CPUグリスおすすめ15選｜塗り直し方法・塗り替え時期も【初心者・上級者まで】

パソコンの使用中に処理落ち・フリーズ・強制終了などが頻繁に起こるようなら、CPUの熱対策が正しくなされていない可能性があります。CPUは適温を超えると制御がかかるため、処理落ち・強制終了などを招くのです。

CPUグリスとはCPUに直接塗布して使うものです。CPUとCPUクーラーの隙間を埋め、CPUで発生した熱をクーラーに伝える働きがあります。

新品で購入した際にはCPUグリスは塗布されていますが、消耗品なので使用期間に応じて劣化してます。グリスが劣化したままを使い続けると、CPUの熱がクーラーに伝わらずさまざまなトラブルの原因となるので交換が必要です。

シリコングリスはゴム部品やプラスチック部品に使っても劣化しづらい定番のCPUグリスです。耐熱性・耐寒性に優れており、−50℃から250℃までと対応温度の幅が広く使い勝手も抜群な特徴があります。

また、シリコングリスにナノパウダーを配合したものを「ナノグリス」といいます。ナノグリスは小さな粒子が詰まっているため、シリコングリスより熱伝導率は高いです。

セラミックグリスは熱伝導の効率が優れているタイプのCPUグリスで、超微粒子セラミックが配合されています。シリコングリスと比べて、成分の密度が高く接触面積が大きいので効率的に熱を排出できます。シリコングリスよりワンランク上のCPUグリスを求めている方におすすめです。

シルバーグリスは銀が含まれているCPUグリスで、熱伝導率が非常に優れている点が特徴です。シルバーグリスは優れた冷却効果を持っているので、CPUの熱をヒートシンクに効率よく排出します。

また、重い3Dゲームやマルチタスクをしていてもパソコンがフリーズせず快適に操作が行えます。熱対策をしっかり行いたい方におすすめのCPUグリスです。ただし、価格は高くなるので購入する際は注意してください。

カーボングリスはシリコングリスにカーボンを配合したもので、非導電性のためショートの心配がなく安心して使えるCPUグリスです。高温になりやすいCPUも効率よくヒートシンクに熱伝導するので十分な冷却効果を得られます。エントリーやミドルPCを使っている方で、コスパを重視する方におすすめです。

ダイヤモンドグリスはCPUグリスの中でも最高品質を誇るグリスで、高純度熱伝導材料によって作られているので高い熱伝導で効率よくCPUを冷却します。非導電性も持っているので塗った後もショートする心配は不要です。

また、長期保存性にも優れており、劣化しづらい特徴があるので何度も使えます。ただし、熱伝導率が優れている一方で値段は高価になるので購入の際は注意してください。

CPUグリスを選ぶ際は、使用しているPCスペック基準すると十分な冷却効果を得られます。ハイエンドPCを使っている場合、定番のシリコングリスでは熱伝導が足りずにCPUを冷却するのが難しい可能性があります。

ハイエンドPCに使用する場合は、ダイヤモンドグリスやナノグリスといった熱伝導率が優れているCPUグリスを選ぶのがポイントです。

CPUグリス選びで最も重要なのが熱伝導率です。熱伝導率は冷却効果に大きく影響を与え、高いほど効率よくCPUを冷却できます。冷却効果の高いCPUクーラーやヒートシンクを使っていても、熱伝導率が低いCPUグリスを使っていると効果は半減してしまうので注意しましょう。単位は「W/m・k」と表記されているので、選ぶときの目安にしてください。

CPUグリスは数年に1度の塗り直しで十分なので、大容量タイプを購入しても保存が大変になります。そのため、コスパを考えて容量を選ぶのがベストです。開封済みのCPUグリスは経年劣化により固まりやすくなるため、基本は少量で安いものを選ぶのがおすすめになります。

初めてCPUグリスの塗り直しをする方は、ショートの心配がない絶縁タイプがおすすめです。絶縁タイプのCPUグリスは熱伝導率が優れており、塗りやすい特徴があるので初心者でも簡単に扱えます。絶縁タイプのCPUグリスには「非導電性」と記載されているので、選ぶときの目安にしてください。

CPUグリスを選ぶときは塗りやすさも大切です。メーカーや製品によって粘度に違いがあるので、初めてCPUグリスの塗り直しをする初心者は口コミを参考にしましょう。塗り慣れていない方は、粘度が低く柔らかいソフトタイプのCPUグリスがおすすめです。

一方で、何度も塗り替えを経験している方は、冷却効果が優れている粘度が高いCPUグリスを選びましょう。

使用PCに最適なCPUグリスを手に入れたとしても、正しくCPUグリスが塗れていないと冷却効果を得られません。そこで、ここではCPUグリスの正しい塗り方について解説します。塗り直し方法と塗り直しの際の注意点をご覧ください。

CPUグリスの塗り直しは以下の手順に沿って行います。PCケースを開けたりCPUクーラーを取り外したりする際は、傷を付けないよう慎重に行ってください。

1. CPUグリスを塗る前にPC内のホコリを掃除する
2. PCケースを開ける
3. CPUクーラーを電源ケーブルと一緒に取り外す
4. ウェットティッシュなどを使用して古いCPUグリスを拭き取る
5. 新しいCPUグリスを塗る
6. CPUクーラーを元のように取り付ける

CPUグリスを塗るときに注意すべき点は次の2点です。

• 気泡が入らないようにする
• 塗りすぎない

気泡が残ったままの状態や塗りすぎてしまうと熱伝導が悪くなり冷却効率が落ちてしまいます。米粒よりやや大きい量を、CPUの中心もしくは全体に薄く塗るのがCPUグリスの正しい塗り方です。

中心に塗るときはCPUクーラーで押して広げるので、やや多めに塗るのががベストです。CPU全体に塗る場合はへらを使って薄く伸ばすようにしてください。

CPUグリスは冷却効果を高めるために必要なアイテムです。定期的に塗り直すと高い冷却性を維持できます。しかし、どのタイミングで塗り替えるべきか分からない方も多いですよね。ここでは、CPUグリスの塗り替え時期について解説します。

CPUグリスは基本的に2年に1回の塗り直しで十分です。しかし、発熱などの異常がある場合には、CPUグリスが劣化している可能性があるので塗り直しましょう。また、掃除のためにCPUクーラーを取り外し・分解したときもCPUグリスの塗り直しが必要になります。

CPUグリスを劣化する前に塗り直すと確かに冷却効果を維持できますが、頻繁にPCを分解して塗るのはあまりおすすめできません。何度も分解・取り付けをしてしまうと故障の原因に繋がる恐れがあるからです。

CPUグリスは少量しか使用しないため、基本は余る場合が多いです。余った場合は密封保存がベストですが、密封の状態によってCPUグリスは経年劣化してしまうので注意しましょう。劣化したCPUグリスを塗り直してしまうと熱伝導率が悪いままになり、熱対策になりません。購入当初よりも劣化していると感じたら、新しいCPUグリスを購入してください。

CPUグリスは乾燥・高温・多湿に弱いため、空気に触れにくいよう密閉しつつ、常温で保存するようにしましょう。特別な容器を用意する必要はなく、購入時の袋・ケース類に入れて保管する要領で構いません。ただし大前提として、チューブのキャップは正しく閉める必要があります。

商品によっては数回に使い分けて使用できるタイプもあるものの、基本的には長期保管しない方が無難です。

CPUグリスが手元になく、他の物で代用をしたいと考えている方も多いですよね。ネット上では、オロナイン・スティックのり・ワセリンなどがCPUグリスの代用として使えると紹介されています。

しかし、パソコン本来の使用用途ではないためパソコンの故障に繋がる可能性があります。CPUグリスの代用として使うのはおすすめできません。きちんとした店舗やメーカーから、CPUグリスを購入しましょう。

PCでゲームを楽しむ方も多いので、ここではGPUのグリス交換について解説します。GPUグリスはゲームのプレイ時間や頻度にもよりますが、1年ほどでの交換が目安です。また、GPUに塗布するグリスは特別なものを用意する必要はなく、CPUグリスを使用して構いません。

お気に入りのCPUグリスがあれば、そちらをそのまま使いましょう。塗布する際にGPUから電気伝導性のあるグリスがはみ出てしまうと故障の原因になるので、絶縁タイプのグリスを購入するのをおすすめします。

CPUグリスはCPU本体の熱を下げるのに重要で、パソコンの動作を左右するといっても過言ではありません。常に最高のパフォーマンスを発揮するパソコンで仕事やゲームを楽しむためにも、定期的にCPUグリスの塗り直しをおすすめします。CPUグリスを選ぶときは塗りやすく熱伝導率が高いものを選びましょう。