無線LANの親機おすすめ8選｜ルーター・Wi-Fiとの違いは？

公共の場所や飲食店でも、無線LANに接続すればパソコンやスマホでインターネットができます。自宅でもネット回線が利用できれば無線LAN環境を構築できますが、どのように進めればいいのかわからない方も多いですよね。

無線LANを使うには、専用の機器が必要になります。その1つが無線LANの「親機」と呼ばれるものです。親機がなければ、デバイスが無線LANに対応していてもインターネットに接続できません。インターネットはほぼ毎日使うため、無線LANについてもしっかりと知っておきたいものです。

今回はネット初心者にとって複雑な、無線LANに必要な機器「親機」について解説します。また、無線LAN親機の使い方・Wi-Fiとの違い・モデムとルーターの違い・2台並列する方法についても紹介します。子機・中継器の役割や無線LAN親機のおすすめ商品も取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。

無線LANとWi-Fiは同じものではありません。まず「無線LAN」は、ケーブルを使用せずに電波を使用してデータ通信をするためのシステムを指します。

一方、「Wi-Fi」は無線でデータ通信をするための規格の1つです。しかし、現在はWi-Fiが無線LANで主流の規格であるため、「無線LAN＝Wi-Fi」と認識されるケースが多いです。

無線LAN親機とは、無線LANと有線LANを繋いだり、無線LAN子機同士を接続したりするための機器です。また、「アクセスポイント」とも呼ばれています。

一方、ルーターは家庭・職場などのLANとインターネットを接続するための機器で、無線LAN親機とは全く異なる役割を担っています。混同しやすいですが、無線LAN親機とルーターの違いはしっかりと把握しておきましょう。

無線LANに関する機器に「モデム」と「ルーター」があります。モデムは、電話回線のアナログ信号をパソコンやスマホで利用できるデジタル信号に変換するための機器です。光回線では、光信号をデジタル信号に変換する「ONU」という機器が用いられます。

ルーターは、モデムからの信号を複数の機器へつなげるための機器です。複数台でインターネット接続をしたい場合は、Wi-Fi機能が搭載されたルーターを使用するのが一般的です。

無線LANの親機は、Wi-Fiの電波を発信するための機器です。「アクセスポイント」と呼ばれる場合もあります。親機はモデムやONUと接続して、Wi-Fiの電波を発信しています。インターネットに接続したいデバイスで無線LANの親機にアクセスすると、ケーブル不要でインターネット接続が可能です。

無線LANの親機がモデムやONUと接続すると、デバイスが無線LANの電波を受信してインターネット接続ができます。現在販売されている無線LAN親機は、複数のデバイスで接続可能なルーター機能を内蔵しているモデルがほとんどです。

そのため、ルーター機能を搭載した無線LAN親機があれば、さまざまなデバイスで無線LANの電波を受信してインターネット接続ができます。

無線LANに使用する機器は、親機のほかに「子機」と呼ばれるものもあります。子機とは、親機と接続できるようにする電波を受信する機器です。子機には通信機能がなく、親機がなければインターネット接続はできません。

また、電波を受信するデバイスがなければインターネット接続もできません。つまり、無線LANは親機と子機がセットの状態で機能するもので、両方揃えるのが必須です。また、設定を変更すれば親機を子機としても使うことも可能です。取り付け型のUSBタイプの子機は、ノートパソコンなどに繋いでインターネットに接続できます。

無線LAN親機は、同時に接続できる端末数が決まっています。1～2台程度であればほとんどの無線LAN親機が対応しています。

しかし、家族全員のスマホ・複数台のパソコンやタブレットを同時接続する場合は、同時接続数が多い無線LAN親機が必要です。無線LAN親機を選ぶ際は、家族の人数や接続する端末数に適した製品を選びましょう。

無線LAN親機を設置する環境も考慮する必要があります。無線LANの親機には、推奨される間取りや人数があります。一戸建てかマンションか、一戸建ての場合は平屋か2階建てかなどの違いに加えて、部屋数や間取りも確認してください。

なお、表示されている推奨利用環境よりも少し大きめの間取りや広さに対応したものがおすすめです。

Wi-Fiには「EEE 802.11a」や「IEEE 802.11b」など複数の規格があります。それぞれ最大通信速度や周波数帯が異なり、現在は「IEEE 802.11n」や「IEEE 802.11ac」が主流です。

周波数帯は「2.4GHz」と「5GHz」の2種類があり、2.4GHzは遠くまで電波が届きやすく、5GHzはさらに高速通信ができます。「IEEE 802.11n」や「IEEE 802.11ac」は両方の周波数帯に対応しているのでおすすめです。

無線LAN親機は、アンテナが内蔵されているタイプと外付けになっているタイプがあります。アンテナ数が多いほど電波が届きやすく、通信速度も速くなります。

内蔵タイプは親機の周囲に電波を拡げやすいので、マンションやワンルームでの利用に最適です。外付けタイプは、アンテナの向きを変えて電波の方向を調整できるので、2階建て以上の戸建て住宅におすすめです。

無線LAN親機の最高通信速度は、「○○Mbps」と表記されています。環境によって通信速度は変動するため、この数値はあくまでも「規格の上で最適な環境が揃った場合の理論値」です。そのため、環境がよければこの数値までの速度は出るといった意味になります。

最高通信速度が速い方が高速通信をできるメリットがあります。また、理論上は同じ環境で最高通信速度の遅い親機を使用するよりも、速いものの方がより速度を出せます。同じような親機で迷っている場合は、最高通信速度が速い方を選ぶのがおすすめです。

メーカーにはそれぞれの特徴があるので、そこから自分に合ったモデルを選ぶのもおすすめです。代表的な人気メーカーの特徴をまとめているので、ぜひ参考にしてください。

• バッファロー（BUFFALO）：独自のメッシュ技術で同時接続台数・接続範囲を増やすのに向いている。初心者向けの使い方が簡単なモデルも多数。
• エヌイーシー（NEC）：Wi-Fi5・6対応商品を取り扱う。アンテナ内蔵型でスッキリしたデザイン。ネット接続した端末をスマホで確認可能など、セキュリティ機能が充実。
• エレコム（ELECOM）：リーズナブルで同時接続台数の少ない方におすすめ。ビームフォーミング・MU-MIMO・IPv6対応などの多機能モデルが多く、広い家でも安定しやすい。
• TP-Link(ティーピーリンク)：価格が安いモデルが多く、コスパ重視の方向け。

無線LAN親機の設定と使い方は、以下を参考にしてください。

1. 無線LAN親機をLANケーブルでモデムまたはONUと接続：LANケーブルで接続された親機は、ネット回線に接続できる電波を発信できるようになる。
2. 子機側で接続設定を行う：スマホやパソコンなど、インターネット接続をする端末で無線LAN設定を行う。親機のネットワーク名とパスワードを入力すると、親機からの電波を受信してインターネット接続可能になる。

無線LAN親機の寿命は、本体以外に通信規格・セキュリティの寿命があります。本体は使い続けていくうちに、汚れ・破損・熱などの物理的な要因で劣化していきます。一般的に本体の寿命は4～5年といわれていますが、使用環境によって早く寿命を迎える可能性がある点は考慮してください。

また、通信規格は定期的に新規格が登場し、古くて遅い規格では通信に問題が起こります。そのため、故障ではありませんが「寿命」といわれ、2～6年が目安です。さらに、セキュリティも日々進化しており、古い暗号化方式のものではリスクが大きくなります。暗号化方式は2～5年おきに更新されるため、その年数を目安にしましょう。

無線LAN親機を2台並列させてネットワークを拡張できます。ただし、親機2台をそのまま使うと2つのアクセスポイントができるため、1台をブリッジモード（APモード）や中継器モードなどに設定してもう1台の親機と接続します。このとき、通信速度が低下しないように、スペックが高い方の機種を親機に設定しましょう。

次に、両方の親機のネットワーク名である「SSID」を同じものに設定すれば、同じ接続先で電波が届く範囲を拡大可能です。

無線LAN親機を2台用意する他にネットワークの範囲を拡げる方法として、「中継器」を使う方法があります。中継器とは、親機から受信した電波を更に遠くまで飛ばす機器です。親機を2台設置して設定を変えるより、比較的簡単に電波の範囲を拡げられます。中継器は安いものや小型なものが多いので、親機を買い替えるより費用が抑えられるのもメリットです。

ただし、中継器は使用している親機と同じ無線LAN規格に対応しているものを選んでください。また、周波数帯は2.4GHzと5GHz両方に対応しているものがおすすめです。

家庭内で無線でネットを使用する際は、無線LAN親機は必ず必要です。 無線LAN親機は使用する場所や間取り、使用人数や使用目的などによって適した機種が異なります。環境に最適な無線LAN親機を選んで、いつでも快適なネットを楽しみましょう。