静音CPUクーラーのおすすめ11選｜コスパ最強やおすすめメーカーも紹介

CPUクーラーの役割はCPUを効率的に冷却することです。一方、動作音が静かであるかどうかも重要視される大切なポイントです。つまり、CPUクーラーは冷却力と静音性を併せ持った機種がベストだといえます。

しかし、CPUクーラーには多くの種類があり、どれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いはず。本記事では優れたおすすめのCPUクーラーを「静音CPUクーラー」として紹介しています。値段と性能が両立できているコスパ最強のモデルも紹介しているので、ぜひCPU選びの参考にしてください。

デスクトップPCを扱うのが初めての方や、CPUクーラーを触った経験のない方もいますよね。そこで、記事前半では基礎知識として一般的なCPUクーラーの選び方や、静音性のチェック方法についても紹介しています。静音CPUクーラーのおすすめメーカーとおすすめ商品は記事後半にてピックアップします。

初心者の方にも分かりやすいように、最初にCPUクーラーに関する基礎知識を紹介します。CPUクーラーの種類や選び方などを掴んでください。

CPUクーラーとはCPUの冷却・放熱処理を行う機器です。PCの要であるCPU（中央演算装置）は、電気を利用して計算処理を行う役割があります。膨大なデータを扱う際には処理に伴ってCPUの負荷が大きくなり、熱が上昇してしまいます。

CPUがオーバーヒートすると電源が自動的にシャットダウンし、PCの動作を止めます。したがって、CPUが熱暴走せず正常に動作し続けるためには、CPUクーラーによる冷却作用が必要なのです。

サイドフロー型の空冷式CPUクーラーは、マザーボードおよびCPUに対して垂直に機器を装着する方式です。CPUに接するヒートシンクに集中して送風するため、CPUを効率的に冷却できるのが特徴です。一方で、マザーボード全体への送風はできません。

ケース内の基本的なエアフローを乱さずに済むほか、マザーボードをメンテナンスしやすい点が魅力です。

トップフロー型の空冷式CPUクーラーは、CPUの上から風を送り込む方式です。CPUに風を当てるとマザーボード全体にも風が行き渡るため、メモリやチップセットなども同時に冷やせます。サイドフロー型と比較すると設置場所を取らないため、コンパクトなPCにも取り付けやすいのが魅力です。

水冷式とは液体を媒介としてCPUの熱をラジエーターに移し、ファンで風を当ててラジエーターを冷却する方式です。空冷よりもスペースの制約が少なく、その分大きなラジエーターを取り付けられます。

空冷式と比べて静音性が高いものが多いのもメリットの1つ。ただし、経年に伴って液体が蒸発していくため、液体の補充や機器の交換を考慮しておく必要があります。

マザーボードには必ず、CPUを取り付けるためのソケットが搭載されています。ソケットには細かい針状のピンが付いており、CPU裏側のピンと噛み合わせて固定・通電する仕組みです。ソケットの規格はCPUのメーカー・世代によって異なります。

Intel・AMDの各CPUには、モデルごとの世代と規格がある点にも注意が必要です。あらかじめPCのマザーボードの商品名や型番をチェックし、該当するCPUソケットの規格を把握しておきましょう。

ファン回転数とノイズレベルの関係は、家電の扇風機と同じロジックです。回転数が多いほど冷却性能は高くなる一方、稼働音も大きくなります。ファン回転数は「rpm」（revolutions per minute）で表します。

ノイズレベルは騒音の度合いを示す指標「dB」（decibel）で表記され、数値が大きいほどノイズが大きく、反対に数値が小さいほどノイズが少なく静音性が高いことを表します。

CPUクーラーの冷却性能を知るためには、指標「CFM」に注目します。CFMとは“Cubic Feet per Minute”の略で、1分間にヒートシンクに当てる風の度合いです。数値が大きいほど多くの風を当てられるため、冷却性能が高いといえます。

ヒートシンクには放熱作用があるため、大型のものほど優れた冷却性能を発揮します。水冷式でも考え方は同じで、ラジエーターが大きいほど効率的に冷やせる仕組みです。

CPUクーラーのサイズには縦横の幅だけでなく、高さの概念も含まれるため、取り付けの際は立体的なスペースを確保する必要があります。特に空冷タイプの場合、トップフロー型・サイドフロー型のどちらかによっても対応が左右されます。

マザーボードに取り付けた状態でのサイズ感も課題です。機種によっては、ボディがメモリスロットやPCIeスロットの上にせり出してしまう場合も。サイズの数値をチェックするだけでなく、装着後のシミュレーションも必要です。

どのように固定するCPUクーラーなのかも、購入前にチェックしておくべき項目のひとつです。CPUクーラーの取り付け方式は、バックプレート式・ネジ固定式・プッシュピン式などがあります。

バックプレート式は、マザーボードをCPUクーラーとプレートで挟んだ上で固定するタイプです。工具を使って固定する必要があるため、しっかり固定できます。ネジ固定式も同じく、確実な固定が可能です。しかし、着脱に手間がかかる点がやや難点といえます。CPUクーラーがずれてしまわないか心配な方におすすめです。

プッシュピン式（クリップ式）は、ピンが搭載されているタイプのCPUクーラーにおいて可能な固定方式です。マザーボードにある穴にCPUクーラーのピンを押し込んで固定します。比較的簡単に固定できるため、CPUクーラーを初めて扱う方におすすめの固定方式です。

MTTFは故障して使えなくなるまでの目安時間を表しており、「MTTF 120,000時間」などと表記されています。CPUクーラーはPCの起動中ずっと稼働し続けるので、冷却効果が高くてもMTTFが短いCPUクーラーはすぐに使えなくなってしまう可能性があります。そのためCPUクーラー購入時は、MTTFも確認して選びましょう。

静音性を追及するなら、ファンレス対応のCPUクーラーも選択肢の1つです。ファンレス環境ではファンの動作音がなくなるため、静音・無音を実現できます。ただし冷却作用をヒートシンクに頼る形になるため、高負荷の作業を継続するには不向きです。

ファンレス対応のCPUクーラーを採用する前提としては、3Dゲーム・動画編集・マイニングなどといった高負荷の動作を行う必要のない環境がおすすめです。

Noctuaは2005年に設立された台湾のメーカーです。静音ファンに強みを持ち、CPUクーラーとケースファンの製造に特化しています。価格はやや高いですが、静音環境構築の話題には欠かせない存在です。カラーリングやパッケージの装幀も含めてデザイン性が高く、魅力です。

「鎌」の英訳を社名とするScythe（サイズ）は、千葉県に本社を置く日本の企業です。PC・サーバー本体も手がける総合メーカーですが、中でも価格帯・グレードともに中級者層をターゲットとしたPC周辺機器を得意とします。商品を和テイストのモデル名で統一する、ユニークな企業スタンスも特徴です。

ENERMAXは1990年に創業した台湾のメーカーです。元々電源の製造業からスタートしており、後にPCケース・ファンなども手がけるようになりました。2003年には日本法人が設立されています。低価格ながら水準以上の性能を持つラインナップで、特に入門者から好評。全体的にシンプルで扱いやすい商品設計が魅力です。

PC環境を静音化するには、静音CPUクーラーの取り付けが欠かせません。静音CPUクーラー次第で、PC使用時の集中力が左右されるのです。本記事で紹介した基礎知識やおすすめ商品などを参考に、ぜひ最高の1台を見つけてください。