空気清浄機で喉が痛いときの原因と対処法｜プラズマクラスターのつけっぱなしはダメ？

花粉症・ハウスダスト・PM2.5などを除去して室内の空気をきれいにする空気清浄機ですが、空気清浄機をつけっぱなしにしているのに鼻や喉痛いといった声も増えています。空気がきれいでも喉が痛くなるのには、空気清浄機の機能や乾燥が関わっているかもしれません。

空気清浄機は単に空気をフィルターで濾過する以外にも、プラズマクラスターなどメーカー独自のイオン発生装置が搭載された商品もあります。しかし、空気をよりきれいにするためのその機能が、喉の痛みなどの体調不良に関わっている可能性も高いです。

この記事では、空気清浄機の使用中に喉が痛くなる原因を詳しく解説します。また、空気清浄機を使いながらできる、喉の痛みへの対処法も紹介するので参考にしてください。

オゾンとは、3つの酸素原子からなる薄青色の気体です。有害な紫外線をブロックするオゾン層を形成しており、地球の大気中にもわずかに存在しています。強い酸化作用を持ち、殺菌やウイルス不活性化・脱臭などの用途で広く利用されている物質です。

その反面、高濃度になると呼吸困難や麻痺・倦怠感などを起こす危険性がある物質です。光化学オキシダントの主成分でもあります。

オゾン濃度が0.5ppmを超えると、呼吸障害や胸痛が起こるとされています。また、0.2ppmほどでも長時間さらされていれば、人によっては視覚が低下したり、頭痛や吐き気をもよおす危険性があります。

空気清浄機の使用においては問題ありませんが、脈拍増加・体痛・麻酔症状・肺水腫などの中毒症状にかかる可能性もあり、注意が必要です。高濃度では毒性が非常に高いものの、美容器で利用するオゾンなどが肌に悪いといった報告はないようです。

空気清浄機からわずかに放出されるオゾンを作り出しているのは、搭載されているイオン発生装置です。メーカーによりそれぞれ名称が異なるイオン発生装置ですが、代表的なものを紹介します。

• プラズマクラスター｜SHARP（シャープ）
• アクティブプラズマイオン・ストリーマ｜DAIKIN（ダイキン）
• ナノイー・ナノイーx｜Panasonic（パナソニック）

メーカーによりイオン発生のメカニズムに違いがありますが、放出したイオンが菌やウイルスの作用を抑制したり、ニオイ成分を分解除去したりするなどの効果は共通しています。

空気が乾燥している季節は、普通に呼吸をしているだけでも喉が乾燥します。また、喉の粘膜の乾燥は口呼吸や長時間のおしゃべり、睡眠時のいびきなどでも起こるものです。吸い込んだ空気が喉に直接触れ続けると粘膜の乾燥が進み、徐々に炎症を起こして喉に違和感や痛みが出ます。

空気中を飛散する花粉やウイルスによって、喉の痛みが引き起こされるケースも少なくありません。もともと花粉症に悩んでいなくても、花粉に大量に触れるとアレルギー反応を起こし、喉の扁桃に炎症が生じて痛むケースがあります。

喉は外部から侵入してくる物質と最初に接触する器官です。そのため、ウイルスが喉に付着すると咽頭粘膜の抵抗力が低下して喉全体が腫れて痛みます。

部屋の空気をきれいにする空気清浄機ですが、空気とともにほこりやカビ菌をキャッチするため、稼働していない時間が長くなるとフィルター内でカビが増殖してしまいます。そのまま使用するとカビを部屋中に放出することになり、部屋の空気が汚れてしまいます。

空気清浄機内にカビが繁殖することを防ぐためには、こまめな掃除が必要です。フィルターのほこり取りや汚れがひどい場合は水洗いをしてよく乾かすようにしましょう。また、加湿タンクも水を入れっぱなしにするとカビが生えるため、週に1度は水を交換するようにしましょう。

ホコリやハウスダストと聞くと、くしゃみや鼻水を思い浮かべる方も多いです。もちろんその症状もありますが、口から吸い込めば喉に直接付着し、喉にイガイガとした違和感を感じる場合も多いです。違和感から咳払いを続けると、炎症を起こしてしまい痛みの原因になります。

イオン発生装置から出るオゾンが喉の痛みの原因ならば、イオンが出ないようにするのが最も簡単な対策です。プラズマクラスター・アクティブプラズマイオン・ナノイーなど、イオン発生装置を搭載した空気清浄機にはイオン発生機能を停止するスイッチがあります。まずは、取扱説明書を確認してイオン発生装置をOFFにしましょう。

加湿機能付き空気清浄機を使用する場合、室内の湿度に注意しましょう。70％を超えるほどの過度な加湿では、雑菌やカビが繁殖しやすいです。一般的に、適切な湿度は40％〜60％と言われており、その数値を超えるとカビが活性化します。カビは喉の痛みの原因にもなるため、湿度が高くなりすぎないように湿度調節してください。

室内の空気を潤すための加湿機能ですが、給水タンクにミネラルウォーターを入れている方が見受けられます。いい水を使う方が身体によさそうだと考えて浄水を使用する方が多いですが、加湿機能付き空気清浄機で使用する水は基本的に水道水が推奨されています。水道水には塩素が含まれており、喉を痛める原因ともなる雑菌が繁殖しにくいです。

メーカーにより異なりますが、一部の加湿機能付き空気清浄機の仕様ではオゾンが漏れる可能性が考えられます。イオン発生装置以外にも、加湿に使用する水の除菌にオゾンを使用するモデルもオゾン漏れの可能性が高いです。

空気の浄化以外にオゾンを使用している場合は、給水タンク用の除菌ユニットを取り外す必要があります。しかし、この方法はメーカー推奨ではないため自己責任で行いましょう。

閉め切った室内では、空気清浄機を24時間つけっぱなしにしないよう心がけましょう。たとえば、先に挙げたオゾンが影響している場合には換気がポイントです。通常20℃の室内ではオゾン濃度が半減するまでには約3日が必要なので、換気しなければ喉の痛みが続きます。また、湿度が高すぎる・低すぎる場合にも、1日に数回換気しましょう。

空気清浄機のフィルターには、空気中に漂うホコリやハウスダストが溜まっています。そのため、掃除をしないとカビが発生する場合もあるので、こまめな掃除が大切です。定期的にフィルターに付着した汚れを掃除しましょう。また、加湿機能がついている場合には、加湿フィルターを取り外して水や洗剤を使用して洗うのをおすすめします。

空気中のホコリやウイルスを除去し、風邪などから身を守りたいときに空気清浄機は頼りになります。しかし、空気清浄機に搭載されたイオン発生装置が原因で喉が痛くなるケースも少なくありません。

風邪や感染症などに抵抗するために、最も必要なのは手洗いうがいです。定期的にうがいをして、口や喉に付着した物質を洗浄して取り除きましょう。また、症状に応じて市販薬を使用したりマスクを着用したり、空気清浄機だけに頼らない方法も試してください。

空気清浄機と加湿器を併用すると、より室内環境を衛生的に整えられます。とくに、乾燥による喉の痛みを感じている方は、加湿器の使用を検討するのがおすすめです。以下の記事では加湿器の選び方やおすすめ商品を紹介しているので、参考にしてください。

喉が弱っている状態では、わずかに発生しているオゾンでも人体に影響を及ぼす可能性があります。まずは、イオン発生の停止やこまめな掃除で対策し、空気清浄機だけに頼らない方法でウイルスやホコリから喉を守りましょう。