有線LANが遅いときの対処法｜無線の方が早い理由はなぜ？原因や改善方法も

通信状態が悪くなり、なかなかWebサイトや動画の視聴をスムーズに行えず、ストレスが溜まった経験のある人はいませんか。「あのくるくる回るマークをもう見たくない！」と思っている人も多いですよね。

一般的には直接接続を行う方が通信ロスが少ないので、無線LANよりも有線LANの方が通信速度が速くなる傾向にあります。LANケーブルをつなげられるなら、通信速度が速く安定性も高い有線LANがおすすめです。

ただし、光回線業者・LANケーブル・ルーターの選び方を間違えると、通信速度が不足するケースがあります。そこで今回は有線LANについて解説します。「有線と無線、どっちが速いのかわからない」「有線でも無線でも通信速度は変わらないだろう」と思っている方がより快適なパソコンライフを送れるように、通信速度を高めるポイントや方法についても詳しく紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

2Gbps以上の通信速度を出せる光回線や低速のADSL回線はありますが、多くの光通信プロバイダーの速度の上限は1Gbpsである場合が多いので、1Gbpsが平均速度です。ただし、光ファイバーの分岐数やサーバーの混雑状況によって大きく変化するので、実際の通信速度は理論値よりも大幅に低くなります。

特に利用者の多いフレッツ光では、夜間の速度低下が顕著に表れ数Mbpsしか出ないケースも。平均的な通信速度を速めたい人は、光ファイバーの分岐数や利用者数の少ない光通信業者を選びましょう。

通信速度には、送信の速さを決める上り速度と受信速度を左右する下り速度の2種類があります。動画やWebサイトの視聴などを行う時は、サーバーからデータを取り入れる必要があるので、上り（アップロード）速度よりも下り（ダウンロード）速度の方が重要です。

下りの実通信速度が10~30Mbpsあれば、快適にWeb閲覧や動画視聴を行えます。ただし、実際の通信速度は、計測値の3~6割程度になります。

有線LANと無線LANとではどちらがいいのか、それぞれのメリットとデメリットを表にまとめました。

Windows10では、以下の4つの手順により、通信速度の理論値と実効値を確認できます。

1. 左下の検索欄を使って「ネットワークの状態の確認」を開く
2. Wi-Fiの下にあるプロパティでリンク速度（理論値）を確認する
3. Ctrl + Alt + Delete キーを同時に押してタスクマネージャーを開く
4. 「パフォーマンス」の項目をクリックして実際の送信・受信速度を確認する

ただし、タスクマネージャーで実通信速度を計測しても、Wi-Fiに100%負荷をかけた時の通信速度は把握できません。Wi-Fiの通信速度を正確に知りたい人は、Fast.comやUSEN GATE等の回線速度測定ツールを使うようにしましょう。

上記の方法よりも単純な操作で通信速度を計測したい方は、ウェブサイト上で計測が可能なサービスの利用をおすすめします。「測定開始」のボタンをクリックするだけで測定できるので、機械に不慣れな方でも簡単に測定できます。ダウンロード・アップロードの速度だけでなく、WEBサービス・動画・ゲーム・ビジネスの4つの項目別の結果も見られます。

LANケーブルが劣化すると、内部の電線が断線しかかって接続不良に陥るケースがあります。LANケーブルは動かす機会が少なく、適切に利用すれば20~30年間の使用が可能なので、LANケーブル自体の劣化に関してはそこまで心配する必要はありません。

ただし、古いLANケーブルは通信速度の遅い規格が使われている場合が多く、カテゴリ5以下の製品だと明確な速度低下が生じるので、LANケーブルの規格をチェックしておきましょう。

LANケーブルの規格によって大幅に通信速度が変わるので、ケーブルの規格（カテゴリー）を必ず確認する必要があります。カテゴリーごとの通信速度と帯域は以下の表の通りです。

カテゴリー7以上はシールド線になっていて、互換性の問題で取り扱いづらいので、カテゴリー6AのLANケーブルがおすすめです。

低性能なルーターや古いルーターを使っていると、十分な通信速度を確保できず、通信性能が低下する場合があります。LANケーブルの買い替えで通信速度の低下が改善されないときは、ルーターの買い替えも行いましょう。

ルーターの周りに電子機器を置くと、LANケーブルにノイズが乗り通信が不安定になる場合があります。特に、電子レンジやIHヒーターの近くに置くと、通信速度の低下が表れます。通信速度の低下が気になる人は、テレビ等の電子機器と離した上で、キッチンから遠い場所にルーターを置くようにしましょう。

Wi-Fiでは同時接続を行うと、混線が発生して通信速度の低下が生じるケースがあります。一方で、有線LANでは他の機器との電波干渉が生じづらいので、同時接続による速度低下は発生しづらいです。

ただし、ルーターの有線LANのポート数は限られているので、ポート数が不足している場合は同時接続を減らすようにしましょう。

パソコンのOSは最新のものにアップデートしていますか。ネットワークドライバーの不具合が通信速度に影響している場合は、OSを最新版にすると問題が解決される可能性があります。アップデートをしばらくしていなかった方は、この機会にぜひ行いましょう。

一般論として有線は無線よりも速度が出やすいものの、例外的に無線の方が速い場合もあります。有線が無線よりも遅い事象の多くは、ネットワーク機器・PCいずれかの問題によるものです。

（例）

• ネットワーク機器の問題・・・LANケーブルの規格が古い・ケーブルの劣化など
• PCの問題・・・OSが古い・ネットワークアダプタの異常など

有線・無線のどちらも利用できる場合は定期的に速度比較を実施し、接続のコンディションをチェックするのもおすすめです。

回線速度を根本的に上げたい人は、LANケーブルやルーターの買い替えだけでなく、光回線業者やプロバイダーの変更を行うのがおすすめです。回線業者選びで一番重要なのが通信方式であり、IPV4方式やモバイル回線では高い通信速度を出せません。

通信速度を速くしたい人は、利用者の多いフレッツ光以外の固定回線と契約した上で、混線しづらいIPV6に対応したプロバイダーを選びましょう。固定IPアドレスは法人向けの契約になるので、一般の方はIPの種類まで気にする必要はありません。

光回線業者の中には、2Gbps以上で通信を行える業者も存在します。通信速度にこだわる人は、NURO光等の高速光回線業者と契約するのがおすすめです。

LANケーブルやルーター等の通信環境が悪いと、通信速度が大幅に落ちてインターネットや動画を視聴するのが難しくなるときがあります。回線業者も含めた通信環境を徹底的に見直して、インターネットを快適に使えるようにしましょう。