています。

 

ここでは、レーシック手術のリスクと対策方法について解説します。

ケラトエクタジア(角膜拡張症)は、レーシック手術を受ける際に最も懸念されるべきリスクの一つです。

 

角膜には円錐角膜と呼ばれる、角膜中央部が突出する病気があります。円錐角膜は思春期に発症し、通常30歳くらいまで進行します。円錐角膜が進行すると、強い近視・乱視となり、円錐角膜を発症していない人よりも角膜が薄くなります。

 

円錐角膜を発症している人に対してレーシック手術を施術することは、屈折矯正手術のガイドライン(日本眼科学会)により禁忌と定められています。(※)

 

※ 円錐角膜の発症の有無にかかわらず、18歳未満の人も近視の進行が落ち着いていないためレーシック手術を受けることはできません。

 

そのため、レーシック手術を希望する人は、まず最初に適応検査を受け、円錐角膜や緑内障の疑いがないかを確認することになります。

 

ここで、円錐角膜の発症が確認された人、またはその疑いがある人はレーシック手術を受けることはできません

 

しかし、なかには未発症の円錐角膜をもつ人がいます。

 

この未発症の円錐角膜に対してレーシック手術を行ってしまうと、円錐角膜の進行を加速させ、ケラトエクタジア(角膜拡張症)といわれる、レーシック後に円錐角膜が進行した状態となります。

 

ケラトエクタジア(角膜拡張症)の発症頻度は0.1%未満であり、非常にまれな合併症ですが、発症した場合、角膜不正乱視となり、視力の低下が起こります。進行初期はハードコンタクトレンズを使った矯正が、進行すると角膜移植が必要になります。

近視については,矯正量の限度を原則として 6 Dとする.ただし,何らかの医学的根拠を理由としてこの基準を超える場合には,十分なインフォームド・コンセントのもと,10 D までの範囲で実施することとする.なお,矯正量の設定に当たっては,術後に十分な角膜厚が残存するように配慮しなければならない.

出典: https://www.nichigan.or.jp

手術に際しては,術者に求められる高度バリアプレコーションズの遵守,器具の滅菌および術野の消毒とドレーピングを厳格に行うことが不可欠である.(中略)エキシマレーザー装置は手術室に準じた清浄な場所に設置すべきである.また,有機溶剤の蒸気はエキシマレーザーを吸収するため十分な換気を行うよう配慮する必要がある

出典: https://www.nichigan.or.jp

※ バリアプレコーションズ...感染防止のための遮断防御策のこと。具体的には手洗いの励行、マスク、ガウンなどの着用等。バリアプリコーション|ディアケア

 

※ ドレーピング...手術や腹水・胸水穿刺、中心静脈穿刺などの清潔処置の際、清潔な術野を確保するために滅菌済みのドレープで不潔域を覆うことである。ドレーピングによって清潔域と不潔域を明確化することができる。ドレーピング|看護roo!

 

そのため、患者本人ができる対策方法としては、こういったガイドラインの内容に目を通してみたり、施術を検討している施設が実施している感染症対策を、公式ホームページなどから確認してみることなどがあります。

レーシックによる角膜の削り過ぎで遠視にされ、目の周りの筋肉が常時痛む。眼科にて両眼視検査を行い、外斜位が発覚した。プリズムレンズの遠視眼鏡、目薬等で多少の軽減はするものの、毎日痛みでつらい。(平成19年発生 男性 30歳代)

出典: https://www.nichigan.or.jp

レーシック手術を宣伝している眼科医院に行き、手術を受けた。手術前にリスクの説明はなかった。手術後、視力は両目とも 0.8~1.0 くらいになったが、ドライアイになり、10 分ごとに目薬をつけないと目を開けていられないような状態である。事前にリスクを聞いていれば手術はしなかった。(平成22年 女性 40歳代)

出典: https://www.nichigan.or.jp

レーシックという言葉を聞くと、「危ない」「危険」「やめとけ」「やらなきゃよかった」といった印象を抱く人がいます。

 

これは、2008年から2009年の間に東京都中央区の眼科がレーシック手術によって67名もの角膜感染症被害者を出した、銀座眼科レーシック集団感染事件の影響でしょう。

 

該当施設について、のちの判明では、角膜手術における感染の合併症発生率は通常0.03%であるのに対し、当該施設では約10人に1人の感染率で、実に通常の333倍の発生確率であったとされています。

 

この集団感染の原因の一つとして、「元院長が経営効率や営利を重視し手術器具の滅菌をしなかったり、角膜を切開するブレードを使い回したりと基本的な衛生管理を怠ったままレーシック手術を実施していたことによるもの」とされています。

 

当時、レーシックは、眼鏡やコンタクトレンズといった日々のストレスから近視患者を解放させ、生活の質を向上させる、安全で革新的な治療方法として世間に広がりましたが、この事件をきっかけに、レーシックへの信頼は地に落ちることとなり、レーシック手術を安易に受けることについて、消費者庁による注意喚起がされるにまで至りました。

 

これを受けて、日本眼科学会は信頼を取り戻すべく、2010年8月に屈折矯正手術のガイドラインを発表し、全国のレーシック手術を提供する各施設の意識改革を促しました。

 

それから15年の年月を経て、2025年8月時点でガイドラインは第8版まで加筆・修正がされ、近年では、レーシック手術にともなう大規模な医療事件は見られなくなりました。

安心LASIKネットワークとは、南青山アイクリニック東京(東京都港区)の院長・戸田 郁子医師が代表を務める、屈折矯正手術を専門とする眼科専門医の集まりです。

 

安心LASIKネットワークに加入している病院は、以下のような独自に設けた基準を満たし、医師同士で紹介し合えるネットワークを目指しています。

  • お互いが信頼し、紹介しあえる医師または施設である
  • 執刀医が「眼科専門医」であると同時に、角膜の生理や疾患、眼光学に精通している
  • 執刀医が日本眼科学会の指定する屈折矯正手術講習会、および使用機器の製造業者が実施する講習会の両者を受講し、修了証を得ている
  • 執刀医および担当医がレーシック手術だけでなく、眼科診療一般の知識を持ち対応ができる(感染症などの手術における基本的な対策が当然なされている)
  • 術前検査と適応の見極め、手術に至るまでのプロセスを時間をかけて丁寧に正確に行っている
  • 術後のフォローアップ(定期検診や合併症の治療)を何度でもきちんと行う(患者さんの目の状態につき、最後まで、生涯におけるフォローを行う)
  • 原則として、厚生労働省が認可したレーザーをはじめとする医療機器を使用している
  • 日本眼科学会によるエキシマレーザー屈折矯正手術のガイドラインを順守している
  • エビデンスに基づいた治療とフィードバックを常にしている
  • 適切な価格設定であり、極端な割引や、紹介制度で患者や手術を誘導していない

こういった団体に加入している病院は、安全性に関する一定の基準を満たしていることが証明されているため、レーシックを検討している人は、安心LASIKネットワークのホームページに掲載されている病院の中から、気になる施設を見つけて、足を運んでみるとよいでしょう。