ミシン針の付け方を解説｜針の向きや交換方法は？ジャノメなどメーカー別手順も

自宅で過ごす時間が増え、手縫いではなくミシンを使ったより凝った小物作りにチャレンジしたい方も多く見受けられます。しかし、ミシンを使用するにはミシン針やミシン糸などをセットしておく必要があります。

初心者で意外とつまずきやすいのがミシン針の取り付けですが、慣れてしまえばミシン針の着脱は案外難しくありません。しかし、向きや変え方など、取り付けの際に注意すべきポイントがいくつかあります。また、ミシン針は徐々に傷む性質のある消耗品のため交換が必要です。

そこで今回は、ミシン針の着脱方法や注意点について解説します。針を交換すべき時期や正しい針の向き、ジャノメなどのメーカー別交換方法もついても解説しているので、常にミシンを快適に使いたい方は参考にしてください。

ミシン針の差し込み口には針止めネジが付いているので、まずはネジを緩めましょう。その後、針の根元から差し込み口に入れます。なお、差し込み口にはストッパーが付いており、ストッパーに当たるまで差し込まなければいけません。

針を中途半端な位置で固定したまま使うと、ミシンが故障する恐れがあります。また、ミシン針の装着時には針の向きもしっかり確認してください。家庭用ミシンを使用する場合、平らな面を奥側に向けて取り付けましょう。

ミシン針を差し込んだら、左手で針を押さえながら針止めネジを右手で締めましょう。その後、はずみ車を回し、ミシン針が針落ち穴に入るのをチェックすれば装着完了です。ネジはしっかり締めないと針が固定されず、故障に繋がる場合があります。針落ち穴に入らない場合は正しく装着されていないため、付け直しが必要です。

家庭用ミシンでは針の方向が違うと装着できないため、向きを間違える心配はほとんどありません。しかし、工業用ミシンの針には平らな面がなく、間違った向きでも刺さってしまいます。針の向きが違うと、縫い目がきれいに仕上がりません。

そのため、針の方向をしっかり確認する必要があります。針の向きを間違えるのが心配な方には、JUKI製の方向チェッカーがおすすめです。先端に磁石が付いており、ミシン針と接着させれば簡単に向きを合わせられます。

ミシン針が傷んだときや、太さを変えたいときは交換が必要です。ミシン針を交換するときには、それまで使っていた針を外さなければいけません。ここでは、ミシン針の外し方を解説しますので、ぜひチェックしてください。

ミシン針を取り外すときは、最初に必ず電源を切りましょう。電源を入れたまま作業すると、誤って針を動かしてしまう可能性があります。針が動くと手に刺さり、ケガをする危険性があります。また、押えが上がった状態では針をスムーズに外せません。そのため、電源が切れているのを確認したら、押えレバーを下げましょう。

針を付けるときに締めた針止めネジを緩めれば、ミシン針を取り外せます。針を支えながらネジを緩め、ゆっくり針を外しましょう。ミシン針は力を入れすぎなくても簡単に外せるので、優しく丁寧に作業するのが大切です。針を外すときに強い力を加えると故障する場合があるので、針を無理やり取るようなやり方は控えましょう。

ミシン針の付け方や外し方は、基本的には機種ごとに大きな違いはありません。しかし、一部のミシンでは特殊な設定が必要となる場合があります。ここで解説した手順でミシン針の着脱ができない場合は、各メーカーの公式サイトを確認しましょう。

ジャノメ・JUKI・ブラザー・シンガーなど、使っているミシンのメーカーに応じて、公式サイトのQ&Aページを参照してみてくださいね。

ミシンには3つの種類があり、取り付け可能な針や耐久性などが異なります。家庭用ミシンは返し縫いやジグザグ縫いなど、縫い方を選べるのが魅力です。職業用ミシンは直線状にしか縫えませんが、貫通力が高いため厚い生地もきれいに仕上がります。工業用ミシンは最もパワーに優れている上、耐久性も高く24時間使用が可能です。

ミシン針は9～16号に分類され、号数が大きいほど太い針であるのを表します。生地の厚さに応じて、適切な太さの針を選ぶのが重要です。厚い生地に細い針を使うと、針が折れたり曲がったりする可能性が高いです。

ハンカチのような薄手の生地を縫うときには、9号のミシン針が適しています。ワイシャツやタオルなど、中程度の厚さの生地には11号前後の針がおすすめです。ジーンズのような厚手の生地には、14号以上の太い針を使いましょう。

ミシン針は消耗品なので、いつまでも同じ針を使い続けられません。針を交換しなければ、ミシン本体や作品に悪影響を及ぼします。どのようなタイミングで針を交換すればいいか解説しますので、チェックしてみましょう。

ミシンを使っていると、ミシン針にトラブルが起きる場合が少なくありません。厚い生地に細い針を使ったときや、針を落としたときは針の先端が変形する場合があります。また、絡まった糸を強く引っ張った場合、針が折れ曲がる場合も多いです。

ミシン針が変形すると生地をスムーズに通らず、きれいな縫い目ができにくくなります。さらに、最悪の場合はミシンが故障する恐れもあります。針に少しでも異変が見られたら、迷わず新しい針に交換しましょう。

ミシン針の寿命は、生地の質や使用環境などによって変わります。ミシン針は消耗品のため、寿命に関係なく早めに交換するのがおすすめです。針先の潰れたものでは、きれいな仕上がりにはなりません。また、布の種類や厚さ・薄さなどで複数の針を使い分けるのもおすすめです。

ミシン針の交換時期の目安は、音の変化です。先がつぶれた針は布を押し切ってしまうので「ポスポス」といった音がします。また、曲がった針は釜などに先が当たるので「チキチキ」と音がします。このような音がしたらミシン針の交換時期です。

ミシン針は、交換が必要な消耗品です。ですが、その針の処分方法はご存知ですか？ここでは、ミシン針の捨て方について解説します。

ゴミの分類は各自治体によってルールが異なりますが、大抵の場合は不燃ごみとして捨てられます。針を紙に包んで、「折れ針」「危険」などと表記が必要な場合もあります。詳細なルールについては、一度問い合わせて確認するようにしましょう。

ミシン針を1本交換したからといって、その都度捨てるのは危険ですし面倒です。折れてしまったミシン針は、折れ針入れなどの小振りなケースに入れて、ある程度貯めてから捨てるのがおすすめです。ケースの中にマグネットを入れておけば、蓋が開いてしまっても散らばりにくくなります。

ミシンが使えると衣類を補修できるだけでなく、オリジナルの作品作りが楽しめます。生地の厚さに合わせて針を選び、快適に縫えるように針を交換しながら作業しましょう。ぜひミシン針の付け方をマスターして、自分だけの作品を作ってみてくださいね。